“e-ZUKAトライバレー構想”に基づく雇用対策事業
(1)地域 :福岡県飯塚市
(2)地域の現状
飯塚市は福岡県の中央に位置し,石炭産業とともに栄えていた。現在は,地域経済の活性化に向け,“e-ZUKAトライバレー構想”を掲げ,企業誘致を中心とした新産業創出に向けた取り組みを行っている。しかし,進出が決定した企業にはIT産業系が多く,企業ニーズにあった人材が地元に不足しているため,実際の雇用拡大には繋がっていない。そこで,求職者に対する情報提供,人材育成を実施して,求職者の資質向上,雇用増大を図ることが求められている。
(3)地域で行っている取組
“e-ZUKAトライバレー構想”とは,「産学官連携」「ベンチャー支援」「人材育成」「企業誘致・案件創出」という4つの観点から新産業創出を目指す取り組みである。
[1]産学官連携事業
独創的なアイデアの実用化,産業技術の高度化,競争力強化等を促進するために産学技術交流を実施。
[2]ベンチャー支援事業
起業希望者等に対してスタートアップの負担軽減を図るための施策を展開。
[3]人材育成事業
起業後の人材へ経営戦略等の知識・経験の補強を図るため,人材の教育・育成を実施。
[4]企業誘致・案件創出事業
県や関連機関との連携を図りながら,今後の企業集積の核となりうる企業を誘致。また,セミナー等を開催して本市のPRにも努める。
(4)課題
“e-ZUKAトライバレー構想”を推進し,「飯塚アジアIT特区」の認定を受ける中,地域のイメージは向上し,コールセンター等の企業誘致は進んだ。しかしその反面,即戦力を必要とする進出企業の求める人材と,地元求職者の資質のミスマッチが生じている。よって,現状では雇用面での大幅な成果を上げるには至っておらず,人材育成の徹底が急務である。また,コールセンター以外の進出企業にも対応するため,より細やかなコンサルティングの実施が必要である。
(5)パッケージ事業での取組
[1]「ワンストップサービスセンターe-ZUKA」の設置(IT関連におけるコンサルティング業務)
進出企業及び地域企業を対象に企業個別訪問による求人情報の収集をし,相談者に対して情報提供を行うとともに,スキルアップ研修等を行うことにより資質向上に努め,スムーズな就職を促進し雇用増大を図る。
・情報提供…企業個別訪問による求人情報の収集・提供・スキルアップ研修…就職サポートセミナー,合同会社面談会の開催,職業相談の実施
・職業相談…適性判断,職業能力に関する個人カルテの作成,就業プランの提供
[2]「コールセンターオペレーター養成講座」の開催
企業誘致によりコールセンター業務に係る雇用が見込まれるため,オペレーター養成研修及び関連するパソコン操作の相談窓口を設置して,業務に必要な基礎知識・基礎技術を習得させ,地場雇用の創出を図る。
・オペレーター養成講座…半年間にわたり,毎月5日間の講習を実施・パソコン操作相談窓口…9ヶ月にわたり,週4日間窓口を開設する。
(6)パッケージ事業実施による将来像
進出企業及び地域企業を対象に個別訪問を行って求人情報を収集し,一方で求職者のスキルアップを図ることで企業のニーズに合う人材を育てる。このワンストップサービスセンターe-ZUKAの適切な運営により,スムーズな就職を促進し,雇用増大を図る。
また,企業誘致によるコールセンター業務には雇用効果が期待できるため,業務に必要な知識・技術を修得させることで,新たな地元雇用の創出が見込まれる。
<雇用創出目標>
- 平成17年度:50人
- 平成18年度:50人
- 平成19年度:50人
- 合計 :150人