ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とILO > ILO総会について > 第103回ILO総会の開催 > 第103回ILO総会(2014年6月6日)佐藤厚生労働副大臣 日本政府代表 演説

第103回ILO総会(2014年6月6日)佐藤厚生労働副大臣 日本政府代表 演説

 議長、ありがとうございます。
 第103回ILO総会で日本政府を代表して発言する機会をいただいたことを光栄に思います。

 はじめに、ライダー事務局長が、ILO改革や2019年のILO100周年に向けたイニシアティブ等に対し、強いリーダーシップを発揮されていることに、敬意を表したいと思います。

 2012年秋に御就任された後、ライダー事務局長は、ILO本部の組織改革や、地域組織であるフィールドの改革、人事改革といった大きな改革を次々と行っています。
 日本としては、こうした改革は、ILOが今後も新しい時代にあった、かつ政労使の三者構成員すべてにとって必要不可欠な機関であり続けるため、非常に重要なものと考えています。

 さらに今後、改革の成果が現れ、ILOがこれまでよりもさらに、国際社会におけるイニシアティブを取る方向で発展することを、大いに期待しています。

 議長、日本は現在、アベノミクスの「三本の矢」の一つである「成長戦略」の中で雇用制度改革を行っています。
 日本経済はいま回復の途上にあり、その回復の原動力となる雇用への支援や働く環境整備が非常に重要であります。その中でも、ライダー事務局長が設定された「ILO100周年イニシアティブ」の一つともなっている、「女性の活躍促進」に関しては、日本政府も非常に力を入れています。

 まず、育児休業給付の支給割合を、休業開始後6ヶ月については、休業開始前賃金の50%から67%に引き上げることとしました。

 二つ目に、2014年度末までの2年間で約20万人分、2017年度末までに合わせて約40万人分の保育の受け皿を確保するための施策を推進しています。

 さらに、社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を、2020年までに少なくとも30%まで引き上げるという目標を掲げ取り組んでおり、こうしたことにより、女性が働きやすい社会の実現を目指しているところです。

 議長、こうした方策を含めた労働政策については、日本はこれまでも、三者で十分に議論した上で決定及び実施を行ってきています。今後も、ILOの根幹でもあるこうした三者対話の重要性を強く認識しつつ、日本として、よりよい雇用制度への改善を目指していきたいと考えています。

 さらに、日本は世界平和や地域の安定といった観点から、特にアジア太平洋地域総局を通じ、同地域のディーセントワークの達成を重要視しています。
 特に、本年総会でも議題となっているインフォーマル労働者に関しては、アジア太平洋地域総局を通じて、「南アジアにおける労働者保護の確保された雇用への移行支援事業(Way out of informality: Facilitating Formalization of the Informal Economy in South Asia Project)」を実施し、労働者保護の確保された雇用への移行を支援しています。

 また、それ以外にも各国の社会保険制度や社会的セーフティネット構築のための支援等を行っているところです。

 日本としては、こうした技術協力を通じ、日本の雇用・労働分野における政策等についての知見が幅広い地域にシェアされるとともに、これが、ILOが掲げる社会正義の実現という目標の達成に資することを切に望む次第です。

 議長、世界的な金融・雇用危機に揺れる国際社会において、こうした社会正義の実現を目指すILOの存在感は、ますます高まっています。
 日本政府は、引き続き、この重要な使命を担うILOの活動を最大限支援し、また、100周年に向けた事務局長の多方面のイニシアティブへの支持を表明し、私の演説の結びとします。

 ありがとうございました。

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とILO > ILO総会について > 第103回ILO総会の開催 > 第103回ILO総会(2014年6月6日)佐藤厚生労働副大臣 日本政府代表 演説

ページの先頭へ戻る