概要情報
事件名 |
東邦交通 |
事件番号 |
中労委昭和47年(不再)第10号
中労委昭和47年(不再)第11号
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再審査申立人 |
東邦交通 株式会社 |
再審査申立人 |
東邦交通労働組合 |
再審査被申立人 |
東邦交通労働組合 |
再審査被申立人 |
東邦交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和50年 6月18日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
旧労組を除名された元執行委員長のユ・シ協定に基づく解雇、旧労組を脱退し、除名された新労加入者12名の解雇、新労組のスト解除後における長期間にわたる就労拒否等が争われた事件で、初審で救済された上記12名のうち、その後和解が成立した3名については被救済利益の喪失を理由に初審命令を取消しその余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 初審命令主文第1項中、X1、X2及びX3に関する部分を取消し、同人らに関する東邦 交通労働組合の救済申立てを棄却する。 2 その余の各再審査申立人の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1000 ユニオン・ショップ
組合財政運用上不正行為があったとして旧労から除名された元執行委員長の解雇は、旧労組が労働協約のユ・シ協定に基づき同人の解雇を要求したのに対し、会社が協約上の債務の履行をしたにすぎないので不当労働行為に該当しない。
1000 ユニオン・ショップ
旧労を脱退し、新労を結成したのち、旧労を除名された新労組合員12名に対するユ・シ協定履行の名の下での解雇は、旧労が事実上分裂した後のことであってユ・シ協定の効力はもはや新労組合員に及ばない状態になったものと考えられること、また会社は新労の結成を嫌悪していたものと認められるから、旧労からの解雇要求に藉口してなした不当労働行為である。
1000 ユニオン・ショップ
旧労を脱退し新労に加入した3名について、旧労がユ・シ条項により解雇を要求したことに対して、会社は、同人らに脱退取り止めを求めたが回答がなかったため、遂に解雇したことは、ユ・シ協定の効力が新労組合員に及ばない状態になったこと、会社が新労結成を嫌悪していたこと等から、旧労からの解雇要求に藉口してなした不当労働行為である。
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社が、旧労脱退者3名に対し、旧労を脱退すればユ・シ協定により解雇する旨を告げ、旧労脱退につき再考を求めたことは、同人らに解雇をもって旧労脱退の翻意を促したものと認めざるを得ず、かかる言動は支配介入と認められる。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
新労が無期限スト解除を決定して就労を申し入れたにもかかわらず、会社が要求事項の撤回などを就労の条件として長期にわたり新労組合員の就労を阻止したことは、新労の壊滅を意図した支配介入行為である。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
再審査係属中被解雇者との間に和解が成立し、会社を勇退していることが認められるときは、当該被解雇者にかかる初審救済命令は取消しを免れない。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集675頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和50年 9月10日 577号 16頁 
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