愛知県家きん農場における鳥インフルエンザ(H7N6)に関するQ&A
【Q&A】
Q1
鳥インフルエンザはヒトに感染しやすいのですか?
A1
一般的に鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは極めてまれです。ウイルスは感染した鳥の体液や排泄物に大量に含まれているため、病気や死亡した鳥に直接触れたり、解体や調理、羽をむしるなど濃厚に接触(ウイルスへの大量暴露)した場合には、まれに感染することがあります。
したがって、そのような接触をしない限り、鳥インフルエンザに感染する心配はありません。
なお、これまでの報告によれば、仮に感染した場合には、突然の発熱や呼吸器症状、結膜炎などの症状が見られることがありますが、現在東南アジアを中心に死亡者が報告されているH5N1亜型(注1)の鳥インフルエンザウイルスを除き、重症化することはほとんどないと考えられます。
(注1)
インフルエンザウイルスには、ウイルスを構成するタンパク質の抗原性の違いによってA型、B型及びC型があります。中でも鳥インフルエンザウイルスが含まれるA型ウイルスは、ウイルス表面のたんぱく質であるhemagglutinin(HA)の抗原性(H1〜H16)と、neuraminidase(NA)の抗原性(N1〜N9)の組み合わせによって144種類に分類されます(この分類を亜型といいます)。
※ 鳥インフルエンザに関する詳しい情報は、国立感染症研究所情報センターホームページをご覧ください。
「鳥インフルエンザに関するQ&A」
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/QA0612.html
Q2
今回発生したH7N6亜型による鳥インフルエンザウイルスは、これまでヒトに感染した報告はあるのですか?
A2
世界保健機関(WHO)によれば、これまでにH7N6亜型の鳥インフルエンザウイルスによるヒトの感染例は報告されていません。
なお、これまで報告されているH7亜型のインフルエンザウイルスの感染例では、H7N2、H7N3、H7N7亜型による感染例が報告されています。
そのうち、2003年オランダで発生した鳥インフルエンザ(H7N7強毒タイプ)による感染症例では感染が確認された農場を訪れた獣医師1名が呼吸器不全で死亡していますが、それ以外の感染者は結膜炎や軽いインフルエンザ様症状が見られたと報告されています。
これまでに世界で報告されたH7亜型による鳥インフルエンザウイルスの感染者報告事例は以下のとおりです。
年 |
国 |
ウイルス亜型 (鶏への病原性※1) |
死亡者/患者※2 |
1959 |
米国 |
H7N7(L) |
0/1 |
1978〜1979 |
米国 |
H7N7(L) |
0/(不明) |
1996 |
英国 |
H7N7(L) |
0/1 |
2002〜2003 |
米国 |
H7N2(L) |
0/2 |
2003 |
オランダ |
H7N7(H) |
1/89 |
2004 |
カナダ |
H7N3(H) |
0/2 |
2007 |
英国 |
H7N2(L) |
0/4 |
(出典:WHO、国立感染症研究所感染症情報センター)
|
※1 ウイルスのタイプ:H‐強毒タイプ、L‐弱毒タイプ
※2 人が鳥インフルエンザウイルスに感染した場合、重症化することはほとんどなく、多くの場合、結膜炎や緩いインフルエンザ症状と報告されています。
※3 鳥インフルエンザウイルス(H7N6)の人への感染事例は報告されていません。
Q3
鶏肉や鶏卵を食べることによって鳥インフルエンザが人に感染することはありますか?
A3
これまでに鶏肉や鶏卵を食べることによって、鳥インフルエンザが人に感染した例は世界的に報告がありません。
鶏肉や鶏卵の安全性について、内閣府食品安全委員会は、「これまでに鶏肉や鶏卵を食べることによって人に感染することは考えられない」とし、うずらの卵・肉についても同様であるとしています。
※ 詳しい情報は、内閣府食品安全委員会ホームページをご覧ください。
「鳥インフルエンザについて」
http://www.fsc.go.jp/sonota/tori1603.html
A4
一般的に鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは極めてまれであり、感染した鳥やその排泄物に直接触れたり、解体や調理、羽をむしるなど濃厚に接触すると、まれに感染することがあります。
今回見つかったH7N6亜型ウイルス(弱毒タイプ)がヒトに感染した例はこれまで世界的に報告されていません。しかしながら、今回流通したうずらが鳥インフルエンザに感染していた可能性は不明であり、また、接触状況によってはヒトに感染する可能性もあり得ることから、健康確保に万全を期すため、現在、厚生労働省では関係省や関係自治体と連携し、出荷された廃用うずらの追跡、出荷先の廃用うずらの取扱状況の調査を踏まえ、接触があった方については経過観察を実施するなどの対応を行っています。
A5
農林水産省の発表では、農場から出荷された廃用うずらのほとんどは、家畜衛生部局により回収・焼却するなど適切に処理されたことが確認されています。また、当該廃用うずらを給餌された猛禽類については特定され、現在、臨床症状の確認や検査が実施されています。
なお、その餌を食べた猛禽類が感染するリスクの程度については、うずらの汚染状況、摂取した内臓量等により変わってきます。また、発生農場で飼育されていたうずらでは死亡などの症状はみられておらず、仮にペットの鳥が感染しても明らかな症状は示さない可能性もありますので、ウイルスの感染拡大防止と人への感染防止のため、他の動物との接触を避けるとともに、飼育にあたっては作業に応じた手袋、マスク等の着用や排泄物等の適切な処理、作業後のうがいや手洗いの励行等、日常的に感染予防対策に留意することが大切です。