健診結果に基づいた個別保健指導(栃木県日光市)

健康無関心層のヘルスリテラシー向上のために市の保健師等が職場に出向いて行う「企業向け健康教室」を実施している。

基本情報

  • 実施主体者:栃木県日光市
  • 関係機関:日光商工会議所、日光市健康づくり推進員連絡協議会
  • 対象者:市内にある小規模事業場
  • 実施期間:平成22年度~

健康課題

 国保・後期高齢者医療広域連合加入者の生活習慣病における1人当たりの外来医療費は、糖尿病と腎不全が高い。事業場従業員の医療費データを正確に把握することは難しい状況であったが、国保・後期高齢者医療広域連合加入者の健康課題と重なると想定された。また、小規模事業場における、生活習慣病ハイリスク者に対する介入が不十分で、生活習慣病の発症や重症化予防につなげられない。

取組目的・内容

 日光市では、小規模事業場を対象に、市の保健師・管理栄養士が従業員の健康づくりに関する情報提供及び、健康相談の場として、「企業向け健康教室」を実施している。
■事業場への個別訪問
 日光商工会議所に会員登録されている従業員数10~50名未満の事業場に対し、健康教室や生活習慣病関連資料、健診の案内等の希望調査を実施する。希望のあった事業場へは個別に訪問して情報提供を行うとともに健康づくりの取組状況をヒアリング。具体的な健康教室の実施方法や日程等の打合せを実施する。希望がなかった事業場に対しても、市の職員が直接訪問し、従業員の健康づくりの取組状況に応じて日光市の事業を紹介するなど働きかけを実施。
■「企業向け健康教室」
 ①事業場から従業員の健診結果を受領。従業員に生活習慣問診票の記入と尿中塩分量測定用の採尿を依頼。
 ②➀の結果から、事業場の健康課題を抽出。
 ③抽出した健康課題と事業場からの要望(腰痛予防等)を踏まえた健康教室(30~60分)や、従業員個人に対して、自身の健康課題に合わせた行動目標の設定等の個別の保健指導を実施(1人20~30分)。健康教室では、内容により、地域の健康づくりのボランティア「健康づくり推進員」と協働で実施。
取組目的・内容

取組の成果・効果

 令和5年度は新規で健康教室に参加した事業場が4社、昨年度から継続して参加している事業場が4社であった。継続事業場では従業員の食生活・運動習慣に対する意識の変化が見られ、健診結果の改善につながっている。また、血糖値コントロール不良者に対する専門医への受診勧奨も行い、数値の改善が見られている。