概要情報
事件名 |
大東洋生コン |
事件番号 |
大阪地労委昭和62年(不)第37号
大阪地労委昭和63年(不)第68号
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申立人 |
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
被申立人 |
有限会社 大東洋生コン |
命令年月日 |
平成 1年12月13日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合員X1に対し、過積載拒否を理由に雑務に従事させたこと、(2)組合員に対し、過積載拒否を理由に配車差別、残業差別等を行ったこと、(3)61年年末一時金の支給に当たり差別的取扱いを行い、62年夏季一時金を支給しなかったこと、(4)各一時金の交渉で誠意をもって団交に応じなかったこと、(5)団交で分会員の出席を認めない等の態度をとり誠実に対応しなかったこと、(6)待機時間中に車外に出ること等を禁じたことが争われた事件で、(1)につき雑務に従事させる等の差別禁止、(4)につき誠実団交応諾、(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)については、文書の手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合大東洋生コン分会員X1に対して、過積載拒否を理由として、出 荷業務以外の雑務に従事させる等の差別を行ってはならない。 2 被申立人は、申立人組合から昭和62年4月15日以降申入れのあった、申立人組合大東洋生 コン分会員の昭和62年夏季、同年年末、及び同63年夏季一時金を議題とする団体交渉に、申 立人組合が過積載に応じることを条件とすることなく、誠意をもって応じなければならな い。 3 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 執行委員長 X2 殿 有限会社 大東洋生コン 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号、 第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行 為を繰り返さないようにいたします。 記 (1)貴組合大東洋生コン分会員に対し、過積載等の拒否を理由として配車差別及び残業差別 等を行ったこと (2)貴組合大東洋生コン分会員に対し、昭和61年年末一時金の支給に当たって差別的な取扱 いを行い、さらに同62年夏季一時金を支給しなかったこと (3)貴組合との間に開催された昭和61年9月9日、同年10月28日、同年12月10日及び同62年 3月18日の団体交渉において、分会員の出席を認めない等の態度をとり誠実に対応しな かったこと、及び昭和62年4月15日以降申入れのあった昭和62年夏季、同年年末、及び 同63年夏季一時金を議題とする団体交渉において、貴組合が過積載に応じることを条件 として誠実に対応しなかったこと (4)貴組合大東洋生コン分会員に対し、昭和61年2月28日以降待機時間中、車外に出ること や座席のシートを後ろに倒すこと等を禁じたりする嫌がらせを行ったこと |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2900 非組合員の優遇
非組合員のみに年末一時金相当額の出荷協力金を支給し、過積載を拒否した分会員に支給しなかったことが不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
過積載等の要求に応じないことを理由に分会員に配車、残業等の差別をしたことが不当労働行為であるとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
分会員が過積載等を拒否して以降、待機時間中に車外で雑談をしない、車内でラジオを聞いたり新聞雑誌を読まない等を指示したことが不当労働行為であるとされた例。
2244 特定条件の固執
昭和62年以降の一時金交渉において、過積載拒否の撤回が一時金支給の前提条件であるとして一時金を全く支給しない、あるいは極めて低額の回答しか示さないことが誠実に団交に応じたものとはいえないとされた例。
2211 団交ルールの先議
団交開催について、会社回答に対し組合の文書回答を求めたり、分会員の出席を認めない、分会員の委任状を要求する等の態度をとったことは、誠実な対応であるとはいえないとされた例。
4420 団交を命じた例
組合の一時金支給の請求に対して、一時金の支給額については団交によって決せられるべきであるとして、過積載に応じることを条件とすることなく、誠意をもって団交に応じることを命じた例。
4421 文書掲示等を命じた例
組合の3トン規制道路への進入、昼休み中の就労拒否を理由とした配車、残業等の差別の禁止の請求に対して、分会員はすでにこれらの行為を拒否しておらず、これを理由とした差別的取扱いを受けていないことから文書手交を命じた例。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集88集383頁 |
評釈等情報 |
 
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