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別紙1

確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準

 (※) 以下「法」とは、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)、「令」とは、確定給付企業年金法施行令(平成13年政令第424号)、「規則」とは、確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号)をいう。

規約記載事項 規約承認(認可)事項 審査要領
   法第4条・第11条に掲げる事項が定められていること。(法第5条第1号、第12条第1号)

・承認(認可)申請に当たり、厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者等の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該労働組合がないときは当該被用者年金被保険者等の過半数を代表する者と十分協議した上で、それらの同意がなされていること。なお、労働組合が被用者年金被保険者等の過半数で組織すること、又は被用者年金被保険者等の過半数を代表する者が規則第3条第1項各号の要件に該当する者であることを十分確認し、また、これまでの労使協議の経緯等を十分確認すること。

・1の厚生年金適用事業所で実施できる確定給付企業年金は原則1に限られること(法第3条第2項)から、当該事業所で既に確定給付企業年金が実施されていないか確認すること。(例外については令第1条、規則第1条、規則附則第4条)

<規約型>    

1-1.確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所(以下「実施事業所」という。)の事業主の名称及び住所

 

・2以上の厚生年金適用事業所で行う場合は、各事業主の名称及び住所を記載していること。

・ 事業主の増減に関する事項

・事業主を増減させる規約の変更については、給付に係る規約の変更を含まない場合及び次に掲げる事由による事業主の減少の場合は届出の対象であること。

[1]事業主が死亡したとき

[2]法人が破産手続開始の決定により解散したとき

     

1-2.実施事業所の名称及び所在地

 

・2以上の厚生年金適用事業所で行う場合は、各事業所の名称及び所在地を記載していること。

・厚生年金適用事業所であることを示す書類(直近の資格取得届等)により、全ての事業所が適用事業所であることを確認すること。

・ 実施事業所の増減に関する事項(法第78条)

・実施事業所を増減させる規約の変更については、給付に係る規約の変更を含む場合を除いて、届出の対象であること。
また、次に掲げる事由による実施事業所の減少については届出の対象であり、同意についても不要であること。

[1]事業主が死亡したとき

[2]法人が破産手続開始の決定により解散したとき

     

1-3.金融商品取引業者(投資助言・代理業又は投資運用業を行う者に限る。)及び資産運用機関(以下「運用受託機関」という。)の名称及び住所

・事業主が締結した契約の相手方(信託会社(信託業務を営む金融機関を含む。以下同じ。)、生命保険会社、農業共同組合連合会、金融商品取引業者(投資助言・代理業又は投資運用業を行う者に限る。))ごとに、名称及び住所を記載していること。
     

1-4.資産管理運用契約に関する事項

・ 資産管理運用契約に関する事項(令第2条第1号)

・締結する契約の種類(信託の契約、生命保険の契約、生命共済の契約、投資一任契約の別)を記載していること。

・積立金の管理及び運用についての、信託の契約、生命保険の契約、生命共済の契約を締結する場合には、以下の事項を記載していること。

[1]契約の目的であって適正と認められるもの
 例 給付に要する費用に充てること

[2]契約の受益者又は保険金受取人若しくは共済金受取人が、受給権者であること

[3]複数の相手方と契約を締結する場合(信託会社、生命保険会社、農業共同組合連合会)には、以下の事項

ア 各契約に係る掛金の払込割合、給付費等の負担割合

イ 異なる運用受託機関の間で、又は、同一の運用受託機関のファンド間で、信託資産、保険資産、共済資産の移受管を行うこととしている場合には、当該資産の額の変更に係る事項
例 第○条第○項に規定する信託の契約に係る信託資産と、第△条第△項に規定する生命保険の契約に係る保険資産について、各資産の間で移受管を行うことにより、資産の額を変更することができるものとする。

[4]運用管理規程を定める場合には、以下の事項を記載していること。

ア 運用管理規程を定める旨

イ [3]ア及びイに規定する事項のうち運用管理規程に規定する事項

・運用管理規程に規定することとした事項については、規約で定めることを要しない。

ウ 運用管理規程の策定及び変更の手続であって、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適正と認められるもの(ただし、迅速かつ効率的な業務執行にも配慮されたものであること。)

・策定及び変更の手続は、規定する事項の重要性に応じて適切であればよく、従って、必ずしもすべての事項について同一の手続でなくともよい。
例 運用管理規程は、労働組合の同意を得て策定・変更する。ただし、第○項に規定する事項については、事業主の決定により、変更することができることとする。この場合において、事業主は、行った処置について速やかに労働組合に報告し、その同意を得なければならない。
(留意点)
 規約に記載すべき事項のうち、一部の事項について、運用管理規程を定めて記載する場合には、規約に記載することを要しないこととしている。これは、資産管理運用契約に係る事項のうち、契約内容の細部等については、迅速かつ効率的な業務執行の必要性に照らし、労働組合等の事前の同意にかからしめずに決定、変更を行うことを認めるものである。ただし、受給権保護の観点から、規約に記載すべき事項のうち、運用管理規程に記載することができる事項は限定されているとともに、運用管理規程の策定及び変更の手続についても、事業主による不適切な意思決定が容易に可能となるものであってはならないことに十分留意する必要がある。

[5]その他資産運用管理契約に関する事項で規約に規定すべき事項
 例 政策的資産構成割合を策定することとすること

     
<基金型>    
  (人数要件)  
   申請に係る事業所において、常時300人以上の加入者となるべき被用者年金被保険者等を使用していること、又は使用すると見込まれること。(事業主が共同して基金を設立しようとする場合にあっては、当該申請に係る事業所について、合算して300人以上であること。)(令第6条)

・「使用すると見込まれる」とは、例えば、母体企業の合併等により、基金設立後1年以内に加入者数が300人を超えることが明らかである場合をいう。

     

2-1.基金の名称

 名称中に「企業年金基金」という文字を用いていること。(法第10条) 

・他に同じ名称の基金が存在しないことを確認すること。

     

2-2.基金の事務所の所在地

   
     

2-3.実施事業所の名称及び所在地

・ 実施事業所の増減に関する事項(法第78条)

・2以上の厚生年金適用事業所で行う場合は、各事業所の名称及び所在地を記載していること。

・厚生年金適用事業所であることを示す書類(直近の資格取得届等)により、全ての事業所が適用事業所であることを確認すること。

・実施事業所を増減させる規約の変更については、給付に係る規約の変更を含む場合を除いて、届出の対象であること。
また、次に掲げる事由による実施事業所の減少については届出の対象であり、同意についても不要であること。

[1]事業主が死亡したとき

[2]法人が破産手続開始の決定により解散したとき

     

2-4.代議員及び代議員会に関する事項

(1)代議員の任期
 代議員の任期は、3年以内の期間であること。(令第11条)

(2)通常代議員会
 通常代議員会の招集時期が定められていること。(令第12条)

(3)代議員会招集手続き
 通常代議員会の招集の方法が定められていること。(令第13条)

(4)代理
 代理人の議決権又は選挙権の行使について定められていること。(令第17条)
 
     

2-5.役員に関する事項

(1)役員の任期
 役員の任期は、3年以内の期間であること。(令第19条)
 
     

2-6.公告に関する事項

   
     

2-7.基金資産運用契約に関する事項

・ 基金資産運用契約に関する事項(令第5条第1号)

