厚生労働省

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12月月例労働経済報告

概況

(1)一般経済の概況

景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。

・輸出は、アジア向けを中心に、増加している。生産は、持ち直している。

・企業収益は、大幅な減少が続いているが、そのテンポは緩やかになっている。設備投資は、下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。

・企業の業況判断は、依然として厳しい状況にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている。ただし、中小企業では先行きに慎重な見方となっている。

・雇用情勢は、依然として厳しい。

・個人消費は、持ち直しの動きが続いている。

・物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。

先行きについては、当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレや金融資本市場の変動の影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。

(2)労働経済の概況

労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい(第1図)。

・完全失業率は、平成21年10月は前月差0.2ポイント低下し5.1%となり、高水準で推移している。

・15〜24歳層の完全失業率は、上昇している。

・新規求人数は、このところ持ち直しの動きがみられる。

・有効求人倍率は、横ばい圏内となった。

・雇用者数はこのところ持ち直しの動きがみられる。

・製造業の残業時間は、生産が持ち直していることを反映し、増加している。

・定期給与は横ばい圏内で推移しているものの、現金給与総額は減少傾向にある。

一般経済

(1)鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、持ち直している。

2009年10月の鉱工業生産(季節調整済前月比、確報、以下同じ)は、0.5%増と8か月連続で上昇した(第2図)。

業種別にみると、2009年10月は一般機械工業、情報通信機械工業、金属製品工業等が上昇し、食料品・たばこ工業、その他工業、電子部品・デバイス工業等が低下した。

出荷は前月比1.3%増と上昇した。在庫は前月比1.5%減と低下した。

今後の動向については、製造工業生産予測調査によると、製造工業生産は11月3.3%増の後、12月は1.0%増となっている。

先行きについては、輸出の増加傾向などから、当面、持ち直しが続くことが期待される。

(2) 最終需要の動向をみると、
[1]個人消費は、持ち直しの動きが続いている。

二人以上の世帯の実質消費支出(季節調整済前月比、速報、以下同じ)は、9月0.1%増の後、10月0.7%増となった。うち勤労者世帯では、9月0.4%増から、10月1.9%減となった。勤労者世帯の平均消費性向(季節調整値)は9月74.0%の後、10月72.4%となった(第3図)。

消費者態度指数の推移をみると、2009年7〜9月期(季節調整済前期差)は2.6ポイント上昇し、40.2となった。なお、11月(原数値前年同月差)は11.1ポイント上昇し、39.5となった。

10月の小売業販売額(季節調整済前月比、速報、以下同じ)は、0.9%減、大型小売店販売額は4.5%減となった。また、乗用車(軽を含む)の新車登録台数(原数値前年同月比)は、10月7.8%増の後、11月24.7%増となった。

先行きについては、経済対策の効果が引き続き見込まれるものの、雇用・所得環境が厳しいことや新型インフルエンザの流行による影響を注視する必要がある。

[2]設備投資は、下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。

財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、2009年4〜6月期季節調整済前期比4.7%減の後、2009年7〜9月期同8.8%減(うち製造業同15.9%減、非製造業同4.8%減)となっており、全産業、製造業、非製造業で減少している。

今後の動向については、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)をみると、全規模の2009年度の設備投資計画(前年度比)は、全産業で18.8%減、製造業は30.6%減、非製造業は12.4%減となっている(第4表)。また、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、季節調整済前月比で2009年9月は10.5%増の後、10月は4.5%減となっている。国土交通省「建築着工統計」による非居住用建築物(民間)の工事予定額をみると、2009年9月は季節調整済前月比9.9%減の後、10月は同11.2%増となっている。

