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13. 医療安全・医療技術評価総合研究事業

13. 医療安全・医療技術評価総合研究事業
  <事業概要>
   労働集約型サービスである医療サービスの分野においては、人口の少子・高齢化、医療ニーズの多様化・高度化に適切に対応するため、医学・医療技術や情報通信技術の進歩等を活用するとともに、より一層の省力化、効率化を図り、良質な医療サービスが提供できる体制を構築し、豊かで安心できる国民生活を実現することが求められている。
 このため、本研究事業は、医療システムを構築・評価する研究、医療安全体制を確保するための研究、医療の質と信頼を確保するための研究等を支援し、より質の高い効率的な医療サービスの提供に資することを目的としている。
 なお、本研究事業においては、医療の質と信頼の確保に関する研究分野等において積極的に人材育成を進める観点から、若手研究者による【若手育成型】の研究を募集する

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と政策目標(大目標、中目標)」
 理念 健康と安全を守る
 大目標 生涯はつらつ生活
 中目標 国民を悩ます病の克服

  <新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、平成15年8月の「医療提供体制の改革のビジョン(厚生労働省)」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/04/h0430-3a.html)に示された医療提供体制の将来像のイメージの実現に資するような研究及び社会保障審議会医療部会における「医療提供体制に関する意見中間まとめ」(http://www.mhlw.go/jp/singi/2005/08/s0801-2b.html)において個別論点となっている研究課題を優先的に採択する。
 それぞれの公募研究課題において特に優先して採択する研究等がある場合には、該当する公募研究課題のところに示している。

 
研究費の規模 1課題当たり1,500千円〜15,000千円程度(1年当たり)
「若手育成型」については、3,000千円〜5,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 30課題程度(「若手育成型」を含む)

若手育成型の応募対象
 平成19年4月1日現在で満37歳以下の者(昭和45年4月2日以降に生まれた者に限る。)
  ※ 新規採択時にのみ本条件を適用する。
  ※ 満年齢の算定は誕生日の前日に一歳加算する方法とする。
  ※ 産前・産後休業及び育児休業を取った者は、その日数を応募資格の制限日に加算することができる。

  <公募研究課題>
【一般公募型】
 (1)  医療安全の推進に関する研究
(留意点)
 院内感染対策に関するものを含む。
(ア) 事故事例等の分析による医療安全対策に関する研究(19250101)
(イ) 医療事故の発生後の課題(裁判外紛争処理・無過失補償制度等)に関する研究(19250201)
(ウ) 医療の安全性及び安全対策の評価指標の開発と有効性の検証(19250301)
(エ) 医療安全対策における患者参加のあり方に関する研究(19250401)
(オ) 基本的な医療技術の標準化と安全性の確保の研究(19250501)
(留意点)
 基本的な手技(中心静脈カテーテル留置、胸腔ドレナージ、動脈穿刺、骨髄穿刺)について、標準的な手順を定める。
(カ) ITを活用した医療安全対策に関する研究(19250601)
(キ) 安全性の高い療養環境及び作業環境の確立に関する研究(19250701)
(ク) 医療安全に係る教育、訓練、コミュニケーションスキルに関する研究(19250801)
(ケ) 医療機関における安全管理体制に係る評価に関する研究(19250901)
(コ) 医療機関における放射線安全の確保に関する研究(19251001)
(留意点)
 課題の採択に当たっては、放射線防護に関する研究、放射線診療の連携体制に関する研究を優先する。

 (2)  医療の質と信頼の確保に関する研究
(ア) 医師と医療関連職種等との連携や勤務形態のあり方に関する研究(19251101)
(イ) 看護基礎教育の充実に関する研究(19251201)
(留意点)
 効果的なカリキュラムの開発、教授方法の開発に関する研究を優先する
(ウ) 新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する研究(19251301)
(エ) 保健師助産師看護師国家試験の改善方策に関する研究(19251401)
(オ) 在宅医療における療養環境の整備に関する研究(19251501)
(カ) 医療の質の向上に関する研究(地域における医療機能の充実、医療連携体制に関するもの等)(19251601)
(キ) 医療・看護技術の質の向上に関する研究(19251701)
(留意点)
 課題採択に当たっては、Evidence-Based Nursingの手法を用いた看護ガイドラインの開発に関する研究を優先する。
(ク) 医療連携、専門医、かかりつけ医、救急医療、リハビリテーションなど医療提供体制全般に関するわが国との詳細な国際比較に関する研究(19251801)
(留意点)
 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアより1カ国を選択すること。
(ケ) 口腔と全身のQOLに関する研究(19251901)
(コ) 臨床研修制度における研修医指導に関する研究(19252001)

 (3)  効果的な危機管理体制の確保に関する研究
(ア) 救急医療体制の推進に関する研究(19252101)
(イ) 災害時における迅速かつ有効な医療提供体制整備の推進に関する研究(19252201)
(ウ) 小児救急医療体制の整備推進に関する研究(19252301)

 (4)  電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究
(ア) 医療安全対策の推進基盤となる電子カルテシステム等の開発・評価と利活用に関する研究(19252401)
(留意点)
 マン・マシンインターフェイスによる医療安全を目指す研究について優先的に採択する
(イ) 医療情報システムの開発・評価と利活用に関する研究(19252501)
(留意点)
 電子カルテシステム等の導入による効果・影響の評価等、評価手法の開発について優先的に採択する
(ウ) 用語・コード・メッセージ交換規約・文書及び運用等の標準化や、システム間の相互運用性確保に向けた研究(19252601)

 (5)  適切な情報通信技術を活用した医療情報ネットワークの推進に関する研究
(ア) 医療情報の健診・介護等との分野横断的利活用や、地域間共有に関する研究(19252701)
(留意点)
 以下の事項に関する研究は優先的に採択する。
セキュリティや標準化などの技術的課題について
技術課題に加え、制度的・社会的課題の解決をも視野にいれたもの
(イ) 遠隔医療等の情報通信技術の活用による医療の質向上、効率化の推進に関する研究(19252801)

