事件名 |
トウガク (旧 東洋楽器) |
事件番号 |
東京地裁昭和49年(行ウ)第66号
|
原告 |
株式会社 トウガク |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
東洋楽器労働組合 |
判決年月日 |
昭和51年 9月30日 |
判決区分 |
救済命令の一部取消し |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、昭和45年夏期一時金争議に際し、組合員6名が始業時から
2時間の時限ストを行ったところ、会社が当日予定されていた残業を拒否したとして争われた事件で、中労委は、初審愛知地労委
の救済命令を支持し、再審査申立てを棄却した。
会社はこの命令を不服として東京地裁に行訴提起したところ、同地裁は、本件残業を命じなかったことは不当労働行為である
が、救済の方法としては、基本賃金の支払を命じれば足りるとして、割増賃金を命じた部分を取消し、その余の請求を棄却し
た。 |
判決主文 |
1 原告を再審査申立人、参加人を再審査被申立人とする中労委昭和
47年(不再)第97号事件につき、被告が昭和49年4月3日付でした別紙命令書記載の命令のうち、愛知県地方労働委員会昭
和45年(不)第20号事件の命令の主文第1項に関し、X1につき金 983円、X2につき金 1,035円、X3につき金
1,000円、X4につき金 743円、X5につき金 1,065円、X6につき金
698円を超えてその支払を命ずる部分について原告の再審査申立てを棄却した部分を取消す。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は参加によって生じた部分を除いてこれを6分しその1を被告の、その余を原告の各負担とし、参加によって生じた部分を6分しその1を参加人の、その余を原告の各負担とする。 |
判決の要旨 |
1302 就業上の差別
2900 非組合員の優遇
3700 使用者の認識・嫌悪
残業が恒常的に行われ、労働者がこれによる賃金を経済的に期待している場合に、ストに参加した組合員のみにつき残業就労を拒
否したことは、反組合的意図に基づく差別と考えるほかなく、不利益取扱い及び支配介入に該当する。
4413 給与上の不利益の場合
6355 その他
時限ストに参加した組合員が残業就労した場合の救済は、スト参加時間に相当する時間分の賃金支払いを命ずれば足り、それを超
えて時間外割増賃金の支払いを命ずる救済部分は、原状回復以上の救済として違法であって取消を免れない。
|
業種・規模 |
その他の製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集14集401頁 |
評釈等情報 |
労働関係民事裁判例集 27巻 5号 504頁
判例時報 845号 115頁
労働判例 本田 淳亮 269号 4頁
労働経済判例速報 929号 3頁
|