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2017年12月13日 第十回 地域医療構想荷関するワーキンググループ

○日時

平成29年12月13日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省中央合同庁舎第5号館専用22会議室(18階)
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議事

○田丸課長補佐 構成員の先生方がそろわれましたので、ただいまから第10回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいましてまことにありがとうございます。

 本日は、邉見構成員より欠席との御連絡をいただいております。

 なお、本日、医政局局長の武田及び医療介護連携政策課長の保険局の黒田につきましては、別の公務のため欠席とさせていただきます。

 医政局総務課長の榎本は、別の公務のためおくれて参加させていただきます。

 また、参考人として、東京都福祉保健局医療政策担当部矢澤知子部長、大阪府健康医療部保健医療企画課中原淳太課長をお呼びしております。

 前回に続き、オブザーバーとして総務省自治財政局公営企業課準公営企業室より、伊藤室長に出席いただいております。

 議事に入ります前に、お手元の資料を確認させていただきます。

 お手元に議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2-1、資料2-2、参考資料をお配りしております。不足がございましたらお知らせください。

 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いします。もし報道の方で冒頭のカメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いします。

○尾形座長 おはようございます。それでは、第10回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開催したいと思います。

 議事に入らせていただく前に、団体を代表して御参加いただいている構成員の方が欠席の際には、かわりに出席される方について事前に事務局を通じて座長の了解を得ること及び当日の会合において承認を得ることにより、参考人として参加し発言いただくことを認めることといたしております。

 本日の会議につきまして邉見公雄構成員の代理として、公益社団法人全国自治体病院協議会常務理事の竹中賢治参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○尾形座長 ありがとうございました。

 それでは、議事に入らせていただきます。まず議題の1つ目でありますが、「都市部における地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について」を議論したいと思います。

 まず資料1-1の説明を事務局から、次いで資料1-2の説明を矢澤参考人から、資料1-3の説明を中原参考人からお願いしたいと思います。一括して御説明を伺った後に質疑に移りたいと思います。

 それでは、事務局からお願いいたします。

○鶴田課長補佐 資料1-1をお手元に御用意いただければと思います。「都市部の地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について」ということで整理しておりますので、こちらの資料を御説明させていただきます。

 1枚おめくりいただきまして2枚目の資料、これはいつも御提示している資料になりますけれども、第2四半期、9月末時点における都市部の議論の状況について整理をしておりますので、御報告させていただきます。

 3ページ目の資料ですけれども、都市部、ここで言う都市部といいますと、政令指定都市及び特別区を含む全28構想区域の状況を整理しておりますので、その状況を報告します。

 こちら下段の部分になりますが、公立病院について平成29年9月末までに新改革プランを策定した病院は、策定対象が86病院のうち75の病院で策定が進んでおります。議論に関しましては9月末の時点で議論が開始されている病院が1病院となっております。

 真ん中ですけれども、公的医療機関等2025プラン対象医療機関について、平成29年9月末までに対象の医療機関が240病院あり、そのうち策定が進んでいるのが97病院となっております。9月末までに調整会議で議論が開始されているのが8病院となっております。

 4ページ目は28の構想区域それぞれにおいて、調整会議がどの程度実施、または今後どのぐらい予定されているかというものを棒グラフで示したものになっております。4回程度開催する見込みが立っているところと、それよりも少ない回数の見込みの地域があります。

 5ページ目は、病床機能報告が未報告である医療機関の許可病床数を構想区域ごとに整理したグラフになります。

 6ページ目は、構想区域ごとに非稼働病棟の病床数を整理した棒グラフとなっております。非稼働病床について調整会議で具体的に議論がなされているところが、岡山県県南東部の構想区域のみとなっております。

 7ページ目は、新公立病院改革プランの策定済みの病院を整理した棒グラフになります。棒グラフの高さが策定対象の病院数で、そのうち青いバーの内訳の部分のところが策定が既に進んでいる病院となっております。調整会議で議論が開始されているのが岡山県県南東部となっております。

 8ページが公的医療機関等2025プランの策定済みの病院を棒グラフで整理したものになりますけれども、先ほどのグラフと同様に棒グラフの高さが策定対象病院数であり、内訳の青い部分が策定済みの病院となります。調整会議で議論がスタートしている構想区域は、静岡県静岡、静岡県西部の構想区域において議論が開始されているといった状況になっています。いずれも9月末時点での状況となります。

 1枚おめくりいただきまして9ページ目になりますけれども、本日、御議論していただきたい点としまして、地域医療構想調整会議を円滑に進めるために医療機関の立場から都道府県に期待するものは何か。都道府県の立場から医療機関に期待することは何か。こういった視点で御議論をいただければと思います。

10ページ目以降は参考資料をおつけしております。ここまでは都市部の構想区域に限定してデータを整理してお示ししておりますけれども、参考資料のところは全ての構想区域における9月末時点での状況を整理した表となっております。

 事務局からの報告は以上とさせていただきます。

○尾形座長 ありがとうございました。

 引き続き矢澤参考人、どうぞよろしくお願いいたします。

○矢澤参考人 東京都福祉保健局の医療政策担当部長の矢澤でございます。

 本日は東京の取り組みを御報告する機会を頂戴し、まことにありがとうございます。

 まず東京都地域医療構想の概要を簡単にお話した後、調整会議、2025年プランの意見交換会などの状況について報告申し上げます。

 2ページのところに東京都の特徴というものを書かせていただきました。特定機能病院を初めとする高度医療施設が、また、医療人材養成施設が集積をしております。それから、病院全体に占めます民間病院の占める割合が9割を超えていまして、地域に密着した医療を提供しています。一方、発達した交通網によりまして、都民の方々は比較的自由に移動をして医療を受けていらっしゃるということがございます。また、高齢者の人口がこの後、急速に増加いたしまして、中でも単独世帯が多いことが地域包括ケアシステムの構築の課題となっております。

