事業評価書(事前)
事務事業名 | 広域災害・救急医療情報システム経費 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 災害時における初期救急医療体制等の充実強化として、各種情報を速やかに収集・分析し、的確な意志決定と迅速な対応ができるネットワークを構築する。 | |
(2)内容 | 現在、運用されているシステムを携帯電話からも情報交換できることとする等更に発展・充実させた全国的なネットワークの構築を図るもの。
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(3)達成目標 | 災害時に、当システムが信頼性・安全性において安定的に運用できる仕組みを平成14年度に構築することにより、システムの機能強化を図る。 | ||
評価 | (1)必要性 | [国民や社会のニーズに照らした妥当性] 災害時の初期救急医療を中心とした救援活動を迅速かつ効率的に行うためには、(1)各種情報を速やかに収集すること、(2)収集・分析した情報を関係者(国、都道府県、医療施設等)に提供し、情報を共有すること、(3)被災地からの要請及び全国からの支援可能状況を速やかに把握すること等が肝要であり、そのためには、当システムの充実強化を行う必要がある。 [公益性、緊要性の有無] 当システムの充実強化を図ることは、災害時において国民の生命の安全に重要な役割を果たすとともに、通常時においても救急医療に関する情報を提供する等国民が安心して生活できるために必要であるなど、公益性を有していることから速やかに実施すべきものである。 |
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(2)有効性 | [今後見込まれる効果] 信頼性・安全性において安定的に運用できる仕組みを構築することによりシステムの機能強化を図ることは、初期救急医療を迅速かつ効率的に行うことができるとともに、平常時から救急医療関係者への知識の普及を促進することができるなど、災害時の救急医療体制を多方面から総合的に充実させることができると考えられる。 また、災害時における迅速な救援活動を行うことにより、人的被害を最小限に食い止めることは、社会構造の崩壊による雇用体制への影響を減少させることが考えられる。 |
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(3)効率性 | [手段の適正性] この経費は、多発する災害に対する初期救急医療体制等を支えるシステムとして、信頼性・安全性において安定的に運用できるよう機能強化を図るものであり、既存のシステムを活用することにより、効率的に発展・改善を行うことができる。 |
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(4)その他 (公平性・優先性など) |
なし | ||
関連事務事業 | 災害拠点病院の整備事業(施設・設備) | ||
特記事項 | 頻繁に発生する我が国の災害事情を考慮すると、当該システムについては継続的に運用するとともに、時代にあったものに随時更新していく必要がある。 | ||
主管課 及び関係課 |
(主管課)医政局指導課 |
広域災害・救急医療情報システム機能強化に関する概念図
事業評価書(事前)
事務事業名 | 看護職員通信学習システム開発事業 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
事務事業の概要 | (1)目的 | 高齢化の進展に伴い、医療の適切な提供体制の整備が必要とされ、今後も質の高い看護職員を安定的に確保することが重要である。特に、医療の高度化・複雑化への対応として、現場の看護職員が最新の看護技術に関する知識を修得できる環境づくりが必要であるが、現状の講習会等への参加には、一定期間勤務を離れる必要があり、研修への参加が困難な場合が多い。 従って、看護職員が個々の自由な時間・場所で自己学習できるシステムを開発することにより、質の高い看護職員の安定的な育成を図るものである。 |
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(2)内容 | 看護職員の個々の状況に応じ自由な時間・場所でインターネットを活用した双方向の学習を可能とする通信学習システムの開発を行う。 ◎ 通信学習システムの開発・運用 ◎ 講義パッケージ(標準テキスト)の作成
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(3)達成目標 | インターネットを活用し、看護職員が職場・自宅等において継続的学習をすることを可能とする。14年度は看護職員実務研修事業の通信学習システムのプログラムを開発する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性、公益性、緊要性の有無〕 医療従事者の質の向上が叫ばれている中、今日、医師、歯科医師については臨床研修の必修化が決定されているところであるが、看護職員に対する研修は、個々の病院で独自に行われている院内教育や都道府県及び各種団体の行う研修があるに過ぎず、既に就業している100万人を超える看護職員を対象に資質の向上を図るためには、様々なニーズに応じた効率的な研修機会の提供が必要である。 特に近年、患者の高齢化・重症化・平均在院日数の短縮化等により看護業務の密度が高まっているため、中小病院等で働く看護職員については、研修のために職場を離れることが困難な現状である。 また、中小病院を対象としたアンケートでは、研修機会の確保の要望が非常に多い。 |