 (6)  根拠に基づく医療(Evidence-based Medicine:EBM)の効果的な普及と臨床への適用に関する研究
(ア) 医療従事者及び患者向け診療ガイドラインの評価及び体系化、EBM手法の開発に関する研究(19252901)
(イ) 臨床におけるEBMの普及・推進、一般国民のEBMに対する理解の促進に関する研究(19253001)
(ウ) 統合医療に関する研究
(留意点)
 西洋医学に含まれない医療領域である相補・代替医療に該当する漢方、あん摩マッサージ、はり、きゅう等のほか、食事療法、カイロプラクティック等及びヨガ・精神療法等を現代西洋医療と効果的に組み合わせた医療を統合医療と呼ぶ。
 上記、統合医療について、下記ア)、イ)に該当する研究課題を公募する。
 ア)  内外における統合医療の現状調査。その内容(具体的手法、作用機序)、施行規模、経済学的評価など。(19253101)
 イ)  現代西洋医学との併用により、その効果を高めたり、新たな効果を示す統合医療の開発研究。(19253201)

【若手育成型】
 (1)  若手研究者が上記(1)〜(6)の公募課題において主体となって行う研究(19253301)

  <研究計画書を作成する際の留意点>
   目標を明確にするため、研究計画書の「8.研究の目的、必要性及び期待される成果」に、当該研究により期待される科学的成果及び当該成果によりもたらされる学術的・社会的・経済的メリットを具体的に記載すること。また、「11.研究計画・方法及び倫理面への配慮」に、年度ごとの計画及び達成目標を記載するとともに、実際の施策等への応用に至る工程を含めた研究全体の具体的なロードマップを示した資料を添付すること(様式任意)。
 なお、研究課題の採択に当たっては、これらの記載事項を重視するとともに、中間評価及び事後評価においては、研究計画の達成度を厳格に評価する。その達成度(未達成の場合にはその理由、計画の練り直し案)如何によっては、研究の継続が不可となる場合もあり得ることに留意すること。
 「(6)(ウ)統合医療に関する研究」に関しては、以下の事項に留意して応募すること。

ア. 介入を行う臨床研究を実施する場合には、当該臨床研究が開始されるまでに、WHO等ミニマム・データセットを満たす臨床研究登録機関に登録を行うこと(II応募に関する諸条件(4)応募に当たっての留意事項 エ.臨床研究登録制度への登録について 参照)。なお、事業実績報告書の提出時に、登録の有無を記載した報告書(様式自由)を別に添付すること。
イ. 介入を行う臨床研究を実施する場合には、妥当なプロトコールが作成され、臨床研究倫理指針等(II応募に関する諸条件(4)応募に当たっての留意事項、ウ.研究計画策定に当たっての研究倫理に関する留意点参照)に規定する院内の倫理審査委員会の承認が得られている(又はその見込みである)こと。あらかじめ、研究の内容、費用及び補償の内容等について患者は家族に説明し文書により同意を得ていること。
 また、モニタリング・監査・データマネジメント等を含めた研究体制や、安全性及び倫理的妥当性を確保する体制について添付し提出すること。
ウ. 「臨床研究に関する倫理指針」(平成15年7月30日)を遵守すること。なお、遵守状況について当省担当官による実地調査もあり得ること。


14. 労働安全衛生総合研究事業
  <事業概要>
   労働災害により今なお年間55万人が被災するとともに、職業性疾病も依然として後を絶たない状況にある。また、一般健康診断において所見を有する労働者が5割近くを占め、仕事や職業生活に関する強い不安やストレスを感じている労働者が6割を超える中で、過重労働対策やメンタルヘルス対策の充実が求められている。さらに、職場における化学物質の健康影響については、社会的な問題となっている。
 このような課題に今後より一層的確に対応するため、本研究事業は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進するための研究を総合的に推進することとする。

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と政策目標(大目標、中目標)」
 理念 健康と安全を守る
 大目標 安全が誇りとなる国
 中目標 暮らしの安全確保

  <新規課題採択方針>
   年齢階級別の有所見率等のデータを検診機関の協力を得て収集し、労働者に対して行われている健康診断の中の胸部エックス線検査等の有効性等を評価し、効率的かつ疾患の発見に有用な胸部エックス線検査等の実施方法・対象を明らかにするための研究を実施する。
 行政施策に直結する実証的研究で短期間に具体的な成果を上げることが見込まれるものを積極的に評価する。

 
研究費の規模 1課題当たり5,000〜15,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 2課題程度

  <公募研究課題>
【一般公募型】
 (1)  労働安全衛生法に基づく胸部エックス線検査の労働者の健康管理に対する有効性等の評価に関する調査・研究(19260101)
 (2)  上記課題以外の、労働安全衛生に関し重要性、緊急性が高い研究(19260201)

  <研究計画書を作成する際の留意点>
   目標を明確にするため、研究計画書の「8.研究の目的、必要性及び期待される成果」に、当該研究により期待される科学的成果及び当該成果によりもたらされる学術的・社会的・経済的メリットを具体的に記載すること。また、「11.研究計画・方法及び倫理面への配慮」に、年度ごとの計画及び達成目標を記載するとともに、実際の施策等への応用に至る工程を含めた研究全体の具体的なロードマップを示した資料を添付すること(様式任意)。
 なお、研究課題の採択に当たっては、これらの記載事項を重視するとともに、中間評価及び事後評価においては、研究計画の達成度を厳格に評価する。その達成度(未達成の場合にはその理由、計画の練り直し案)如何によっては、研究の継続が不可となる場合もあり得ることに留意すること。
 介入を行う臨床研究を実施する場合には、当該臨床研究が開始されるまでに、WHO等のミニマム・データセットを満たす臨床研究登録機関に登録を行うこと(II応募に関する諸条件(4)応募に当たっての留意事項 エ.臨床研究登録制度への登録について 参照)。なお、事業実績報告書の提出時に、登録の有無を記載した報告書(様式自由)を別に添付すること。
 介入を行う臨床研究を実施する場合には、妥当なプロトコールが作成され、臨床研究倫理指針等(II応募に関する諸条件(4)応募に当たっての留意事項、ウ.研究計画策定に当たっての研究倫理に関する留意点参照)に規定する院内の倫理審査委員会の承認が得られている(又はその見込みである)こと。あらかじめ、研究の内容、費用及び補償の内容等について患者は家族に説明し文書により同意を得ていること。
 また、モニタリング・監査・データマネジメント等を含めた研究体制や、安全性及び倫理的妥当性を確保する体制について添付し提出すること。


