労働経済動向調査   労働統計一覧

厚生労働省発表
平成13年9月

担当 厚生労働省大臣官房統計情報部
 雇用統計課長 水谷 豊
 同課長補佐 櫻井 忠房
電話 (5253)1111 内線 7613、7614
ダイヤルイン 03(3595)3145

・雇用過剰感は、建設業及び製造業で引き続き強まる
・上昇する雇用調整実施事業所割合

− 労働経済動向調査(平成13年8月)結果速報 −

 調査の概要
 この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、全国の建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業に属する常用労働者30人以上を雇用する民営事業所5,342事業所を対象として、年4回実施(通信調査方式)しているもので、平成13年8月1日現在の調査結果である。
 (回答事業所数3,067、回答率57%)

(注)  平成11年2月の調査から、調査対象産業を従来の5産業に金融・保険業、不動産業を追加し7産業とした。
 「生産・売上判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」、「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値(センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる季節調整値)である。また、季節調整値は、毎年5月結果発表時に、過去に遡って改訂する。
 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。
 統計表に用いている数値は、「0」は単位未満の比率を示し、「−」は調査客体がないものを示す。
 本調査の結果は、厚生労働省のwebページ(http://www.mhlw.go.jp)に掲載されている。

II 調査結果

【骨子】

1 生産・売上

 生産・売上判断D.I.(平成13年4〜6月期実績)は、製造業でマイナス25ポイントとマイナス幅は拡大し、卸売・小売業,飲食店及びサービス業でそれぞれマイナス2ポイントとなっており、卸売・小売業,飲食店でマイナス幅は縮小。また、13年7〜9月期実績見込は製造業、サービス業でマイナスとなっている。13年10〜12月期見込は製造業、卸売・小売業,飲食店、サービス業でマイナスとなっている(第1図第1表)。
2 所定外労働時間

  所定外労働時間判断D.I.(13年4〜6月期実績)は、製造業でマイナス16ポイントとマイナス幅は拡大し、卸売・小売業,飲食店でプラス1ポイントとプラスに転じ、サービス業でプラス2ポイントとなった。また、13年7〜9月期実績見込は製造業、サービス業でマイナスとなっている。13年10〜12月期見込は製造業、卸売・小売業,飲食店、サービス業でマイナスとなっている(第2図第1表)。
3 雇用

 常用雇用判断D.I.(13年4〜6月期実績)は、製造業マイナス28ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス26ポイント、サービス業マイナス11ポイントと3産業ともマイナス幅は拡大した。また、13年7〜9月期実績見込、13年10〜12月期見込とも3産業でマイナスとなっている(第3図第1表)。
4 労働者の過不足状況

 8月現在の常用労働者過不足判断D.I.により、企業の雇用過剰感の動向を見ると、調査産業計ではマイナス10ポイントと前期(マイナス6ポイント)と比べると過剰感が強まっている。産業別では、建設業、製造業で過剰感が強まっており、卸売・小売業,飲食店では過剰となった。また、不動産業、サービス業で不足感が弱まっている(第5図第2−1表)。
 職種別にみると、「管理」、「事務」及び「単純工」で過剰感は強まっている。また、「技能工」は過剰に転じた(第7図第2−2表)。
5 雇用調整

  雇用調整を実施した事業所の割合(13年4〜6月期実績)は、調査産業計で26%と前期と比べると3ポイント上昇した。産業別には、卸売・小売業,飲食店、不動産業の横ばい及びサービス業の低下を除く、ほかの産業で上昇した。
 雇用調整の実施方法は、調査産業計では「残業規制」の割合が14%と最も高く、次いで「配置転換」(8%)、「出向」(6%)及び「中途採用の削減・停止」(5%)となっている。
 今後の雇用調整実施予定事業所割合は、調査産業計では13年7〜9月期は26%、13年10〜12月期は24%となっている(第8図第10図第4表)。
6 中途採用

