事件名 |
二一世紀ひょうご創造協会 |
事件番号 |
神戸地裁平成 8年(行ウ)第18号
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原告 |
兵庫県職員労働組合県庁支部 |
被告 |
兵庫県地方労働委員会 |
被告参加人 |
財団法人二一世紀ひょうご創造協会 |
判決年月日 |
平成10年11月27日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、兵庫県のいわゆる第三セクターである協会が、地公法上の職
員団体である申立人組合の協会に派遣された組合員の協会における超過勤務等に関する団体交渉申入れを拒否したまま、従業員代
表と36協定を締結したことが争われた事件で、兵庫地労委は、申立人組合は労組法上の労働組合に当たらず、救済申立人適格を
有しないとして、申立てを却下したところ、組合はこれを不服として行政訴訟を提起したが、神戸地裁は、組合の請求を棄却し
た。 |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(参加によって生じた費用を含む。)は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4918 自治体
協会は、兵庫県の出資により設立されてはいるものの、法的には県とは独立で、県の行政組織に属せず、業務内容も行政作用を伴
わず、業務遂行につき県の指揮、命令を受けないから、業務内容に公益性が認められるからといって、実質的に県の業務と同一視
できるとはいえないとされた例。
4918 自治体
本件派遣職員の勤務条件が県職員と実質的に同程度であることをもって条例主義の適用が排除されていないと解するのは相当でな
く、本件派遣職員は、勤務時間及び時間外勤務手当に関しては地公法五八条の適用がないことから、労組法上の労働者に当たると
された例。
4822 混合組合
地公法上の職員団体が、地方公共団体以外の団体の勤務条件について、当該団体と団交を行うことについて、これを肯定すること
は、地公法及び労組法の予定しないところで相当ではなく、このように解しても、県からの派遣職員は派遣先の労組に加入又は新
労組を結成して派遣先の勤務条件について派遣先団体と団交できるので、憲法二八条の団結権の実質的剥奪とはならないとされた
例。
4822 混合組合
いわゆる混合組合理論(混合組合に単労職員の労働条件に限り労組法上の労働組合性を認める)の本件への適用の可否について、
第三セクターに派遣された一般職の地方公務員に関しては、単労職員のように少人数で職場が点在し、独自の労組結成が困難で団
結力も不十分である等の状況にはなく、本件派遣職員も従業員中半数近くを占め労組結成が困難といえないから、本件職員団体に
労組法上の労働組合性を肯定する必要性は小さいので、同理論は採用できないとされた例。
4822 混合組合
県職員労組の申立適格について、本件派遣職員が協会での勤務時間、時間外手当に関し労組法上の労働者に当たることをもって、
県職員労組が協会との関係で労組法上の労働組合に該当するとは直ちにいえないこと等から、県職員労組は不当労働行為救済申立
て資格を有せず、本件申立てを却下した初審命令に違法はないとされた例。
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業種・規模 |
学術研究機関 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集33集785頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年11月 959号 47頁
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