15. 食品医薬品等リスク分析研究事業

(1) 食品の安心安全確保推進研究事業
  <事業概要>
   本研究事業は、食品供給行程全般におけるリスク分析のうち、厚生労働省が担当するリスク管理及びリスクコミュニケーション並びにリスク評価に必要な科学的知見の収集等を実施するものであり、国民の安全な食生活を確保するとともに、食品に関する国民の不安を解消に資することを目的に本研究事業を推進する。具体的課題としては、BSEなど食品安全行政の中でも国民の関心が高い案件について重点的に研究を推進するとともに、遺伝子組換え食品など、科学技術進展により開発された新しい食品の安全性などについても研究を実施する。なお、本研究事業においては、食品安全におけるレギュラトリーサイエンス分野の研究で積極的に人材育成を進める観点から、若手研究者による研究を募集する。

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と施策目標(大目標、中目標)」
 理念 健康と安全を守る
 大目標 安全が誇りとなる国
 中目標 暮らしの安全確保

  <新規課題採択方針>
   次に掲げる課題について募集を行う。
 ただし、基本的に、食品衛生法等による食品安全行政に応用が可能な研究を採択する。
 また、採択に当たっては、国際的動向も踏まえつつ、食品等の安全性及び信頼性の確保の観点から、国民の保健衛生の向上に資するものを優先的に採択する。

  <公募研究課題>
【一般公募型】
 (1)  食品の安心・安全推進研究分野
 ・ 食品衛生関連情報の効率的な活用に関する研究(19270101)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、世界保健機関、国際食品規格委員会等の国際機関や各国の関連機関が保有する情報の収集・分析を実施し、その効率的な活用について検討を行うこと、及び、原因不明の食中毒事例等に関し、地方衛生研究所、検疫所、保健所等の食品安全関係機関における連携モデルを構築することに資する研究について優先的に採択することとする。

 
研究費の規模 9,000千円〜12,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (2)  食品リスク分析調査研究分野
 ・ 食品中のダイオキシン類等有害物質濃度の実態把握に関する研究(19270201)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、食品中のダイオキシン類等有害物質について、食品中での有害物質濃度分析法の開発、有害物質等汚染実態調査及び食品からの摂取量に関する調査(トータルダイエット調査)などに成果が期待できる研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 1課題あたり25,000千円〜70,000千円(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 2課題

 (3)  バイオテクノロジー応用食品分野
 ・ モダンバイオテクノロジー応用生物の食品への混入に関する安全性確保にのための研究(19270301)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、非食用の遺伝子組換え生物が食品等へ混入することを検知する信頼性の高い検知法・分析法の開発を目的とした研究を優先する。

 
研究費の規模 8,000千円〜12,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (4)  健康食品等の安全性・有効性評価研究分野
 ・ 健康食品における安全性確保を目的とした基準等作成のための研究(19270401)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、いわゆる健康食品、特別用途食品等における安全性確保のためのガイドライン又は規格基準等を成果として得られることが期待できる研究を優先する。

 
研究費の規模 8,000千円〜10,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ いわゆる健康食品の安全性・有効性に影響する要因に関する研究(19270501)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、いわゆる健康食品の主たる成分自体の安全性や有効性の検討にとどまらず、成分以外の要因(摂取者、摂取方法、含有物質、相互作用等)による安全性の影響を明らかにし、安全性や有効性確保のための具体的なガイドライン等を作成しうる研究を優先する。

 
研究費の規模 13,000千円〜17,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (5)  牛海綿状脳症対策研究分野
 【新規公募課題なし】

 (6)  添加物に関する研究分野
 ・ 国際的動向を踏まえた食品添加物の規格の向上に関する調査研究(19270601)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、食品添加物の国際的な整合性を確保するための規格規準の設定に関する研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 10,000千円〜12,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (7)  汚染物質に関する研究分野
 ・ 重金属等を含む食品の安全性に関する研究(19270701)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、重金属等(特にカドミウム、鉛、ヒ素)を含む食品の安全性に関する研究、及び、加工・調理によりその毒性を減ずることが可能な伝統食品について、食品を通じた暴露評価及び健康影響、知見収集・整理等に関する研究を優先的に採択することとする。

 
研究費の規模 1課題あたり10,000千円〜20,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ かび毒を含む食品の安全性に関する研究(19270801)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、かび毒(特にオクラトキシン、DON(ニバレノール含む)、フモニシン)の暴露評価研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 18,000千円〜22,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ 貝毒を含む食品の安全性確保に関する研究(19270901)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、主要貝毒標準品の作成及び国際的評価を得る汎用分析法(LC/MSによる一斉分析法等)の開発に関する研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 12,000円〜16,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ 動物用医薬品等に関する畜水産食品の安全性確保に係る研究(19271001)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、動物用医薬品の発がんメカニズム及び発がん関連遺伝子の研究等を含む研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 8,000千円〜13,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ 食品中に残留する農薬等の安全性に関する研究(19271101)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、加工食品に関する残留基準、残留農薬の分析に係るスクリーニング法の開発、複数農薬の食品中の残留実態、食品を介した農薬等の急性暴露評価についての研究を計画している研究を優先的に採用する。

 
研究費の規模 13,000千円〜18,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (8)  食品中の微生物対策分野
 ・ 冷凍食品の安全性確保に関する研究(19271201)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、冷凍食品全般にわたるリスク要因(微生物など)を総合的に整理し、具体的なリスク管理手法を開発する研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 27,000千円〜33,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ 食品中の病原微生物のリスク管理に関する研究(19271301)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、病原微生物による食中毒予防に有用なリスク管理手法の確立を目的として、食品中の病原微生物の汚染実態や汚染量の動態調査、病原微生物の制御方法の開発等に成果が期待できる研究を優先的に採用する。

 
研究費の規模 1課題あたり23,000千円〜35,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 2課題

 ・ 食品中のウィルスの制御に関する研究(19271401)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、食中毒の原因となるウィルスの制御方法を確立するため、飲食に起因するウィルス性感染症の実態調査、食品中の食中毒起因ウィルス分析法の開発、ウィルス不活化手法の開発等に成果が期待できる研究を優先的に採用する。