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(2)有効性 | 〔効果の発現時期〕 15年度から通信学習システムが運用され、より多くの看護職員に対して研修機会が拡大されることによって、看護職員の資質の向上が図られる。 〔雇用創出効果、民間需要創出効果〕 システムの開発に係る誘発雇用が23人で90百万円の雇用創出効果が図られる。
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(3)効率性 | 〔手段の適正性、費用対効果分析〕 看護職員が個々の自由な時間・場所で自己学習できるシステムを開発することにより、質の高い看護職員の安定的な育成が図られるものである。 また、本事業については、インターネットを活用した通信学習のシステム開発及び学習プログラムを作成し、都道府県(ナースセンター)等に配布を行い、各種研修事業に活用するものであるため効率的である。 このようなシステムの開発については、各県が独自に取り組むことは非効率であり、国が一括して開発することが必要である。 さらに、研修事業の実施主体毎にシステム開発等を行う場合の費用(47県×107百万円=5,029百万円)と比較して、当該事業は国が一括して開発することにより、107百万円となり、効率的である。 |
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(4)その他 (公平性・優先性など) |
当該通信学習システムが運用されることにより、職場環境や居住地などの諸条件に左右されることなく、全ての看護職員が公平に受講の機会を得ることができる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
関連事務事業 | ○看護職員実務研修事業 ○看護力再開発講習会 等 |
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特記事項 | なし | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主管課 及び関係課 |
(主管課)医政局看護課 |
人材育成、教育分野への対応
<インターネットによる看護職員研修のイメージ>
事業評価書(事前)
事務事業名 | 地域医療機関連携のための電子カルテによる診療情報共有モデル事業 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 電子カルテを活用し、地域医療機関連携の促進、地域レベルでの医療の質の向上と医療サービスの効率化を図る。 | |
(2)内容 | 地域医療に中心的な役割を果たしている医療機関とその周辺の医療機関等に電子カルテを導入し、ネットワークを構築することにより、患者の診療情報の共有化を図ることとし、各医療機関の専門性に基づき、質が高く効率的なチーム医療・グループ診療の実践が可能な地域医療連携の構築を図り、医療の情報化がもたらす効果を検証し、地域の特性に応じたシステムによる電子カルテの導入が医療機関にとって有用なものであることを示す。
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(3)達成目標 | 2ヶ所の地域においてモデル事業を実施し、中心的な役割を果たしている医療機関(1病院)とその周辺の医療機関(5病院)等に電子カルテを導入し、地域の特性に応じたシステムによる電子カルテの導入が医療機関にとって有用なものであることを示すことにより、情報化の推進に資する。 | ||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会ニーズに照らした妥当性、公益性、官民の役割分担、緊要性の有無〕 医療分野における情報化は、診療情報の電子化・高速伝送・同時共有がなされ、最新医療情報の多方向アクセスが可能となる事を意味し、国民に医療の質の向上と医療の効率的提供をもたらすものであるが、診療情報の同時共有に関して、医療機関相互のネットワーク構築という視点からは未だ普及レベルに達していない。 このため、モデル事業などを通して課題を検討し、導入に向けての環境整備を進める必要がある。 また、IT戦略本部決定であるe-Japan重点計画や経済財政諮問会議等の場で、医療分野のIT化の推進について、積極的に取り組むべきであるとの提言を受けている。 |
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(2)有効性 | 〔効果の発現が見込まれる時期〕 本事業は、モデル事業として、医療の情報化がもたらす効果の検証を1年間かけて行うものであり、事業終了後にこれらの評価を公表することにより、医療分野のIT化の推進及び電子カルテの導入を促すものであるため、効果の発現時期は当該事業終了後となる。 〔雇用創出効果〕 各医療機関が電子カルテの導入を図ることにより、関連産業の雇用安定に資する。 |
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(3)効率性 | 〔手段の適正性・費用対効果分析〕 地域の特性に応じたシステムによる電子カルテの導入が医療機関にとって有用なものであることを示し、システムが普及することにより、高額である電子カルテの導入費用が低減する。 |
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(4)その他 | なし | ||
関連事務事業 | 保健医療情報システム検討会において、保健医療サービスの効果的かつ効率的な提供に必要な社会基盤としての保健医療情報システムのあるべき姿及び開発普及方針について検討し、その推進のための戦略的なガイドラインを年内に策定することとしている。 | ||
特記事項 | なし | ||
主管課 及び関係課 |
(主管課)医政局研究開発振興課医療技術情報推進室 |
診療情報共有モデル事業イメージ