概要情報
事件名 |
大久保製壜所 |
事件番号 |
東京高裁平成 1年(行コ)第71号
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被告参加人 |
東京東部労働組合大久保製壜所支部 |
控訴人 |
株式会社 大久保製壜所 |
被控訴人 |
東京都地方労働委員会 |
判決年月日 |
平成 2年 2月21日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、欠員補充に藉口した副執行委員長3名の配転、新勤務体制の説明会の際のトラブルを理由とする懲戒処分等を行ったことをめぐって争われた事件で、東京地労委の一部救済命令(59・3・27決定)を支持して、会社の請求の一部を却下、その余を棄却した東京地裁判決(元・6・14)を不服として会社が控訴していたが、高裁はこれを棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が組合員X1及びX2を配転したのは、組合の中心人物である両名を組合の基盤である検査課から遠ざけることにより心身障害者である組合員の組合活動に打撃を与え、団結意思を喪失させようとしたものと認められるから、本件配転は支配介入に当たるとした原審の判断は相当である。
1300 転勤・配転
組合員X3の配転には合理性が認められず、本件配転は同人が組合員であることを会社が嫌悪して行った不利益取扱いであり、不当労働行為に該当するとした原審の判断は相当である。
1400 制裁処分
管理職らを囲む等のトラブルを理由に組合員X1らを懲戒処分に付し、始末書提出を命じたことは、会社が自らの態度に問題があることを棚に上げ、X1らの行為の責任のみを追求して行った不利益取扱いであるとともに、組合の弱体化を意図してなされた不当労働行為である。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集25集123頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 810号 53頁 
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