人材育成及び新規事業開拓研究を通じた地域産業の再生と雇用機会の創出
(京丹後市達人養成・鉄人育成プロジェクト)
(1)地域 :京都府京丹後市
(2)地域の現状
京丹後市は、平成17年4月1日に異なる基幹産業(機械金属業、観光関連業、織物関連業、農林業等)を持った6町が合併してできた市である。
各産業をみると、機械金属業は好況ではあるが、将来に備えた技術の向上が必要とされている。観光関連業は冬季の松葉かにのシーズンを中心に好調であるが、季節的な変動もあり新規雇用が少ない状況である。また、丹後ちりめんで知られる織物関連業は着物離れ、絹織物輸入自由化による影響もあり、産業構造的な不況から抜け出せない状況にある。農林業は京都府内唯一の国営開発農地があるなど農業環境のよい地域ではあるが、農業就業者の高齢化、新規就農者の不足等により、後継者不足やそれに起因する農地荒廃が心配されている。以上から、好況な産業の支援と不況産業の底上げの両方が必要となっている。
(3)地域で行っている取組
[1]丹後ハイテクランド構想
付加価値の高いものづくり「真のハイテクランド」を目指して、丹後機械工業協同組合において、機械金属業従業員を対象としたスキルアップ研修及び幹部従業員を対象とした経営戦略習得セミナーを実施する。
[2]丹後地域産業活性化事業
市町村合併により市域が広がったメリットを活かし、広範囲での産業連携と地域活性化ための調査研究事業を実施する。
(4)課題
・機械加工技術研修、機械設計技術者養成講座を開催しているが、京丹後市内には実習機械等が整備してある訓練施設がないため、十分な研修、訓練ができていない。
・地域活性化のために研修を実施した結果、「地域再生のためにはまず人づくりから」、「産官学の一層の連携で新しいものづくり」という結論に達したが、問題解決に取り組む組織(体制)が整っていない。
(5)パッケージ事業での取組
[1]ものづくりの達人養成講習(機械金属業)
実習機械を整備した施設において旋盤技術、フライス盤、NC旋盤、マシニングセンター技術等の基礎技能講習を実施することにより、機械金属業に就職できる人材を育成する。また、NC旋盤、マシニングセンターの応用技術、機械設計等のキャリアアップ研修を行うことで、スキルアップを行い雇用の安定を図る。
[2]仕事づくりの鉄人育成事業
産官学の連携により、次世代に向けて経営のステップアップを図る事業所を対象に京丹後市経営学講座を開催し、事業拡大、新事業展開に関するノウハウの習得を支援する。また、専門コーディネーターの指導を仰ぎながら、地元の資源・技術を活かした丹後特有の製品開発が行える人材を育成する。
(6)パッケージ事業実施による将来像
基幹産業が異なる6町の合併により誕生した京丹後市では、好況産業の支援と不況産業の底上げが必要となっている。そこで、好況産業において、職業講習を行うことで求人・求職のミスマッチが解消され、雇用の安定が図られる。また、産官学の連携を促進し、企業の事業拡大、新分野進出を支援することにより、新たな雇用創出を目指す。これらについて、パッケージ事業を活用することにより、総合的な地域産業の再生を行い地域の雇用創出を行う。
<雇用創出目標>
平成17年度:8人
平成18年度:22人
平成19年度:36人
合計 :66人