概要情報
事件名 |
松栄運輸 |
事件番号 |
東京地裁昭和63年(行ウ)第83号
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原告 |
松栄運輸 株式会社 |
被告 |
中央労働委員会 |
判決年月日 |
平成 1年 3月30日 |
判決区分 |
救済命令の全部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社とその関連会社である松原鍛工が一体となって申立人組合に所属する組合員らに対し、従前同人らが行っていた松原鍛工の運輸業務への就労を拒否したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審の岐阜地労委は、会社に対し、組合員に対するトラック運送業務就労拒否による支配介入の禁止及び文書手交を命じ、松原鍛工に対する申立てを棄却するとの一部救済命令を発したところ、これを不服として会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、組合から、会社に雇用される組合員全員が組合を脱退したことを理由に「初審命令の履行を求めない」旨の文書が提出されたので再審査手続きを進める理由がなくなったとして、再審査申立てを棄却した。会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起していたが、同地裁は、本件は初審命令を取り消し、組合の救済申立てを却下すべきであったとして、中労委の決定を取り消した。 |
判決主文 |
中労委昭和60年 (不再) 第24号事件について、被告が昭和63年5月25日付でなした決定を取消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 |
判決の要旨 |
6140 訴の利益
会社の負う初審命令の履行義務は公法上の義務であって、組合の意思如何により消長を来たす性質のものではないから、会社は本件決定の取消しを求めるための訴えの利益を有する。
6330 審査手続の違法
再審査被申立人たる地位は、自らの意思で放棄することはできず、組合の上申書の提出は、組合において初審申立を維持する意思を放棄する趣旨でなされたものとみるべきであり、労委が、会社の再審査申立てを却下した本件決定は違法である。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集24集110頁 |
評釈等情報 |
労働関係民事裁判例集 40巻 2・ 3号 332頁 
判例時報 1308号 152頁 
判例タイムズ 699号 205頁 
労働判例 538号 55頁 
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