 「中途採用あり」とした事業所割合(13年4〜6月期実績)は、調査産業計で45%と前年同期(12年4〜6月期実績)と比べると1ポイント上昇となっている(第5表)。

 
 生産・売上、所定外労働時間、雇用
(1) 生産・売上
 製造業の生産判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス25ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス21ポイント、13年10〜12月期見込マイナス9ポイントとなっている(第1図第1表)。
 卸売・小売業,飲食店の売上判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス2ポイントとマイナス幅は縮小した。先行きは、13年7〜9月期実績見込プラス1ポイント、13年10〜12月期見込マイナス9ポイントとなっている(第1図第1表)。
 サービス業の売上判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス2ポイントとなった。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス12ポイント、13年10〜12月期見込マイナス6ポイントとなっている(第1図第1表)。
 製造業について業種別にみると、13年4〜6月期実績は消費関連業種でマイナス17ポイント、素材関連業種でマイナス27ポイント、機械関連業種でマイナス29ポイントとなった。先行きは、消費関連業種で13年7〜9月期実績見込マイナス7ポイント、13年10〜12月期見込プラス2ポイント、素材関連業種で13年7〜9月期実績見込マイナス21ポイント、13年10〜12月期見込マイナス10ポイント、機械関連業種で13年7〜9月期実績見込マイナス27ポイント、13年10〜12月期見込マイナス16ポイントとなっている(第1表)。
(2) 所定外労働時間
 製造業の所定外労働時間判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス16ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス20ポイント、13年10〜12月期見込マイナス11ポイントとなっている(第2図第1表)。
 卸売・小売業,飲食店の所定外労働時間判断D.I.は、13年4〜6月期実績プラス1ポイントとなった。先行きは、13年7〜9月期実績見込0ポイント、13年10〜12月期見込マイナス7ポイントとなっている(第2図第1表)。
 サービス業の所定外労働時間判断D.I.は、13年4〜6月期実績プラス2ポイントとなった。
 先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス4ポイント、13年10〜12月期見込マイナス5ポイントとなっている(第2図第1表)。
(3) 雇用
(1) 常用雇用
 製造業の常用雇用判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス28ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス14ポイント、13年10〜12月期見込はマイナス11ポイントとなっている(第3図第1表)。
 卸売・小売業,飲食店の常用雇用判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス26ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス8ポイント、13年10〜12月期見込マイナス7ポイントとなっている(第3図第1表)。
 サービス業の常用雇用判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス11ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス7ポイント、13年10〜12月期見込マイナス2ポイントとなっている(第3図第1表)。
(2) パートタイム雇用
 製造業のパートタイム雇用判断D.I.は、13年4〜6月期実績マイナス10ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス10ポイント、13年10〜12月期見込マイナス7ポイントとなっている(第4図第1表)。
 卸売・小売業,飲食店のパートタイム雇用判断D.I.は、13年4〜6月期実績プラス1ポイントとプラスに転じた。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス3ポイント、13年10〜12月期見込0ポイントとなっている(第4図第1表)。
 サービス業のパートタイム雇用判断D.I.は、13年4〜6月期実績0ポイントとなった。先行きは、13年7〜9月期実績見込マイナス1ポイント、13年10〜12月期見込0ポイントとなっている(第4図第1表)。

