概要情報
事件名 |
石塚証券 |
事件番号 |
中労委昭和59年(不再)第32号
中労委昭和59年(不再)第33号
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再審査申立人 |
石塚証券 株式会社 |
再審査被申立人 |
石塚証券労働組合 |
命令年月日 |
昭和61年12月17日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、前社長が団交の際押印して組合に手交した回答書の内容について協定書化を拒否したこと、同回答書を内容とする協約の解約通告をしたこと、組合員X1が顧客との間で発生させた損金に係る損害賠償請求問題についての団交を拒否したこと、N証券との合併の白紙撤回及び今後の経営方針問題について誠意ある回答を行わなかったことが争われた事件で、協約の解約通告がなかったものとしての取扱いと回答書の内容での協約の作成、組合員X1の問題についての団交の実施及び文書手交を命じ、陳謝文の掲示及び合併の白紙撤回等に関する団交問題については申立てを棄却した初審命令について、主文の文言を一部改めたほかは、各再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 本件初審命令主文第1項を次のとおり改める。 1.石塚証券株式会社は、昭和57年3月8日付回答書についての58年11月11日及び同月15日 付通告書をなかったものとして取り扱い、かつ同回答書の内容(ただし第7項を除く。) で協定書を作成しなければならない。 2 本件初審命令主文第3項の記中「X2」と「X3」に、「大阪府地方労働委員会」を「中央 労働委員会」に、それぞれ改めるほか、同項記の記の(1)を次のとおり改める。 (1)昭和57年3月8日付回答書の内容(ただし第7項を除く。)による協定書の作成を拒 否し、また58年11月11日及び同月15日付通告書により解約予告を行ったこと。 3 その余の本件各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2247 解決済
会社合併の白紙撤回の経緯、理由及び今後の会社の経営方針につき、会社は、既に団交等において回答しており、不当労働行為に当たらないとして、組合の申立てを棄却した初審判断は相当であるとされた例。
2252 署名・調印拒否
会社回答を内容とする協定書の作成を拒否したことが不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
2307 その他
会社が顧客に支払った損害賠償金を分会長X1に請求した問題は団交事項ではないとして、団交を拒否したことを不当労働行為であるとした初審判断と相当であるとされた例。
3106 その他の行為
団交の結果合意した事項につき協定書の作成を拒否しておきながら、同回答書を期間の定めのない労働協約に準じて解約する旨通告したことを不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
4614 文書手交のみを命じた例
会社回答書を内容とする協定書の作成を拒否し、回答書の解約を通告したこと等に対する救済として、同回答書の内容で協定書を作成すること及び文書の手交等を命じた初審判断は相当であるとされた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集80集784頁 |
評釈等情報 |
 
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