概要情報
事件名 |
福井鋳造 |
事件番号 |
中労委昭和50年(不再)第1号
中労委昭和50年(不再)第6号
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再審査申立人 |
総評全国金属労働組合福井地方本部 |
再審査被申立人 |
福井鋳造 株式会社 |
再審査被申立人 |
株式会社 中防鉄工所 外1名 |
命令年月日 |
昭和51年 5月12日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
企業閉鎖と組合執行委員長の解雇、組合員に対する組合脱退強要等をめぐる事件で、(1)企業閉鎖した会社に対して解雇取消しを、(2)親会社に対して復職とバックペイを、また(3)両者と企業閉鎖会社が参加している協業組合に対して支配介入の禁止を命じた初審命令のうち、(1)及び(2)を取消し、協業組合に対して同人を採用し、諸給与相当額を支払うよう変更し、その余の再審査申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1. 初審命令主文第1項を取消し、同項を次のとおり変更する。 被申立人福井鋳造協業組合は、昭和47年10月31日付で申立人組合員X1を、福井鋳造株式会社と申立支部組合との間の昭和46年11月 9日付の協定による労働条件で採用し、その条件による諸給与相当額を支払わなければならない。 2. その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1500 不採用
N社およびF社との代表取締役Y1は協業組合の実質上の支配的地位にあったこと、両社と支部との間で締結した従業員の協業組合への移籍に間する二次にわたる協定内容からみて、同人はF社の従業員で協業組合に入社を希望する者全員を入社させる意思であったこと、協業組合は、その従業員の採用にあたって地本から脱退したT社の従業員は全員採用し、これら従業員が新たに結成した労組とユ・シ協定を締結し、これを理由にF社から第1陣として移籍する従業員に対して地本からの脱退を強要し、脱退後採用していること等から、組合支部委員長のみを協業組合に採用しなかったことは不当労働行為であり、これに反する初審命令主文は取り消しを免かれない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2621 個別的示唆・説得・非難等
N社およびF社の代表取締役Y1がF社から協業組合に入社した組合員らを支部組合から脱退させたことが支配介入とされた例。
2620 反組合的言動
N社が同社から分離したF社の従業員である組合支部委員長の解雇撤回闘争をN社で行うことは違法であるとの文書を出すなどして闘争を抑圧したことが支配介入とされた例。
3106 その他の行為
F社の代表取締役が支部組合の夏季一時金要求に対して、N社とは別会社であり要求には応じられないとして回答を拒否したことが支配介入とされた例。
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業種・規模 |
非鉄金属製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集775頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 徳住堅治 吉川嘉和 昭和51年 8月10日 909号 55頁 
労働判例 1976年 8月15日 253号 97頁 
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