 労働者の過不足状況
(1) 過不足
 13年8月現在の労働者の過不足状況について 「常用労働者」を「不足」とする事業所割合は、調査産業計では14%、建設業8%、製造業9%、運輸・通信業27%、卸売・小売業,飲食店15%、金融・保険業27%、不動産業18%、サービス業18%となっている。一方 、「過剰」とする事業所割合は、調査産業計では24%、建設業31%、製造業35%、運輸・通信業14%、卸売・小売業,飲食店17%、金融・保険業10%、不動産業7%、サービス業13%となっている(第2−1表)。
 この結果、常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではマイナス10ポイント、建設業マイナス23ポイント、製造業マイナス26ポイント、運輸・通信業プラス13ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス2ポイント、金融・保険業プラス17ポイント、不動産業プラス11ポイント、サービス業プラス5ポイントとなり、建設業及び製造業で過剰感は強まっており、卸売・小売業,飲食店でマイナスに転じた。これを前期と比べると、調査産業計では過剰感が4ポイント強まっている。産業別には運輸・通信業、金融・保険業で各3ポイント上昇し、建設業で8ポイント、製造業で6ポイント、卸売・小売業,飲食店、サービス業で各2ポイント、不動産業で1ポイントの低下となっている(第5図第2−1表)。
 パートタイム労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではプラス4ポイント、建設業マイナス9ポイント、製造業マイナス9ポイント、運輸・通信業プラス10ポイント、卸売・小売業,飲食店プラス18ポイント、金融・保険業プラス4ポイント、不動産業プラス12ポイント、サービス業プラス19ポイントとなっている(第2−1表)。
 常用労働者過不足判断D.I.を製造業について企業規模別にみると、規模1、000人以上事業所でマイナス27ポイント、規模300〜999人事業所でマイナス33ポイント、規模100〜299人事業所でマイナス19ポイント、規模30〜99人事業所でマイナス23ポイントとなっている(第6図)。
 職種別の労働者過不足判断D.I.は、調査産業計では、「専門・技術」プラス15ポイント、「販売」プラス12ポイント、「サービス」プラス10ポイント、「運輸・通信」プラス4ポイントとこれらの職種では不足とする事業所割合が過剰とする事業所割合を上回っているのに対して、「管理」マイナス16ポイント、「事務」マイナス10ポイント、「技能工」マイナス4ポイント、「単純工」マイナス15ポイントと、これらの職種では過剰とする事業所割合が不足とする事業所割合を上回っている。これを前期と比べると、「サービス」で上昇し、「専門・技術」、「販売」及び「運輸・通信」で横ばい、「管理」、「事務」、「技能工」及び「単純工」で低下している(第7図第2−2表)。
(2) 過不足の程度
 13年8月現在において常用労働者が「不足」と回答した事業所の「不足の程度」は、調査産業計では 、「やや不足」とする事業所の割合が全事業所の13%、「おおいに不足」が1%となっている。
一方、常用労働者が「過剰」と回答した事業所の「過剰の程度」は、調査産業計では、「やや過剰」が22%、「おおいに過剰」が2%となっている。また、「適当」とする事業所の割合は62%となっている(第3表)。

 雇用調整
 13年4〜6月期に何らかの雇用調整を実施した事業所の割合は、調査産業計では26%、建設業24%、製造業35%、運輸・通信業20%、卸売・小売業,飲食店22%、金融・保険業15%、不動産業11%、サービス業13%となった。前期と比べると、調査産業計では3ポイントの上昇となり、産業別には、サービス業で2ポイント低下し、卸売・小売業,飲食店及び不動産業で横ばい、製造業で5ポイント、金融・保険業で4ポイント、建設業で2ポイント、運輸・通信業で1ポイントと上昇している(第8図第4表)。
 製造業について企業規模別にみると、規模1,000人以上事業所で40%、規模300〜999事業所で42%、規模100〜299人事業所で28%、規模30〜99人事業所で26%となった(第9図)。
 雇用調整の実施予定事業所割合は、調査産業計の13年7〜9月期予定は26%と13年4〜6月期実績と比べ横ばいとなり、13年10〜12月期予定は24%となっている。また、産業別には、13年7〜9月期予定は13年4〜6月期実績と比べ卸売・小売業,飲食店で3ポイント、建設業で2ポイント、運輸・通信業及び不動産業で各1ポイントとそれぞれ低下し、金融・保険業で横ばい、製造業で3ポイント、サービス業で1ポイント上昇となっている(第4表)。
 13年4〜6月期実績における雇用調整の実施方法(複数回答)は、調査産業計では 、「残業規制」の割合が14%と最も高く、次いで「配置転換」8%、「出向」6%、及び「中途採用の削減・停止」5%となっている(第10図第4表)。

