地域資源保全・活用型産業の振興による雇用機会の創造
(1)地域 :富山県氷見市
(2)地域の現状
氷見市は、零細下請け企業が多く雇用機会が少ないことから、市外・県外で就職する傾向が強く、人口減少や地域活力の低下等の大きな要因ともなっている。このため、製造業を中心とする企業誘致及び地場産業・観光産業・商業の振興に取り組んでいるところであるが、企業誘致については、大都市圏からの地理的・時間的ハンディキャップがあるため、都市型産業の成長環境が整わず成果を挙げていない状況である。
しかし、海越しの立山連峰の雄大な景観、「氷見の寒ブリ」、「氷見牛」、「
(3)地域で行っている取組
[1]企業誘致対策
雇用創出効果の大きい企業の誘致を促進するため、新設・増設等の経費に対する補助制度を設けている。また、企業の新設・増設等に伴い市民を新規雇用し、かつ一定の条件を満たす場合にも助成を行っている。
[2]「6万人定住と200万人交流の都市作り」の推進
地域資源を保全・整備・活用し、農山漁村住民と都市住民の交流を促進するほか、全国中学生ハンドボール選手権大会の誘致や氷見市出身の漫画家・藤子不二雄A氏の漫画を活用したまちづくり、海のない県での観光宣伝事業の実施により交流人口の拡大に努めている。
[3]「四季を彩る花とみどりの庭園都市づくり」の推進
全国的にも珍しい海浜性植物専門の海浜植物園や、オニバス発生地として国の天然記念物となっている十二町潟水郷公園の整備のほか、6万本のひまわりを育てる「ひまわり大作戦」や、市内の住民との連携による地域の緑化など、花とみどりが市内全域にあふれた町づくりを推進し、観光客の拡大に努めている。
[4]「きときとの食文化の発信都市づくり」の推進
水産業・農畜産業・商工業者が主体となり、食材の消費・販路拡大を目指したイベントの開催など、食文化の活用による観光・交流人口の拡大に努めている。
(4)課題
・零細下請け企業が多く、UIJターン希望者を含めた若者等の雇用機会が不足していることから、企業誘致が強く求められている。
・誘致企業の地元定着に必要な専門的知識、技術を有する人材、支援事業者が不足している。
・観光リピーターの確保が非常に重要な課題であり、そのためにもホスピタリティの更なる向上が必要となっている。
・農産品や特産品等の地場産品の販路拡大、新製品の開発のために必要な人材、戦略が不足している。
・市の重要なまちづくり戦略の一翼を担うアグリビジネスへの事業拡大、新規創業等のための経営、人事等に関するノウハウが不足している。
(5)パッケージ事業での取組
[1]専門技術者育成事業
当市の「四季を彩る花とみどりの庭園都市づくり」に必要な、園芸関係の知識を有する人材を育成するほか、市内の民宿や料理店の調理師の技術の向上を図る講習会を実施する。
[2]地域人材資質向上対策
市全体の花とみどりの育成能力の向上を図るために市民グリーンキーパー育成講座を実施するとともに、観光リピーターの確保を図るため、喜ばれる接客方法、マナー、観光情報発信方法を学ぶ研修会、セミナーを実施する。
[3]販路拡大・経営支援対策
地場産品の販路拡大のため、専門家を招聘してのPR戦略を学ぶセミナーを実施する。また、アグリビジネス等への事業拡大・新規創業を希望する事業者に対し、専門家による労務管理や経営戦略等のコンサルティングを実施する。
(6)パッケージ事業実施による将来像
地域資源を最大限に生かし産業活性化を図ろうとしているものの、観光産業は国内経済の影響や観光形態の変化等で落ち込み傾向にある。また、公共事業の減少や親企業の事業構造転換等もあり、現在、市は厳しい雇用情勢にある。そこで、企業誘致・人材育成・販路拡大支援を実施することで、課題を解決し、地域産業の活性化、新規雇用の創出、雇用の安定を目指している。
<雇用創出目標>
平成17年度:13人
平成18年度:22人
平成19年度:85人
合計 :120人