労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  トンボ鉛筆 
事件番号  東京地労委昭和50年(不)第80号 
申立人  総評全国一般東京地方北部支部(株)トンボ鉛筆分会 
申立人  総評全国一般労働組合東京地方本部 
被申立人  株式会社 トンボ鉛筆 
命令年月日  昭和50年11月 4日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  団交ルール未成立を理由に団交を拒否し、夏季一時金を支給しなかった事件で、団交ルール未成立を理由とする団交拒否の禁止、夏季一時金の支給、ポスト・ノーティス、文書による履行報告を命じた。 
命令主文  主        文
1 被申立人株式会社トンボ鉛筆は、申立人総評全国一般労働組合東京地方本部ならびに申立 人総評全国一般東京地方北部支部(株)トンボ鉛筆分会が申し入れる団体交渉を、団体交渉ル ールが合意されていないことを理由として拒否してはならない。
2 被申立人は、申立人分会所属の分会員に対して、他の従業員に対して昭和50年7月10日に 支給したと同率、同条件で算定した夏季一時金を直ちに支払わなければならない。
3 被申立人は、本命令受領の日から1週間以内に55センチメートル×80センチメートル(新 聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記の内容を楷書で明瞭に墨書して、被申立人本店正門玄 関横の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
             記
               昭和  年  月  日
 総評全国一般労働組合東京地方本部
  中央執行委員長  X1殿
 総評全国一般東京地方北部支部(株)トンボ鉛筆分会
  分 会 長    X2殿
             株式会社 トンボ鉛筆
              代表取締役  Y1
 当社が、貴組合から申し入れを受けた団体交渉を、団体交渉ルールが合意されていないことを理由として拒否したこと、および貴分会の分会員に対し50年度夏季一時金を支払わないことは不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。
 今後このような行為を繰り返しません。
4 被申立人は、第2、3項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければ ならない。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
会社は、分会が夏季一時金について他従業員らに支給したと同一条件での支給を求めていたことを承知し、しかも別組合員および非組合員には支給しながら同事項に関する組合との団交に応じず、労働委員会の支給勧告に対しても新たな支給条件を提案し支給の引延しを図ったことなど会社の一連の行為は、分会を弱体化させ、崩壊させようとする意図に出た不当な差別行為である。以上の次第であるから、会社が分会所属の従業員に50年度夏季一時金を支払わないことは、労組法7条1号及び3号に該当する。

2211 団交ルールの先議
会社の団交ルール協定案は、上部役員の出席拒否、上部団体への委任禁止など組合側の受け入れ難い内容を含んでいるにもかかわらず、これに固執したこと、組合の団交ルールに関する団交申入れを団交事項ではないとして拒否したことなどから判断すると会社の態度には誠意がみられず、会社の態度は不当な団交拒否にあたる。

2250 未妥結・打切り・決裂
組合員大勢が予告なしで副社長室を訪れ激しくやりとりしたり、団交が長時間に亘ったことは組合に反省すべき点はあるにせよ、組合切崩しの危惧や、団交場所の再三の変更、副社長出席の一方的破棄など会社側の態度によるものであり、団交拒否を正当化するものではない。

業種・規模  その他の製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集57集158頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委昭和50年(不再)第80号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和51年 9月22日 決定 
東京地裁昭和51年(行ク)第38号 全部認容  昭和52年12月23日 決定