 3ページは入院患者さんの流出入をあらわしたイメージ図です。矢印の起点から終点に向かって患者さんが移動しておりまして、線の太さで患者さんの数の多さをあらわしています。赤以外の色は他県からの流出入でございます。このように高度急性期では区の中央部に入院患者さんが集中して入っておりまして、その状況が急性期、回復期まで続いております。一方、慢性期になりますと大きな変化、すなわち区部から多摩や他県への流出が多いことがわかります。この動きを次に疾患別に分析したものをお示しします。

 最初にごらんいただきますのが、がんの患者さんです。東京は6分の1の入院患者さんががん患者さんですので、全体の6分の1となりますが、先ほどごらんいただいたように高度急性期から回復期まで区の中央部に患者さんが集まっている様子がごらんになれます。

 一方、5ページは急性心筋梗塞、脳卒中、成人肺炎、大腿骨骨折といった高齢者に多い疾患の患者数を合計いたしました。この数はほぼ同じでございまして、全体の6分の1でございます。このように患者さんの動きは非常に小さく、動いても隣の医療圏までがほとんどでございます。救急搬送される疾患のため、直近選定による効果でもありますが、高齢化の進展を踏まえますと今後一層、お住まいに近いところに医療があることが重要になると考えました。

 次のページが構想区域です。この13の区域で調整会議を行っております。このほか後ほど御説明しますが、東京都保健医療計画推進協議会のもとに調整部会を設置いたしまして、それぞれの圏域の代表による意見交換、情報の共有を調整会議終了後に毎回行っております。

 7ページで私どもの地域医療構想の特徴を御説明したいと思います。

 1つ目は、東京都地域医療構想を都民、東京都、区市町村、医療機関、医療関係団体、保険者、このような医療、介護、福祉にかかわる全ての人が協力して、将来にわたって東京の医療提供体制を維持・発展させていくための方針としたことでございます。策定部会を11回、地域からの意見交換あるいは市区町村との意見交換、関係団体との意見交換、保険者との意見交換など、計50回を超える議論を経て策定いたしましたので、これら全ての人に協力をいただいて実現していければと思っております。

 2つ目は、将来の医療の姿、グランドデザインとして、誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京を描きまして、その実現に向けた4つの基本目標を掲げたことでございます。

 3つ目は、基本目標の3に地域包括ケアシステムにおける治し、支える医療の充実を掲げました。地域包括ケアの5つのパーツのうちの医療ということだけではなくて、地域包括ケア全体を医療が支える。そういったことを目指したものでございます。

 次のページは、私どもの調整会議の進め方のイメージでございます。現状の把握、課題の抽出、解決に向けた検討、進捗状況の共有、また、新たな課題の抽出といった作業を繰り返し行ってまいる予定でございます。最も重要だと考えておりますことは、この過程の中でそれぞれの医療機関がみずからの病床のあり方、担うべき機能を検討していただいて、自主的に機能分化と連携を進めることだと考えております。東京都は設置者といたしまして、医療機関がお考えを進める上で必要なデータの提示や意見交換の場を提供するものでありまして、参加者の皆様の御努力に感謝し、支えていく立場でございます。

 そして、この次のページには今年度のスケジュールをお示ししております。東京都は地域医療構想策定前から疾病事業ごとに患者の受療動向が大きく異なることを踏まえまして、二次医療圏ごとの会議を設けておりました。それぞれの会議を調整会議の縦軸といたしまして、今回、地域医療構想で設置することになった病床の機能分化と連携を横軸として年2回、また、病院と在宅療養をつなげる在宅ワーキングを今年度から設置いたしまして開催しております。

 それぞれの会議について簡単に御説明いたします。まず年度初めの5月に全ての医療機関、区市町村を対象に地域医療構想についての説明会を行いました。昨年度は約600名、今年度は500名の方に御参加いただき、御質問を頂戴しております。今後も東京都保健医療計画の策定などがございますので、毎年度当初に説明会を実施する予定でございます。

 調整会議は開催する前に座長、副座長の勉強会を行っております。目的やゴールを明確化するとともに、課題の共有を進めてから会議を始めています。13圏域での調整会議が終了しました後、各調整会議の議論の状況を集約いたしまして、共通する課題あるいは解決の方向に向けた方策、特別な取り組みなどを都全域で状況把握を図るため、東京都保健医療計画推進協議会のもとに設置した調整部会を開催してございます。同時期に調整会議の座長、副座長の反省会を行っておりまして、情報共有を行いながら話を進めているところです。

 また、今年度から新たに在宅療養ワーキングを設置いたしました。これまで実施いたしました調整会議では、全ての圏域において病院から在宅への流れ、あるいは在宅での急変時の入院までの流れ、この双方に課題があるというお話を頂戴いたしました。このため地域の在宅療養にテーマを絞った会議体を調整会議の下にワーキングとして設けまして、地域の現状や課題、今後の取り組みについて意見交換を行っております。現在このワーキングを実施中でございまして、実は11月、12月は毎晩ほぼこの会議をしている状況でございます。