・締結する契約の種類(信託の契約、生命保険の契約、生命共済の契約、投資一任契約の別)を記載していること。

・基金が締結した契約の相手方(信託会社、生命保険会社、農業共同組合連合会、金融商品取引業者(投資助言・代理業又は投資運用業を行う者に限る。))ごとに、名称を記載していること。

・積立金の管理及び運用についての、信託の契約、生命保険の契約、生命共済の契約を締結する場合には、以下の事項を記載していること。

[1]契約の目的であって適正と認められるもの
 例 給付に要する費用に充てること

[2]契約の受益者又は保険金受取人若しくは共済金受取人が、基金であること

[3]複数の相手方と契約を締結する場合(信託会社、生命保険会社、農業共同組合連合会)には、以下の事項

ア 各契約に係る掛金の払込割合、給付費等の負担割合

イ 異なる運用受託機関の間で、又は、同一の運用受託機関のファンド間で、信託資産、保険資産、共済資産の移受管を行うこととしている場合には、当該資産の額の変更に係る事項
例 第○条第○項に規定する信託の契約に係る信託資産と、第△条第△項に規定する生命保険の契約に係る保険資産について、各資産の間で移受管を行うことにより、資産の額を変更することができるものとする。

[4]運用管理規程を定める場合

ア 運用管理規程を定める旨

イ 契約の相手方の名称及び[3]ア及びイに規定する事項のうち運用管理規程に規定する事項

・運用管理規程に規定することとした事項については、規約で定めることを要しない。

ウ 運用管理規程の策定及び変更の手続であって、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適正と認められるもの(ただし、迅速かつ効率的な業務執行にも配慮されたものであること。)

・策定及び変更の手続は、規定する事項の重要性に応じて適切であればよく、従って、必ずしもすべての事項について同一の手続でなくともよい。
例 運用管理規程は、代議員会の議決を経て策定する。また、定めた事項を変更する場合においても同様とする。
 ただし、第○項に規定する事項については、理事会の議決を経て変更することができることとする。
 また、第△項に規定する事項であって、積立金の安全かつ効率的な運用のために必要なものとして運用管理規程で定めるものについては、理事長の専決をもって決定することができる。この場合において、理事長は、行った処置について、次の代議員会においてこれを報告し、その承認を得なければならない。
(留意点)
 規約に記載すべき事項のうち、一部の事項について、運用管理規程を定めて記載する場合には、規約に記載することを要しないこととしている。これは、基金資産運用契約に係る事項のうち、契約内容の細部等については、迅速かつ効率的な業務執行の必要性に照らし、代議員会の事前の議決等にかからしめずに決定、変更を行うことを認めるものである。ただし、受給権保護の観点から、規約に記載すべき事項のうち、運用管理規程に記載することができる事項は限定されているとともに、運用管理規程の策定及び変更の手続についても、理事会又は理事長による不適切な意思決定が容易に可能となるものであってはならないことに十分留意する必要がある。

[5]その他基金資産運用契約に関する事項で規約に規定すべき事項
例 政策的資産構成割合を策定することとすること

     

2-8.加入者等の福利及び厚生に関する事業を行う場合における当該事業に関する事項

 

・事業の内容が、給付事業に支障を来すおそれのあるものでないこと、及び基金本来の目的を逸脱するものでないこと。なお、詳細は別紙2の「確定給付企業年金の事業運営基準」に定めるところによる。

     

2-9.基金の職員に関する事項

   
     
<規約型・基金型共通>    

3-1.加入者資格に関する事項

(1)加入者の資格  
 

・実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が加入者となることについて一定の資格を定める場合にあっては、当該資格は、当該実施事業所において実施されている企業年金制度等が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的でないこと。(法第5条第2号)

・加入者資格は、確定給付企業年金制度について(平成14年3月29日年発第0329008号。以下「法令解釈通達」という。)第1の1に違反するものでないこと。

・労働協約又は就業規則その他これらに準ずるもの(以下「労働協約等」という。)における給与及び退職金等の労働条件が異なるなど合理的な理由がある場合にあっては、加入者の資格を区分(グループ区分)することができる。

     
  (2)資格の取得  
   次のいずれかに該当するに至ったときに、加入者の資格を取得するものであること。(法第26条)

[1]実施事業所に使用されるに至ったとき。

[2]その使用される事業所又は船舶が、実施事業所となったとき。

[3]実施事業所に使用される者が、被用者年金被保険者等となったとき。

[4]実施事業所に使用される者が、規約に定められている資格を取得したとき。

・[4]の規約に定める資格は、次のとおりとする。

[1]従業員が労働協約等に定める見習期間中若しくは試用期間中であること又は労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない期間中であることなど加入者としないことに合理的な理由がある場合にあって、「一定の勤続期間」以上又は「一定の年齢」以上の従業員のみを加入者とすること(これにより加入者となる前の期間を「待期期間」という。)ができる。この場合において、「一定の勤続期間」以上の従業員のみを加入者とする場合にあっては5年以上の勤続期間を有する従業員について、「一定の年齢」以上の従業員のみを加入者とする場合にあっては30歳以上の従業員については、少なくともこれを加入者とするものであること。

[2]従業員のうち、「加入者となることを希望した者」のみを加入者とする場合においては、加入者とならない従業員については、確定拠出年金(企業型)又は退職手当制度が適用されていること。

[3]従業員のうち、「休職等(労働協約等に規定される育児休業、介護休業を含む。)期間中の者」について、「休職等期間の全部又は一部」が労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていないなど加入者としないことに合理的な理由がある場合にあっては、当該「休職等期間の全部又は一部」に該当する従業員以外の従業員のみを加入者とすること。

     
  (3)資格の喪失  
   ・次のいずれかに該当するに至ったときに、加入者の資格を喪失するものであること。(法第27条)

[1]死亡したとき。

[2]実施事業所に使用されなくなったとき。

[3]その使用される事業所又は船舶が、実施事業所でなくなったとき。

[4]被用者年金被保険者等でなくなったとき。

[5]規約により定められている資格を喪失したとき。

・[5]の規約に定める資格は、次のとおりとする。

[1]労働協約等において労働条件が異なること又は労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない期間中であることなど加入者としないことに合理的な理由がある場合にあって、いわゆる勤続期間のうち、「一定の年齢」以下の従業員のみを加入者とすること。この場合において、50歳未満の従業員については、少なくともこれを加入者とするものであること。

[2]加入者がその資格を喪失することを任意に選択できるものでないこと。(令第4条第1号)

[3]従業員のうち、「休職等(労働協約等に規定される育児休業、介護休業を含む。)期間中の者」について、「休職等期間の全部又は一部」が労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていないなど加入者としないことに合理的な理由がある場合にあっては、当該「休職等期間の全部又は一部」に該当する従業員以外の従業員のみを加入者とすること。

     
  (4)加入者期間の計算  
 

[1]加入者期間を計算する場合には、月によるものとし、加入者の資格を取得した月から加入者の資格を喪失した月の前月までをこれに算入すること。ただし、規約で別段の定めをした場合にあっては、この限りでないこと。(法第28条第1項)

・月以外(年、週、日など)のものとすることができる。

 

[2]再加入者については、前後の加入者期間を合算することができること。(令第28条第2項)

・令第21条各号に掲げる者については、合算しないものであること。

 

[3]加入者の加入者となる前の期間を加入者期間に算入することができること。(令第28条第3項)

・算入できる期間は次のいずれかであること(令第22条)

