「花のまち恵庭・開花プロジェクト雇用創出事業」
(1)地域 :北海道恵庭市
(2)地域の現状
恵庭市は「花のまち」として知られ、初夏を中心に年間約1万人以上の人々が同市の行う「花のまちづくり」を見学するため各地から訪れる。しかし、市外はもとより、市内においても地場産品の認知度は低く、地場産業が活性化しないため、新たな雇用創出が促進されず、厳しい雇用情勢となっている。
平成18年には「道と川の駅」や、民間企業による大規模な体験型庭園「恵庭エコプロジェクト」のオープンを予定しており、花を基軸とした地域産業の活性化を図ることとしている。
(3)地域で行っている取組
[1]交通の要衝地という利便性を背景にした積極的な企業誘致
平成15年に企業立地促進条例を定め、最大1億2千万円の助成措置を講じて企業誘致を推進し、現在までに5つの工業団地の造成と、300社以上の企業の創業につながっている。そうした企業誘致の成果の1つとして、「恵庭エコプロジェクト」があげられる。
[2]市設「労働相談室」の設置と雇用対策活動の実施
昭和50年代後半の「恵み野ニュータウン」の開発によって人口が急増したのに伴い、同市では主婦や定年退職者を中心に求職者が増加し、昭和62年には求職者をハローワークにつなぐ「労働相談室」を設置した。現在では相談だけではなくパソコンでの求人情報検索もできるようになっており、「パートタイマーハンドブック」の配布、U・Iターン希望者のための情報提供なども行っている。
[3]「道と川の駅」の建設と恵庭市観光協会への支援
恵庭バイパスに、休憩機能・情報発信機能・地域の連携機能の3つの機能を併せ持った「道と川の駅」を建設し、平成18年7月の開業を目指す。
[4]コミュニティFM設立支援
市民が協働してまちづくりを行うためには、地域の人材、素材、歴史、自然に関する情報の共有が必要ではないかという考えのもと、平成17年度中の会社設立を目指す。
[5]グリーン・ツーリズムの普及
野菜を中心に多品種の農産物が生産されていることから、農村レストラン・農畜産物の直売所の設置、地元農産物を利用した加工品づくりと販売・PR、宿泊体験施設の整備、貸付農園の整備・拡充、農産物トラストの実施及び食の体験ランドの実施などを行う。
[6]特産物開発・PR事業
平成17年度より、異業種が連携した恵庭ブランドの創出や地域特産品開発を行う。既存地場産品のPR・モニタリングを目的とした「恵庭逸品物産モール事業」では既存商品の再評価を行い、また推奨土産品の推奨方法の見直しにより、新たな地場産品創出を目指す。
(4)課題
・就職活動に必要な知識及び誘致企業が求めるスキルを持った人材の育成。
・地域の素材、人材、資質を熟知し、コーディネートできる人材の育成。
・コミュニティビジネスを起業する上で必要な専門知識・技術を持った人材の育成
・農業者の新分野参入の際に必要な知識や能力を持つ人材の育成
・特産品開発やPRにおいて、花・ガーデニング等の地域情報を身につけた人材の育成
(5)パッケージ事業での取組
[1]求職活動支援事業
求人側が必要とする知識や基礎的なスキルを持った人材を育成するための研修会、求職者が必要なスキルを習得できる研修会を実施する。また、就業に向けた、カウンセリングを実施する。
[2]地域産業人材育成事業
恵庭ブランド創出の基軸となる花・ガーデニングの知識・技能研修、地域の歴史・地場産品・人材等の地域情報の習得のための研修を行い、「花のまち」の案内役として活動できる人材の育成を図る。
[3]コミュニティビジネス人材育成事業
グリーン・ツーリズムの実施のために、管理事務、営業、コーディネートができるスキルを取得するための研修等を実施する。
(6)パッケージ事業実施による将来像
人材育成事業や求職活動支援を実施することにより、花・ガーデニング中心のまちづくり、恵庭ブランドの構築、特産品の積極的PRが地域経済の活性化へとつながり、地域の雇用が創出されることを目指す。
<雇用創出目標>
平成17年度:113人
平成18年度:128人
合計 :241人