 今回、調整会議はグループワークの形をとりました。その理由につきまして次の資料から御説明申し上げます。左側が28年の会議の状況、右側が今年度の状況です。28年度にはまず地域医療構想を御理解いただくということを軸に置きまして、27年度の病床機能報告の集計結果を踏まえて、将来あるべき姿と現状のギャップ、課題について話し合いを行いました。その後、より丁寧に話し合いを進めるため、全ての医療機関を対象にアンケートを実施いたしました。翌5月にはこのアンケートの結果と病床機能報告の結果を構想区域ごとに照らし合わせて、地域の医療の現状について共有し、次回以降、優先して検討すべき課題の抽出を行いました。

 その結果を次につけてございます。全ての圏域で共通する課題が、今の資料の右下にございますとおり、地域包括ケアシステムも直し支える病床、これを効率的、効果的に活用していくための方策、この課題が全ての圏域で出たところでございます。このため今回の調整会議は、共通課題といたしまして地域包括ケアシステムを支える病床の活用を全ての圏域で、また、それぞれの課題を1点に絞りましてグループワークを実施しているところでございます。

 グループワークは、このほか多くの方に御参加いただきたい、また、全ての方に御発言いただきたい、そして関係者がフランクに話し合えるようにと願って進めたものでございます。

 次から構想区域ごとの議論の状況をまとめた資料をおつけしてございます。量が多いので1つだけ御説明いたします。11ページの真ん中に区南部がございます。区南部は品川区、大田区で上のところに書いてございますとおり、高度急性期から回復期まで区部においては非常に自圏域完結率が高い地域でございます。一方、慢性期は区西南部や神奈川に流出しております。

 マル1をごらんください。特長としては退院調整部門を置いている割合が低く、在宅の連携に課題を感じるという病院からの意見がございました。調整会議では、病院は在宅医に協力すべきと考えているものの、なかなかそのあたりがうまく進んでいない。一方、在宅医の側も病院の事情を知る必要があるといったような意見がございました。

 また、隣のマル2でございますと、回復期の稼働率が高く、一方、慢性期では稼働率が低い。これは室料が関係しているという御意見もございます。また、慢性期は死亡退院が多いので、このあたりもこの地域の特徴でございます。調整会議では、慢性期の活用も地域包括ケアの充実には重要ではないかといったような御意見をいただきました。

 こうした資料がしばらく続きますが、これは後ほどごらんいただきたいと存じます。

15ページまでお進みください。これまでの調整会議あるいはアンケート等から得られました各圏域ごとの特徴と課題をまとめた資料でございます。先ほど少し御説明しました区南部のところをごらんいただければ御理解いただけるかと存じます。現在、地域包括ケアを支える病床を効率的、効果的に活用していくための方策というのが共通課題。そして、それぞれの圏域ごとにこのような課題がございます。この中から1つを絞ってグループワークをお進めでございます。一つ一つがすぐに解決しないものではありますが、しっかり向き合っていくために調整会議を大切にしてまいりたいと考えております。

 次のページは、島しょの調整会議の状況でございます。医療が少ない地域での課題が浮き彫りになってございます。

17ページ、公的医療機関等2025プランのことについて御説明いたします。ことし8月に公的病院2025プランの策定が示されまして、救急医療、災害医療を担う医療機関は9月末までに策定することとされました。都内には約62の公的病院2025プランの策定対象病院がございまして、そのほとんど全てが救急あるいは災害医療を担っております。そして、それぞれから幾つかの意見をいただきました。

 また、8月、9月に実施いたしました特定機能病院の連絡協議会の幹事会でも、このことについて意見を頂戴したところでございます。このため都は調整会議に先立ちまして、10月中旬までにまずは一旦、御提出をいただき、11月はそれら持ち寄って意見交換することといたしました。

 まず東京都から、その会議では保健医療計画の改定に関する概要や、その資料の本日最後のほうにお示ししましたが、病床機能報告の結果、そのギャップ、それと病床機能分化のイメージについて御説明をした後に、各病院から各自の状況、課題、今後の方針を中心にそれぞれプレゼンテーションしていただきまして、意見交換を行いました。

 また、公的病院2025年プランの扱いにつきましても意見を頂戴し、資料右下の留意事項のとおり、平成30年3月まで修正可能といたしました。今年度の調整会議では、10月に御提出いただきました公的病院プランを資料配付いたします。その中では参考資料という扱いでございまして、その意見を踏まえて議論いただくことも可能としてございます。その調整会議の意見交換あるいはきょうの意見交換会におけます意見交換、それから、他院のプランを踏まえて変更したいということもございますでしょうから、その場合には30年3月末までに修正可能ということで、各病院に周知をいたしました。私どもはその後、ホームページに公開し、来年5月からの調整会議で御紹介する予定でございます。

 また、公立病院改革プラン対象病院の17病院にもお声がけし、ほぼ全て、延べ77病院に御参加いただきました。意見交換では病床機能報告の状況、地域包括ケア病床の設置などについての御意見がございました。

 次のページをお願いします。18ページでございます。この参考資料は9月12日に実施しました特定機能病院連絡協議会あるいは11月8日、9日に行いました公的2025プランの意見交換会でもお示しした病床機能分化のイメージでございます。

 上の3つの帯グラフが、26年度から実施しております病床機能報告の状況です。特に高度急性期の年度ごとのばらつきが大きくなってございます。これは決して病床の整備や機能分化によるものではございません。お聞きしていると、現在果たしている機能ではなく、自院がなりたい、あるいはなるべき機能について報告をしているということでございました。このように病床機能報告がいまだ地域の医療資源をあらわすものではない中で、調整会議を進めることが困難でございましたので、将来の必要病床数の比較を単にするのではなくて、地域に必要な医療が何か、どう補っていくかという視点でまずは議論を進めているところでございます。

