
新型インフルエンザ対策関連情報(英語版はこちら)
健感発第0531006号
平成18年5月31日
- 都道府県
- 政令市
- 特別区
厚生労働省健康局結核感染症課長
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等の一部改正について
インフルエンザ(H5N1)を指定感染症として定める等の政令(平成18年政令第208号)が平成18年6月2日公布され、同月12日に施行されることに伴い「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について」(平成18年3月8日健感発第0308001号)の一部を下記のとおり改正し、同日から適用する。
別紙中「第12条第4項」を「第12条第1項」に改め、同別紙に次のように加える。
第七 指定感染症
1 インフルエンザ(H5N1)
(1)定義
A/H5N1型インフルエンザウイルスのヒトへの感染症である。
(2)臨床的特徴
潜伏期間は概ね2〜8日である。症例の初期症状の多くが、高熱と急性呼吸器症状を主とするインフルエンザ様疾患の症状を呈する。下気道症状は早期に発現し、呼吸窮迫、頻呼吸、呼吸時の異常音がよく認められ、臨床的に明らかな肺炎が多く見られる。
呼吸不全が進行した例ではびまん性のスリガラス様陰影が両肺に認められ、急性窮迫性呼吸症候群(ARDS)の臨床症状を呈する。
死亡例は発症から平均9〜10日(範囲6〜30日)目に発生し、進行性の呼吸不全による死亡が多く見られる。
(3)届出基準
- ア 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者のうち、38℃以上の発熱及び急性呼吸器症状のある者を診察した結果、症状や所見からインフルエンザ(H5N1)が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、インフルエンザ(H5N1)と診断した場合には、インフルエンザ(H5N1)を指定感染症として定める等の政令(平成18年政令第208号)第2条において準用する法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
検査方法 検査材料 検体から直接のPCR法による病原体の遺伝子の検出 咽頭拭い液、肺胞洗浄液、剖検材料、鼻腔吸引液、鼻腔拭い液 分離・同定による病原体の検出 - イ 疑似症患者
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者のうち、38℃以上の発熱及び急性呼吸器症状のある者を診察した結果、症状や所見からインフルエンザ(H5N1)が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、H5亜型が検出された場合には、疑似症患者としてインフルエンザ(H5N1)を指定感染症として定める等の政令第2条において準用する法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
検査方法 検査材料 検体から直接のPCR法による病原体の遺伝子の検出 咽頭拭い液、肺胞洗浄液、剖検材料、鼻腔吸引液、鼻腔拭い液 - ウ 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、インフルエンザ(H5N1)を疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、インフルエンザ(H5N1)により死亡したと判断した場合には、インフルエンザ(H5N1)を指定感染症として定める等の政令第2条において準用する法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
検査方法 検査材料 検体から直接のPCR法による病原体の遺伝子の検出 咽頭拭い液、肺胞洗浄液、剖検材料、鼻腔吸引液、鼻腔拭い液 分離・同定による病原体の検出 - エ 感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、インフルエンザ(H5N1)により死亡したと疑われる場合には、インフルエンザ(H5N1)を指定感染症として定める等の政令第2条において準用する法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
(4)注意事項
インフルエンザ(H5N1)については、第5 四類感染症 10高病原性鳥インフルエンザの基準に従い、法第12条第1項の規定による届出を行わなければならない。この場合においては、法第12条第1項の規定による届出とインフルエンザ(H5N1)を指定感染症として定める等の政令第2条において準用する法第12条第1項の規定による届出とを併せて、別記様式57の2により行うものとする。
別記様式1から別記様式57までの様式中「自書」を「署名」に改め、同様式の次に次の一様式を加える。
