概要情報
事件名 |
ザイオソフト |
事件番号 |
東京高裁平成23年(行コ)第377号 |
控訴人 |
ザイオソフト株式会社 |
被控訴人 |
国(処分行政庁:中央労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
全国一般東京一般労働組合 |
判決年月日 |
平成24年2月23日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 会社が、組合の行った賃金・退職金制度の改善等を議題とする団体交渉申入れに対し、①組合員に使用者の利益代表者である者が含まれている、②具体的日程を決める前に時間帯、出席者、議題等を明確にするよう調整を求めるなどとして応じなかったことが、労組法7条2号の不当労働行為に当たるとして東京都労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審東京都労委は、会社に対し、賃金・退職金制度の改善等を議題とする団体交渉について、組合員に経営会議への出席者がいること等を理由に団体交渉を拒否することなく、速やかにかつ誠実に応じることを命じた。
会社はこれを不服として、また、組合は初審命令が誓約文の交付及び掲示を命じなかったことを不服として、それぞれ再審査を申し立てたところ、中労委は、初審命令を一部変更して、誠実団交を命じるとともに、文書手交を命じた。
これに対し、会社は、これを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は会社の請求を棄却した。
本件は、同地裁判決を不服として、会社が東京高裁に控訴した事件であるが、同高裁は控訴を棄却した。
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判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
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判決の要旨 |
1 当裁判所も、控訴人の請求は理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は、後記2のとおり控訴人の主張に対する判断を付加するほか、原判決の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」の1ないし3に記載のとおりであるから、これを引用する。
控訴人は原判決の認定判断を批難してるる主張するが、原判決はその証拠に照らして是認することができ、同認定に基づくその判断にも誤りは認められない。控訴人の主張は、原判決と異なる前提に立ってこれを批難するか又は独自の見解を述べるものにすぎず、いずれも採用できない。
2 控訴人の主張に対する判断
会社は、処分行政庁は組合が労組法の規定する労働組合といえるか否かについて、資格審査の方法等の判断過程を明らかにしないが、結論だけを示してその判断過程を明らかにしないことは説示として失当なだけでなく、命令として理由不備の違法がある旨主張する。
しかし、原判決の説示するとおり、労働委員会は、組合が労組法2条及び5条2項の要件を満たしているか否かを審査してその要件を具備しないと認める場合には、救済申立てを拒否すべき義務を負うが、この義務は、労働委員会が、組合の要件具備を促進するという国家目的を達成するため国家に対して負う責務であり、使用者の法的利益の保障のため使用者に対して負う義務ではなく、使用者は、資格審査の方法ないし手続に瑕疵があり若しくは審査の結果に誤りがあることのみを理由として救済命令の取消しを求めることはできない。
したがって、処分行政庁は、本件処分の理由において、組合が労組法の規定する労働組合に当たるとの判断を示せば足り、資格審査の方法等の判断過程を示す必要も、義務もない。
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その他 |
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