 
研究費の規模 28,000千円〜38,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (9)  食品中の化学物質対策研究分野
 ・ ダイオキシン類の乳幼児発達への影響の解明等に関する研究(19271501)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、母乳中に含まれるダイオキシン類濃度を測定し、汚染の地域差や経年的変動を明らかにし、その乳幼児の発達への影響との関係について解析を行う研究を優先的に採択することとする。

 
研究費の規模 18,000千円〜22,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ 食品用器具・容器包装、洗浄剤及び乳幼児用おもちゃの安全性確保に関する調査研究(19271601)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、合成樹脂、ゴム、紙の容器包装、洗浄剤の安全性確保のための規格基準の設定に関する研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 10,000千円〜14,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 ・ 食品中の複数の化学物質による健康影響に関する調査研究(19271701)
(留意事項)
 課題の採択に当たっては、食品成分、食品添加物の複合曝露による発がん等のリスク、農薬の長期複合曝露による健康影響についての研究を優先的に採択する。

 
研究費の規模 20,000千円〜25,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 1課題

 (10)  アレルギー表示に関する研究分野
 【新規公募課題なし】

 (11)  輸入食品の安全性等に関する研究分野
 【新規公募課題なし】

 (12)  乳幼児食品の安全性に関する研究分野
 【新規公募課題なし】

 (13)  その他
 上記(1)〜(12)の分野において、具体的な公募課題が設定されていないものについては、予算の範囲内において、採択をする。ただし、具体的な新規公募課題が設定された研究課題の採択及び継続して実施される研究課題への配分を優先するため、研究課題の採択がない場合がある。

【若手育成型】
 (14)  以下に示す年齢条件を満たす若手研究者が上記の(1)〜(12)において主体となって行う研究(19271801)

 
研究費の規模 1課題あたり5,000千円程度(1年あたり)
研究期間 1〜2年
新規採択予定課題数 3〜5課題程度(ただし、評価が低い場合はこの限りではない。)
若手育成型の応募対象となる年齢条件:
 平成19年4月1日現在で満37歳以下の者(昭和45年4月2日以降に生まれた者に限る。)
 ※ 新規採択時にのみ本条件を適用する。
 ※ 満年齢の算定は誕生日の前日に一歳加算する方法とする。
 ※ 産前・産後休業及び育児休業を取った者は、その日数を応募資格の制限日に加算することができる。

  <研究計画書を提出する際の留意点>
  (1) 研究計画書の「8.研究の目的、必要性及び期待される成果」に、当該研究により期待される科学的成果及び当該成果によりもたらされる学術的・社会的・経済的メリットを具体的に記載すること。
  (2) 「11.研究計画・方法及び倫理面への配慮」に、年度ごとの計画及び達成目標を記載するとともに、食品安全行政等への応用に至る工程を含めた研究全体の具体的なロードマップを示した資料を添付すること(様式任意)。
  (3) 研究課題の採択に当たっては、これらの記載事項を重視するとともに、中間評価及び事後評価においては、研究計画の達成度を厳格に評価する。その達成度(未達成の場合にはその理由、計画の練り直し案)如何によっては、研究の継続が不可となる場合もあり得ることに留意すること。


(2) 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業
  <事業概要>
   医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業は、医薬品・医療機器等の安全性、有効性及び品質の評価、及び乱用薬物への対策等に必要な規制(レギュレーション)に対して、科学的合理性と社会的正当性を付与するための研究を通して医薬行政の円滑な推進を図ることで保健衛生及び国民生活の質の向上に資するものとして重要である。本研究事業の成果は承認審査、治験の推進、安全対策などに寄与するだけでなく有効性や安全性等の評価手法・指針等の整備により、新たな医薬品・医療機器開発の効率化や承認審査の迅速化を促しており、国民の健康と安全に対し大きな役割を果たすことが期待される。
 今後、わが国における基礎研究成果の実用化に向けた臨床研究や橋渡し研究を強力に推進する中で、国民にとって有効性が確認された医薬品・医療機器をより早くより安全に使用するためには科学的かつ適正な承認審査が必要不可欠であることから、平成19年度において戦略重点科学技術として取り組む「臨床研究・臨床への橋渡し研究」の成果の実用化を促進する本研究事業は必須である。また、分野別推進戦略における推進方策においても、レギュラトリーサイエンスの考え方に基づく研究の推進と、その成果の承認審査への応用が掲げられているため、医薬品・医療機器の承認審査の迅速化に向けて、世界的動向を踏まえつつ、再生医療や次世代医療機器等に係る評価指標・ガイドラインの整備に取り組むとともに、ファーマコゲノミクス等の新たな知見に基づく評価手法確立のための研究を強化し成果目標としてとして掲げた個人の遺伝情報に応じた医療に有用な医薬品の承認を実現する。
 また、至適投与量や臓器分布等の検討のための極微量投与(マイクロドージング)や医薬品・医療機器の開発における標準的手法・迅速化・効率化等の研究(クリティカルパスリサーチ)などの世界的に検討されている新しい手法や研究についても、活用を検討する必要がある。
 さらに、国民の暮らしの安全性を確保するためには、麻薬や違法ドラッグ等の乱用薬物に関する毒性・依存性の評価及び乱用防止のための研究を強化し、成果目標として掲げた薬物の毒性・依存性の迅速な評価とそれらの公表、国民向け啓発活動による薬物の乱用防止という早期達成を目指す。
 その他、品質保証・製造管理対策、薬事監視の強化、市販後安全対策、医薬品販売等の適正化対策等については、引き続き行政施策につながる研究を実施していく必要がある。
 なお、平成19年度から血液及びワクチン分野については、人工血液の開発等の創薬型研究を他の研究事業へ移し替えており、本研究事業では製剤の安全性や品質の向上のための研究に重点化している。

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と政策目標(大目標、中目標)」
 理念 健康と安全を守る
 大目標 安全が誇りとなる国
 中目標 暮らしの安全確保

