
重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報
健衛発第0519001号
健感発第0519002号
平成15年5月19日
健感発第0519002号
平成15年5月19日
各 | ┌ | | └ |
都道府県 政令市 特別区 |
┐ | | ┘ |
衛生主管部(局)長 殿 |
厚生労働省健康局生活衛生課長
厚生労働省健康局結核感染症課長
厚生労働省健康局結核感染症課長
我が国では、現在のところ、SARSの患者は発生していないものの、SARSへの不安が強まっていることから、今般、旅館業におけるSARSへの対応についての留意事項を下記のとおりまとめましたので、関係者への周知方よろしくお願いいたします。
なお、現時点での医学的知見によると、SARSコロナウイルスは有症者だけに感染性があり疾病を伝播しうること、すなわち、症状がない期間はヒトに感染させることはないと考えられていること、また、有病者の2メートル以内での会話、有病者の看護又は介護、有病者との同居、有病者の体液や気道分泌物に直接触れる等の濃厚な接触がなければ感染伝播することはないと考えられていることから、各営業者においていたずらに過剰な反応に陥らないよう、併せて御指導をお願いいたします。
1.営業者が日頃留意すべき事項
(1) | 保健所等の関係機関と十分連携し、都道府県の行動計画等SARSに関する情報収集に努めるとともに、緊急の場合に宿泊者等が受診するための医療機関を把握しておくこと。 |
(2) | 感染経路の把握に必要な場合があるため、旅館業法第6条に基づく宿泊者名簿への正確な記載を励行し、宿泊者の状況把握に努めること。 |
(3) | 宿泊者から体温計の貸出を求められたら衛生的管理に留意の上で貸与するなど、宿泊者の健康管理に積極的に協力すること。 |
(4) | 日頃から、従業員の健康管理、施設の環境衛生管理の徹底を図ること。 |
2. | SARSコロナウイルスへの感染が疑われる宿泊者が発生した場合の対応
宿泊者からSARSコロナウイルスへの感染が疑われる旨の申し出があっ た場合、又は宿泊者が(1)又は(2)に該当し、38℃以上の発熱や咳、呼吸困難 の症状があることが確認された場合は、以下の対応をとること。
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(1) | 感染が疑われる宿泊者に対し、感染拡大の予防の必要性を十分説明の上、レストラン等の利用を控え、他の宿泊者と接触しないよう個室での待機を依頼すること。同室者がいれば他室への移動と待機を依頼すること。 また、飛沫の飛散を防止するため、感染が疑われる宿泊者及び同室していた者には、マスク着用を求めること。 | ||||
(2) | 感染が疑われる宿泊者に対応する従業員の数を極力制限し、原則として、部門長などの責任者が対応すること。感染が疑われる宿泊者に接触する場合は、マスク及び使い捨て手袋を着用し、感染が疑われる宿泊者から離れた場合は、手洗い及びうがいを確実に行うこと。使用後のマスク及び手袋はビニール袋で密閉し、焼却する等適正な方法で廃棄すること。 | ||||
(3) | 感染が疑われる宿泊者の同意を得た上で、速やかに保健所にSARSコロナウイルスへの感染が疑われる宿泊者が発生したことを連絡し、その後の対応策について保健所から指示を受けること。 | ||||
(4) | 宿泊者名簿の記載により、保健所が行う当該宿泊者の宿泊期間中における他の宿泊者に関する状況把握に協力すること。 | ||||
(5) | 保健所の指示が得られるまでの間、緊急に対応する必要がある場合は、感染防止対策のため、以下の対策を講じること。
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3.感染が疑われる宿泊者に接触対応した場合等の従業員の対策
(1) | SARSコロナウイルスへの感染が疑われる宿泊者又は従業員に接触した可能性のある従業員への対応は、保健所の指示に従うこと。 |
(2) | 就業中の従業員にSARSと疑われる症状が発生した場合の対応は、「2.SARSコロナウイルスへの感染が疑われる宿泊者が発生した場合の対応」に準じること。 |
(3) | 従業員から、本人又は家族にSARSコロナウイルスへの感染が疑われる症状の申し出があった場合、使用者は、保健所又は医療機関に連絡させ、その指示に従わせること。 |