[1]確定給付企業年金が実施されていたとしたならば加入者となっていたと認められる期間の全部又は一部(既に実施している確定給付企業年金に途中から参加する場合(いわゆる事業所編入)における編入前の勤続期間を含む。)

[2]待期期間の全部又は一部

[3]他の厚生年金適用事業所に使用されていた期間の全部又は一部(この場合において、規約に当該他の厚生年金適用事業所の名称及び所在地並びに算入する期間を定めていること。)

     

3-2.給付の種類、受給の要件及び額の算定方法並びに給付の方法に関する事項

(1)給付の種類
 老齢給付金及び脱退一時金の支給を行うために必要な事項が定められていること。(法第5条第3号、第29条第1項)

・給付の種類として、障害給付金及び遺族給付金を定めることができる。(法第29条第2項)

     
  (2)裁定

・受給権は、受給権者の請求に基づいて、事業主又は基金が裁定するものであること。(法第30条第1項)

・給付の支給は、資産管理運用機関又は基金が行うこととなっていること。(法第30条第3項)

 
     
  (3)受給の要件  
  [1]老齢給付金の支給要件及び失権

・支給要件は、次に掲げる要件をみたすこと。(法第36条第2項)

(ア)60歳以上65歳以下の規約で定める年齢に達したときに支給するものであること。

(イ)50歳以上(ア)の規約で定める年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に実施事業所に使用されなくなったときに支給するものであること。

・20年を超える加入者期間を支給要件としないこと。(法第36条第4項)

・次のいずれかに該当することとなったときに失権するものであること。(法第40条)

・老齢給付金の支給要件は、支給開始年齢及び加入者期間による要件とすること。また、50歳以上(ア)の規約で定める年齢未満の規約で定める年齢以降で実施事業所に使用されなくなったときを支給開始年齢とすることができる。

 

(ア)老齢給付金の受給権者が死亡したとき。

(イ)老齢給付金の支給期間が終了したとき。

(ウ)老齢給付金の全部を一時金として支給されたとき。

・支給期間を定める場合は、5年以上であること。(法第33条)

  [2]脱退一時金の支給要件及び失権

・3年を超える加入者期間を支給要件としないこと。(法第41条第3項)

・老齢給付金の支給要件である加入者期間が3年以下となっている場合にあっては、脱退一時金を設定することを要しない。

・法第41条第2項第2号に係る脱退一時金を規定するかどうかは、任意。ただし、この場合において、次の手当が必要。

[1]脱退一時金の全部又は一部の支給を受けた場合に、当該脱退一時金の額の算定の基礎となった加入者期間は老齢給付金の額の算定の基礎としないこと。

[2]老齢給付金に保証期間があること。(保証期間は、一般に規約に「保証期間○年」と規定されることはないので、給付の設計の基礎を示した書類で確認すること。この場合の保証期間は20年以内であること。)

[3]加入者に必ず年金の支給を受ける選択肢(脱退一時金の支給の繰下の規定)が設けられていること。

・脱退一時金の一部を受給することができることを定める場合にあっては、その支給割合を定めること。この場合、支給を受けた脱退一時金の計算の基礎となった加入者期間に相当する分を加入者期間から控除するものとなっていること。

・支給の繰下げの規定がない場合は、失権の規定は必要ない。

 

・支給の繰下げを申出をした脱退一時金の受給権は、次のいずれかに該当することとなったときに失権するものであること。

(ア)脱退一時金の受給権者が死亡したとき。

(イ)脱退一時金の受給権者(法第41条第2項第2号に係る脱退一時金の受給権者に限る。)が老齢給付金の受給権者となったとき。

(ウ)再加入者となる前に脱退一時金の受給権者となった者について、当該再加入者の前後の加入者期間を合算したとき。

 
  [3]障害給付金の支給要件及び失権

・次のいずれかに該当する者に支給するものとすること。(法第43条第1項)

(ア)疾病にかかり、又は負傷し、その傷病につき初診日において加入者であった者であって、障害認定日から老齢給付金の支給開始年齢に達するまでの間において、その傷病により規約で定める程度の障害の状態に該当するに至ったもの。

(イ)疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(基準傷病)に係る初診日において加入者であった者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日から老齢給付金の支給開始年齢に達するまでの間において、初めて、基準傷病による障害と他の障害とを併合して規約で定める程度の障害の状態するに至ったもの。

・規約に定める程度の障害の状態は、障害厚生年金の障害等級1級、2級及び3級の範囲内であること。

 

・次のいずれかに該当することとなったときに失権するものであること。(法第46条)

(ア)障害給付金の受給権者が死亡したとき。

・障害給付金が一時金の場合は、失権の規定は必要ない。

 

(イ)障害給付金の支給期間が終了したとき。

(ウ)障害給付金の全部を一時金として支給されたとき。

[4]遺族給付金の支給要件及び失権

・次に掲げる者のうち規約に定めるものが死亡したときに、その者の遺族に支給するものであること。(法第47条、令第33条)

(ア)加入者

(イ)老齢給付金の支給を受けている者

(ウ)老齢給付金を受けるための要件のうち老齢給付金支給開始要件以外の要件を満たす者(老齢給付金の全部に代えて脱退一時金の支給を受けた者を除く。)

(エ)老齢給付金の支給の繰下げの申出をしている者

(オ)脱退一時金の全部又は一部の支給の繰下げの申出をしている者

(カ)障害給付金の受給権者

・遺族の範囲は、次に掲げる者のうち規約で定めるものとし、その順位を規約で定めていること。(法第48条)

(ア)配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(イ)子(死亡の当時胎児であった子が出生したときは、当該子を含む。)、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(ウ)(ア)及び(イ)に掲げる者のほか、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたその他の親族

・支給期間を定める場合は、5年以上とすること。(法第33条)

  ・次のいずれかに該当することとなったときに失権するものであること。(法第51条)

・左記にかかわらず、遺族給付金の受給権者が死亡したときは、規約で定めるところにより、次の順位の遺族に遺族給付金を支給することができる。(法第51条第2項)

  (ア)遺族給付金の受給権者が死亡したとき。
(イ)遺族給付金の支給期間が終了したとき。
(ウ)遺族給付金の全部を一時金として支給されたとき。

・遺族が、次のいずれかに該当することとなったときは、失権するものとすることができる。(法第51条第3項)

[1]婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。

[2]直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。

[3]離縁により、給付対象者との親族関係が終了したとき。

・遺族給付金が一時金の場合は、失権の規定は必要ない。

・支給期間を定める場合にあっては、5年以上とすること。ただし、老齢給付金又は障害給付金の給付を受けている者が死亡したときにその遺族に対し年金として支給する遺族給付金の支給期間については、当該老齢給付金又は障害給付金の支給期間として規約において一定の期間を定めていた場合は、5年未満とすることができる。ただし、当該老齢給付金又は障害給付金の支給期間のうち給付を受けていない期間を下回ることができない。(法第50条)

     
  (4)給付の額の算定方法  
   特定の者について不当に差別的なものであってはならないこと。

・「法令解釈通達」第3の1のとおり取り扱うこと。また、第3の1の[2[の加入者間で給付の額に差を設けるために、複数の給付設計を組み合わせたり、グループ区分ごとに異なる給付設計を行うことは差し支えない。

・掛金に加入者負担のある制度における給付の額は、当該加入者負担をしない者に係る給付の額を定めていること。この場合、給付額について当該掛金の負担額に相当する額程度の差を設けること。

