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事業評価書(事前)

事務事業名 財政投融資:日本政策投資銀行融資による重度障害者・高年齢雇用の促進
(高齢者雇用促進部分)
事務事業の概要 (1)目的  急速に高齢化が進展し、厚生年金の支給開始年齢の引上げ等が図られる一方、高齢者の厳しい雇用情勢が続いている中で、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による65歳までの安定した雇用の確保が必要である。
 各企業において高齢者の雇用の確保に関する取組に当たっては、高齢者に配慮した作業施設の改善が重要な課題となるところであり、高齢化対応の設備投資に対して融資を行うことにより、事業主の職場の高齢化対応への取組を促進する。
(2)内容

 高齢者の雇用の確保のための職場環境の整備に取り組む事業主に対し、次の融資制度を講ずる。

(1)貸付対象者

ⅰ 65歳以上の定年制若しくは65歳まで雇用する継続雇用制度を有している又は導入予定であるか、定年制度を有していない若しくは廃止予定である事業主であること。

ⅱ 60歳以上の高齢者が5人以上従事する事業所の新設、増設工事等の施設整備の設置・整備を行うこと。

ⅲ 当該施設整備後の雇用を継続することができると認められるものであること。

ⅳ 当該事業所の設置・整備が、労働負荷軽減に資する等の高年齢者の雇用に必要と認められるもの(高年齢者職場改善措置)であること。

(2)貸付対象施設

 作業施設、管理施設等

(3)償還期間

 20年以内

(4)金利

 政策金利I 融資比率30%

予算額(案) 1,000百万円
(重度障害者雇用促進を含めた額)
(3)達成目標  高齢者に配慮した職場環境の整備を行う事業主に対して融資を行うことにより、高齢者の雇用に関する事業主の取組を促進し、高齢者の雇用機会の確保を図る。
評価 (1)必要性 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕
 急速に高齢化が進展する中で、我が国経済社会の活力を維持するためには働く意欲と能力を有する高齢者ができる限り社会を支える側に回ることが必要であるが、希望者全員を65歳まで雇用する企業は約4社に1社にとどまっている。一方、平成13年度から厚生年金の支給開始年齢の引上げが行われていることから、雇用と年金のギャップが生じている。さらに、高齢者の厳しい雇用失業情勢が続いている中で、高齢者の雇用の確保に関する取組を強力に促進する必要がある。

〔公益性〕
 本融資を通じて企業における高齢者に配慮した職場環境の整備が促進され、高齢者の雇用機会の確保が図られることから、高い公益性を有するものである。

〔官民の役割分担〕
 高齢者の雇用機会の確保のための職場環境の整備については、コストがかかることから、企業の自主的な取組だけではなかなか進まないため、国の施策として、かかる取組を行う企業に対する支援を行う必要がある。

〔国と地方の役割分担〕
 急速に高齢化が進展する中で、全国的に、高齢者を取り巻く雇用失業情勢が厳しい状況にあり、高齢者の雇用機会の確保が急務となっているため、国が全国的な観点から高齢者の雇用に関する企業の取組を支援する必要がある。

〔民営化や外部委託の可否〕
 日本政策投資銀行において融資を行うこととする。

〔緊要性の有無〕
 高齢化の進展が著しく、年金の支給開始年齢の引上げも実施されている一方、希望者全員が65歳まで働くことのできる制度を有している企業は約4社に1社にとどまっており、高年齢者を取り巻く雇用失業情勢も厳しい状況にあることから、早急に対策を講じる必要がある。
(2)有効性 〔これまで達成された効果(継続事業)、今後見込まれる効果〕
 企業における高齢者のための職場環境整備が促進され、高齢者の雇用機会の確保が図られる。

〔効果の発現が見込まれる時期〕
 希望者全員を65歳まで雇用する制度を有すること又は導入予定であること、60歳以上の高齢者が5人以上雇用される事業所の新設、増設工事等の施設設備の設置・整備を行うことを融資の要件とすることから、融資に係る施設整備の完了後直ちに効果の発現が見込まれる。
(3)効率性 〔手段の適正性〕
 本施策は、設備投資による高齢者の雇用機会の確保に向けた事業主の自主的な取組を支援するものであり、政策手段として政策金融が最適である。
 なお、本融資を活用した施設整備により、その後の長期にわたる高齢者の雇用機会の確保のための基盤整備が図られるものであって一定の高齢者雇用確保措置と高齢者の雇用を要件としており、制度上、一定の効果を発現するよう仕組んでいる。
(4)その他
(公平性・優先性など)
〔公平性〕
 高齢者の雇用に係る制度(定年制、継続雇用制度)の状況等について就業規則等に基づいて審査するほか、施設整備の内容・融資対象(高年齢者職場改善措置)についても、助成金制度における要件を基礎として高齢者の雇用促進に資するものとするよう基準を設けることとしており、公平性を有する。

〔優先性〕
 平成22年頃には人口の約3人に1人、労働力人口の約5人に1人が60歳以上となると見込まれるなど、急速に高齢化が進展する中で、高齢者の雇用失業情勢は厳しい状況が続いており、高齢者の安定した雇用の確保が急務となっていることから、優先的に施策を講じる必要がある。
関連事務事業 なし
特記事項 〔各種政府計画との関係及び遵守状況〕
 平成11年8月に閣議決定された「第9次雇用対策基本計画」において、「向こう10年程度の間において、65歳定年制の普及を目指しつつも、少なくとも意欲と能力のある高齢者が再雇用又は他企業への再就職などを含め何らかの形で65歳まで働き続けることができることを確保していくこととする。」とされている。
 また、平成12年9月に告示された「高年齢者等職業安定対策基本方針」において、加齢に伴う身体的機能の低下等に配慮した作業施設の改善により高齢者の職業能力を十分発揮できるように努めることが、事業主が行うべき諸条件の整備に関して指針となるべき事項として掲げられている。

※ 既存事業である「重度障害者雇用促進」に、高齢者雇用促進が追加されることとなった。
主管課
及び関係課
(主管課)職業安定局高齢・障害者雇用対策部高齢者雇用対策課


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