概要情報
事件名 |
日本シェーリング |
事件番号 |
大阪地労委昭和48年(不)第25号
大阪地労委昭和48年(不)第48号
大阪地労委昭和50年(不)第12号
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申立人 |
総評化学同盟日本シェーリング労働組合 |
被申立人 |
日本シェーリング 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年 9月24日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
スト中に社内放送で組合の争議戦術を非難したこと、ピケをめぐる紛議の際、暴行・傷害行為があったとして、会社職制らが組合役員らを告訴し、更にその責任者として組合役員2名を降格処分に付したこと、経理内容説明会の際、組合執行部批判の言動をした事件で、降格処分がなかったものとして取扱うこと、誓約文の掲示を命じ、告訴問題については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、X1及びX2に対する昭和50年2月3日付け降格処分がなかったものとして取り扱わなければならない。 2 被申立人は、縦1メートル、横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社本社正門付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 申立人代表者あて 被申立人代表者名 当社は、下記の行為を行いましたが、これらの行為は、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 記 1 昭和48年2月16日に行った社内放送 2 昭和48年4月24日から同月26日にかけて行った経理内容説明会 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
3800 行為の結果・その他
副社長が行った社内放送はその内容がストライキの結果会社の縮小、解散をもうかがわせるものであること、その時期も労使対立の激化したストライキ中であり、しかもその方法が社内放送という異例のものであることから考えて、当時の組合の争議戦術を非難し、組合員の動揺を誘い、もって組合の弱体化を図った支配介入である。
5124 その他の審査手続
不当労働行為審査手続において、当事者からの補佐人申請を許可するか否か、また一度与えた許可を取り消すか否かは審査委員が独自に判断、決定する権限を有するものであり、仮に、本件会社側補佐人の許可を取り消した措置が裁量権の範囲を逸脱しているとしてもそのために直ちに救済手続が違法または救済命令の取消事由となるものではないこと、また本件においては弁護士たる代理人および他の補佐人が許可されており、会社の手続の適正が害されることもないことからして、手続の適正が害されるとは認められない。
0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
0421 幹部責任
1400 制裁処分
ピケをめぐる紛議の際職制らに暴行、傷害を加えたとして組合委員長、書記長らを降格処分に付したことが不利益扱いとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
全職場で従業員らを集めて行なわれた経理内容説明会で会社管理職らが組合執行部批判等を行ったことが支配介入とされた例。
3106 その他の行為
ピケをめぐるトラブルにより組合員から暴行・傷害を受けたとして職制数名が告訴したことが組合の弱体化を意図したものではないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
全職場で従業員らを集めて行われた経理内容説明会における管理職らの組合執行部批判の発言が、ピケをめぐり労使関係が極度に緊張していた時期になされたことから支配介入とされた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集59集312頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1977年1月15日 263号 67頁 
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