概要情報
事件名 |
北辰電機製作所 |
事件番号 |
東京地労委昭和47年(不)第42号
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申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部 |
申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合 |
申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部北辰電機支部 外個人19名 |
被申立人 |
株式会社 北辰電機製作所 |
命令年月日 |
昭和51年12月 7日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
上部組合支持派組合員に対する賃金・一時金の考課査定差別ならびに昇格差別事件で、是正すべき考課点を示し、これを基礎として査定額の決定、差額の支給、昇格遡及実施とバックペイ、将来にわたる差別の禁止、ポスト・ノーティス及び命令の履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社北辰電機製作所は、申立人X1ら19名に対して、昭和46年度昇給考課および夏季賞与考課の考課点を後記目録(省略)のとおり是正し、是正された考課点を基礎として、同人らの昇格査定額および夏季賞与査定額を決定し、その差額を支払わなければならない。 2 被申立人会社は、申立人X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7、同X8、同X9、同X10、同X11を、昭和46年6月に遡ってそれぞれ主事補に昇格させ、同時期より手当、退職金算出にあたり、その資格あるものとして取扱い、差額を支払わなければならない。 3 被申立人会社は、今後申立人組合所属の組合員に対し、申立人組合の組合員であること、申立人組合の組合活動をしたことの故をもって昇格、昇給、賞与につき差別してはならない。 4 被申立人会社は、本命令書受領後1週間以内に55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に下記のとおり明瞭に墨書して、本社正門の従業員の見易い場所に、10日間掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 日本労働組合総評議会全国金属労働組合 中央執行委員長 X12 殿 日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部 執行委員長 X13 殿 日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部北辰電機支部 執行委員長 X10 殿 株式会社 北辰電機製作所 代表取締役 Y1 当社が、貴組合の組合員に対し、昭和46年度昇格、昇給、夏季賞与の査定にあたり差別したことは、不当労働行為であると東京都地方労働委員会で認定されました。今後は、このようなことのないよう留意いたします。 この掲示は、同地方労働委員会の命令によって行なうものであります。 (注、年月日は文書を掲示した日を記載すること。) 5 被申立人会社は、第3項を除く前各項を履行したときは、すみやかに当委員会に報告しなければならない。 6 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
2901 組合無視
上部組合派組合員の昇給査定額は同卒年者と比較すると年度が下るに従い低位に集中する傾向が顕著で、それは労使関係の険悪化と軌を一にしていること、会社は人事考課の公正さについて同卒年者等の考課点及び評定要素別評定点に関する疎明資料を提出せずして申立人らの評定点が低い理由のみを述べるにとどまり、有効な疎明をせず、また、評定要素中、企業への協力度等を著しく低評定していることは会社の方針を支持しないことが理由と考えられ、更に、人事考課が行われた時期が組合批判派への支援を会社が意図していた春闘中であること等からみて、人事考課の公正さには疑問があり、本件46年度昇給査定額の差別は申立人らが上部組合派組合員であることを理由とする不当労働行為である。
1202 考課査定による差別
2901 組合無視
上部組合派組合員であることを理由に一時金査定額をその他の組合員と比べ差別したことが不当労働行為とされた。
1200 降格・不昇格
2901 組合無視
上部組合派以外の者は病気欠勤歴のある1名を除いた全員が昇格しており、上部組合派組合員を主事補に昇格させなかったことは、同人らが上部組合派であることを嫌ったためとみるのが相当である。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集60集276頁 |
評釈等情報 |
 
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