 とはいえ、引き続きお願いしているのが下の機能分化のイメージでございます。この一番下のところのAからOは、特定機能病院のその日の診療密度全体をそれぞれ100としてあらわしたものでございます。青が高度急性期、赤が急性期、緑が回復期です。ほとんどの病院が高度急性期3割、急性期4割の状況でございます。地域医療構想で東京都は高度急性期機能が約2,000床足りないという試算がなされた中で、この状況を何とか改善する必要があるのではないかと提案してございます。このことを補うためには、今ある高度急性期機能を担う設備、機器、人材を現在持っているところがまずは十分活用し、機能分化を進めることで、さらに高度急性期、急性期を中心にシフトしていただきまして、地域医療連携を充実して回復期、慢性期を充実していきたいということを、特定機能病院の先生方にお願いした資料でございます。

 最後に、地域医療構想を策定する前から東京都が圏域ごとに実施している二次医療圏ごとの会議の状況です。参考までにごらんくださいませ。

 御清聴ありがとうございました。

○尾形座長 ありがとうございました。

 それでは、引き続き中原参考人、よろしくお願いします。

○中原参考人 大阪府保健医療企画課長の中原でございます。よろしくお願いいたします。

 大阪府では資料を用意いたしまして、先ほど東京都さんから資料のプレゼンテーションがございまして、初めて内容を聞かせていただきまして、都市部ということでそういう意味では似通った状況がかなりあるなというのが率直なところでございます。ですのでそういう意味では細かく一々説明していくと重複感が出てまいりますので、その辺はバランスをとりながら御説明させていただきたいと思います。

 資料の2ページ目ですけれども、コンテンツということで本日のアウトラインを示しています。先ほど申しましたように、特徴のあたりを飛ばしながら、最後の構想の推進のあたりに重点を置いてお話しできたらなと思っています。

 4ページ、地勢のところですけれども、ここで示しますのは先ほど東京都さんからお話が出ましたように、やはり都市部ということはコンパクトにできているなということで、府域の場合は特に全体のバランスが均質的であるということを次のスライドと次のスライド、合計3枚にわたって御説明しております。

 構想区域は二次医療圏で設定しておりまして、その大きさであったり、あるいは病院数であったりというのが、政令市である大阪市を除きましてほぼ均質的になっている。土地環境につきましても大阪市を中心に放射状に整備をされているということで、俗に言う南北格差という形で、南部のほうがどうしても北部に対しますと若干発展度合いが緩いというところで、そういう言葉が言われますけれども、全体で見れば非常に均質であるということが言えるかと思っています。それは1つ象徴的な例としまして、6ページのスライドに疾病別のアクセスマップと人口カバー率で脳梗塞の実例を示しております。4ページのスライドで人が住んでいる地域ということで、駅周辺1キロ以内の図と相関させますと、ほぼほぼ同じくらいのアクセス度になっているということで、全体として府域で医療機関まで15分以内で到達が可能ということで、非常にコンパクトになっていると思っています。

 続きまして、スライドの7ページでございます。こちらも東京都さんからお話がありましたように、民間病院が多いというところが特徴だと思います。ここから導き出される帰結といいますか、東京都さんと違いまして我々の場合は民間病院さんと歩調を合わせながら進めていきたいなというところが1つポイントになろうかと思っていまして、後ほど説明いたしますけれども、公的プランであったりとか公立病院改革プランを含めた会議を先行させる、そういった資料を先に提示するということは、一旦留め置きをしている状況でございます。

 スライド8枚目、これも恐らく都市部はほぼ同じ傾向かと思いますが、今後、医療需要につきましては、2030年ごろまでをピークに伸びていく。その後はいわゆるピークアウトという形はしていくのですけれども、その度合いというのは非常に緩やかで、2040年の段階ではまだまだ2025年水準になるということで、当分の間そういった医療の需要の増大が見込まれているという状況でございます。

 こういったことが地域医療構想で試算推計した中で、当然のことながら帰結といたしましてスライド9ページにありますように、病床数の必要量ということは既存の病床数を大きく上回るということで、約1万床不足する見込みということが推計値で出ております。中身にしましても回復期が圧倒的に足りないという状況になっておりまして、この辺の扱いをどうするかいとうところが、当然のことながら各構想区域で調整会議等々を進める中でも焦点になってくる、関心も高いという中にあって、現在7次の保健医療計画の改定作業を進めております中で、基準病床というものが出てくることになります。その辺については後ほどお話しいたします。

 次のスライドです。10ページです。地域医療構想調整会議につきましては、ひょっとしたら大阪の特徴なのかもしれないですけれども、事務局を保健所が担っております。その中で12の府保健所と2つの政令市、4つの中核市が役割分担して連携して行っているということです。政令市は構想区域と一致しています。ですから例えば堺市でありましたら二次医療圏が堺市単独、構想区域も堺市単独、政令市というと1つの市ということで、ここは一致していますけれども、中核市につきましてはその圏域でコアな部分、まさに中核を担っていただいているという状況になっております。

 建付けとしましては、大阪の場合は保健医療協議会という知事の諮問機関、附属機関を地域医療構想調整会議という形で運営させてもらっています。そのもとに病床機能分化連携を議論する病床機能懇話会あるいは部会というものを設置する。片方で地域医療構想の両輪となります在宅医療の議論をいただく部会、懇話会を設置するということで、それらの議論を持ち寄って調整会議を進めているという状況でございます。

