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9 児童福祉施設等の整備及び運営について


(1)児童福祉施設等の整備について

(1) 施設整備費については、平成12年度補正予算において802億円、  さらに平成13年度予算(案)として1,366億円、合わせて2,168億円を予算計上し、特別養護老人ホーム等の介護関連施設、多機能保育所、障害者プラン等にかかる施設整備の着実な推進を図ることとしている。

ア 多機能保育所整備分として、従来からの整備量に加えて72億6,800万円を計上し、新エンゼルプラン(平成12年度〜平成16年度)を踏まえて老朽化している保育所改築、地域の需要に応じた保育所の多機能化を図るための整備や都市部における保育所の分園等の整備を推進する。
イ 老朽民間社会福祉施設緊急改築整備については、平成13年度以降 も引き続き5年計画により整備の促進を図ることとし、38億9,400万円を計上し、災害に強く、快適な居住空間を備えた施設への改築整備を推進する。
ウ 一般整備分として100億4,300万円を計上し、上記以外のその他の施設整備についても所要の整備量を確保する。

(2) 設備整備費については、施設整備量に対応した必要な額を確保した。

(3) 平成13年度の整備方針等
 平成13年度においては,次の事項を基本として整備を図ることとしているが、限られた財源を効率的かつ有効に活用する見地から、施設整備の事業内容を十分吟味した上で、必要な整備を行うこととしている。
 各都道府県・市におかれては、来年度に予定している整備計画の十分な精査を行い、真に必要と認められる整備について厳選した対応に努められたい。

ア 保育所の整備については、低年齢児を中心とする待機児童の解消を第一に考慮し、待機児童解消を図るための保育所の創設、増築や低年齢児の受入れ拡大を図るための乳児室・ほふく室等の整備や内部改修工事、余裕教室等を活用した改築整備の促進、保育所分園の整備の促進を図るとともに、「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画」(新エンゼルプラン)を踏まえて老朽化している保育所の改築に併せて、地域における子育て支援のための子育て支援相談室等の整備、一時保育事業のための保育室等の整備、乳幼児健康支援一時預かり事業のための保育室等の整備など、地域の実情に応じつつ創意工夫を重ねて、積極的かつ効果的な整備を推進する。
イ 児童養護施設の被虐待児童受け入れのための体制整備や大部屋解消のための整備等のほか、子育て支援短期利用事業等地域のニーズに合った事業を積極的に実施する整備を推進する。
ウ 施設入所者等の安全性を確保する観点から、老朽施設の改築、大規模修繕等の整備を推進する。なお、この場合、建設後の経過年数及び老朽度を重視すると共に、防災対策にも十分配慮する。
(4) その他の留意事項
 富裕団体向けの補助金等の調整については、平成13年度においても、引き続き補助金等の整理合理化の一環として富裕団体に対して調整措置を講ずることとしているので了知願いたい。

(5) 社会福祉施設整備業務の再点検について
 平成9年3月31日に取りまとめた「施設整備事業等の再点検のための調査委員会報告書」で明らかにしたとおり、各都道府県・市が行う契約手続きに準拠、一括下請負の禁止などを補助金の交付の条件とすること等建設工事の適正化、補助金交付対象施設の明確化等の措置を講じ周知徹底を図っているところである。
 各都道府県・市におかれては、施設整備業務のさらなる再点検、都道府県部課長会議等での指導の徹底や未然防止策の検討など再発防止対策に万全を期されたい。

