概要情報
事件名 |
秋田相互銀行 |
事件番号 |
秋田地労委昭和49年(不)第5号
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申立人 |
秋田相互銀行労働組合 |
被申立人 |
株式会社 秋田相互銀行 |
被申立人 |
Y1 |
命令年月日 |
昭和51年 3月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
銀行が銀行側団交メンバー、テープレコーダーの使用問題及び組合側団交メンバーについて自己の主張に固執した事件で、ポスト・ノーティスを命じ取締役Y1を被申立人とする部分を却下し、将来にわたって社長ないし労務担当重役の団交出席を求める部分は棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、本命令到達の日より1週間以内に、縦1メートル、横2メートルの白紙に下記のとおり明瞭に墨書し、これを被申立人の本店および各支店の正面の見やすい場所に一斉に引き続き10日間掲示しなければならない。 記 昭和49年春闘諸要求に関する貴組合の団体交渉の申入れに対して銀行のとった態度は、不当労働行為であることを認めます。 ここに、陳謝するとともに、今後貴組合の団体交渉の申入れに対しては誠意をもって応じます。 以上、秋田県地方労働委員会の命令により掲示します。 昭和 年 月 日 秋田相互銀行労働組合 執行委員長 X1 殿 株式会社 秋田相互銀行 取締役社長 Y2 2. 申立人の被申立人株式会社秋田相互銀行に対するその余の申立ては棄却する。 3. 申立人の被申立人Y1に対する申立ては、いずれも却下する。 |
判定の要旨 |
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
本件申立後の49年年末一時金が団交で妥結解決したとしても、銀行は本件49年春闘諸要求に関する団交に誠意をもって応じず、その後も団交をめぐる諸問題について労使間に合意が成立したとの事情が認められないのであるからこれらの諸事実をもって直ちに救済の利益がないということはできない。
4905 経営補助者
不当労働行為救済申立ての相手方となり得る者は法条にいう「使用者」であって、雇用者が法人の場合は、その業務を執行する地位にある者が直ちに「使用者」として責任を負うものではないと解せられ、本件Y1取締役は会社を代表する団交メンバーではあるが、その地位は庶務部を担当する取締役にすぎず、独立して労組に対抗する地位にある者とは到底認められない。
2216 その他
銀行側団交メンバー問題やテープレコーダー使用問題について団交とは別個の事務折衝を要求するなどして団交に応じなかったことが不当労働行為とされた例。
4505 その他
団交メンバーをめぐる不誠意団交の救済として、今後誠意ある団交応諾を誓約するポスト・ノーティスを命ずれば足りるとされた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集300頁 |
評釈等情報 |
 
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