 次に、実績と課題ということでこれまでの取り組みと、そこから見えてくる課題についてまとめております。

 スライド12でございます。こちらも先ほどの東京都さんと一緒でございます。一言で言いますと、病床機能報告というものはそれだけを見て何かを結論づけるというものには至っていないということですので、きちんとその中身を精査しなければいけないなと思っています。御承知のことだと思いますけれども、病棟単位での御報告、しかも病院さんの御判断ということになりますと、先ほど東京都さんも特定機能病院の中であるべき姿を書いていらっしゃるところもあるというお話もあったように、どこをよりどころにするのかというところの土台がぐらついている部分があるということなので、その辺はもう少しデータという形で、違ったものも含めてトータルで議論することが必要になってくると思っております。

13ページのスライドです。病床機能転換につきましての実績でございます。先ほどありましたけれども、大阪府の場合、約1万床足りないという状況の中で、特に回復期への移行をどうするかいとうことで、他府県と同様、転換補助金というものを措置しております。これを活用しての実績につきましては、現在、3カ年で485床ということで、1万と言っている中にありましての500床程度ということなので、低調ということになるのかなと思っています。これも病床機能を純粋に議論いただいて、よしわかった、うちがこれをやったろということでやっているというよりは、病院の耐震度も含めて建て替えが今、多くございます。それを1つのきっかけとして、タイミングとしてということになりますので、病床転換先にありきという議論には至っていない部分があるのかなと思っております。

 続きまして基準病床数、14ページでございます。先ほど申しましたように約1万床足りないという中で、関係者がやきもきしている中で7次計画の改定作業を進めております。この中で一定推計試算する中で基準病床数の2025年の規模感が見えてまいりました。示していますように7万4,000ということで、いわゆる必要病床数と言っておりました10万床に対しては、非常に大きな数字の差が出てまいりました。現場の方に聞きますと、これもどちらを信用したらいいんだというお話にも今なっているのですけれども、その辺を含めて今、進め方を圏域、構想区域ごとに説明に上がっている状況でございます。

 特にここでも図示をしておりますとおり、総数が大きく開いていることのみならず、既存病床との関係でいきますと必要病床数のときは足りない、不足しているという状況だったのですけれども、現在の基準病床の推計でいくと足りているという状況になっているので、そういう意味では真逆のトレンドになっているので、まさに現場が混乱しているのかなというところでございます。

 続きまして15ページ、地域医療構想調整会議の実情でございます。そこから出てくる課題といいますか、それはそもそも大阪府の運営のスタイルなので、これを見直す必然があるのかなと思っているところなのですけれども、会議体につきましては医療関係者全体で地域のことを、場合によっては住民代表という形の方も含めて議論をいただく中にあって、病院さんについては全部が参加できないというのが物理的な問題だと思っています。圏域ごと、構想区域ごとにその割合を示しておりますが、府全体ではトータルで10%程度の参加になっておりますので、調整会議で病床機能のあり方、病院のあり方というものを議論するというのは危険な部分があるかなと。言い方は悪いですけれども、欠席裁判的な形になってしまうと病院さんの責任であったりとか、モラルの部分とそこら辺の兼ね合いが難しくなってまいりますので、違う形でその辺はフォローアップが必要かなと思っております。

 調整会議の開催実績でございますけれども、保健医療協議会を兼ねるということで年2回から3回、各構想区域ごとで実施をしております。調整会議そのものではなく、先ほど申しました病床機能を検討する細かい部分でも、同じように地域医療構想について議論をいただいておりますので、これらについても圏域、構想区域の実情に応じて年2回から4回実施している状況でございます。

 それとは別に、ここには記載がございませんけれども、関係団体というのは個別に議論させてもらっています。私立の病院協会だったりとか、大阪府の病院協会とか、公立病院連絡協議会とか、そういったところには役員会とか理事会とか月1回そういった場がありますので、都度都度説明に伺わせていただいて、ディスカッションをさせてもらっているというところで、会議の運営にそれをフィードバックしていく形にさせてもらっています。

 とはいえ実際の会議の中身の議論というのはどういうことかというと、その下の囲みに書いてあるところの議論が多くございます。一言で言いますと、現時点において病床機能転換をしていく必然性の根拠がまだ薄いなというところで、なかなかそこに踏み切ることが難しい状況なので、その辺は今後の議論に委ねられるのかなということで、次からはそういったことで大阪アプローチということで頑張って表現をしていますけれども、恐らく都市部で考えていることは、ベースにおいてはそんなにずれていないのかなと。東京都さんで考えていらっしゃることとも、考え方自体はそんなに違っていないのかなと思っています。幾つかアプローチで大阪府で違う部分を中心にお話をしたいと思っています。

 スライド18ですけれども、こちらが全体の概念図でございます。基本的にはどのような形をするかというと、病床機能報告以外のデータと突き合わせながら、診療実態を徹底的に見える化していかなければいけないという取り組みを年度の早い時期にやらせてもらう。それを踏まえて全ての医療機関参加による会議という会議体を設けまして、そちらで議論をいただく。そこには公民分け隔てなく、先ほど申しました公立、公的、それに民間病院を同じテーブルに載せて、データも同じレベルで、圏域、構想区域の医療体制を皆さんでどうすべきかというところをフラットに議論いただくといった意味での共通認識を図っていく必要があると考えています。そういったデータをつまびらかにしながら、お互い顔の見える関係の中で議論を進めていただいて、調整会議での圏域の将来のあるべき姿を取りまとめにつなげていく。それは病床の数のコントロール、機能のコントロールというところには象徴的に行き着くのですけれども、そこだけを見ていくと目的と手段がごっちゃになってしまう可能性があるので、目指す姿をどのような形で実現に近づいているかということを横でウオッチしていく指標を複数設けて、トータルで見きわめをしていきたいということを考えております。それについても今後圏域で議論していきたいと考えておりまして、そのスケジュール感につきましては頑張って平成30年中にあるべき姿をまとめて、次の展開に進めていきたいなと思っています。

