ふじのくに健康長寿プロジェクト推進事業(静岡県)

地域全体の健康づくりに健康経営の視点を取り入れ、健康づくりに積極的に取り組む県内の事業者を増やす。

基本情報

  • 実施主体者:静岡県
  • 関係機関:全国健康保険協会(以下、協会けんぽ)静岡支部、健康保険組合、事業場、静岡社会健康医学大学院大学
  • 対象者:働く世代
  • 実施期間:平成29年度~

健康課題

 静岡県の健康寿命は令和元年に男女とも5位と全国で見てもトップクラスである。県の健康寿命と平均寿命はいずれも年々伸びているが、依然両者間の差はあり、健康寿命延伸が課題。全国と比較した標準化死亡比を見ると、脳内出血、脳血管疾患が多い。塩分の摂取量が他県より多く、野菜摂取量が少ない。

取組目的・内容

 静岡県では、各事業場の取組状況を確認しながら事業を進められるよう、実施状況や課題を聞き取り、展開事業者との連携を進めている。
■健康づくり優良企業の表彰
従業員等の健康増進に関する優れた活動や今後の取組に期待できる事業場等を健康づくりの優良企業として表彰する制度を設けた。表彰された事業場は、知事褒賞授与の他、事業場の取組を事例集にまとめて周知している。
■「ふじのくに健康づくり事業所宣言」事業
事業者が、従業員の健康管理や維持・増進のための具体的な取組目標を宣言し、県から認定証を発行。宣言内容は静岡県公式HPに公表している。宣言した内容を中心に各事業場で健康づくりに取り組んだのち、年度末に取組実績や取組結果を記載した実績報告書を提出する。また2年ごとの認定証更新の時期に合わせて、宣言内容を見直し、申込書を再提出する。協会けんぽ静岡支部の協力も得て事業を推進している。
■「ふじのくに健康づくりアドバイザー派遣」事業
「ふじのくに健康づくり事業所宣言」を行った事業者を対象に、生活習慣病、喫煙、栄養、運動、歯科各分野のアドバイザー(県の保健師、栄養士、外部の健康運動指導士等)を無償で派遣する制度を設けた。希望に応じてアドバイザーを派遣して、各分野のセミナーや個別相談を実施している。
■血圧測定習慣化促進事業
県の健康課題を踏まえ、県内事業場従業員を対象に血圧測定をする環境整備(血圧計貸与)、血圧測定の動機付け支援、継続的なフォローアップを通じて、家庭における血圧測定習慣化を目指す。
取組目的・内容

取組の成果・効果

健康づくりの優良企業として令和4年度までに81の事業場が受賞。「ふじのくに健康づくり事業所宣言」事業は、協会けんぽ静岡支部の協力を受け、令和4年11月現在、6,750事業場が宣言事業所になっている。静岡部品株式会社は平成27年9月に「ふじのくに健康づくり事業所」を宣言。以降、健康に関する取組を計画立てて行い、その結果、4年間で傷病人数が56%、傷病日数が81%減少し、休職人数も0人になる等、大きな効果が出ている。