  [1]給付の額の算定方法(令第24条第1項)  
   給付の額は、次のいずれかの方法で算定されていること。

(ア)加入者期間に応じて定めた額に規約で定める数値を乗ずる方法(定額法)

(イ)加入者であった期間の全部又は一部における給与の額その他これに類するものの平均額又は累計額に、加入者期間に応じて定めた率及び規約で定める数値を乗ずる方法(給与比例法)

(ウ)加入者であった期間のうち規約で定める期間ごとの各期間につき、定額又は給与の額その他これに類するものに一定の割合を乗ずる方法により算定したものの再評価を行い、その累計額を規約で定める数値で除する方法(キャッシュバランスプラン)

(エ)(ア)〜(ウ)の方法を組み合わせた方法

(オ)別々に(ア)〜(エ)で算定した額同士を比較して高い額又は低い額とする方法(丈比べ)

(カ)(ア)〜(オ)の方法を組み合わせた方法

・令24条第2項、規則第26条、第27条の規定に合致した算定方法となっていること。

・(ア)及び(イ)の「加入者期間」については、法第28条に規定する「加入者期間」の全部又は一部(以下「給付額算定用加入者期間」という。)を用いることができること。(ただし、端数処理を行う場合は、「給付額算定用加入者期間」(端数処理後)が法第28条に規定する「加入者期間」(端数処理後)を上回ることは差し支えないこと。)

・(ウ)の方法(キャッシュバランスプラン)における「加入者であった期間のうち規約で定める期間」については、その合計した期間が「加入者であった期間」の全部又は一部とすることができる。また、「一定の割合」については、規約で定める期間ごとに異なるものとすることができる。

・「組み合わせた方法」は給付の額又は算定の方法について、次の範囲の方法とする。

[1]加法(足し算)

[2]減法(引き算。ただし、引き算の結果、給付の額が零を上回るものとする。)

[3]一定の数値を乗ずる方法又は一定の数値で除する方法

[4]加入者期間、給付額算定用加入者期間、資格喪失事由、労働協約等に定める職種等又は年齢に応じて異なる算定方法とする方法
算定の方法について組み合わせる場合の具体例は次のとおり。

・給与の額の累積額に加入者期間に応じた額を加えて規約で定める数値を乗じる方法

・「丈比べ」を用いた算定方法の具体例は次のとおり。

・(ア)の方法で計算した額と(イ)の方法で計算した額のいずれか高い方の額とする方法

・(イ)の方法で計算した額と規約で定める額のうち低い方の額とする方法(給付額に直接上下限を設ける方法)

・給与等の累積額と規約で定める額のうち低い方の額に規約で定める数値を乗じる方法(給与等に上下限を設けて用いる方法)

・規則第26条第3項第1号に規定する「予定利率」については、「法令解釈通達」第3の1の[8]のとおり取り扱い、適正かつ合理的に定めるものとする。具体例は次のとおり。

・○.○%(定率)

・○年国債の○年平均

・直近5年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均又は直近1年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均のいずれか低い率+○.○%

・規則第26条第3項第2号に規定する「予定死亡率」については、「法令解釈通達」第3の1の[9]のとおり取り扱うこと。


  [2]給付の額の算定に用いる給与等

・給与等に応じて給付の額を算定する場合において、給与等の例は次のとおり。(具体的に規約に定めること。)

・厚生年金保険の標準報酬月額

・労働協約等に定められた給与(労使合意により合理的に定められた給与、退職金等を算定するための給与等)具体例は次のとおり。

・年齢、勤続期間等に基づく給与

・確定給付企業年金の加入者期間等に基づき定められた退職金等を算定するための給与

・労働協約等に定められたポイント(ただし、次の要件を満たすこと。)

[1]昇格の規定が労働協約等において明確に定められていること。

[2]同一の加入者期間を有する加入者について、最大ポイントの最小ポイントに対する割合に過大な格差がないこと。

[3]ポイントは恣意的に決められるものでなく、数理計算が可能であること。

  [3]年金給付の額の改定  
   年金として支給する給付の額は、当該給付が支給される間において、規約で定めるところにより当該給付の額を改定することができる。(令第24条第3項)

・規則第28条第2項の規定に合致した改定の方法となっていること。各規定の具体例は次のとおり。
 (同項第1号イ) 支給開始後10年を経過したときに年金額を8割にする。
 (同項第1号ロ) 支給開始後10年を経過したときに年金額を別表第〇に規定する加入期間に応じた給付にする。
 (同項第2号イ)前年度の年金額に1.03を乗じて得た額を当年度の年金額とする。
 (同項第2号ロ)あらかじめ定めた額の計算における予定利率の前提は3%とした場合、キャッシュバランスプランで定めた指標が3%を上回った場合に当該上回った率をもとに計算した額を加算する。
 (同項第3号)

[1]年金受給者が制度に再加入した場合等に、再加入後の期間を通算して年金額を改定する。

[2]資格喪失前に年金の支給が開始される制度で、年金支給開始から資格喪失までの期間の全部又は一部を給付額算定用加入者期間に通算して額を改定する。

・規則第28条第2項第2号ロに規定する給付の額の改定を行う場合であって、「あらかじめ定めた給付の額」(給付の最低保証に相当する額)についても、一定期間ごとに、改定時の前回の財政計算の計算基準日以降の日における下限予定利率のうち最も低い下限予定利率を下回らない範囲で規則第28条第1項に規定する指標に応じて改定する場合は、以下のとおりの取扱いとすること。

・「あらかじめ定めた給付の額」(給付の最低保障に相当する額)となる額の改定に用いる規則第28条第1項に規定する指標をあらかじめ規約に定めること。

・「あらかじめ定めた給付の額」(給付の最低保障に相当する額)に具体的にどのような改定が起こり得るかについて、裁定時に受給権者に十分説明すること。

・老齢給付金の全部又は一部を一時金として支給することができることを規約に定めること。

  [4]キャッシュバランスプラン及び額の改定に用いる指標(規則第29条)  
 

・次のいずれかであること。

(ア)定率

(イ)国債の利回りその他の客観的な指標であって、合理的に予測することが可能なもの

(ウ)(ア)、(イ)に掲げる率を組み合わせたもの

(エ)(イ)、(ウ)に掲げる率にその上限又は下限を定めたもの

・上記の率は、零を下回らないものであること

・国債の利回りとして用いる国債は、定期的に発行されるものを用いることとし、その償還期間及び利回りの種類を規約に定めていること。

・国債の償還期間、利回りの種類が規約に定められていること。

・例えば、「(イ)+(ア)」、「(イ)ー(ア)」又は「定数×(イ)」

・キャッシュバランスプランの再評価に用いる指標として、規約で定める期間ごとに異なる「指標」を規約に定めて用いることができること。

・(イ)の「その他の客観的な指標であって、合理的に予測することが可能なもの」としては、例えば、次に掲げるものがあること。

[1]総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数

[2]厚生労働省において作成する年平均の賃金指数

[3]規則第80条第3項第1号又は第2号に掲げる有価証券指標

  [5]給付の種類の間の額の基準(令第23条)

・一時金として支給する老齢給付金の額は、当該老齢給付金の全部を年金として支給するとした場合の老齢給付金のうち、保証期間について支給する給付の現価相当額を上回らないものであること。

・第41条第2項第2号に係る脱退一時金は、当該脱退一時金の受給権者が老齢給付金の受給権者となったときに支給する老齢給付金の全部を年金として支給するとした場合の老齢給付金のうち、保証期間について支給する給付の現価相当額を上回らないものであること。

