関連用語の説明
このページでは、コーデックス食品規格における用語の定義について、説明いたします。
- 食品とは、加工・半加工・生を問わず、ヒトが消費することを意図したあらゆる物質を意味し、飲料やチューインガム、「食品」の製造・調理・処理に用いられたあらゆる物質を含みます。ただし、化粧品やタバコ、薬剤としてのみ使用される物質は含みません。
- 食品衛生は、ヒトの消費に適した安全で確かな、健康によい製品を保証する上で必要な、食品生産・加工・保存・流通の条件および手段によって構成されます。
- 食品添加物とは、栄養価の有無にかかわらず、通常それ自体は食品として消費されることがなく、また通常は食品に含まれる典型的成分のひとつとして用いられることのないあらゆる物質を意味します。食品の製造・加工・調理・処理・包装・梱包・輸送・取扱いの際の（官能上の目的を含む）技術的目的のために、食品添加物を意図的に添加することで、添加物自体やその副産物は（直接または間接的に）かかる食品の成分となり、あるいは食品の特性に影響を及ぼすことになります（または合理的にそのように予想されます）。「食品添加物」という用語には、「汚染物質」や、食品の栄養品質を維持・向上するために添加する物質は含まれません。
- 汚染物質とは、意図的に食品に添加することのない物質で、食品の生産（農耕・畜産・獣医学で行われる操作を含む）・製造・加工・調理・処理・包装・梱包・輸送・取扱いの結果、または環境汚染の結果、かかる食品中に存在するに至ったあらゆる物質を意味する。「汚染物質」という用語には、昆虫の断片や、げっ歯類の毛、その他外部から混入した物質は含まれません。
- 農薬（殺虫剤）とは、あらゆる有害生物の予防・駆除・誘引・撃退・管理に用いられるあらゆる物質、あるいは外部寄生生物を管理するために動物に投与されるあらゆる物質を意味します。有害生物には、食品や農産物あるいは動物飼料の生産・保存・輸送・流通・加工時に生じる望ましくない植物種や動物種が含まれます。この用語には、植物生長調節剤、枯れ葉剤、乾燥剤、摘果剤、発芽抑制剤として使用される物質、および保存・輸送時の劣化を防ぐために収穫前もしくは収穫後の農産物に使用される物質が含まれます。肥料、植物栄養剤および動物栄養剤、食品添加物、動物用医薬品は通常含まれません。
- 残留農薬とは、農薬を使用した結果、食品や農産物あるいは動物飼料から検出されるあらゆる物質を意味します。この用語には、変換産物、代謝産物、反応産物、不純物など、農薬から生じた毒性学的に重要と思われるあらゆる派生物が含まれます。
- 農薬の使用における適正農業規範（GAP）には、国が有害生物の有効かつ確実な管理に必要と認める、実際の条件下での農薬の安全使用が含まれます。これには、認定された最大使用量に至るまでの農薬使用量の範囲が含まれており、残留農薬の量が現実的に可能な限り少なくなるような形で適用されます。
安全使用の認定は国レベルで行われ、これには、公衆衛生や労働衛生、環境への安全性を顧慮した上で国が認可した、あるいは国が推奨する農薬使用方法が含まれます。
実際の使用条件には、食糧品および動物飼料の生産・保存・輸送・流通・加工のあらゆる段階が含まれます。 - コーデックスの定める農薬の最大残留限界（MRLP）とは、コーデックス委員会が推奨する、食糧品および動物飼料中またはその表面上の、法的に認められ得る最大残留農薬濃度（mg/kg）をいいます。MRLはGAPのデータに基づいて示され、それぞれのMRLを遵守した産品に由来する食品は、毒性学的に許容範囲の食品であることを意図しています。
コーデックスのMRLは主に国際貿易への適用を意図しており、JMPRが行った下記の推定結果から導かれたものです。 - 農薬およびその残留物の毒性学的評価
- 国の適正農業規範を反映したものも含め、監督指導下での試験や使用によって得た残留データの検討。検討には、国が推奨・認可・公認する最大使用量を用いて実施された監督指導下での試験データが含まれます。各国の有害生物管理要件の違いに対応するために、コーデックスのMRLでは、かかる監督指導下での試験で観察された高残留濃度（有害生物の管理に有効と判断される濃度）を考慮に入れています。
- 動物用医薬品とは、治療・予防・診断目的で、あるいは生理的機能や挙動を改変する目的で、食肉用家畜や乳用家畜、家禽類、魚類、蜂など食品生産に用いられるあらゆる動物に適用もしくは投与されるあらゆる物質を意味します。
- 残留動物用医薬品には、動物由来製品の可食部に含まれる親化合物および／またはその代謝産物が含まれます。また、当該の動物用医薬品に関連する残留不純物も含まれます。
- コーデックスの定める動物用医薬品の最大残留限界（MRLVD）とは、コーデックス委員会が推奨する、食品中もしくは食品上の許容範囲と法的に認められ得るまたは認識され得る動物用医薬品を使用した結果の最大残留濃度（新鮮重量当りの残留濃度、mg/kgまたはμg/kgで示す）をいいます。
この値は、ヒトの健康に毒性学的な危害を及ぼさないと判断される残留物の種類と量に基づき、1日許容摂取量（ADI）の形で示されるか、あるいは付加的な安全性因子を利用した暫定的ADIに基づいて示されます。他にも、関連の公衆衛生上のリスクや食品技術面が考慮されています。
MRLを設定する際には、植物由来食品や環境中の残留物も検討対象となります。さらにMRLは、動物用医薬品の適正使用に沿って、実際の分析法が利用できる範囲で低減される場合もあります。 - 動物用医薬品の適正使用規範（GPVD）は、退薬期間を含め、国の管轄当局が承認する実際の条件下における動物用医薬品の正式な推奨用法または認可された用法を示したものです。
- 加工助剤とは、処理・加工時におけるある種の技術目的を実現するために、原材料や食品またはその成分の加工に意図的に使用されるあらゆる物質や材料を意味します。加工助剤には器具や用具は含まれず、それ自体が食品成分として消費されることはありませんが、その残留物や派生物が最終製品中に意図せず、必然的に含まれていることがあります。
- トレーサビリティ／製品追跡とは、生産・加工・流通の特定の段階全体を通して、食品の動きを追跡できることをいいます。
なお、農林水産省HPに食品安全性に関するリスク分析用語の定義を説明したページがありますので、そちらも併せてご覧ください。
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