概要情報
事件番号・通称事件名 |
東京高裁平成27年(行コ)第354号 ソクハイ不当労働行為救済命令取消請求控訴事件 |
控訴人 |
株式会社X(「会社」) |
被控訴人 |
東京都(代表者兼処分行政庁・東京都労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
Zユニオン(「組合」) |
判決年月日 |
平成28年2月24日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 ①団交における会社の対応、及び会社が②メッセンジャー(自転車による即配便業務に従事する会社の配送員)として就労していた組合員A1に対し、業務委託契約を解除したこと、③同じくメッセンジャーとして就労していた組合員A2及び同A3との業務委託契約を不更新としたこと、④営業所に防犯監視カメラを設置したことが不当労働行為に当たるか否かが争われた事案である。
2 東京都労委は会社に対し、1 団交への誠実な対応、2 上記②の業務委託契約に係る解約予告通知をなかったものとして取り扱うこと等、3 文書の交付・掲示、4 履行報告を命じ、その余の申立てを棄却した。
3 会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、会社の訴えを棄却した。
4 会社は、これを不服として東京高裁に控訴したが、同高裁は、会社の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
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判決の要旨 |
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、控訴人の請求は、理由がないから棄却すべきであると判断する。
その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから、これを引用する。
(1) 原判決22頁21行目冒頭から同23行目5行目末尾までを削除する。
(2) 同23頁6行目の「しかるに」を「しかるところ」と改める。
(3) 同23頁6・7行目の「本件団体交渉1においては、」の次に「参加人は組合員たる特定のメッセンジャーについての解約という個別事案の普情処理を団体交渉の事項として取り上げているのではなく、組合員であるか非組合員であるかを問わず、メッセンジャーとの間の契約の解約が一般的に組合員の処遇に影響を及ぼすことから、その範囲で協議を求めているものであり、これは義務的団交事項に該当し、また同団体交渉の協議事項とされていた人員削減及び経費削減にも該当するものであるところ、」を加える。
(4) 同23頁22行目の「(イ) この点、」を以下のとおり改める。
「(イ) これに対して、控訴人は、参加人において平成22年2月解約対象者が組合員であることを示して解約の取扱いについての協議を求めていない以上、平成22年2月解約対象者の解約に係る事項は、本件団体交渉1における義務的団交事項には該当しないと主張する。
しかし、平成22年2月解約対象者が参加人の組合員であるか否かにかかわらず、平成22年2月解約対象者との各契約を解約した理由については組合員であるメッセンジャーの処遇に影響を及ぼし得る問題であるから、その範囲内において、平成22年2月解約対象者との間の契約に関する事項は義務的団交事項であると認められることは前記に判示したとおりであり、控訴人の主張は採用できない。
また、」
(5) 同24頁13行目冒頭から同頁15行目末尾までを削除する。
(6) 同25頁6行目の「あったというのである」を「あったことが認められる」と改める。
(7) 同26頁14行目の「雇止め」を「契約不更新」と改め、同頁15行目の「雇止めを行った理由」を「契約不更新理由」と改める。
(8) 同28頁18行目の「締結しているところ、」を「締結していること、A1は、本件契約の締結に際して、控訴人の担当社員に対し、解約理由の説明規定がなく契約期間が1年間の契約なので、控訴人が気に入らない人は切られるのではないかと質問したが、担当者の回答を受けて、基本的に契約更新が前提であると理解して、本件契約を締結したこと、」と改める。
(9) 同29頁2・3行目の「出席していたというのである」を「出席していたことが認められる」と改める。
(10) 同31頁20行目の「回答したというのである」を「回答した」と改める。
2 以上によれば、控訴人の請求は理由がないから棄却すべきであり、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。
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その他 |
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