(6) 社会福祉施設の防災対策について

ア 防災対策の取り組み
 社会福祉施設の防災対策については、入所児童等の安全確保の観点から、「社会福祉施設における防火安全対策の強化について」(昭和62年9月18日社施第107号社会局長、児童家庭局長連名通知)等の趣旨を踏まえ、管下社会福祉施設に対し指導を願っているところである。施設の運営上、入所児童等の安全確保は最重要課題であることを再認識いただき、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備の整備及び夜間防火管理体制の整備など、施設における具体的、効果的な防災対策に万全を期すよう管下社会福祉施設に対する指導の一層の徹底に努められたい。
 施設整備費においても、入所児童等の防災対策、処遇改善の観点から、防災対策に配慮した整備を優先的に採択することとしている。また、措置費・保育所運営費においては、地域住民との連携による合同避難訓練や避難用具の整備等を行う総合防災対策強化事業を施設機能強化推進費のメニュー事業として算入しているところであり、これらの制度を活用して社会福祉施設の防災対策の充実をお願いしたい。

イ 地すべり防止区域等に所在する社会福祉施設の防災対策について
 地すべり防止区域等災害発生のおそれがあるとして指定されている地域等に所在している社会福祉施設については、「災害弱者関連施設に係る土砂災害対策の実施について(平成11年1月29日社援第212号)」をもって、文部省、林野庁、建設省及び自治省と連携して、社会福祉施設の立地状況を踏まえた総合的な土砂対策を講じるよう通知しているところであるが、各都道府県・市におかれても、関係部局との連携を強化し、指定区域等に所在する社会福祉施設の防災対策に留意されたい。
ウ 被災施設の早期復旧
 社会福祉施設等災害復旧事務の取扱いについては、「社会福祉施設災害復旧費国庫負担(補助)の協議について」(平成7年3月30日社援施第76号社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)により、災害発生後速やかに福祉基盤課に報告をお願いするとともに、災害復旧事業の早期整備を図り、施設運営に支障が生じないよう指導の徹底をお願いしたい。

(7) 社会福祉施設等におけるPCB使用安定器の事故に関する対策について
 業務用・施設用蛍光灯等のPCB使用安定器については昭和47年に製造が中止されているが、現在でも一部の施設において使用が続けられている実態がある。
 こうした状況の中、先般、八王子市等の小学校で蛍光灯の耐用年数が過ぎたPCB使用安定器が破裂し、PCB絶縁油が小学生の身体に付着するという事件が発生した。
 こうした事件は、国民の健康を保持する上で見過ごすことのできない事態であることから政府一体となって対策に取り組む旨閣議了解されたところである。
 ついては、貴管下の社会福祉施設等においても、PCB使用安定器の安全対策について周知徹底を図るとともに、使用・保管実態の調査についてご協力方お願いしたい。

(2)児童福祉施設等の運営について

(1) 適正な運営管理の推進
 児童福祉施設等の運営費の運用及び指導については、従来から適正な指導をお願いしているところであるが、運営費の不正使用などの不祥事により社会福祉施設に対する国民の信頼を著しく損なうことのないよう、指導監査の結果を踏まえた運営の指導にあたる等適正な施設運営について引き続き指導を願いたい。

(2) 入所児童等からの苦情への対応について
 児童福祉施設最低基準において、その行った処遇に関する入所している者及びその保護者等からの苦情に迅速かつ適正に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならないとされたところ。
 これを受けて、平成13年度予算(案)において、苦情解決対策のための経費として第三者委員会の開催に係る経費を措置費等に計上したところである。

(3) 感染症予防対策について
 児童福祉施設等における感染症予防対策については、従来より特段の指導をお願いしているところであるが、今後も引き続き十分な対応を図ることが必要である。
 特に、インフルエンザの対応については、毎年冬季に流行を繰り返し、患者数の多さや、症状の重篤性から国民の健康に対して大きな影響を与えている感染症であり、さらに、近年は、乳幼児における脳炎・脳症の問題が指摘されているところであり、児童福祉施設等においても十分な注意が必要とされているところである。
 ついては、「社会福祉施設における今冬のインフルエンザ総合対策の推進について」(平成12年11月10日社援施第46号)、「社会福祉施設等における結核感染の予防について」(平成11年10月15日社援施第40号)及び「社会福祉施設におけるレジオネラ症防止対策について」(平成11年11月26日社援施第47号)等を踏まえ、管下児童福祉施設等に対して適切な指導を願いたい。


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