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第104回ILO総会(2015年6月10日)伊澤厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)日本政府代表演説

 議長、事務局長、そして各国代表団の皆様、第104回ILO総会で日本政府を代表して発言する機会をいただいたことを光栄に思います。

 はじめに、ライダー事務局長が、ILOの改革や、2019年へ向けたILO 100周年イニシアティブ等に対し、強いリーダーシップを発揮されていることに、敬意を表します。

 議長、我が国は、1919年のILOの設立当初からの加盟国として、ILOとともに、ディーセント・ワークの実現に向けて尽力してきました。

 100年前にILOを創設した我々の先達たちは、今日の労働の世界の変容をどれだけ想像することができたでしょうか。

 今日の労働の世界は、様々な課題に直面しています。それは、失業の拡大、貧困・格差の拡大、非典型雇用やインフォーマル経済の拡大、国際競争の激化による労働条件や労働環境への影響など、枚挙に暇がありません。

 そのような中で、次の100年に向けて、ILOや我々構成員がディーセント・ワークを実現していくために、今後どのような課題に取り組まなければならないのか。それが、今回の事務局長報告で、我々に投げかけられた課題であると認識しております。

 議長、私は、こうした今日の労働の世界が抱える課題を克服し、労働の未来を切り開いていくことこそが、ここに集まった現代の我々の使命であると考えます。

  そして、こうした世界的な課題を克服することは、各国の努力のみで成し得るものではありません。ILOがリーダーシップを発揮し、ILO設立当初からの精神である、政労使三者構成主義を重視しながら、対話を積み重ねいくことを忘れてはいけません。

 議長、こうした観点から、我が国は、ILO事務局長のリーダーシップにより、この「労働の未来」イニシアティブが提唱されたことを強く支持します。

 また、日本は、事務局長報告にある「100周年宣言」の採択についても支持します。この「労働の未来」イニシアティブの議論を踏まえ、次の100年に向けて、ILOの役割を再度検討することは、大変時宜にかなったものと考えます。しかしながら、事務局長報告でも述べられているように、この宣言は、単に象徴的で儀式的なものではなく、我々に明確な考えとガイダンスを示す実質的なものとすべきと考えます。

 さて、議長、日本は現在、安倍総理が提唱するアベノミクスの「成長戦略」の中で、雇用制度の改革を行っています。

 少子高齢化やグローバル化が進む中、我が国の経済を持続的に成長させていくためには、雇用政策も「成長を支える」ことが求められています。

 そのためには、女性や高齢者が働きやすく、意欲と能力のある若者が将来に希望を持てる環境を整備することが必要です。この「全員参加の社会の実現」こそが、我が国の「労働の未来」を切り開く鍵を握っています。

 議長、変化し続ける労働の世界において、社会正義の実現を目指すILOの存在感は、次の100年においてもますます高まるものと考えます。

 日本政府は、引き続き、この重要な使命を担うILOの活動を最大限支援するとともに、ILO 100周年に向けた事務局長による様々なイニシアティブへの支持を再度表明し、私の演説の結びとします。

 ありがとうございました。

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