先行きについては、厳しい企業収益の状況、世界景気の先行き不透明感などを背景に、当面、低調に推移する可能性が高い。

[3]住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。

新設住宅着工戸数をみると、2009年9月は季節調整済前月比3.3%増、10月は同9.0%増の6.3万戸(年率76.2万戸)と2か月連続で増加した(第5図)。

新設住宅着工床面積は、2009年9月は季節調整済前月比5.4%増の後、10月は同5.1%増となった。

先行きについては、雇用・所得環境が厳しいものの、経済対策の効果もあって底堅く推移することが期待される。

[4]公共投資は、堅調に推移している。

公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で、2009年9月は26.7%増の後、10月は17.3%減となった。また、公共工事請負金額(「公共工事前払金保証統計」)をみると、2009年10月は前年同月比8.3%増の後、10月は0.0%減となっている。

先行きについては、予算や事業の見直しに伴う影響等を見極める必要がある。

[5]輸出は、アジア向けを中心に、増加している。

通関輸出(数量ベース、季節調整済前期比)は、月別で2009年9月は0.3%減の後、10月は9.2%増となっており、四半期別では、2009年4〜6月期10.8%増の後、2009年7〜9月期10.5%増となった(第6図)。

地域別には、アジア向けの輸出は、大幅に増加している。アメリカ向けの輸出は、持ち直している。EU向けの輸出は、持ち直しの動きがみられる。

先行きについては、世界の景気が緩やかに持ち直していることから、当面、増加傾向が続くとみられる。

輸入は、持ち直している。

通関輸入(数量ベース、季節調整済前期比)は、月別で2009年9月は7.3%増の後、10月は5.7%減となっており、四半期別では、2009年4〜6月期1.5%減の後、2009年7〜9月期9.8%増となった(第6図)。

地域別には、アジアからの輸入は、増加している。アメリカ、EUからの輸入は、ともに持ち直しの動きがみられる。

(3)国内企業物価は、横ばいとなっている。消費者物価は、緩やかな下落が続いている。

11月の国内企業物価(速報)は、前月比0.1%上昇(前年同月比4.9%下落)となり、輸出物価は同0.3%下落(同3.5%下落)、輸入物価は同0.8%上昇(同11.9%下落)となった。

10月の消費者物価は、総合が前年同月比2.5%下落(前月比0.4%下落)となり、生鮮食品を除く総合は同2.2%下落(同0.1%下落)となった(第7図)。

先行きについては、消費者物価(コアコア)は、引き続き緩やかな下落傾向で推移すると見込まれる。

こうした動向を総合してみると、持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレ状況にある。

(4)企業収益は、大幅な減少が続いているが、そのテンポは緩やかになっている。また、企業の業況判断は、依然として厳しい状態にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いている。ただし、中小企業では先行きに慎重な見方となっている。倒産件数は、緩やかに減少している。

財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の経常利益は、四半期別前年同期比で、2009年4〜6月期53.0%減の後、2009年7〜9月期32.4%減(製造業69.3%、非製造業7.8%減)、季節調整値で2009年4〜6月期18.4%増の後、2009年7〜9月期26.8%増(製造業については、前期の季節調整値が負数のため算出できない。非製造業2.2%増)となった。

また、日本銀行「全国企業短観経済観測調査」(12月調査)によれば、企業の全規模の2009年度の経常利益計画(前年度比)は、2009年度通期では全産業16.1%の減益、 製造業33.7%の減益、非製造業7.7%の減益となっている。なお、2009年度上期では、全産業52.8%の減益、製造業85.1%の減益、非製造業24.3%の減益の後、下期では全産業91.3%の増益、製造業は利益、非製造業15.7%の増益が見込まれている(第8表)。

企業の業況判断D.I.(「良い」−「悪い」)について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)をみると、規模計で、全産業▲32ポイント(6ポイント改善)、製造業▲32ポイント(11ポイント改善)、非製造業▲30ポイント(3ポイント改善)となっており、全産業、製造業、非製造業で改善となっている(負の数には▲を付した。)(第9表)。

倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は、2009年11月1,132件で、前年同月比11.3%減となった。

(5)2009年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季節調整済前期比0.3%増(年率1.3%増)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は0.1%減、財貨・サービスの純輸出の寄与度は0.4%増となった。また、名目GDPの成長率は季節調整済前期比0.9%減となった(第10図)。

