概要情報
事件名 |
兵庫県立こども病院・兵庫県 |
事件番号 |
大阪地裁平成19年(行ウ)第53号 |
原告 |
関西単一労働組合 |
被告 |
大阪府(処分行政庁 中央労働委員会) |
被告参加人 |
兵庫県 |
判決年月日 |
平成20年2月27日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、Y病院が、①業務の民間委託を理由として日々雇用職員であったX組合のX1分会長を雇用止めしたこと、②X1の雇用等に関する団体交渉に誠実に応じなかったこと、③県が、業務の民間委託等について別組合とのみ協議し、X組合が申し入れた業務の民間委託及びX1の雇用等に関する団体交渉に応じないことが不当労働行為であるとして、申立てがあった事件である。 大阪府労委は、Y病院に対する申立てについて、Y病院が独立した権利義務の帰属主体ではないとして、申立てを却下し、その他の申立ては棄却したところ、X組合は、これを不服として大阪地裁に行政訴訟を提起したものである。
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判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,参加によって生じた費用を含め,原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
① Y病院は、県病院局の地方機関であり、県における組織の構成部分であるというべきであり、法律上独立した権利義務の帰属主体ではないから、救済命令の名宛人となる使用者に当たるとは認められない。X組合の主張もこの判断を左右さるものではない。したがって、Y病院に対する申立てを却下した本件命令の判断は正当であり、これに反するX組合の主張は理由がない。 ② X1に対する本件採用終了の理由は、中央材料室に業務が民間委託されたことに伴い、X1の担当業務がなくなったことにあると認められ、この理由が合理性を欠くとは認められない。 他方、X1に対する本件採用終了が、X1の組合活動を理由としたものであること、X組合の弱体化を図り、X組合の運営に支配介入したものであることについて、これを認めるに足りる証拠はない。そして、本件確認書に関する事情もこの認定判断を左右するものではない。 ③ 本件命令は、団体交渉に関する不当労働行為の有無について、県の対応が不誠実であったとはいえない旨を説示しており、これらの説示は相当であり、他に団体交渉に関する県の対応が不誠実であったと認めるに足りる証拠はない。したがって、X1の勤務関係に関する団体交渉における対応が不誠実であったとは認められず、労組法7条2号の不当労働行為には該当しないというべきである。この点に関する本件命令の判断は正当である。
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