 中途採用
 中途採用「あり」とする事業所の割合は、13年4〜6月期実績では、調査産業計45%と前年同期(12年4〜6月期実績(44%))と比べると1ポイントの上昇となった。産業別には、建設業33%、製造業39%、運輸・通信業49%、卸売・小売業,飲食店50%、金融・保険業46%、不動産業54%、サービス業58%となった。産業別では前年同期と比べると卸売・小売業,飲食店、不動産業及びサービス業で上昇した。
 今後中途採用を予定する事業所割合は、13年7〜9月期予定では、調査産業計36%となっている。
 産業別には建設業22%、製造業30%、運輸・通信業40%、卸売・小売業,飲食店41%、金融・保険業41%、不動産業42%、サービス業49%となっている。13年10〜12月期予定では、調査産業計23%、建設業10%、製造業17%、運輸・通信業32%、卸売・小売業,飲食店27%、金融・保険業30%、不動産業26%、サービス業35%となっている(第5表)。

 労働者数の変動状況
(1) 1年前との変動状況
 現在の労働者数が1年前とどのように変わったかを事業所割合でみると、常用労働者では調査産業計で「増加した」とする事業所は13%、「ほぼ同じ」とする事業所は46%「減少した」とする事業所は40%となり、「減少した」とする事業所割合は「増加した」とする事業所割合を上回った。産業別では、すべての産業で「減少した」とする事業所割合は「増加した」とする事業所割合を上回った。
 一方、現在受け入れている派遣労働者数が1年前とどのように変わったかを事業所割合でみると、調査産業計で「増加した」とする事業所は16%、「ほぼ同じ」とする事業所は30%、「減少した」とする事業所は12%、「1年前もいない」とする事業所は42%となり、「増加した」とする事業所割合は「減少した」とする事業所割合を上回った(第6表)。
(2) 1年後の変動状況
 現在の労働者数が1年後どのように変わるかを事業所割合でみると、常用労働者では調査産業計で「増加する」と見込む事業所は10%、「ほぼ同じ」と見込む事業所は51%、「減少する」と見込む事業所は34%となり、「減少する」と見込む事業所割合は、「増加する」と見込む事業所割合を上回っている。産業別には、すべての産業で「減少する」と見込む事業所割合は「増加する」と見込む事業所割合を上回っている。
 一方、現在受け入れている派遣労働者数が1年後どのように変わるかを事業所割合でみると「1年後もいない」は33%であり、調査産業計で「増加する」と見込む事業所は9%、「ほぼ同じ」は28%、「減少する」と見込む事業所は13%となり「減少する」と見込む事業所割合は、「増加する」と見込む事業所割合を上回っている(第7表)。


主な用語の説明
〔労働者〕
 常用 雇用期間を定めないで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。
 臨時・季節 1ヶ月以上の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いているものをいい、パートタイムは除く。
 パートタイム 1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の一般労働者のそれより短い者をいう。
 派遣労働者 労働者派遣法に基づく他社(派遣元事業主)からの派遣を受けた労働者をいう。
〔職種〕
 管理 課以上の組織の管理に従事する者をいう。
 事務 課長等管理職の指導、監督をうけて事務に従事する者をいう。
 専門・技術 高度の専門知識を応用し、技術的な業務、研究等に従事する者をいう。
 販売 商品、証券などの売買、保険外交などに従事する者をいう。
 サービス 主に個人に対するサービスの仕事をいう。
 運輸・通信 鉄道、自動車、通信電話交換などで運転、操作に従事する者及び車掌、 電話交換手などをいう。
 技能工 原材料の加工、各種機械器具の組み立て、修理、印刷、製本、建設作業などに従事する者のうち高度の熟練、判断力、責任を要する作業を行う者をいう。
 単純工 上記「技能工」と同じ作業に従事しているが、技能などの修得を要しない簡単な作業、単純な筋肉労働に従事する者をいう。


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