概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(秋田団交) |
事件番号 |
仙台高裁秋田平成 5年(行コ)第1号 平成 5年(行コ)第5号
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控訴人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
被控訴人 |
秋田県地方労働委員会 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合秋田地方本部 |
判決年月日 |
平成 9年10月29日 |
判決区分 |
一審判決の全部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社の支店が、出向に関する組合地本の団交申入れを、当該事項は本社と組合本部間の交渉事項であること等を理由として拒否したことが争われた事件である。 秋田地労委が、出向に関する団交応諾を命じた。 会社がこれを不服として、秋田地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁が会社の請求を一部認容し、同地労委命令を一部取り消したため、会社が控訴におよび、同地労委が附帯控訴していたものであるが、仙台高裁は、原判決を取り消し、会社の本件訴えを却下した。 |
判決主文 |
1 原判決を取り消す。 2 控訴人の本件訴えを却下する。 3 訴訟費用は、補助参加により生じた費用も含めて、第1、2審とも控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
5001 将来における予防、不特定な内容の請求
労委が本件命令において会社の申立事項をそのまま引用し、当時の変化した労使関係の具体的調整に必要な団体交渉事項を明示しなかったことについては、措辞不十分の点があったことは確かであるものの、本件命令に至る経緯及び本件理由中の判断を無視し、本件命令が一切の出向に関する一般的抽象的事項について団交を命じたものと解釈するのは相当でない
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
4500 交渉拒否理由または交渉条件に関する指示に触れた例
使用者に対して特定の事項についての団体交渉を命ずる旨の救済命令が発せられた後に、右救済命令が前提としていた労使関係の対立が解消したり、右団体交渉がなされた場合と同様の救済がなされたと判断される場合には、当該救済命令は、その発令の実質的な根拠を失ったものというべきであり、もはや労働者側としても当該団交事項について団体交渉を求める救済利益はなくなっているものというべきであり、救済命令はその基礎を失い、その拘束力を失うものと解するのが相当
6140 訴の利益
本件命令は、行政処分としての効力を失い、会社には本件命令を履行すべき公法上の義務はなく、同人には、本件命令の取消しを求める法律上の利益がなく、訴えが不適法として却下を免れない
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集32集403頁 |
評釈等情報 |
 
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