概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
令和7年(行コ)第340号
株式会社吉ヶ谷不当労働行為救済命令取消請求控訴事件 |
| 控訴人 |
X組合(「組合」)
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| 被控訴人 |
群馬県(処分行政庁 群馬県労働委員会(「群馬県労委」))
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| 被控訴人補助参加人 |
Z会社(「会社」) |
| 判決年月日 |
令和8年4月16日 |
| 判決区分 |
棄却 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
1 本件は、小規模多機能型居宅介護事業を営む会社による、①組合員A1の配置転換等及び団体交渉に関する不誠実な対応についての救済申立て、②ア 虐待防止委員会や運営推進会議を使ったパワーハラスメントにより労働組合の弱体化を図ったこと、イ 職員及び利用者家族が閲覧する虐待改善計画書においてA1を「元職員」と記載したこと(「本件行為イ」)、ウ A1に対し指導書を差別的に交付したこと(「本件行為ウ」)、エ 職員会議においてA1の診断書と休職届を回覧したこと及び運営推進会議において更なる責任追及をあおったこと、オ 組合員A2への「指導」を目的とした配置転換、パワーハラスメント及びいじめを企図したこと(「本件行為オ」)についての救済申立てがなされた事案である。
2 群馬県労委は、いずれの申立ても棄却した。
3 組合は、これを不服として、前橋地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、組合の請求を棄却した。
4 組合は、これを不服として、東京高裁に控訴したところ、同高裁は、組合の控訴を棄却した。
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| 判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
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| 判決の要旨 |
1 当裁判所も、原審と同様の理由により、組合の請求は理由がないと判断する。その理由は、原判決を補正し(略)、後記2のとおり当審における組合の補充的主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから、これを引用する。
2 当審における組合の補充的主張に対する判断
⑴ 組合は、本件行為イについて、会社が虐待改善計画書に「元職員」と記載した行為は、単なる過失によるものではなく、A1に退職を促すために行われたものであり、労働組合の弱体化を意図したものである旨主張する。
しかし、①会社が作成した虐待改善計画書には、改善に向けた事業者のコメントとして、「今回当施設内にて元職員による利用者様への心理的虐待が認められた事について、改善を要する項目については真摯に取り組み、早急に改善できるものから計画通り実施し、事業所全体で一丸となり、達成していきたい。」と記載されており、上記記載に「元職員」という記載が1か所あるほかは、「元職員」という記載はないこと、②会社が前記①の虐待改善計画書の作成に当たり参考にしたとされる、平成29年8月2日作成の「住宅型有料老人ホームB5」の改善計画書には、「改善に向けた事業者のコメント」欄に、「今回当施設内にて元職員による利用者様への虐待が認められた事について、改善を要する項目については真摯に取り組み、早急に改善できるものから計画通り実施し、施設全体で一丸となり、達成していきたい。」と記載されていることが認められる。これによれば、会社が作成した虐待改善計画書の該当部分の記載は、前記②の改善計画書の記載を引き写し、「虐待」を「心理的虐待」に、「施設全体」を「事業所全体」にそれぞれ改めたにとどまることが認められ、組合指摘の「元職員」という記載は前記②の改善計画書の記載に由来するものであり、「元職員」という記載が上記引用部分のほかには存在しないことからすれば、会社が単なる過失によって「元職員」と記載した可能性が十分あり得るものであり、A1に退職を促すために行われたと認めるには足りない。組合が指摘する全職員への配布の指示、前記②の改善計画書の文言の修正箇所が複数あること、「元職員」という記載が少なくとも37日間訂正されなかったことなどを踏まえても、上記判断を左右するものとはいえない。
⑵ 組合は、本件行為ウについて、会社専務の同人の妻に対する発言からすれば、会社がA1が施設内で走らざるを得ないような状況を組織的に作り上げていたことが認められる旨主張する。
しかし、組合指摘の会社専務の妻であるC4の陳述書の記載を踏まえても、会社においてA1が施設内で走らざるを得ないような状況を組織的に作り上げていたものとは認められないことは、補正して引用する原判決が説示するとおりである。
⑶ 組合は、本件行為オについて、多くの職員の発言からすれば、A2を事業所内で孤立させるために同人を処分しようとしており、労働組合である組合への加入や協力を阻害する行為が認められる旨主張する。
しかし、会社のA2に対する懲戒処分の検討や、A2と比較的仲のよい職員の異動の検討、会社会長がA2に対し複数回「おまえ」と呼んだことが、労働組合である組合への加入や協力を阻害する行為であるとは認められないことは、補正して引用する原判決が説示するとおりであり、このことは、組合指摘のC4の陳述書の記載を踏まえても、左右されるものとは認められない。
3 よって、組合の請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却する。
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| その他 |
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