労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  ロイヤル病院 
事件番号  東京地労委昭和50年(不)第2号 
東京地労委昭和50年(不)第26号 
申立人  ロイヤル病院労働組合 
申立人  東京地方医療労働組合連合会 
被申立人  医療法人  社団回心会ロイヤル病院 
命令年月日  昭和50年 9月 2日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  団交ルール未成立、不当労働行為の救済申立をしたことを理由に団交を拒否し、上部団体の団交参加を拒否したこと、組合員とその家族に文書を配付、家庭訪問を行った事件で、団交拒否の禁止とポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人医療法人社団回心会ロイヤル病院は、申立人ロイヤル病院労働組合が申し入れる 団体交渉を、団体交渉ルールが合意されていないことを理由として拒否してはならず、ま  た、同組合との団体交渉に、申立人東京地方医療労働組合連合会が参加することを拒否して はならない。
2 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に55×80センチメートル(新聞紙2頁大) の大きさの白紙に、下記の内容を楷書で明瞭に墨書して、被申立人肩書地病院の玄関正面  の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
             記
                    昭和 年 月 日
  東京地方医療労働組合連合会
   執行委員長 X1 殿
  ロイヤル病院労働組合
   執行委員長 X2 殿
            医療法人社団回心会ロイヤル病院
             理事長 Y1
  当病院が、ロイヤル病院労働組合に対し、団体交渉ルールが合意されていないこと、ある いは不当労働行為救済申立てをしたことを理由として、団体交渉を拒否したこと、同組合の 所属する東京地方医療労働組合連合会が団体交渉に参加することを妨げようとしたこと、お よび同組合の組合員とその家族に対し組合員の動揺を意図した文書配布や家庭訪問を行なっ たことは、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。
  今後このような行為を繰り返さないよう留意いたします。
3 被申立人は、前項を履行したときは、すみやかに当委員会に、文書で報告しなければなら ない。 
判定の要旨  2211 団交ルールの先議
2215 上部団体参加否認
病院が団交に不慣れであり、業務の特殊性から団交ルールの確立を望んだことは首肯できるが、院内に団交場所がないとの十分な疎明がなく、上部団体の交渉権限を否定し、団交ルールを先議するべきことを主張し続け、病院提案の団交ルールに合意した親和会との比較で経済的損害を示唆した文書を配布したことは、組合結成後間もない、組合員の動揺をねらったものである。

2244 特定条件の固執
組合が上部団体と連名で労委に本件救済申立てをなした以降、救済申立ての取下げを団交再開の前提条件として固執し続けていることは、救済申立てが組合の権利であり、また事件が労委に係属中であっても、当事者の自主的解決を妨げるものでないこと等から、正当な理由を欠く団交拒否である。

2621 個別的示唆・説得・非難等
3500 処分の時期
病院が組合員の家族及び全従業員に、ストに関する文書を郵送し、その直後に組合員らの自宅を直接訪問したことは、組合員の動揺と、組合の上部団体脱退をねらって行ったものと認められ、また業務の特殊性を考慮して病院が非常時対策のため従業員の住所を確認しておく必要性は認められても、労使が緊張関係にある時期に家庭訪問したことは住所確認に藉口してなされたものと認めるのが相当である。

業種・規模  医療業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集56集294頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委昭和50年(不再)第63号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和51年 2月 4日 決定 
東京地裁昭和51年(行ク)第34号 全部認容  昭和51年 5月20日 決定