事件名 |
神奈川県厚生農業協同組合連合会 |
事件番号 |
東京高裁平成16年(行コ)第82号
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控訴人兼被控訴人兼補助参加人 |
神奈川県厚生農業協同組合連合会(一審原告連合会) |
控訴人兼補助参加人 |
神奈川県厚生農業協同組合連合会労働組合(一審原告組合) |
被控訴人兼控訴人 |
中央労働委員会(一審被告中労委) |
判決年月日 |
平成18年 3月22日 |
判決区分 |
一審判決の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、連合会が、①組合員X1を病院薬局長から本所資材課長に配転したこと、②組合員に対して脱退を勧奨したこと、③組合の教宣活動及び組合役員選挙に介入したこと、④組合専従者が出席することを理由に団交を拒否したこと等が不当労働行為であるとして争われた事件である。
初審神奈川県労委は、連合会に対し、これらの行為はすべて、不当労働行為に該当するとして、救済命令を発したが、中労委は初審命令のうち、組合員X1の配転等を命じた部分を取り消し、その余の再審査申立てを棄却した。
連合会及び組合は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、平成16年1月28日、中労委命令のうち、連合会が組合役員選挙に介入したとして救済を維持した部分を取り消し、その余の請求は棄却した。
連合会及び中労委は、これを不服として東京高裁に控訴を提起した。 |
判決主文 |
1 一審被告中労委の控訴に基づき原判決主文第1項を取り消す。
2 一審原告連合会の本件請求中前項に係る部分を棄却する。
3 一審原告連合会及び一審原告組合の控訴をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、第1、第2審を通じ、一審原告連合会に生じたものは一審原告連合会の、一 審原告組合に生じたものは一審原告組合の各負担とし、一審被告中労委に生じたものはこれ を5分とし、その4を一審原告連合会の、その余を一審原告組合の各負担とする。 |
判決の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
6223 支配介入
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
本件において判断すべきことは、一審原告連合会が脱退勧奨行為を行ったか否かという点であり、脱退勧奨行為が行われた結果どの程度の脱退者が出たかという点は直接の判断の対象ではなく、原判決が職員説明会におけるY1院長、X2事務長、Y2院長、X3事務長の発言が脱退勧奨行為であると認定判断したこと、一審原告連合会側が、薬品使用に係る不正請求の件をも理由として、Y1院長らの退任を要求し、同要求が容れられなければ告発、公表する意思を明らかにしたと誤解したものと推認され、このような誤解に基づくと推認される職員説明会において行ったY1院長らの発言が正当なもので、不当労働行為に当たらないとはいえないことから、原判決が中労委は不当労働行為であると判断した部分を取り消した部分を取り消す判断の他は、一審原告連合会及び一審原告組合の本件請求には理由がないと判断された例。
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業種・規模 |
協同組合 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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