概要情報
事件名 |
竹屋 |
事件番号 |
東京高裁平成20(行コ)第417号 |
控訴人 |
国(処分行政庁 中央労働委員会) |
控訴人補助参加人 |
連合福岡ユニオン |
被控訴人 |
株式会社竹屋 |
判決年月日 |
平成21年9月29日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、①会社が、組合員2名に対し、平成15年度期末賞与並びに16年度夏期賞与及び冬期賞与についての人事考課を恣意的に行い、著しく低額の支給をしたこと、②支店長らが、組合からの脱退を慫慂したり、朝礼の場で組合員を非難するような発言をしたこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。 初審福岡県労委は、会社に対し、組合員2名の平成15年度期末賞与及び16年度冬期賞与についてのバックペイを命じ、中労委は、初審命令を維持し会社からの再審査申立てを棄却した。 会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、中労委命令を取り消した。 中労委は、これを不服として、東京高裁に控訴提起をしたところ、同裁判所は、本件控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 |
判決の要旨 |
当裁判所も、付加訂正するほかは、原判決「事実及び理由」第3の1ないし4までに記載のとおりであり、これを引用する。 当審における補充主張として、控訴人は、役員考課の低査定はそれ自体をもって不利益な取扱いと認められるべきであって、それが不利益な取扱いに当たるというためには組合員2名が他の従業員と同様の勤務実績を挙げていたのに本件役員考課において他の従業員より低い査定を受けたという事実の主張立証を要するものと解するべきではない旨主張するが、従業員の賞与に係る考課である本件役員考課については、組合員2名に対する査定が不利益取扱いに当たり不当労働行為に該当する旨を主張する者が、組合員2名が他の従業員と同様の勤務実績を挙げていたことの主張立証責任を負うものと解するのが相当であることは、上記引用に係る原判決の「事実及び理由」の「第3 争点に対する判断」2(当審における付加訂正部分を含む。)において説示したとおりであって、控訴人の上記主張は採用することができない。 控訴人補助参加人は、組合員2名の各業務実勢は他の従業員に比して劣るものではなく、本件役員考課における低査定は被控訴人において組合員2名の控訴人補助参加人への加入及び組合活動を嫌悪した故に行った不利益取扱いにほかならない旨主張するところ、確かに、上記認定の被控訴人と控訴人補助参加人との団体交渉の経緯、会社専務の言動等からは、被控訴人における組合員2名の控訴人補助参加人への加入及び組合活動に対する嫌悪感の存在が推認されるところではあるものの、本件証拠により認められる被控訴人の役員考課に係る全体的状況並びに組合員2名の各勤務状況に照らし、およそ組合員2名が他の従業員と同様の勤務実績を挙げていたものと認めることができないことは、上記引用に係る原判決の「事実及び理由」の「第3 争点に対する判断」3(当審における付加訂正部分を含む。)において説示したとおりであり、したがって、控訴人の上記主張は採用できないものというべきである。 よって、原判決は相当であって、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとする。 |
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