 一言で申しますと、これからこういった取り組みをするということで、着実に進めていらっしゃる東京都さんと比べると、大阪府は大きくジャンプしたいがために今、一生懸命縮こまっている状態というような感じかと思います。

 スライド19、先ほど申しました医療機関連絡会というものを設けたいと思っています。当事者ということなので、皆さんに入っていただかないとなかなか議論が進まないのかなと思っていまして、そういった意味で医療機関連絡会というものを新たにつくろうと思っています。さりとて先ほどのページにもあましたけれども、構想区域ごとの医療機関というのは決して少なくないです。ですから今40機関なり60機関なりありますので、そういったところが寄り合って実質議論ができるのかという課題もございます。ということもありますので、下に書いていますように保健所単位での開催であったり、病院の規模とか特性に応じた開催など、実情に応じて柔軟に対応していって、重層的に、多面的に議論ができればなと考えております。

 次は、そういった実態を分析するイメージ、あくまでも本当にイメージの世界でこれから詰めていくのですけれども、こういった資料を提示しながら論点を幾つか提示して議論いただく。例えば左下の項目ですが、充実すべきか検討ということで客観データが出ていますという中で、棒グラフの例えばですけれども、左から2番目に三島の構想区域がございます。府域の水準よりも劣る区域ですが、ここはそうしますと単独で自己圏域、自己区域で完結するというものを目指すのか、それとも隣にあります豊能区域というところと実質的に補完的な関係ができているという評価ができるならば、広域的に二次医療圏を超えた2.5次医療圏的な考え方を持って整理するということを今後議論いただくというようなことをイメージしております。

 スライド21ですけれども、公民分け隔てなく議論を進めたいということで、公的プランの部分ですが、国から御提示いただいていますスケジュール感につきましては、そういう意味では難しいかなと思って違う道を歩ませてもらっています。

 まず1つは先ほども言いましたように、同じ土俵に、同じタイミングでデータをそろえたいということですので、時期については今年度ということで、次のスライドにもスケジュールを書いていますけれども、少しおくらせているということと、議論いただくデータというものを後ほど編集することを考えますと、今の自由記載のスタイルでいきますと、病院さんが自由に記載ができるということで、比較検討する論点を抽出する作業がかなりしんどいかなと思っていまして、そういう意味ではクローズドクエスチョンの形で選択式にして、それをデータ化しているという中で議論ができるようなスタイルがとれればなと思っています。

 それと書いていますように、内容につきましては公立病院は改革プランということがあるのですけれども、そちらも基本は独自スタイルということになってしまいますので、同じベースで議論するという形になると、少ししんどかったり情報が欠けているということも場合によってはあると思いますので、同じような形、アンケートという形で御協力いただくことを考えております。

 もう一つは、国提示のひな形で入っていますデータをまとめなさいという項目につきましても、他の調査であったりとかシステムとか、そういうところで拾い上げられるものについては改めて病院さんに負担をかけることなく、そういった項目をそぎ落として本当に必要な部分だけというような調査を考えております。

 次がスケジュール感でございます。公的プランの前提となります現状と課題という部分につきましては、こちらも各病院さんが思い思いに書かれますと、その原因、課題に基づいて結論づけられることになりますので、課題の共有化がなければ当然議論はベースが一致しないということですので、課題の部分につきましては現在、改定作業中の保健医療計画の各圏域編ということがございまして、構想区域に一致する部分ですけれども、こちらの現状と課題というものをきちんと調整会議、保健医療協議会で議論いただいて、それをベースにプランを策定いただくというスケジュール感にさせていただいております。

 民間病院と公立病院のデータにつきましては、関係団体等とスケジュールについて詰めているところでございます。

 最後、23ページです。一番課題というところですけれども、基準病床、既存病床、かつての必要病床という部分について、関係がどうなんだというところで議論の柱になる部分。この辺はきちんと整理しなければいけないなということで、大阪としましてはそこにイメージも書かせてもらっていますけれども、地域医療構想で推計いたしました病床数の必要量については、数字を追いかけるのではなく、先ほどの約10万床、既存に対して約1万床足りないという部分ではなくて、その中身に着目したいなと思っています。

 一番右のバーに書いていますように、回復期で言いますと3割というのが府域で医療需要として見込まれているということですので、この3割に対応できる病床の整備というものに向けて既存病床、基準病床という中で具体的に検討していくことを考えております。それに当たっては、病床機能報告という部分の不一致の部分のギャップを埋めていかなければならないということになりますので、そこをきちんと実態分析していく必要があると考えています。

 参考にですけれども、今ここの棒グラフ5本立っていますけれども、真ん中の3本を手で覆い隠していただくと、2013年と2025年において見えてくる姿というのは何かというと、先ほどの病院さんたちの意見もありましたように、急性期もふえる。32.5から34.5ということなので急性期もふえますよということで、価値観は一致しています。回復期も3.5ポイントふえますということになりますので、そういう意味ではあながち現場の方が言っていることも間違いではない。病床機能報告と比較してしまうから急性期を減らせみたいな形になるのですけれども、当然、既存病床あるいは基準病床というキャップがかかっている中で割合を変えていくということなので、どこかから転換しないといけないことになるので、そこが地域の実情において、あるいは病院の実情において急性期からであったり、慢性期からであったりということになるのかなと思っています。

