労働委員会関係裁判例データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  ノースプランニング 
事件番号  札幌地裁平成23年(行ウ)第4号 
原告  株式会社ノースプランニング 
被告  北海道(処分行政庁:北海道労働委員会) 
補助参加人  ノースプランニングユニオン 
判決年月日  平成23年6月27日 
判決区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 賃金の遅配の続いた会社と組合間で、未払賃金について2回の分割払とするなどの和解契約が締結され、1回目の支払は履行されたものの、2回目の支払は履行されなかったため、組合が本件和解契約書の内容遵守に関する協議の開催を会社代理人の弁護士に要求したところ、会社からの連絡はなかったことから、①会社が本件協議要求に誠実に対応しなかったこと、②会社が本件和解契約書の定めを履行しなかったことなどの行為が、労組法7条2号及び3号に該当する不当労働行為に当たるとして、北海道労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審北海道労委は、会社の対応は労組法7条2号及び3号に該当する不当労働行為であると認め、①未払賃金の支払に関する和解契約書の未履行部分の速やかな履行、②和解契約書の未履行部分の現況説明に関する組合による協議の求めに対する資料を示しての具体的説明の実施及び未履行部分の履行方法・履行期限を示すなどの誠実対応、③文書手交を命じた。
 本件は、これを不服として、会社が札幌地裁に行政訴訟を提起した事件であるが、同地裁は、会社の請求を棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。 
判決の要旨   会社が協議の開催の求めに応じないことは、正当な理由なく団体交渉を拒む行為に当たることは明らかであるが(労組法7条2号)、さらに、本件和解契約の不履行について見ると、中小企業倒産防止共済からの借入れによって本件和解契約の分割金の支払が概ね弁済が可能であったにもかかわらず、これを優先することなく2回目の支払期日までに会社の運転資金にこれを費消し、確たる見通しがあるともいえない取引先からの入金を2回目の分割金弁済に充てることを目論みながら、見込み違いによってこれを果たせなかったというべきである。
 加えて、その前後の交渉経緯等も考慮すると、会社は、組合への分割金の弁済を十分優先することなく、結果として会社からの賃金支払確保を期待する組合員らの組合に対する信頼を傷つけるに至ったものとの評価もなし得るところ、会社において組合を不当に軽んじてこれに介入する意図がなかったなどの具体的な主張立証を何らしない以上、これが組合を軽視又は無視し、その弱体化を企図した支配介入として、組合の運営を阻害する行為に当たる(同条3号)とした処分行政庁の判断において、裁量権の行使が是認される範囲を超え、又は著しく不合理であって濫用にわたる点があったとまでは認められない。
 したがって、本件命令に違法事由は認められない。 
その他   

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
北海道労委平成22年(不)第13号 全部救済 平成23年1月14日
札幌地裁平成23年(行ク)第4号 緊急命令申立ての認容 平成23年6月27日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約124KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。