雇用・失業

(1)[1]10月の就業者数(季節調整値)は、3ヶ月ぶりに前月差で減少した。

就業者数(季節調整値)は、9月に前月差4万人増となった後、10月は同20万人減と減少し、6,244万人(原数値は6,271万人、前年同月差117万人減)となった。男女別には、男性が3,622万人(前月差6万人増)、女性が2,622万人(同26万人減)となった(第11表)。

10月の雇用者数(季節調整値)は、4ヶ月ぶりに前月差で減少した。

雇用者数(季節調整値)は、9月に前月差7万人増となった後、10月は同12万人減と減少し、5,454万人(原数値は5,465万人、前年同月差77万人減)となった(第13図)。男女別には、男性が3,139万人(前月差10万人増)、女性が2,315万人(同23万人減)となった。雇用形態別(原数値)にみると、常雇が4,685万人(前年同月差85万人減)、臨時雇・日雇が780万人(同8万人増)となった。

10月の常用雇用指数(事業所規模5人以上、季節調整済値、確報)は、前月より0.1%増加した。また、一般とパートの別にみると、一般労働者は前月比0.1%減、パートタイム労働者は同0.1%増となった。

[2]10月の完全失業率(季節調整値)は、3ヶ月連続で前月差で低下した。

完全失業率(季節調整値)は、9月に前月差0.2ポイント低下の5.3%となった後、10月は同0.2ポイント低下の5.1%(原数値は5.2%、前年同月差1.4ポイント上昇)となった。男女別には、男性が5.3%(前月差0.3ポイント低下)、女性が4.8%(同0.1ポイント低下)となった。

10月の完全失業者数(季節調整値)は、3ヶ月連続で前月差で減少した。

完全失業者数(季節調整値)は、9月に前月差10万人減となった後、10月は同16万人減の336万人(原数値は344万人、前年同月差89万人増)となった。男女別には、男性が203万人(前月差12万人減)、女性が133万人(同5万人減)となった。

なお、求職理由別(原数値)にみると、10月は非自発的理由による離職失業者は152万人(前年同月差66万人増)、自発的理由による離職失業者は103万人(同6万人増)、学卒未就職者は14万人(同4万人増)、その他の理由による失業者は71万人(同13万人増)となった(第11表)。

[3]10月の労働力人口(季節調整値)は、2ヶ月連続で前月差で減少した。

労働力人口(季節調整値)は、9月に前月差2万人減となった後、10月は同37万人減の6,582万人(原数値は6,615万人、前年同月差28万人減)となった。

10月の非労働力人口(季節調整値)は、4ヶ月ぶりに前月差で増加した。

非労働力人口(季節調整値)は、9月に前月と同水準となった後、10月は前月差40万人増の4,469万人(原数値は4,438万人、前年同月差32万人増)となった。男女別には、男性が1,516万人(前月差6万人増)、女性が2,953万人(同34万人増)となった。

労働力人口比率(原数値)は、9月は59.8%(前年同月差0.3ポイント低下)となった。男女別には、男性が72.0%(同0.8ポイント低下)、女性が48.5%(同0.3ポイント上昇)となった(第11表)。

就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は、10月は56.7%(前年同月差1.1ポイント低下)となった。

(2)月間有効求人数(季節調整値)は、前月比0.9%増と3ヶ月連続で増加した。

月間有効求職者数(季節調整値)は、前月比1.6%減と2ヶ月連続で減少した。

10月の有効求人倍率(季節調整値)は、0.44倍と前月より0.01ポイント上昇した。

新規求人数(季節調整値)は、前月比1.1%増であった。

新規求職者数(季節調整値)は、前月比1.3%増と2ヶ月ぶりに増加した。

10月の新規求人倍率(季節調整値)は、0.78倍と前月より0.01ポイント低下した(第12表)。

正社員の有効求人倍率は、0.27倍(前年同月差0.25ポイント低下)となった。

新規求人(季節調整値)を一般(除パート)とパートの別でみると、10月は一般は前月比0.4%減と2ヶ月ぶりに減少し、パートについては同2.7%増と2ヶ月連続で増加した。新規求職者数(季節調整値)は、一般は前月比2.5%増と2ヶ月連続で増加し、パートについては同0.7%減と2ヶ月連続で減少した。