  <新規課題採択方針>
   次に掲げる課題について募集を行う。
 (1)  医薬品・医療機器等の品質、安全性及び有効性の評価・管理等に関する研究
 (2)  安全な改良型ワクチン・血液製剤等の安定供給等に関する研究
 (3)  医薬品・医療機器等の市販後安全対策に関する研究
 (4)  医薬品・医療機器等の適正な提供等に関する研究
 (5)  違法ドラッグ等の乱用薬物対策等に関する研究

 なお、研究課題の採択に当たっては、基本的に、薬事法、薬剤師法、麻薬及び向精神薬取締法、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律等による医薬行政施策への応用が可能なものや、国際的動向も視野に入れつつ、医薬品等の品質・有効性・安全性確保の観点から、国民の保健衛生の向上に資するものを優先的に取り扱う。

 
研究費の規模 1課題当たり3,000千円〜50,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 35課題程度

  <公募研究課題>
【一般公募型】
 (1)  医薬品、医療機器等の品質、安全性及び有効性の評価・管理等に関する研究のうち次に掲げるもの
(ア) 国際的整合性を目指す医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する研究(19280101)
 ファーマコゲノミクス等を利用した医薬品等の有効性及び安全性の確保や、マイクロドージング試験などを用いた臨床試験移行に際しての安全性評価法の確立などを通じて、医薬品等の承認審査に関する国際的整合性を目指し、新しい技術、研究、手法の活用法やその評価法、規制手法の確立等を行う、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保に関する研究である。
(イ) 治験の倫理的・科学的な質の向上のためのGCPの運用改善等に関する研究(19280201)
(ウ) 医薬品を巡る環境の変化に対応した日本薬局方の改正のための研究(19280301)
(エ) 小児等の特殊患者に対する医薬品の製剤改良その他有効性及び安全性の確保のあり方に関する研究(19280401)
(オ) タンパク質製剤及び核酸含有製剤の高感度安定性評価法の確立に関する研究(19280501)
(カ) 医薬品等中のプリオンの検出等に関する研究(19280601)
(キ) ワクチン等特殊な製剤の品質、安全性及び有効性の評価方法の作成に関する研究(19280701)
(ク) 体外診断薬の診断性能の標準化に関する研究(19280801)
(ケ) 医療機器の国際的な動向を踏まえた品質、有効性及び安全性の評価に関する研究(19280901)
 医療機器の開発、規制状況に関する国際的な動向を踏まえ、評価手法、規制手法の確立等を目指す、医療機器の品質、有効性及び安全性に関する研究である。
(コ) 医療機器・医用材料のリスクアセスメント手法開発に関する研究(19281001)
 医用材料の安全性を踏まえた医療機器本体の安全性評価手法の開発等に関する研究である。

 (2)  安全な改良型ワクチン・血液製剤等の安定供給等に関する研究のうち次に掲げるもの
(ア) インフルエンザワクチン需要予測に関する研究(19281101)
(イ) 粘膜投与等の新投与経路ワクチン研究における品質管理に関する研究(19281201)
(ウ) 第VIII因子製剤のインヒビター発生要因に関する研究(19281301)
(エ) 献血のスクリーニング検査のリスク評価に関する研究(19281401)
(オ) 血液製剤使用に関する管理と情報システムに関する研究(19281501)
(カ) ワクチンの有用性向上のためのエビデンス及び方策に関する研究(19281601)
(キ) 献血構造改革の推進の評価・分析に関する研究(19281701)
 若年層の献血、企業献血及び複数回献血の実態調査と目標達成に向けた効果的な推進方策に関する研究である。

 (3)  医薬品・医療機器等の市販後安全対策に関する研究
(ア) 薬剤性肺障害の発現状況の国際比較に関する研究(19281801)
(イ) 医療機器の不具合用語の標準化に関する研究(19281901)
(ウ) 植込み型生命維持装置の不具合情報等の集積・伝達手法の確立等に関する研究(19282001)
(エ) 特殊な包装形態の医療用医薬品へのバーコードの表示方法等に関する研究(19282101)

 (4)  医薬品・医療機器等の適正な提供等に関する研究
(ア) 薬局及び薬店における薬剤師等の業務実態に関する調査研究(19282201)
(イ) がん専門薬剤師の養成事業の評価を通じた事業の改善に関する研究(19282301)
(ウ) 一般用医薬品の販売にあたっての情報提供のあり方に関する研究(19282401)
(エ) 製造販売規制を効率的に行うための医療機器の体系的な分類の推進に関する研究(19282501)
(オ) 医療機器の販売等に係る効果的なリスクマネジメント手法に関する研究(19282601)

 (5)  違法ドラッグ等の乱用薬物対策等に関する研究のうち次に掲げるもの
(ア) 乱用薬物による神経毒性、依存症に対する予防・治療法に関する研究(19282701)
(イ) 乱用薬物の分析、鑑定法の開発等に関する研究(19282801)
(ウ) 薬物乱用・依存等の実態把握とその対応策等に関する研究(19282901)

  <研究計画書を作成する際の留意点>
   研究計画書の提出に当たっては、目標を明確にするため、研究計画書の「8.研究の目的、必要性及び期待される成果」に、当該研究により期待される科学的成果及び当該成果によりもたらされる学術的・社会的・経済的メリットを具体的に記載すること。また、「11.研究計画・方法及び倫理面への配慮」に、年度ごとの計画及び達成目標を記載するとともに、実際の医療・規制等への応用に至る工程を含めた研究全体の具体的なロードマップを示した資料を添付すること(様式任意)。
 なお、研究課題の採択に際しては、研究計画書の「8.」及び「11.」を重視するとともに、中間評価及び事後評価においては、研究計画の達成度を厳格に評価する。その達成度(未達成の場合にはその理由、計画の練り直し案)如何によっては、研究の継続が不可となる場合もあり得ることに留意すること。


(3) 化学物質リスク研究事業
  <事業概要>
   我が国の日常生活において使用される化学物質は数万種に及ぶといわれ、国民生活を豊かなものとすることに貢献している反面、人の健康への有害影響が社会的に懸念されている。世界的にも、ヨハネスブルグサミットにおいて、「化学物質が、人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最少化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成することを目指す。」とされており、国際協力の下で化学物質の有害性の如何についての評価を推進する必要がある。
 本研究事業では、化学物質の総合的な評価を加速し、国際的な化学物質管理の取組に貢献するために、化学物質の迅速かつ効率的な評価手法の開発や戦略的な評価スキームの構築等の研究を推進する。
 また、10億分の1mサイズの新素材のナノマテリアルについては、社会受容の促進のための取組が、国際的にも喫緊の課題と認識されていることから、健康影響評価試験法の開発や有害性発現メカニズムを明らかにする研究を推進する。

