2 出向と労働組合の対応に関する事項
(1) 出向している組合員の状況
他の企業に出向している組合員が「いる」労働組合の割合は57.8%、出向している組合員が「いない」労働組合の割合は42.2%となっている。
3年前と比べて組合員の出向者数が「増加した」とする労働組合について、主な理由をみると、「企業経営の多角化の進展のため」とする労働組合の割合が41.3%で最も高く、次いで「出向先の経営・技術指導のため」が15.3%、「不況に伴う雇用調整のため」が12.2%、「賃金負担軽減のため」が9.0%となっている(第5図)。
出向による組合員資格の取扱いをみると、「組合員資格を継続する」とする労働組合の割合は86.1%となっており、一方、「組合員資格はなくなる」とする労働組合の割合は4.6%となっている(第6図)。
(4) 出向に際しての労働組合の関与
他の企業に出向している組合員がいる労働組合について、出向に際し「関与した」労働組合の割合は65.5%、「関与しなかった」労働組合の割合は34.5%となっている。
(5) 出向に際して労働組合が重視している事項
他の企業に出向している組合員がいる労働組合について、出向に際し最も重視している事項をみると、「出向者の賃金等労働条件に関すること」とする労働組合の割合が71.8%で最も高くなっている(第7図)。
産業別にみると、出向している組合員が「いる」労働組合の割合は、電気・ガス・熱供給・水道業が82.8%と最も高くなっている。
また、出向している組合員が「いる」労働組合の出向者数を3年前(平成9年)と比べてみると、「増加した」が50.1%、「変わらない」が38.4%、「減少した」が11.5%となっている。
出向している組合員が「いる」労働組合の割合を過去3年間における企業組織の再編等の実施の有無別にみると、「実施された」労働組合では「出向している組合員がいる」割合が70.8%となっているのに対し、「実施されなかった」労働組合では46.8%となっている(第4表)。
出向者数の変化状況別労働組合の割合
(%)
産業
企業組織の再編等の有無計
出向してい
る組合員が
「いる」 3年前と比べて
出向してい
る組合員は
「いない」
増加
した変わら
ない減少
した
計
100.0
57.8
(100.0)
(50.1)
(38.4)
(11.5)
42.2
鉱業
100.0
76.5
(100.0)
(23.1)
(69.2)
( 7.7)
23.5
建設業
100.0
76.5
(100.0)
(48.0)
(41.6)
(10.4)
23.5
製造業
100.0
62.3
(100.0)
(48.5)
(37.2)
(14.2)
37.7
電気・ガス・熱供給・水道業
100.0
82.8
(100.0)
(45.5)
(39.4)
(15.1)
17.2
運輸・通信業
100.0
52.7
(100.0)
(54.9)
(37.0)
( 8.2)
47.3
卸売・小売業,飲食店
100.0
49.4
(100.0)
(58.7)
(29.2)
(12.1)
50.6
金融・保険業、不動産業
100.0
64.5
(100.0)
(46.8)
(47.5)
( 5.7)
35.5
サービス業
100.0
36.2
(100.0)
(44.9)
(45.3)
( 9.9)
63.8
企業組織の再編等
「実施された」
100.0
70.8
(100.0)
(58.1)
(27.9)
( 13.9)
29.2
「実施されていない」
100.0
46.8
(100.0)
(39.9)
(51.8)
( 8.4)
53.2
(2) 出向者数の増加理由
(%)
産業
出向者が
増加した企業経
営の多
角化の
進展の
ため不況に
伴う雇
用調整
のため役職の
ポスト
不足の
ため賃金負
担軽減
のため出向先
の経営
・技術
指導の
ため出向先
の人手
不足の
ため海外進
出のた
めその他
計
〔50.1〕
100.0
41.3
12.2
2.0
9.0
15.3
7.2
2.0
11.0
鉱業
〔23.1〕*
100.0*
33.3*
−
−
33.3*
−
−
−
33.3*
建設業
〔48.0〕
100.0
34.0
19.1
0.9
6.6
26.3
6.3
−
6.7
製造業
〔48.5〕
100.0
31.6
18.9
−
10.3
18.0
6.5
4.8
9.9
電気・ガス・熱供給・水道業
〔45.5〕
100.0
63.0
−
7.2
1.1
20.9
−
0.6
7.3
運輸・通信業
〔54.9〕
100.0
41.8
10.8
1.8
6.8
12.5
5.9
−
20.4
卸売・小売業,飲食店
〔58.7〕
100.0
38.2
5.4
0.7
18.0
14.4
17.1
−
6.2
金融・保険業、不動産業
〔46.8〕
100.0
69.6
5.4
10.1
5.0
5.9
1.2
−
2.8
サービス業
〔44.9〕
100.0
50.5
0.5
−
−
11.9
9.6
−
27.5
(3) 出向による組合員資格の取扱い
産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業(78.4%)、運輸・通信業(77.7%)、製造業(71.1%)で「関与した」労働組合の割合が高くなっている。
「関与した」労働組合について、関与の時点をみると、「計画段階」のみが39.0%、「個別人選段階」のみが23.5%、「両段階」が37.5%となっており、産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業で「計画段階」のみの割合が82.1%と高くなっている(第6表)。
関与の内容をみると、「計画段階」、「個別人選段階」いずれについても「協議機関で協議した」が高く、約9割を占めている(第7表)。
(%)
産業
出向して
いる組合
員がいる関与した
関与しな
かった
計画段階
のみ個別人選
段階のみ両段階
計
100.0
65.5
(100.0)
(39.0)
(23.5)
(37.5)
34.5
鉱業
100.0
76.9
(100.0)
(20.0)*
(30.0)*
(50.0)*
23.1
建設業
100.0
51.4
(100.0)
(31.2)
(22.5)
(46.2)
48.6
製造業
100.0
71.1
(100.0)
(35.6)
(22.7)
(41.7)
28.9
電気・ガス・熱供給・水道業
100.0
78.4
(100.0)
(82.1)
( 6.4)
(11.5)
21.6
運輸・通信業
100.0
77.7
(100.0)
(39.6)
(17.0)
(43.4)
22.3
卸売・小売業,飲食店
100.0
59.0
(100.0)
(29.8)
(25.7)
(44.4)
41.0
金融・保険業、不動産業
100.0
48.3
(100.0)
(51.6)
(42.4)
( 6.0)
51.7
サービス業
100.0
46.3
(100.0)
(22.0)
(36.4)
(41.6)
53.7
M.A.(%)
時点
出向に際し
関与した協議機関で
協議した
団体
交渉を
行ったその他
同意
事項
として協議
事項
として意見聴
取事項
として説明報
告事項
として
計画段階
〔76.5〕
100.0
89.4
(100.0)
(26.8)
(71.3)
(20.6)
(35.3)
24.1
3.8
うち計画段階のみ
〔39.0〕
100.0
83.7
(100.0)
(25.3)
(69.0)
(19.3)
(33.6)
26.6
5.9
うち両段階の計画段階
〔37.5〕
100.0
95.4
(100.0)
(28.2)
(73.4)
(21.9)
(36.9)
21.4
1.7
個別人選段階
〔61.0〕
100.0
91.7
(100.0)
(30.6)
(42.9)
(27.1)
(47.4)
8.3
8.5
うち個別人選段階のみ
〔23.5〕
100.0
89.0
(100.0)
(30.4)
(48.9)
(21.8)
(37.9)
4.4
11.5
うち両段階の個別人選段階
〔37.5〕
100.0
93.4
(100.0)
(30.7)
(39.3)
(30.3)
(53.1)
10.7
6.6
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