(3)産業別にみると、10月の就業者数(原数値)は、医療,福祉は前年同月差26万人増、運輸業,郵便業は同17万人増、宿泊業,飲食サービス業は同8万人増、生活関連サービス業,娯楽業は同8万人増、情報通信業は同3万人増、教育,学習支援業は同2万人増と増加したのに対し、製造業は同88万人減、その他サービス業は同34万人減、建設業は同24万人減、卸売業,小売業は同15万人減、学術研究,専門・技術サービス業は同8万人減であった。

また、10月の新規求人(原数値)は、情報通信業は前年同月比38.6%減、製造業は同31.4%減、卸売業,小売業は同25.9%減、建設業は同20.1%減、宿泊業,飲食サービス業は同20.1%減、その他サービス業は同17.5%減、学術研究,専門・技術サービス業は同16.0%減、教育,学習支援業は同12.8%減、生活関連サービス業,娯楽業は同10.9%減、医療,福祉は同9.8%減、運輸業,郵便業は同8.7%減とすべての主要産業で減少した。

(4)雇用に先行して動くと考えられる指標についてみると、所定外労働時間(事業所規模5人以上、季節調整済指数、確報)は、製造業では9月に前月比5.0%増となった後、10月は同3.5%増、調査産業計では9月に前月比0.9%増となった後、10月は同1.4%増となった。

日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、全産業では16%ポイント(9月調査より4%ポイント低下)となり、5四半期連続で過剰超過となった(第14図)。

厚生労働省「労働経済動向調査」によると、2009年7〜9月期に雇用調整を実施した事業所割合は45%となり2009年4〜6月期から4%ポイント低下した(第15図)。また、2009年10〜12月期に実施予定の事業所割合は41%、2010年1〜3月期に実施予定の事業所割合は37%となっている。

賃金・労働時間

(1)10月の現金給与総額(事業所規模5人以上、産業計、確報、以下同じ)は267,297円で、前年同月比1.9%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.2%減、パートタイム労働者は同1.9%減となった。

内訳をみると、所定内給与は前年同月比1.3%減(一般労働者同0.8%減、パートタイム労働者同2.1%減)となったほか、所定外給与は同9.7%減、特別給与は同5.1%増となった(第16図)。

また、きまって支給する給与は前年同月比2.0%減(一般労働者同1.4%減、パートタイム労働者同2.1%減)となった。

(2)10月の総実労働時間(事業所規模5人以上、産業計、確報、以下同じ)は145.3時間で、前年同月比4.2%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比4.3%減、パートタイム労働者は同2.6%減となった。

内訳をみると、所定内労働時間は135.7時間で前年同月比3.8%減(一般労働者同3.6%減、パートタイム労働者同2.4%減)、所定外労働時間は9.6時間で同11.2%減(一般労働者同11.0%減、パートタイム労働者同6.9%減)となった。なお、月間出勤日数は19.0日で前年同月差0.7日減となった。

10月の製造業の所定外労働時間は12.4時間で、前年同月比19.4%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比18.4%減、100〜499人規模で同19.7%減、30〜99人規模で同22.0%減、5〜29人規模で同24.6%減となった(第17図)。

12月の主要変更点

月例労働経済報告のポイントPDF版(PDF:99KB)

月例労働経済報告PDF版(PDF:530KB)

月例労働経済報告参考表

データ取得エクセルでダウンロードできます。(参考表 (Excel:177KB))

データ取得エクセルでダウンロードできます。(図表 (Excel:5,093KB))

問合わせ先

政策統括官付 労働政策担当参事官室 分析第二係

電話 03(5253)1111 内線7732

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