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と政策目標(大目標、中目標)」
 理念 国力の源泉を創る
 大目標 環境と経済の両立
 中目標 環境と調和する循環型社会の実現

  <新規課題採択方針>
   化学物質リスク評価・管理技術に関する研究、ナノマテリアルのヒト健康影響に関する研究

 
研究費の規模(1課題、1年当たり) 課題(1)(ア)20,000千円程度
課題(1)(イ)40,000千円程度
課題(1)(ウ)30,000千円〜150,000千円程度
課題(2)70,000千円程度

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 課題(1)(ア)1課題程度
課題(1)(イ)1〜2課題程度
課題(1)(ウ)1〜2課題程度
課題(2)1課題程度

  <公募研究課題>
【一般公募型】
 (1)  化学物質リスク評価・管理技術に関する研究
(ア) 化学物質の有害性の評価戦略に関する調査研究(19290101)
 数万種ともいわれる化学物質について、網羅的かつ効率的・迅速な有害性評価を行うために、評価法開発へ適用可能な最新の科学技術やこれまでに開発された評価方法の状況を俯瞰するとともに、現在利用可能な評価方法による戦略的かつ網羅的な評価スキームの構築、並びに化学物質による健康影響リスクの最少化の達成にむけた課題の洗い出し等を行うための調査研究。

(イ) 先端的生体制御解析技術を活用した化学物質の有害性評価手法の開発に関する研究(19290201)
 タンパク核酸相互作用を主体とした網羅的な遺伝子発現制御解析やメタボローム等に代表される先端的生体制御解析技術を活用した化学物質の有害性に対する予知的な評価手法の開発に関する研究。
 なお、当該研究は研究期間を1年間とし、終了段階で研究成果及び当該研究による評価手法開発の可能性を評価委員会で評価した上で、研究の継続の是非を判断することとする。

(ウ) 高感受性集団における化学物質の有害性発現メカニズムの解明及び評価手法開発にかかる総合研究(19290301)
 最先端の分子生命科学の成果等を活用し、小児など化学物質暴露に対して脆弱な集団に関して、生体の恒常性維持メカニズムの揺らぎ等に着目した、これらの集団に特有な有害性発現メカニズムの解明と、これら高感受性集団についても検出可能性の高い新評価手法の開発に関する研究。
 なお、個別の毒性のみならず、生体に発現する有害性を体系的、総合的に評価できる総合的な評価方法の開発研究を優先する。

 (2)  ナノマテリアルの経皮毒性に関する評価手法の開発に関する研究(19290401)
 産業利用を目的として意図的に生成、製造されるナノマテリアル及びナノマテリアル利用製品について、経皮暴露による有害性の評価手法の開発に関する研究。
 開発にあたっては、単に既存の評価手法を適用するのではなく、ナノマテリアルの物理化学的特性に基づいた新評価方法の開発に資する研究を優先する。

  <研究計画書を作成する際の留意点>
   目標を明確にするため、研究計画書の「8.研究の目的、必要性及び期待される成果」に、当該研究により期待される科学的成果及び当該成果によりもたらされる学術的・社会的・経済的メリットを具体的に記載すること。また、「11.研究計画・方法及び倫理面への配慮」に、年度ごとの計画及び達成目標を記載するとともに、試験法活用等への応用に至る工程を含めた研究全体の具体的なロードマップを示した資料を添付すること(様式任意)。
 なお、研究課題の採択に当たっては、これらの記載事項を重視するとともに、中間評価及び事後評価においては、研究計画の達成度を厳格に評価する。その達成度及びその自己評価(未達成の場合にはその理由、計画の練り直し案)の如何によっては、研究の継続が不可となる場合もあり得ることに留意すること。


16. 健康危機管理対策総合研究事業(仮称)

(1) 健康危機管理・テロリズム対策システム研究(仮称)
  <事業概要>
   近年、SARSやバイオテロリズムといった国民の生命・健康の安全を脅かす健康危機事例の発生が現実の問題となり、国民の不安とその解消に対する要求は増大している。また、「第3期科学技術基本計画」においても個別政策目標として、テロリズム・健康危機管理対策の充実が掲げられている。
 健康危機管理対策を強化するには、基盤技術・オペレーション手法に関する研究を推進し、(1)機動的かつ体系的な初動体制の確保や、(2)危機情報の共有・活用のための情報ネットワークの構築といった課題を解決する必要がある。本研究事業は、このような観点から、テロリズムを含む原因が不明な健康危機にも対応可能な健康危機管理基盤システムに関する分野横断的研究を推進するものである。

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と施策目標(大目標、中目標)」
 理念 健康と安全を守る
 大目標 安全が誇りとなる国
 中目標 国土と社会の安全確保、暮らしの安全確保

  <新規課題採択方針>
 (1) 健康危機管理初動体制の確保に関する研究分野
 テロリズムを含む原因不明な健康危機に対応するためには、感染症や食品・医薬品の安全等、個々の分野別対策において蓄積された知見・技術の共有化を図り、健康危機の原因によらない汎用性を持つ初動体制を構築する必要がある。初動体制確保のために必要な基盤技術及びそれらを活用するためのオペレーション手法に関する研究を行う。

 
研究費の規模 1課題当たり 10,000〜20,000千円程度 (1年当たり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 5課題程度

 (2) 健康危機管理に資する情報ネットワークに関する研究分野
 健康危機発生時の適時・適切な情報の共有・活用は、あらゆる健康危機への対応において、最重要課題である。安全に資する科学技術推進戦略における指摘を踏まえ、国際連携・協力、社会・人文科学との協働、専門家ネットワークの構築といった観点を重視した情報ネットワークに関する研究を実施する。

