概要情報
事件名 |
ネッスル(第三島田工場) |
事件番号 |
静岡地労委 昭和60年(不)第2号
静岡地労委 昭和62年(不)第3号
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申立人 |
ネッスル日本労働組合島田支部 |
被申立人 |
ネッスル 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 9月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合のビラ配布活動を妨害し、ビラ配布を行った組合員に対して警告書を発したこと、(2)警告を理由として組合員に対して「大入袋」と称する一時金を減額して支給したこと、(3)上記支給金に関する組合の団交申入れを拒否したことが争われた事件で、(1)ビラ配布の妨害及び警告書の交付の禁止、(2)減額分の支払い(年5分加算)、(1)(2)の文書掲示を命じ、(3)別件にて団交拒否の禁止を既に命じているので必要ないとして棄却した。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人組合が就業時間開始前に島田工場正門前付近において行うビラ配布の 活動及び休憩時間中に同工場厚生棟内において行うビラ配布活動を妨害してはならない。ま た、申立人組合員に対して上記組合活動を理由に警告書を発してはならない。 2.被申立人は、別表に記載した者に対し、同表記載の各金員及びこれに対する昭和61年 4月 26日から支払いの日まで年5分の割合による金員を支払わなければならない。 3.被申立人は、この命令交付後速やかに、縦60cm×横120cmの白紙に、下記のとおり楷書で墨 書し、これを島田工場の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 当社が、貴組合に対し、昭和59年 7月31日、同年10月15日、翌16日及び昭和60年 2月 1日 に当工場正門前付近で行った就業時間開始前のビラ配布活動並びに昭和59年 7月31日に当工 場厚生棟内で行った休憩時間中のビラ配布活動を妨害し、また、これに参加した組合員に対 し警告書を発したこと、ついで昭和61年 4月25日の「大入袋」の支給に際し、ビラ配布活動 等を行った貴組合員に対し、警告等を理由に「大入袋」を減額して支給したことは、いずれ も不当労働行為であると静岡県地方労働委員会において認定されました。 今後、このような行為を一切行うことのないよう誓約致します。 平成 年 月 日 ネッスル日本労働組合島田支部 執行委員長 X1 様 ネッスル株式会社 代表取締役 Y1 4 その余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0211 その他の組合活動
1201 支払い遅延・給付差別
大入袋支給に際し、ビラ配布活動等を行った組合員に対し、警告書を発し、この警告1件につき1日の欠勤があったものとみなして大入袋を減額して支給したことは失当であるとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0700 職場規律違反
1203 その他給与決定上の取扱い
組合員3名に対し、無断職場離脱、業務上の事故あるいは無断欠勤等を理由に警告書を発し、この警告を欠勤とみなして大入袋を減額支給したことが不当労働行為であるとされた例。
2249 その他使用者の態度
申立人組合支部執行委員長X2による団交申入れは、なんら権限のない一組合員による申入れであり、会社がこれに応じなければならない義務はないとして団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
2620 反組合的言動
3020 組合活動への制約
申立人組合が就業時間開始前に工場正門前付近で行ったビラ配布活動及び休憩時間中に工場厚生棟内で行ったビラ配布活動を妨害し、組合員に警告書を発したことが支配介入に当たるとされた例。
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
当地労委は別件事件で、本件と同じ理由により団交を拒否してはならない旨命じているので、本件について改めてこれを命ずるまでもないとされた例。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集87集537頁 |
評釈等情報 |
 
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