・障害給付金の額は次のいずれかの基準を満たすものであること

・規則第24条の3第1号に規定する「予定利率」については、「法令解釈通達」第3の1の[8]のとおり取り扱うこと。

・規則第24条の3第2号に規定する「予定死亡率」については、「法令解釈通達」第3の1の[9]のとおり取り扱うこと。

 

(イ)老齢給付金の受給権者となった者が同時に障害給付金の受給権者となったときに支給する障害給付金の現価相当額が老齢給付金の全部を年金として支給するとした場合の老齢給付金の現価相当額を上回らないものであること。

・障害給付金の全部又は一部を一時金として支給する場合にあっては、年金として支給する障害給付金の現価相当額と一時金として支給する障害給付金の額とを合算した額

 

(ロ)当該確定給付企業年金における障害給付金の給付に要する費用の額の予想額の現価が当該確定給付企業年金における老齢給付金の給付に要する費用の額の予想額の現価をその計算の基準日となる日において上回らないものであること。



 ・遺族給付金の額は次のいずれかの基準を満たすものであること

(イ)老齢給付金の受給権者となった者が受給権の取得と同時に死亡した場合においてその者の遺族に支給する遺族給付金の現価相当額が老齢給付金の全部を年金として支給するとした場合の老齢給付金の現価相当額を上回らないものであること。

・障害給付金の額を過大なものとしたために当該障害給付金の支給が通常の予測を超えて発生することによって積立金が急激に減少する等、財政の安定を損なうことがないよう、基礎率を実績等に基づき合理的に見込むこと等により当該障害給付金の額を適正かつ合理的なものとすること。

・規約の申請の時等に「令第23条第2項の基準に基づく給付現価・令第23条第3項の基準に基づく給付現価を示した書類」が添付されていること。

(主な確認事項)

・老齢給付金の給付現価が障害給付金の給付現価を上回っていること。

・障害給付の発生確率等が0を上回るように実績等に基づき合理的に見込まれていること。

・遺族給付金の全部又は一部を一時金として支給する場合にあっては、年金として支給する遺族給付金の現価相当額と一時金として支給する遺族給付金の額とを合算した額

 

(ロ)当該確定給付企業年金における遺族給付金の給付に要する費用の額の予想額の現価が当該確定給付企業年金における老齢給付金の給付に要する費用の額の予想額の現価をその計算の基準日となる日において上回らないものであること。

・遺族給付金の額を過大なものとしたために当該遺族給付金の支給が通常の予測を超えて発生することによって積立金が急激に減少する等、財政の安定を損なうことがないよう、基礎率を実績等に基づき合理的に見込むこと等により当該遺族給付金の額を適正かつ合理的なものとすること。

・規約の申請の時等に「令第23条第2項の基準に基づく給付現価・令第23条第3項の基準に基づく給付現価を示した書類」が添付されていること。

(主な確認事項)

・老齢給付金の給付現価が遺族給付金の給付現価を上回っていること。

・遺族給付の発生確率等が0を上回るように実績等に基づき合理的に見込まれていること。

     
  (5)給付の方法  
 

[1]支給期間

 
 

・毎年1回以上定期的に支給するものであること。

・支給すべき事由が生じたときから権利が消滅したときまで支給されるものであること。(支給停止期間中を除く。)
(注)支給すべき事由が生じたときとは、受給権が発生したときである。

 

[2]支払期月

 
 

・毎年一定の時期であること。

・支払期日が明記されていること。

 

[3]端数処理

[4]受給権の譲渡等の禁止

[5]給付の制限

・合理的に定めること。

 

  加入者又は加入者であった者が、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたとき、その他の場合には、規約で定めるところにより、給付の全部又は一部を行わないことができる。(法第54条)

・「その他の場合」は、次のとおり。(令第34条)

[1]受給権者が、正当な理由がなくて、障害の状態に関する書類その他の物件の提出の求めに応じない場合

[2]加入者又は加入者であった者が、その責めに帰すべき重大な理由として次に掲げるものによって実施事業所に使用されなくなった場合

(ア)窃取、横領、傷害その他刑罰法規に触れる行為により、事業主に重大な損失を加え、その名誉若しくは信用を著しく失墜させ、又は実施事業所の規律を著しく乱したこと。

(イ)秘密の漏えいその他の行為により職務上の義務に著しく違反したこと。

(ウ)正当な理由がない欠勤その他の行為により実施事業所の規律を乱したこと又は事業主との雇用契約に関し著しく信義に反する行為があったこと。

[3]加入者であった者が実施事業所に使用されなくなった後に上記(ア)〜(ウ)のいずれかに該当していたことが明らかになった場合その他これに準ずる場合(加入者又は加入者であった者が上記(ア)〜(ウ)のいずれかに該当し、かつ、当該者がいわゆる諭旨解雇により実施事業所に使用されなくなった場合に限る。)(規則第32条)

・支給停止事由は、上記(ア)〜(ウ)の範囲内で、規約に具体的に明記する必要があること。

・支給された給付を事業主又は基金が取り戻すことはできない。

 

[6]未支給の給付

 
   受給権者が死亡した場合において、未支給給付又は未請求の給付があるときは、遺族のうち規約で定めるものは、自己の名で、未支給給付の支給を請求することができる。(令第26条)

・規約に請求者の順位を定めていること。

 

[7]時効

・ 受給権の消滅時効については民法(明治29年4月27日法律第89号)の規定を適用すること。

 

[8]支給の繰下(老齢給付金、脱退一時金)

 
 

・老齢給付金の支給要件を満たす者であって、老齢給付金の支給を請求していないものは、規約で定めるところにより、事業主等に当該老齢給付金の支給の繰下げの申出をすることができる。(法第37条第1項)

・ 繰下げの申出をした者に対する老齢給付金の支給は、規約で定める時から始める。(法第37条第2項)

・ 繰下げによる増額率は、資格喪失事由、資格喪失時の年齢、労働協約等に定める職種等、加入者であった期間、申し出から年金の支給が開始されるまでの期間における年齢等に基づき合理的に定めることとし、具体例は次のとおり。(当該利率を設けている場合に限る。)

・〇.○%(定率)

・〇年国債の〇年平均

・直近5年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均又は直近1年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均のいずれか低い率+〇.〇%

 

・脱退一時金を受けるための要件を満たす者は、規約で定めるところにより、事業主等に当該脱退一時金の全部又は一部の繰下げの申出をすることができる。(法第41条第4項)

・ 法第41条第2項第2号の脱退一時金を設定している場合にあっては、当該支給の繰下の規定を設けていること。(令第27条第1項第3号)

・繰下げによる増額率は、資格喪失事由、資格喪失時の年齢、労働協約等に定める職種等、加入者であった期間、申し出から年金の支給が開始されるまでの期間における年齢、法第41条第2項のいずれに該当するか等に基づき合理的に定めることとし、具体例は次のとおり。(当該利率を設けている場合に限る。)

・〇.○%(定率)

・〇年国債の〇年平均

・直近5年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均又は直近1年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均のいずれか低い率+〇.〇%

 

[9]老齢給付金を一時金として支給する場合の取扱い

  老齢給付金は、規約でその全部又は一部を一時金として支給することができることを定めた場合には、規約で定めるところにより、一時金として支給することができる。(法第38条第2項)

・次の基準を満たしていること。(令第29条)