 
研究費の規模 1課題当たり 3,000〜10,000千円程度 (1年当たり)
研究期間 1〜3年
新規採択予定課題数 2課題程度

  <公募研究課題>
【一般公募型】

 (1) 健康危機管理初動体制の確保に関する研究分野

ア. 健康危機発生時の被害予測シミュレーションに関する研究(19300101)
(留意事項)
 数理モデル等を用いて、健康危機発生時の健康被害拡大をシミュレーションすることにより、拡大を抑止するために最も効率的な措置を明らかにし、より機動的な初動体制を整備することが可能となると期待される。課題採択に当たっては、潜伏期間があることや感染伝搬により被害が容易に拡大することから被害予測が困難とされる感染症パンデミックやバイオテロリズムに関するシミュレーション研究、特にGIS(地理情報システム)を活用したシミュレーション研究を優先する。

イ. 健康危機管理における効果的な医療体制のあり方に関する研究(19300201)
(留意事項)
 課題採択に当たっては、CBRNテロや災害等の大規模な健康危機管理事例の初動期における救急医療機関の効率的活用を実現するために、救急医療に従事する医師・看護師・技師等が身につけるべき知識・技術、救急医療機関が装備すべき資材や構築すべき医療機関ネットワーク等に着目した研究を優先する。

ウ. 健康危機管理対策としての治療薬等備蓄及びその使用に関する研究(19300301)
(留意事項)
 感染症パンデミックやバイオテロリズム対策としてのワクチン・治療薬等の備蓄は迅速な初動確保のために必須の事項であり、備蓄体制ついて十分に検討しておく必要がある。課題採択に当たっては、備蓄すべき治療薬等の種類・量、備蓄が長期にわたる場合の有効性の確認方法・備蓄場所に関する検討に加えて、実際に備蓄された治療薬等を使用する際の、輸送方法・使用場所・対象者等、オペレーションに関する検討を行い、備蓄のあり方について、合理的かつ具体的な提案を行う研究を優先する。

 (2) 健康危機管理に資する情報ネットワークに関する研究分野

ア. 国際連携ネットワークを活用した健康危機管理体制構築に関する研究(19300401)
(留意事項)
 感染症・テロリズム等、国際的な健康危機が現実の脅威となりつつある中で、国際連携の下での健康危機管理体制構築が求められている。課題採択にあたっては、各国での健康危機管理体制についての調査、各国の体制の特徴整理とともに、その知見を我が国の健康危機管理体制に反映させる具体的方策の提案を行う研究を優先する。特に、諸外国における天然痘対策・WHO改正国際保健規則(IHR2005)対応体制・化学テロ対策としての資材備蓄等に関する研究を優先する。

イ. 健康危機管理におけるクライシスコミュニケーションに関する研究(19300501)
(留意事項)
 健康危機発生時、適時・適切な情報発信を行うというクライシスコミュニケーションは、国民のパニックを回避しつつ、適切な対応を講じるという健康危機管理の要である。課題採択に当たっては、クライシスコミュニケーションのあり方について、これまでの事例も踏まえた検討を行い、実践的な健康危機発生時クライシスコミュニケーションマニュアルを作成することを目的とした研究を優先する。特に、マスメディアや企業といった現場での経験を活かした、人文社会科学との協働に重点をおいた研究を優先する。


(2) 地域健康危機管理研究(仮称)
  <事業概要>
   国民の安全、安心を確保するため、地域健康危機管理の基礎として「地域健康危機管理の基盤形成に関する研究」、「水安全対策研究」、「生活環境安全対策研究」の3分野の研究を行い、(1)地域における健康危機管理体制の基盤を強化・推進、(2)水道等による水供給における原水水質事故、災害等に対してもより安全で安定的な水提供、(3)建築物や生活衛生関係営業等の生活環境に起因する健康危機の未然防止及び適切な対応等に資する研究を実施する。

 関連する「第3期科学技術基本計画における理念と施策目標(大目標、中目標)」
 理念 健康と安全を守る国
 大目標 安全が誇りとなる国
 中目標 国土と社会の安全確保

  <公募研究課題>
 (1)  地域健康危機管理の基盤形成に関する研究分野
【一般公募型】
   SARS、鳥インフルエンザ等、健康危機への対応は多様化してきている。地域において、健康危機発生時における迅速な初動体制の確保や効率的な対応、及び各関係機関との連携体制を確立するために、(ア)地域横断的な健康危機管理体制の機能分化のあり方、評価指標、効果の評価に関する研究、(イ)国や地方が地域から健康危機情報を収集する体制の構築及びその情報の分析評価、グレーディングに関する研究、(ウ)地域における医療安全、介護安全等の個別的な健康危機のアセスメント及び対策に関する研究、(エ)地域における健康危機時のボランティア等による支援体制に関する調査研究、(オ)地域の社会情報及び地理情報を加味した健康危機情報の分析と支援システムに関する調査研究、(カ)地域における健康危機原因究明体制に関する研究等を行うことにより、地域の健康危機管理対策を担う公衆衛生行政の基盤の向上を図る。

(ア) 地域横断的な健康危機管理体制の機能分化のあり方、評価指標、効果の評価に関する研究(19310101)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、地域保健対策検討会の中間報告(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/05/s0523-4.html)で指摘された保健所における健康危機主要12分野の全てに関して、地域横断的な健康危機管理体制のあり方、具体的な評価指標あるいは評価基準の開発をモデル的に行い、また、その効果を評価するために応用する際の標準的手法の確立を進めることを中心とした調査研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(イ) 国や地方が地域から健康危機情報を収集する体制の構築及びその情報の分析評価、グレーディングに関する研究(19310201)
<新規課題採択方針>
   WHO改正国際保健規則(IHR 2005)の2007年発効に伴い、日本国内における「原因を問わず、国際的な公衆衛生上の脅威となりうる、あらゆる事象」の情報収集を可能とする新たな国内サーベイランスシステムを構築することが必要である。課題採択に当たっては、サーベイランスシステムにおいて報告対象とすべき事項、報告方法、報告された情報の解析方法等を検討し、地域レベルでの健康危機の早期察知、国への迅速な情報伝達を実現するための最も効率的なシステムモデルを提案する研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり5,000千円〜30,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1〜3課題程度