 最後に、せっかく貴重な機会をいただきましたのでお願いごとを幾つかしたためさせていただきました。

 1つ目は、今まで申し上げてきた点でございます。自由裁量的に都道府県の実情に応じて進めさせてもらいたいなと思っています。そういう意味では先ほど厚労省さんから資料提供のありました調整会議の開催状況とか、そういった点は純粋に資料としていただけるのはいいのですけれども、見る人が見ると大阪府は進んでいないよねと映ってしまうのですが、そういった意味でいくと違う進め方をしているところもあるので、ミスリードがないようにしていただければ助かるなと思っています。

 2点目は、先ほど申しましたようにひょっとしたら大阪府だけかなと思っているような、保健所、特に中核市の位置づけでございます。一言で言いますと、中核市さんは、もともとは大阪府の場合ですけれども、そこに大阪府の保健所がございました。中核市を含めて複数の市町村を管轄している中で、中核市に移行されると単独の市域だけを所管することになりまして、当然、市長の態度も含めて市民ファーストの価値観で他の地域のことよりも、大阪府全体のことよりも、自市のこと、市民のことになりますと、どうしてもその辺の価値観で一致を図るのに、若干そごが出てくる可能性がある。実際においても幾つかあるという中で、法令等で医療計画とか、地域医療構想について都道府県と同じ歩みをしてもらえるような明示がいただければ非常にありがたいのかなと思っています。

 大阪府の場合、今4つの中核市、高槻市、豊中市、東大阪市、枚方市ですが、これに来年度当初からは八尾市、さらに寝屋川市、吹田市も表明している。要件だけでいくと茨木市も満たしているということで、そういう意味でいくと大阪府保健所があるところが軒並みなくなっていくことになっていきますので、地域の実情をよく把握している医療機関との密接な関係もある保健所をコアに、医療構想等々を回していくことにおいては、中核市の役割というのは非常に今後ますます大きくなってくると思います。

 3つ目は、実務としては非常に重要だと思っています。データの部分を議論しないと皆さん納得いただく部分というのは得られないのかなと思っています。そういう意味で今、幾つかいただいているデータを、もう少し現場で使いやすい形で工夫できないかなというところでございます。その辺について何とか一歩でも二歩でも進めていただければなと思っております。

 大阪府の報告は以上でございます。どうもありがとうございました。

○尾形座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明がありました資料1-1から資料1-3、3種類の資料の御説明について一括して議論をしたいと思います。御質問、御意見を承りたいと思います。

 織田構成員、どうぞ。

○織田構成員 東京都にお聞きしたいのですけれども、資料の3ページ、4ページを見ていきますと、高度急性期、急性期、回復期の流出入は、全く構想区域と関係ない動きですよね。この流れの中心になっているのは区中央部ですが、実際に調整会議としてどういう議論がなされているのでしょうか。というのは人口もそうですし、医療機関も多いし、流入患者さんたちも非常に多いという中で、どのような議論がされているかということをお聞かせいただけますでしょうか。

○矢澤参考人 まず区の中央部に患者さんが集まっているのは、がんの疾患に引っ張られていて、病院を選べる方々が中央部にどんどん引っ張られている状況で、資料の5ページにありますように、そうでない疾患については二次医療圏内でほぼおさまるか、隣の医療圏で済んでいる。これは全体のことを見てもその状況があることは御承知の上で、調整会議をしてございます。

 区中央部の側からは、それが当たり前のことだというような意見ですし、その周辺の区部の調整会議においても、高度急性期が区中央部に行くのは自然の流れということで、そのことに対してむしろ医療連携を進めることや、情報の共有化を進めることのほうが重要だという御意見を頂戴しているところです。

○織田構成員 ということは、高度急性期以外でも急性期なんかもそうなのですけれども、構想区域を越えた調整というか、話し合いが行われているということですね。

○矢澤参考人 越えて話し合いをしているということではなくて、隣同士で共有していることについて双方が合意している。これから例えば一部の構想区域は両方で行ったり来たりしている構想区域はございますので、そこは合同開催をるすかどうかといったところを東京都保健医療計画の下に設けました調整部会で検討して、開催するかどうかというところにこれから差しかかるところでございます。

○織田構成員 わかりました。これは新公立病院改革のプラン、公的医療機関2025プランも非常に東京都はプラン策定が早いですね。これはもともとそういう調整というか、それぞれの病院の役割分担というか、そういう話し合いが行われているということですか。

○矢澤参考人 駆け足で説明してしまったのでわかりにくかったかと存じますが、普通に定例の会議で特定機能病院の連絡協議会というものをまずやっていまして、その幹事会を8月と9月に行ったときに、公的プランをどうすればいいかねというお話が先生方からありました。それから、8月に出て、9月までにつくって、10月以降の調整会議でかけるというのは一体どうだねという話をいただいたところです。

 国の方針はそのとおりなので、それに従うべきだとも思いますが、私どもは事前にできたところまでで結構ですので、1016日のところで一旦、提出くださいというのを文書で通知いたしました。趣旨としては、それを集めて11月に入ったらお披露目会をするので、そこで皆さんにどんなものが書かれているのか見ていただいて、参考にしてまた持ち帰っていただいたらいいなということでやったので、無理やり多分出てきたものも幾つかある。例えば2ページのものもございました。それは実態ではございます。出てこなかったところも2~3病院ございました。

○織田構成員 今、東京都立病院で地域包括ケア病棟を持っておられる病院は何病院ありますか。

○矢澤参考人 都立病院では地域包括ケア病床はございません。

○織田構成員 東京都は民間病院の割合も多いですね。そういう中で民間病院も含めて、そこら辺の議論をしっかりしていただきたいと思います。

○尾形座長 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 東京と大阪両方にお聞きしたいことがあって、前提として日本全体のデータを見ていると、これから高齢者がふえるのは都市部、それも東京、大阪が中心にふえるのです。ですから東京、大阪でこれからふえてくる高齢者の方々、その方々の病気を本当に受け切れるかどうかというのが一番大きな問題だと思っています。