[1]年金として支給する老齢給付金について保証期間が定められていること。

[2]受給権者の選択により一時金として支給するものであること。

[3]一時金選択は、支給開始時又は年金支給開始後5年を経過した日以後に限りできるものであること。ただし、次に掲げる特別の事情がある場合にあっては5年を経過する日までの間においても選択することができる。

(ア)受給権者又はその属する世帯の生計を主として維持する者が、震災、風水害、火災その他の財産について著しい損害を受けたこと。

(イ)受給権者がその債務を弁済することが困難であること。

(ウ)受給権者が心身に重大な障害を受け、又は長期間入院したこと。

(エ)受給権者の属する世帯の生計を主として維持する者がその債務を弁済することが困難であること又は心身に重大な障害を受け若しくは長期間入院したこと。

・一部選択を規定する場合にあっては、その選択割合を規約に定めていること。

・一部選択が行われた後に支給される年金給付の額は、当該選択が行われた部分に相当する給付を控除して支給されるものであること。

・障害給付金及び遺族給付金が年金として支給される場合にあっては、当該年金給付に代えて一時金給付を支給することができることを規約に定めることができる。この場合の取扱いについては、老齢給付金に準ずるものとする。

 

[10]老齢給付金又は障害給付金の支給停止

 
 

・老齢給付金の受給権者が、障害給付金を支給されたときは、規約で定めるところにより、老齢給付金の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。(法第39条)

・障害給付金は、受給権者が規約で定める程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、その支給を停止する。

・令第30条の規定に合致していること。
 

・障害給付金の受給権者が、次のいずれかに該当することとなったときは、規約で定めるところにより、障害給付金の全部又は一部の支給を停止することができる。(法第45条第2項)

[1]老齢給付金を支給されたとき。

[2]脱退一時金を支給されたとき。

[3]当該傷病について労働基準法の規程による障害補償等を受ける権利を取得したとき。

・令第32条の規定に合致していること。

     
  (6)給付の額の減額
 加入者等の給付の額を減額することを内容とする規約の変更をしようとするときは、当該変更を行う理由があり、かつ、必要な手続を経ていること。(令第4条第2号)

・給付減額に相当するかどうかは、法令解釈通達第1の2の(2)のとおり取り扱うこと。

・給付の額を減額する場合の理由は、規則第5条、第12条、附則第5条の各号に掲げるものであり、その取扱いにあたっては、法令解釈通達第1の2の(1)のとおり行うこと。

・必要な手続が、規則第6条又は第13条のとおり行われていること。

     

3-3.掛金の拠出に関する事項

(1)規約に定める掛金  
 

・年1回以上、定期的に拠出することとなっていること。(法第55条第1項)

・特定の者につき、不当に差別的なものでないこと。(法第55条第4項第1号)

・掛金の額の算定方法は給付の額の算定基礎に照らして、合理的なものであること。

・掛金の額は次のいずれかの方法で算定されていること。(法第55条第4項第2号、規則第38条第1項)

[1]定額

[2]給与に一定の割合を乗ずる方法

[3]給与に類するものに一定の割合を乗ずる方法

[4]加入者の性別、年齢又は加入者が資格を取得したときの年齢に応じて額を定める方法

[5]加入者の給与又は給与に類するものに、加入者の性別、年齢又は加入者が資格を取得したときの年齢に応じて定めた割合を乗ずる方法

[6]上記[1]〜[5]の方法のうち2以上の方法を組み合わせた方法

・ 特別掛金額、特例掛金額は、上記[1]〜[6]の方法の他に、計算された額を規約に定めることができる。

・ 財政計算に基づいて掛金が適用される場合にあっては、当該財政計算の計算基準日が規則第49条の基準に合致していること。

・ 財政再計算を行うこととなる理由が、法第58条第1項若しくは第62条の規定に基づくもの又は規則第50条各号に掲げるものとなっていること。

 

・掛金の額は、給付に要する費用の額の予想額及び予定運用収入の額に照らし、厚生労働省令で定めるところにより、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように計算されるものでなければならない。(法第57条)

・ 法第57条の基準に照らして適正に掛金が計算されていること。具体的には、年金数理人が確認(簡易な基準に基づく確定給付企業年金にあっては、当分の間は、受託機関の記名)した掛金の計算の基礎を示した書類又は財政再計算報告書が添付されていること。

(主な確認事項)

・予定利率が下限予定利率を下回っていないこと。

・死亡率が基準死亡率に規則第43条第2項第2号に掲げる率を乗じたものとなっていること。

・次回の財政再計算までに発生する積立不足の予想額の計算は、規則第44条各号に掲げる要因について計算されており、それに係る特例掛金は次回財政再計算時に終了するものとなっていること。

・掛金の額は、標準掛金、特別掛金、特例掛金、その他の掛金に区分されていること。

・特別掛金は、規則第46条第1項第1号、第2号又は第4号の方法の場合、その償却期間が3年以上20年以内(今回の財政計算において予定利率を引き下げるときは、予定利率引下げによる過去勤務債務の額については3年以上30年以内)、同条第3号の場合、その償却割合が15%以上50%以内となっていること。

・加入者のうち、「休職等(労働協約等に規定される育児休業、介護休業を含む。)期間中の者」については、「休職等期間の全部又は一部」のうち、労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない等の合理的な理由があることにより給付の額の算定の基礎としていない部分がある場合には、当該部分の全部又は一部について、当該加入者に係る掛金を拠出しないことができること。

・加入者のうち、「一定の勤続期間未満」、「一定の勤続期間以上」、「一定の年齢以上」又は「一定の年齢以下」の者については、「当該期間の全部又は一部」のうち、労働協約等に定める見習期間中若しくは試用期間中であること又は労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない等の合理的な理由があることにより、給付の額の算定の基礎としていない部分がある場合には、当該部分の全部又は一部について、当該加入者に係る掛金を拠出しないことができること。

     
  (2)加入者が負担する掛金  
 

・次の基準を満たすこと。(令第35条)

[1]加入者が負担する掛金の額が当該加入者に係る掛金の額の2分の1を超えないこと。

・加入者が負担する掛金の算定方法や負担割合など必要な事項を規約に定めること。

 

[2]加入者が掛金を負担することについて、当該加入者の同意を得ていること。

[3]掛金を負担している加入者が当該掛金を負担しないことを申し出た場合にあっては、当該掛金を負担しないものとすること。

[4]掛金を負担していた加入者であって、[2]又は[3]により掛金を負担しないこととなったものが当該掛金を再び負担することができるものでないこと。(規約の変更によりその者が負担する掛金の額が減少することとなる場合を除く。)

・[2]の同意は、

[1]加入者が掛金を負担することとなるとき

[2]規約の変更に伴い加入者が負担する掛金の額が増加するとき

に得るものであること。(規則第37条)

     
  (3)掛金の納付  
   [1]納付期限  
    事業主は、規約で定める日までに資産管理運用機関又は基金に納付することとなっていること。(法第56条)

・納付期限は、原則として、掛金に対応する期間の末日の属する月の翌月までとする。

   [2]延滞金

・掛金の延滞金を定めることができる。この場合には、公的年金等の例を参考に合理的な利率とすること。

   [3]上場株式による掛金の納付  
 

 事業主は、次の基準に従い規約で定めるところにより、掛金を金銭に代えて金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されている株式で納付することができる。ただし、事業主が当該株式を基金に納付する場合にあっては、当該基金の同意を得たときに限る。(法第56条)

