労働委員会裁判例データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  名古屋高裁令和7年(行コ)第58号
不当労働行為救済命令取消請求控訴事件
 
控訴人  X組合(「組合」)
 
被控訴人  愛知県(処分行政庁 愛知県労働委員会(「愛知県労委」))
 
判決年月日  令和8年3月18日 
判決区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 本件は、B1会社(「会社」)が、①A2組合員ではなく、C1乗務員をトレーラー乗務に従事させたこと、②A2の妻が求人に応募したところ、夫婦は同じ部署で働けないとして採用手続を行わなかったこと、③A2に対する配車の連絡を計2日間行わなかったこと、④A1組合員の業績給を他のトレーラー乗務員よりも低く支給したことが、不当労働行為に当たる、として救済申立てがなされた事案である。

2 愛知県労委は、組合の申立てを棄却した(「本件命令」)。

3 組合は、これを不服として、名古屋地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、組合の請求を棄却した。

4 組合は、これを不服として名古屋高裁に控訴したところ、同高裁は、組合の控訴を棄却した。
 
判決主文  1 本件控訴を棄却する。

2 控訴費用は控訴人の負担とする。
 
判決の要旨  1 当裁判所も、原判決のとおり、組合の申立てを棄却した本件命令に違法はなく、組合の請求は理由がないと判断する。その理由は、下記2のとおり、当審における組合の主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中の第3、1から3までのとおりであるから、これを引用する。(一部補正(略)あり。)

2 当審における組合の主張について
⑴ 組合は、会社が組合との交渉経緯を無視したとの主張をする。しかしながら、会社と組合との令和3年以降の団体交渉において、食品部門のトレーラー乗務員の長時間労働が問題とされ、それに関連して、会社でのトレーラー乗務への配転基準が交渉の議題となっていたこと、組合は、この交渉の中でA2を飼料輸送部門から食品部門に異動するよう要求していたことが認められるものの、他方、会社は、上記交渉の過程で、トレーラー乗務への配転は、所属長の総合的な判断で決定するものであり、その判断要素(乗務員の希望やその希望の表明順位などを含めて。)について、団体交渉の場での確認書の作成には応じられないと回答し、また、最終的にA2の食品部門への異動は受け入れたものの、その後食品部門のトレーラー乗務に配転することを約束した事実は認めるに足りない。そうすると、令和3年以降の団体交渉の経緯を考慮しても、本件乗務員選定について不合理又は不自然な点はなく、会社の不当労働行為意思は認められないとの認定を左右することにはならない。
 なお、組合は、会社においては、食品部門に復帰してすぐの者をトレーラー乗務員にしないというような運用はなく、B2部長自身もこのような運用があるとは認めていないなどと主張するが、会社の食品輸送が特殊な業務であり、トレーラー(けん引)免許を所持していても、この特殊な業務に慣れなければ、すぐには乗務させられないということは組合も認めるところであり、そうだとすれば、前記運用を行うことは合理的といえるし、B2が前記運用の存在を否定したとも認められないから、組合の前記主張は採用できない。

⑵ 組合は、C1はトレーラーには乗務させない方針であったにもかかわらず、原判決は信用性のないB2の証言や陳述に依拠し、異動後すぐには乗務させないという方針に過ぎなかったと認定し、不当である旨主張する。
しかしながら、B2の証言や陳述に、組合が指摘するような不自然かつ不合理な点は特段認められないから、組合の上記主張は採用できない。

⑶ 組合は、A2の妻の採用手続をしなかったことについての会社の主張は虚偽であり、会社のかかる対応は不当労働行為によるものというべきである旨主張する。
 しかしながら、B2としては、会社がA2の妻の採用手続をしなかった理由について、自己の認識及び見解として言及し過ぎた面が多少あるとしても、A2の妻の採用希望に係る面談やその後の電話において、働く部署を特定した形での採用や、一般論として同じ部署で夫婦が働くことは難しい旨の説明について、内容が虚偽であると認識しながらなされたとは認められず、不当労働行為意思があったとは認められない。
 組合は、会社は紹介料を支払ってまで求職者の紹介を従業員に促していた状況であるのに、A2の妻の採用手続をしなかったことは不当労働行為に該当するとも主張する。しかし、一般的に求職者を募っていたからといって、A2の妻が会社の雇用や配置に関する方針に合致しなければ、その採用手続を早々に打ち切ることは何ら不自然なことでもないから、上記主張は採用できない。

⑷ 組合は、その他種々主張するが、いずれも採用できない。

3 結論
 原判決は相当であるから本件控訴を棄却する。 
その他   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
愛知県労委令和5年(不)第7号 棄却 令和6年12月9日
名古屋地裁令和6年(行ウ)第131号 棄却 令和7年10月15日
 
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