概要情報
事件名 |
社会保険鳴和総合病院 |
事件番号 |
中労委昭和60年(不再)第33号
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再審査申立人 |
社団法人 全国社会保険協会連合会 |
再審査被申立人 |
健康保険病院労働組合鳴和総合病院支部 |
命令年月日 |
昭和62年12月16日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
病院が、(1)組合脱退又は不加入を慫慂したこと、(2)組合費のチェックオフをしなかったこと、(3)組合旗を撤去したこと、(4)地労委の調査等に出席するため外出した組合員に対して賃金カットしたこと等が争われた事件で、全社連及び病院に対し、(1)及び(3)についての支配介入の禁止、チェックオフの実施、賃金カット措置の撤回と相当額の支払い、時間内組合活動に係る賃金の取扱いについての協議等を命じ、脱退組合員に係る組合費チェックオフの継続及び未納組合費の徴収は棄却した初審命令について、全社連の一構成部分である病院を当事者から削除し、主文中、支配介入の禁止、文書交付に係る部分を取り消し、その他主文文言を一部変更したほかは、全社連の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 本件初審命令主文第1項及び第2項を取り消す。 2 本件初審命令主文第3項ないし第6項中「及び被申立人社会保険鳴和総合病院」を削る。同第3項中「本人からの申出の有無にかかわらず」を「従前の取扱いにより」に改め、ただし書を削る。同第5項中「組合活動に係る賃金の取扱いについて申立人と協議しなければならない」を「組合活動を理由とする外出に係る賃金の今後の取扱いについて変更しようとする場合は、申立人と協議をつくさなければならない。」に改める。 同第3項を第1項とし、同第4項ないし第7項を2項ずつ繰り上げる。 3 その余の本件各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
病院が、従前の取扱いと異なり組合活動を理由とした賃金カットは、組合が別事件について労委へ救済申立て直後の事情からみて不当労働行為であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
副病院長が新規採用医師3名に対し、組合加入は自由である旨の発言及び9名の医師に対して組合から脱退等を慫慂したことが支配介入であるとした初審判断は失当であるとして取り消した例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
病院が、組合と話し合うことなく新規採用者全員のチェックオフを中止したことが不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
3020 組合活動への制約
病院の、組合に対し無断掲揚した組合旗の撤去の申し入れに組合がこれに応じなかったため病院事務長らが撤去した行為は、手続、方法等からみて不当労働行為とはいえないとして初審判断を取り消した例。
3103 労働協約締結をめぐる行為
病院が、X1医師の非組合員協定締結を拒否したからといって、直ちに不当労働行為とはいえないとして初審判断を取り消した例。
5130 法2条但書との関係
病院の、医師である部長、看護学校の教務主任を組合員としていることから、労組法上の組合でないとの主張に対して、職務内容からみて使用者の利益を代表する者に該当しないとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集648頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1988年4月10日 777号 14頁 
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