ア 当該確定給付企業年金の規約に資産管理運用機関又は基金が株式による掛金の納付を受けることができる旨の定めがあること。(令第36条第1号参照)

イ 補足掛金額の範囲内において行うものであること。(令第36条第2号、規則第39条参照)

ウ 納付する株式の価額は、時価によるものとし、株式の銘柄ごとに、当該株式が上場されている金融商品取引所の開設する市場における基準日の当該株式の最終価格に相当する額に、納付に係る当該株式の数を乗じて得た額の合計額とすること。(令第36条第3号、規則第40条参照)

エ 納付する株式の各銘柄につき、ウにより算定した価額と既運用株式の価額との合計額が、当該確定給付企業年金に係る資産の総額の100分の5に相当する額を超えないものであること(既運用株式の価額及び資産の総額は、受渡日の属する月の前月の末日の時価による算定額とする。)。(令第36条第4号、規則第41条参照)

オ 納付する株式の各銘柄につき、納付する株式の数と当該確定給付企業年金に係る既運用株式の数との合計数が、発行済みの株式の総数の100分の5を超えないものであること(既運用株式の数及び発行済みの株式の総数は、受渡日の属する月の前月の末日の株式数とする。)。(令第36条第5号、規則第42条参照)

[1] 当該確定給付企業年金の規約に、掛金を金銭に代えて上場株式で納付することができる旨の定めがあるかどうか。

[2] 事業主が基金に株式を納付する場合にあっては、基金の同意があるかどうか。

[3] 株式による掛金の納付に係る個別銘柄、数量等に関する実施事業所が策定した全体計画についての内容が記載されている書類を添付し、変更日の1月前までに地方厚生(支)局に提出しているかどうか。また、全体計画について、規約型企業年金の場合にあっては資産管理運用機関の了解が、企業年金基金の場合にあっては基金の了承が得られているかどうか。

[4] 補足掛金の範囲内であるかどうか。

[5] 届出等は義務付けられていないが、株式による納付を行おうとする事業主及び株式による掛金の納付を受けようとする基金においては、政策的資産構成割合を定めることが義務付けられているので(規則第83条第3項)、政策的資産構成割合を定めているかどうかについて確認することが望ましい。
(注)毎事業年度の現物拠出の利用状況等については、「株式による掛金の納付に係る個別株式割合報告書」において確認するものとする。

     
  (4)掛金の算定に必要な事項  
   [1]積立金の額の評価

・掛金の額の計算において用いた積立金の額の評価の方法を定めていること。

・時価以外の方法で評価する場合にあっては、平滑化期間(積立金の額の評価に用いた期間(5年以内))及び許容乖離率(評価額と時価の乖離幅に関し、その許容範囲を時価の一定割合として定めた率(15%以内))を定めること。

・評価の方法は、原則として、継続して用いられるものであること(変更できるのは、規則第48条第2項各号に掲げる場合に限る。)。

   [2]許容繰越不足金

・許容繰越不足金(責任準備金に対して積立不足が発生しても再計算を要しない範囲として定めた額)は、次のいずれかの額とすること。

[1]当該事業年度以後20年間における標準掛金額の予想額の現価に規約に定める率を乗じて得た額(規約で定める率は15%を超えないこと。)

[2]当該事業年度の末日における責任準備金の額に規約で定める率を乗じて得た額(規約で定める率は15%(数理的評価(低価法を除く。)を用いている場合にあっては10%)を超えないこと。)

[3][1][2]の額のいずれか小さい額

   [3]最低保全給付と非継続基準の財政検証

・最低保全給付を定めていること。加入者に係る最低保全給付については、規則第54条の規定に基づき定められていること。

・最低積立基準額(事業年度の末日が平成25年3月30日までの間の財政検証は0.90、平成25年3月31日から平成26年3月30日までの間の財政検証は0.92、平成26年3月31日から平成27年3月30日までの間の財政検証は0.94、平成27年3月31日から平成28年3月30日までの間の財政検証は0.96、平成28年3月31日から平成29年3月30日までの間の財政検証は0.98を最低積立基準額に乗じて得た額)を下回った場合において、積み立てることとなる額として、規則第58条第1号の額以上第2号の額以下の範囲の額を規約で定めること。なお、事業年度の末日が平成30年3月30日までの間の各事業年度の財政検証については、確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第13号)附則第4条及び規則第59条第1項に基づく掛金を規約に定めることができること。

・最低積立基準額(事業年度の末日が平成25年3月30日までの間の財政検証は0.90、平成25年3月31日から平成26年3月30日までの間の財政検証は0.92、平成26年3月31日から平成27年3月30日までの間の財政検証は0.94、平成27年3月31日から平成28年3月30日までの間の財政検証は0.96、平成28年3月31日から平成29年3月30日までの間の財政検証は0.98を最低積立基準額に乗じて得た額)を下回った場合に積み立てるべき額と当年度の最低積立基準額の増加見込額の合計額が翌事業年度の掛金の額を上回る場合にあっては、当該上回る額を特例掛金として拠出するよう定めること。

   [4]積立上限額と掛金の控除

・積立金の額が積立上限額を上回った場合にあっては、規則第60条及び第61条の規定に基づき、控除する額を定めること。

   [5]臨時掛金

・当該事業年度において積立金の額が零となることが見込まれる場合に、当該事業年度中における給付に関する事業に要する費用に充てるため必要な掛金として追加して拠出することをあらかじめ定めることができる。

     
  (5)実施事業所の減少に伴う掛金の一括徴収  
   実施事業所が減少する場合(実施事業所の事業主が、分割又は事業の譲渡により他の実施事業所の事業主以外の事業主にその事業の全部又は一部を承継させる場合その他の実施事業所の減少に相当するものとして厚生労働省令で定める事由が生じた場合を含む。)において、当該減少に伴い他の実施事業所の事業主の掛金が増加することとなるときは、当該減少に係る実施事業所の事業主は、当該増加する額に相当する額として規約で定めるものにより算定した額を、掛金として一括して拠出しなければならない。(法第78条第3項)

・規則第88条及び第88条の2の規定に合致していること。

     

3-4.確定給付企業年金の実施に要する事務費の負担に関する事項

 

・事務費等については、掛金として拠出することができること。この場合において、当該掛金の算定方法や負担割合など必要な事項を規約に定めること。

     

3-5.受託業務を委託する場合における当該委託に関する事項

  ・業務委託の相手先及び契約内容を規約に定めること。
     

3-6.事業年度その他財務に関する事項

・事業年度は1年。ただし、制度実施時、合併等のとき、又は事業年度を変更したときは6月以上1年6月以内とすることができる。(令第69条) ・事業年度の開始日と終了日を規定すること。
     

3-7.終了又は解散及び清算に関する事項

・残余財産の分配方法が定められていること。

・分配の基準は次のとおり。(令第57条)

[1]残余財産の額が終了日の最低積立基準額を上回る場合は、次に掲げる額を合計した額を当該終了制度加入者等に分配するものであること。

(ア)当該終了制度加入者等に係る終了日の最低積立基準額

 