(ウ) 地域における医療安全、介護安全等の個別的な健康危機のアセスメント及び対策に関する研究(19310301)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、地域の健康危機管理を担う保健師等の保健所職員等の資質向上に資するため、医療安全、介護安全等の日常業務において、情報収集・分析の方法、非常時に備えた体制整備、予防教育・指導・監督の具体的な方策についてマニュアルを開発するとともにそれらの活動を担うことができる人材育成のあり方を明確にできる調査研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり3,000千円〜5,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(エ) 地域における健康危機発生時のボランティア等による支援体制に関する調査研究(19310401)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、地域における健康危機発生時のボランティア、NPO法人、住民組織等の活動に対する効果的な支援方法を明らかにし、効率的な支援体制の方策に資する調査研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり3,000千円〜5,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(オ) 地域の社会情報及び地理情報を加味した健康危機情報の分析と支援システムに関する調査研究(19310501)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、地域における健康危機情報及び保健医療福祉情報等の社会情報を地理情報に変換することに加えて、各情報間における関係を含めた分析を行うことを可能とするソフトの開発を行う研究であり、特に保健所等の職員が地域における健康危機管理のツールとして簡易に利用できるソフトの開発を行う研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(カ) 地域における健康危機発生時の原因究明体制に関する研究(19310601)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、健康危機発生時も迅速な原因究明を実現するために配備すべき専門家チームの人数構成・規模、装備すべき資機材、試料の運搬・分析の手順等について、国の機関との連携も考慮した具体的な提案を行う研究、又は地方衛生研究所が行政当局および保健所等に対する専門的支援を強化し、地域および広域における健康危機管理の中核施設として機能するために必要な人材の育成、GLPの効果的推進、疫学情報機能の強化等の事項に着目した研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1〜2課題程度

【若手育成型】
   国立試験研究機関、大学または民間研究機関等に所属する者で、下記の(1)を満たした上で(2)、(3)のいずれかに該当する研究者が上記の(ア)〜(カ)及びそれ以外の地域健康危機管理の基盤形成に関する研究において主体となって行う研究(19310701)

  (1) 平成19年4月1日現在で満37歳以下の者(昭和45年4月2日以降に生まれた者に限る。)
新規採択時にのみ本条件を適用する。
満年齢の算定は誕生日の前日に一歳加算する方法とする。
産前・産後休業及び育児休業を取った者は、その日数を応募資格の制限日に加算することができる。
  (2) 博士号取得5年以内
  (3) 常勤の研究職に就いて5年以内

 
研究費の規模 1課題当たり3,000千円〜5,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1〜2課題程度

 (2)  水安全対策研究分野
【一般公募型】
   国民に対し安全・安心な水を安定して供給していくために、水道水質基準等の逐次見直しのための研究、異臭味被害を早期解消するための研究とともに、原水の悪化、突発的水質事故、災害等に関しても清浄な水を可能な限り安定的に供給していくための研究、水源から給水栓に至るまでの水道システム全体のリスク低減に関する研究を行う。

(ア)  水道水質基準等の逐次見直しのための研究(19310801)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、水道水質基準等の逐次見直しに資する化学物質(消毒副生成物や設備からの溶出物質を含む)、病原生物及び飲料水の利用にあたって支障をもたらす物質の存在状況、監視・評価技術及び低減技術に関する研究のうち、特に、WHOにおける飲料水水質ガイドラインの逐次改正に当たり議論の対象になっている化学物質、病原生物等の健康リスクに関する研究、監視・評価技術に関する研究、暴露量評価に関する研究、飲料水の摂取が健康にもたらす効果に関する研究、及びこれらを踏まえたリスク管理に関する研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり50,000千円〜100,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(イ)  異臭味被害対策強化研究(19310901)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、異臭味被害の早期解消に資する原因物質に関する研究のうち、特に、現時点で明らかにされていない異臭味原因物質やその物質を産出する生物及びこれらの浄水処理副生成物がもたらす健康リスクに関する研究、浄水処理プロセスに与える影響やそれらの低減策に関する研究、異臭味を含む飲料水の利用に支障をもたらす要因や快適性に関する研究、及び包括的なリスク管理に関する研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

 (3)  生活環境安全対策研究分野
【一般公募型】
   建築物や生活衛生関係営業等に関係する生活環境については、その適切な保持が行われない場合、(1)短時間に重症の健康被害が大量に発生する、(2)同時期に複数の者が非特異的な健康被害を訴える、(3)早期に対応がなされないと、危機的状況を招く恐れがある等、健康危機管理に直結するものであり、これらの健康危機の未然防止及び発生時に備えた準備、発生時の適切な対応等に関する研究を推進する必要がある。
 このため、公衆浴場等の生活衛生関係営業における衛生的環境の確保に関する研究、室内空気汚染問題をはじめとした建築物における空気環境や給排水等の衛生的環境の確保に関する研究、その他生活環境が人体に及ぼす影響等の研究を推進する。

(ア) レジオネラ対策に係る公衆浴場等の衛生管理手法に関する研究(19311001)
<新規課題採択方針>
   健康被害を引き起こすレジオネラ属菌は、常在菌かつ42度近辺が増殖の至適温度であることから、その管理は公衆浴場等において特に重要であり、課題採択にあたっては、公衆浴場の衛生管理に資する従来より迅速かつ簡便なレジオネラの検査方法などをはじめとした衛生管理手法に関する研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり10,000千円〜30,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(イ) 公衆浴場等におけるレジオネラの消毒方法に関する研究(19311101)
<新規課題採択方針>
   現在は塩素によるレジオネラ消毒について管理基準値を設けているため、課題採択にあたっては、様々な消毒方法の具体的な管理方法の研究・整理及び、新しい消毒方法に係る消毒効果の検証手順に関する研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり10,000千円〜20,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度

(ウ) 特定建築物における衛生管理手法に関する研究(19311201)
<新規課題採択方針>
   課題採択に当たっては、不特定多数の者が出入りする特定建築物における室内空気環境等の衛生的維持管理に関する総合的な研究を優先する。

研究費の規模 1課題当たり10,000千円〜20,000千円程度(1年当たり)

研究期間 1〜3年

新規採択予定課題数 1課題程度


公募研究事業計画表

公募研究事業計画表

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