概要情報
事件名 |
兵庫県立こども病院/兵庫県事件 |
事件番号 |
大阪高裁平成20年(行コ)第57号 |
控訴人 |
関西単一労働組合 |
被控訴人 |
大阪府(処分行政庁:大阪府労働委員会) |
被控訴人参加人 |
兵庫県 |
判決年月日 |
平成20年7月31日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、県が経営するY1病院が、①業務の民間委託を理由として日々雇用職員であったX組合のX1分会長(以下「X1」)を雇用止めしたこと、②X1の雇用等に関する団体交渉に誠実に応じなかったこと、③県が、業務の民間委託等について別組合とのみ協議し、X組合が申し入れた業務の民間委託及びX1の雇用等に関する団体交渉に応じないことが労働組合法7条1号及び3号の不当労働行為であるとして、申立てがあった事件である。 初審大阪府労委は、Y1病院に対する申立てについて、Y1病院が独立した権利義務の帰属主体ではないとして、申立てを却下し、その他の申立ては棄却したところ、X組合は、これを不服として大阪地裁に行政訴訟を提起したものである。 同地裁は、大阪府労委の本件命令は正当であるとして、X組合の請求を棄却したところ、X組合はこれを不服として大阪高裁に控訴したものである。
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判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用及び当審の参加費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
① 当裁判所も、X組合の請求は理由がないと判断するものであり、その理由は原判決「事実及び理由」欄第4「当裁判所の判断」の1ないし4(原判決の19頁7行目から37頁5行目まで)に認定・説示するとおりであるから、これを引用する。 ② Y1病院は、中央教材室の業務を民間委託することに伴い、X1の担当業務がなくなることから、当初は平成15年10月までの雇用期間をもってX1の雇用を終了する方針であったところ、X組合から同年12月以降も雇用を継続するよう強く求められたため、平成16年3月31日までX1の雇用を継続したにすぎず、当然に同年4月1日以降も雇用を継続することを予定したものでないことは、原判決認定のとおりであるから、雇用の継続を当然の前提とし、同年4月以降に「勤務する部署」について改めて協議する旨回答したものであるとするX組合の主張には理由がない。 ③ 平成15年11月6日の団体交渉及びX組合との間で同月11日に作成した同月6日付けの確認書(以下、「本件確認書」という。)の作成経過及び各条項の文言からすれば、2項及び3項の「勤務」を1項の「雇用」と同じ意味ととらえることが当事者の合理的意思解釈に合致するというべきであるから、原判決の解釈は相当であるし、3項の「本人の同意」を要するのは、同年4月1日以降もX1を採用することとなった場合を指し、X1の同意を要するという意味ではないことも、原判決の説示するとおりであるから、X1を採用しない場合も同意を得る必要があるなどとするX組合の主張も採用することができない。 ④ Y1病院とX組合との間で、X1の雇用に関する交渉が成立しなかったのであるから、X1の同意の前提である交渉の成立を欠くことが明らかであるし、本件確認書3項所定のX組合との交渉につき不誠実であったとはいえないから、民間委託によりX1を解雇する理由にはならないなどとするX組合の主張も採用できない。 ⑤ 以上によるとX組合の請求は理由がなく、これを棄却した原判決は相当である。
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