(イ)残余財産の額から終了日の最低積立基準額を控除した額を分配した額

[2][1]以外の場合には、次のいずれかの方法で分配するものであること。

(ア)当該終了制度加入者等に係る終了日の最低積立基準額に応じて按分して得た額を分配する方法

(イ) 終了日における受給権者等に対し、当該受給権者等に係る終了日の最低積立基準額を分配し、その残余がある場合には、当該終了制度加入者等(受給権者等を除く。)に、当該残余の額を当該終了制度加入者等に係る終了日の最低積立基準額に応じて按分して得た額を分配する方法。ただし、当該受給権者等に係る終了日の最低積立基準額の合計額が残余財産の額を上回っている場合にあっては、当該受給権者等に対し、当該残余財産の額を当該受給権者等に係る終了日の最低積立基準額に応じて按分して得た額を分配する方法

(ウ) 当該確定給付企業年金の当該終了制度加入者等のうち掛金負担者に対し、当該掛金負担者に係る終了日の最低積立基準額のうち掛金負担相当額を分配し、その残余がある場合には、当該終了制度加入者等に、当該残余の額を当該終了制度加入者等に係る終了日の最低積立基準額(掛金負担相当額を除く。)に応じて按分して得た額を分配する方法。ただし、掛金負担相当額の合計額が残余財産の額を上回っている場合にあっては、当該掛金負担者に対し、当該残余財産の額を当該掛金負担者に係る掛金負担相当額に応じて按分して得た額を分配する方法

(エ) 受給権者等及び掛金負担者に対し、当該受給権者等及び掛金負担者に係る終了日の最低積立基準額(受給権者等でない掛金負担者にあっては、掛金負担相当額)を分配し、その残余がある場合には、当該終了制度加入者等(受給権者等を除く。)に、当該残余の額を当該終了制度加入者等に係る終了日の最低積立基準額(掛金負担者にあっては、掛金負担相当額を除く終了日の最低積立基準額)に応じて按分して得た額を分配する方法。ただし、当該受給権者等及び掛金負担者に係る終了日の最低積立基準額(受給権者等でない掛金負担者にあっては、掛金負担相当額に限る。)の合計額が残余財産の額を上回っている場合にあっては、当該受給権者等及び掛金負担者に対し、当該残余財産の額を当該受給権者等及び掛金負担者に係る終了日の最低積立基準額(受給権者等でない掛金負担者にあっては、掛金負担相当額)に応じて按分して得た額を分配する方法

・(イ)の分配は、加入者等に係る責任準備金の額又は最低積立基準額等を勘案して、公平かつ合理的に行われるものであること。(規則第99条)

 

・全ての受給権者等に対して年金又は一時金の支給を完了し、また、加入者が存在しない、かつ新規に加入者が生じない確定給付企業年金(支払終了企業年金)となる場合には、終了するときの残余財産の取扱を定めること。

・支払終了企業年金における残余財産の取扱については、例えば、事業主に返還する方法があること。

     

3-8.確定給付企業年金間の権利義務の移転承継を個人単位で行う場合


 (1)権利義務の移転に関する事項
 (2)権利義務の承継に関する事項
 

・移転確定給付企業年金及び承継確定給付企業年金の規約において、移転する加入者の範囲及び給付の範囲を定めていること。

     

3-9.適格退職年金からの移行に関する特例

・老齢給付金支給開始要件は次のいずれかとすることができる。(令附則第4条)

[1]法第36条第2項各号に掲げる要件

・移行適格退職年金受益者等については、移行前の退職年金の支給要件と同じものとすることができる。

・移行後に加入する者については、この特例は適用されない。

 

[2]移行適格退職年金受益者等に係る移行前の適格退職年金契約に基づく退職年金の支給要件

・脱退一時金の支給要件は次のいずれかとすることができる。(令附則第5条)

[1]法第41条第2項各号に掲げる要件

[2]移行適格退職年金受益者等に係る移行前の適格退職年金契約に基づく退職一時金の支給要件

・加入者負担をする移行適格退職年金受益者等の加入者資格は、加入者がその資格を喪失することを選択できるものとすることができる。(令附則第7条)

・移行適格退職年金受益者等については、移行前の退職一時金の支給要件と同じものとすることができる。

・移行後に加入する者については、この特例は適用されない。

     

3-10.終了制度加入者等(終了した確定給付企業年金の事業主等がその終了した日において老齢給付金の支給に関する義務を負っていた者に限る。以下同じ。)に係る措置

・終了制度加入者等は、清算人に残余財産の企業年金連合会(以下「連合会」という。)への移換を申し出ることができること。(法第91条の3)

・終了制度加入者等が、連合会への残余財産の移換の申出を行った場合には、当該移換を行うことができることを明記していること。

・連合会が残余財産の移換を受けたときは、法第89条第6項の規定の適用については、当該残余財産は、当該終了制度加入者等に分配されたものとみなすこと。

     

3-11.他の確定給付企業年金、厚生年金基金、確定拠出年金又は連合会(以下「他制度」という。)へ脱退一時金相当額の移換を行う場合における当該脱退一時金相当額の移換に関する事項及び他制度(確定拠出年金を除く)から脱退一時金相当額、積立金又は年金給付等積立金(以下「脱退一時金相当額等」という。)の移換を受ける場合における当該脱退一時金相当額等の移換に関する事項

(1)他制度への脱退一時金相当額の移換

・中途脱退者(法第81条の2第1項に定める中途脱退者をいう。)により他制度への脱退一時金相当額の移換の申出が行われた場合(他の確定給付企業年金又は厚生年金基金へ移換する場合には、当該他の確定給付企業年金又は厚生年金基金の規約において脱退一時金相当額の移換を受ける旨が定められている場合に限る。)には、当該移換を行うことを明記していること。

・移換の申出は、加入者の資格を喪失した日から起算して1年を経過する日又は移換先の制度の加入者の資格を取得した日から起算して3月を経過する日のいずれか早い日までの間に限って行うことができるものであることを明記していること。

  (2)加入者期間の計算に関する特例  
 

・他制度(確定拠出年金を除く)から脱退一時金相当額等の移換を受けたときは、当該脱退一時金相当額等の算定の基礎となった期間の全部又は一部を当該者の加入者期間に算入するものであること。(令第50条の3、令第88条の3第2項、厚生年金基金令(昭和41年政令第324号)第52条の5の3第3項)

・算入する期間は、合理的に定めること。

・算入する期間は、移換された脱退一時金相当額等の算定の基礎となった期間を超えてはならないこと。

・脱退一時金相当額等の移換を受けた確定給付企業年金における加入者であった期間が1年未満である者については、移換された脱退一時金相当額等の算定の基礎となった期間を算入しなくてもよいこと。

  (3)一時金の額に関する特例  
 

・他制度(確定拠出年金を除く)から移換を受けた脱退一時金相当額等に係る者に支給する一時金の額は、規約で定める方法により計算した額又は移換を受けた脱退一時金相当額等のいずれか高い額であること。(規則第32条の2)

 
  (4)脱退一時金の支給の特例  
 

・他制度(確定拠出年金を除く)から移換を受けた脱退一時金相当額等に係る者が、その加入者の資格を喪失した場合において、脱退一時金の支給要件を満たさない場合にあっては、移換を受けた脱退一時金相当額等を支給すること。(規則第32条の3)

 
  (5)中途脱退者等への事業主等の説明義務  
 

・事業主等は、加入者の資格を取得又は喪失した者に対し、脱退一時金相当額の移換について必要な事項を説明しなければならない。

・説明は企業年金等の通算措置に係る事務取扱準則(平成17年7月5日年企発第0705001号)第2に基づき行われることが定められていること。

・加入待期期間を設けている場合には、従業者が実施事業所に使用されるに至ったときに説明することが定められていること

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