概要情報
事件名 |
中外電気工業 |
事件番号 |
富山地労委昭和48年(不)第5号
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申立人 |
全国金属労働組合富山地方本部 |
被申立人 |
中外電気工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年10月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社役員等が、組合執行委員長や地区労議長に上部団体脱退を示唆又は依頼したこと、下級職制を中心に第二組合が結成されたこと、会社職制の朝礼における組合を刺激する言辞、スト中労働歌を合唱した特定組合員に就業規則の暗記を命じ、組合員の勤務状況を至近距離からフラッシュ撮影する等の嫌がらせをしたこと、また、団交時の賃金カットをめぐる労働協約締結について、別組合と差別したことをめぐる事件で、第二組合結成問題を除いて不当労働行為と認め、ポスト・ノーティスを命じ、陳謝文の新聞掲載は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、本命令交付の日から15日以内に下記の誓約文を申立人組合に手交し、同誓約文を縦1.5 m横2mの白色木版にいっぱ いに墨書し、被申立人富山工場正面入口の従業員に見やすいところに10日間掲示すること。 誓 約 書 Y1取締役が、貴支部執行委員長に対し貴組合から脱退するよう示唆したこと、Y2富山工場総務部長が、X2福光地区労議長に対し貴組合からの脱退を依頼したこと、Y3富山工場労務部長が、X3に対し就業規則の暗記を命じ、また朝礼において貴支部組合員に対し 刺激するような言辞を繰り返して嫌がらせをしたこと及びY4富山工場長が、守衛に命じ貴支部組合員の勤務状況をフラッシュ撮影させて嫌がらせをしたことは、貴組合に対する支配介入行為でありました。 また、団交時の賃金カットをめぐる労働協定締結について、中外電工富山工場労働組合と差別取扱いをしました。 今後、このような不当労働行為を繰り返さないことを誓約します。 昭和 年 月 日 中外電気工業株式会社 代表取締役 Y5 全国金属労働組合富山地方本部 執行委員長 X4 殿 2 申立人のその余の請求は、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1603 組合活動上の不利益
会社が、新労とは就業時間中の団交について賃金カットをしない旨の協約を締結し、組合とは同内容の協約を締結しないことは、たとえ会社が主張するように、現実には就業時間中の団交を行わない方針であったとしても、差別取扱いになり、またその締結した時期から見ても、会社の新労に対する保護育成の意図があったものと認められ、労組法第7条第1号に該当する不当労働行為である。
2500 別組合の結成・援助
3410 職制上の地位にある者の言動
下級職制が中心となって新労が結成されたとしても、支部が全金地本脱退決議を破棄したなどの経緯があったとしても、直ちに会社が下級職制を使って第二組合を結成させたものとは認められない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
従来毎週1回10分程度行なっていた朝礼を、毎日のように約1時間も行ない、席上労働部長がことさら組合員を刺激するような言辞を繰り返したことは、組合員に対する嫌がらせである。
3106 その他の行為
3410 職制上の地位にある者の言動
会社は、全金地本に対する嫌悪から組合を、地本から脱退をさせることを企図し、春闘交渉中に工場の機械設備を他県の工場に移し、賃上げで上積み回答を拒否し、さらに主任以上の職制及び執行委員に対し、取締役Y1が異例の生産状況説明を行って、組合員に工場存続の不安と動揺を与えたのであり、これらの行為がY1と執行委員長X1との会見をなさしめ、Y1の示唆で、X1をして全金地本脱退工作へと駆り立てたものと認められる。
3106 その他の行為
3410 職制上の地位にある者の言動
工場総務部長Y2が地区労議長X2に全金地本から支部を脱退させてほしい旨依頼し、その手切金について尋ねたことは、会社が金銭を支払ってでも全金地本からの脱退を望み、その策動をしていたものと認められる。
2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
組合員X3らの労働歌合唱は、通常のスト随伴行為であり、たとえそれが工場内でなされたとしても、その時間が数分間に過ぎず具体的な作業妨害もなかったことなどから、会社は、この程度の行為について放任すべきものであったと認められ、この行為に対し就業規則を遵守していないとして、X3に対し就業規則の暗記を命じた部長X3の行為は行きすぎである。
2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
工場長が、守衛に命じ個々の組合員の勤務状況を至近距離からフラッシュ撮影させた行為は、組合員に対する嫌がらせであって常識を欠く行為であると認められる。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集54集306頁 |
評釈等情報 |
 
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