概要情報
事件名 |
島精機製作所 |
事件番号 |
中労委昭和49年(不再)第22号
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再審査申立人 |
株式会社 島精機製作所 |
再審査被申立人 |
和歌山県合同労働組合 |
再審査被申立人 |
和歌山県合同労働組合島精機分会 |
命令年月日 |
昭和50年11月19日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
分会公然化、別組合結成を背景とした分会員の一時金、昇給等の低査定、組合間差別、職制の言動をめぐる事件で、差額の支払、差別の禁止、ポスト・ノーティス等を命じた初審判断を支持し再審査の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
一時金、昇給について分会員は分会公然化後非分会員に比べ低位に評価されているが、その合理的理由の疎明がなく、分会員なるが故に不利益扱いされたものと推認せざるをえず、他の一連の不当労働行為を考え合せると、分会員を差別して不利益に扱い組合の弱体化を図ったものと認めざるをえない。
2500 別組合の結成・援助
分会公然化により室長が直ちに別組合結成準備活動を始め、終日署名集めや分会員に対する勧誘、説得を行ったことは当然支配介入行為に該当する。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3800 行為の結果・その他
会社内で開催された同窓生の座談会の席上、「会社の上の人の話では組合活動はしない方が良いそうだ。君達は当分何もしないでおけ」との分会員X1に対する室長の発言は、先輩としての注意のつもりであったとしても、会社内に2組合があることを前提とし、X1が分会員であることを意識してなしたもので、室長の地位、同人の従来からの組合観に照らしてみて、支配介入行為に該当する。
2212 交渉の場所・時間
2246 併存団体との関係
2251 一方的決定・実施
2901 組合無視
被申立人組合とは団交を拒否しながら別組合との妥結した賃上げや時間短縮を申立組合員にも実施したのはいかにも被申立人組合を無視したものであり、団交の場所を別組合と区別したことにも合理的理由はなく、この一連の行為は被申立人組合を軽視し、嫌悪し、差別して、その弱体化を図ったものといわざるをえない。
3410 職制上の地位にある者の言動
課長待遇の室長は、社長直属の監督的地位にある労働者であり会社として重要な展示会の責任者に予定されているほどであるから、いわゆる使用者の利益代表者に該当し、その組合員に対する言動は、会社との意思の連絡の有無にかかわりなく、会社に帰責さるべきものである。
4415 賃金是正を命じた例
一時金・昇給についての差別是正方法としては、分会公然化前は分会員も考課査定について平均並以上の者が半数を越えていたのであるから、分会員の平均が非組合員の項目別平均を下廻らないよう再査定を行うことを命じた初審救済内容は妥当である。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集57集564頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和51年3月10日 585号 26頁 
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