概要情報
事件名 |
朝日新聞社 |
事件番号 |
福岡地裁昭和50年(行ウ)第33号
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原告 |
株式会社 朝日新聞社 |
被告 |
福岡県地方労働委員会 |
被告参加人 |
朝日新聞労働組合 |
被告参加人 |
朝日新聞労働組合西部支部 |
被告参加人 |
日本新聞労働組合連合 |
判決年月日 |
昭和54年 4月10日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
人員削減を伴う新勤務体制に反対して行った組合の昼勤拒否等並びにビラ貼付等が業務命令違反並びに施設管理権に対する違反侵害行為だとして執行委員長を3日間の停職懲戒処分に付し、組合員77名に対し、賃金カットしたとして争われた事件である。 初審福岡地労委(福岡49不24、50・10・31)は、本件懲戒処分について救済したが、賃金カットの部分については棄却した。 これに対し、会社は右命令の取消しを求めて行政訴訟を提起したが、地裁は請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 |
判決の要旨 |
4820 単一組織の支部・分会等
組合支部は、規約上も実際上もかなりの範囲において独自性が認められ、独自の活動を行ってきたのであるから、支部に申立人適格を認めた本件命令に違法はない。
4905 経営補助者
S本社は商法上の支店にすぎなくとも当該労働関係に重大な影響力ないし支配力を及ぼしうることが明らかであるから、S本社に被申立人適格を認めた本件命令に違法はない。
0300 争議行為の範囲
組合支部の昼勤命令拒否は、本部組合執行委等の指令を受けて、会社の業務命令に反してのものであるから争議行為と解するのが相当である。
0410 目的・手続き
協約上の予告義務に違反した争議行為が直ちに違法となるものでなく、従来の勤務体制を維持する闘いを貫徹していく態度を表明していること等から違法な争議行為とはいえない。
0415 職場占拠
組合支部の夜勤就労は、これにより業務上の障害が生じたとも認められないので、会社の指揮命令権ないし施設管理権の積極的侵害と解するのは相当でない。
0200 宣伝活動
組合のビラ配布はその形態等からみて会社建物の効用を著しく阻害したとはいえないことから全体としてみて支部にとって止むを得ない情宣活動であり、責任追及は相当でない。
1400 制裁処分
労委が本件懲戒処分が不当労働行為を構成すると判断して発した本件命令は相当であって、これを取り消すべき瑕疵はない。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集16集158頁 |
評釈等情報 |
労働判例 318号 27頁 
労働経済判例速報 1016号 9頁 
労働判例 角田邦重 327号 4頁 
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