 その意味では今、物すごくこれ苦労されて計画を立てていただいているのはわかるのですけれども、では今進めていった中で東京、大阪はこれからふえてくる患者さんを本当に受け切れるんですかということを、ぜひ今の段階でのお考えをお聞かせしたい。あちこちの医療計画をつくるときを見ていて、医療計画をつくるときには医療だけで完結するようにつくりますから、医療の世界から出ていったときの後のことは余り考えてもらえていないという状況があって、では医療から出ていってくださいといったときに、それはまず介護のほうで受け切るのですかというところがあって、医療から見たらそこはブラックボックスなのです。今度、介護が受け切れなくなってきたときに在宅がまた戻ってきて、それが医療計画に入っていて、全体の整合性がとれていないと、これからふえてくる総数を受け切ることができるかということがわからないと思うのです。

 今、医療の面からこういう計画を進めていますというお考えを聞かせていただきましたけれども、全体を通じてこれを受け切れるんですかということをお聞かせいただきたい。これは東京、大阪の問題だけではなくて、例えばうちは奈良にありますけれども、大阪からあふれたときに、では何人奈良に来るんですかといったときに、大阪からあふれる数と奈良で今、数えている数は、けた違いに大阪からの影響のほうが大きいのです。ですから完結できるのだったらそれぞれの県は今までの計画どおりでいいと思うのですが、完結できないのだったら周辺の地域に非常に大きな影響を与えるはずなので、そこら辺のところの見通しがもしわかれば、どういう議論がされているかを含めて教えていただければと思います。

○尾形座長 それでは、矢澤参考人からお願いします。

○矢澤参考人 御指摘ありがとうございます。受け切れるかという御質問に対しては、受けなければならないとしかお答えしようがありません。

 私ども今、医療と介護のところがわからないという御意見もございましたが、そこがわからないからこそ医療と介護の協議の場を経て保健医療計画を策定して、介護の必要度、在宅の必要度と医療の必要量を何とか共有しながら整理をしていくことを区市町村と進めているところでございます。

 また、私ども病床の整備だけが、患者さんを受け切れることだとは考えてございませんで、住まいと医療の考え方がなければいけないなという観点から今、各局とお話を進めているところです。具体的に何ができているかということではないので恥ずかしいのですけれども、病床の整備だけでは今後の高齢化は支え切れないと考えて、施策を進めようとしているところでございます。

○尾形座長 中原参考人、お願いします。

○中原参考人 奈良県さんということで大阪の影響が大きいというお話もありましたけれども、患者さんを受けるという部分について病院ということでいきますと、病床数に恐らく跳ね返ると思うのです。そういう意味でいきますと、既存の病床数というのは大阪の場合は基準病床を上回って、現実としてありますので、その意味でいきますと今の体制で受けていく。ですから理論値であります基準病床というものが、そうしたら本当にこれでいいのかというところの議論に恐らく行き着くのかなと思っています。

 今回の7次改定のときでも試算をしておるのですけれども、極端に数字が下がっています。それに対する現場の不安もあります。ですが、既存はあるので実態としては回しているよねというところがあるので、今後の1つのトピックにはなるのかなと思っています。

 それと介護との関係といいますか、高齢者の今後の動向も含めてですけれども、都市部ですが、当然のことながら単独世帯とか老老介護というような方もふえますし、認知症の患者さんもふえてくるということになってくるので、東京都さんもおっしゃっていますように医療プラスアルファの地域であるとか、そういったところでトータルのパッケージで今後議論しないと、なかなか受け切れるかことに対して、医療だけというお答えは難しいのかなと思っています。

 あと、受け切れるかという部分についていきますと、病院経営のほうもいろいろな面でシビアということもございますので、病床稼働率みたいなところは経営の観点で努力するということでいくと、受ける患者さんというのはパイとしてふえてくる。受け入れる余力が出てくるという意味においては、計算上は成り立つかと思います。実態としてどこまで経営が追いつくかということと、一番そこで今後心配されるのは、スタッフがどこまでそれに対して対応を充足できるかというところがポイントかと思っています。

○今村構成員 大変苦労されていると思うので、ぜひ頑張ってもらいたいと思いますが、資料の中でそれぞれ気になったところがあって、東京都さんのほうが病床の機能区分の率に注目してというお話をされていますけれども、その率ということは総数がどうかというところが抜け落ちていくと嫌だなと思ったので、総数のこともぜひ議論にしていただきたいと思いまして、大阪のほうは基準病床をベースに毎年考えていくと書いてあったのですけれども、基準病床が足りなくなるというのは流出してしまった後に数字が出てくるものなので、それはちょっと後手に回るのではないかと思います。流出してしまった側が受け切れる、受け切れないという問題を今の団体で議論しておく必要があるのかなと思うので、そこのところはぜひ御留意いただく必要があるかなと思います。これは意見です。

○尾形座長 これは御意見ということでよろしいでしょうか。

 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 今の今村先生の流出してしまった後でというのは何ですか。どういう意味ですか。

○今村構成員 基準病床の策定のところに流出の分を戻すというのがありますね。計算式の中に。基準病床がふえてくるということは、外にたくさん出ているという意味になるのではないかと思うのです。

○中川構成員 事務局どうですか。

○佐々木地域医療計画課長 今のお話は、今の医療計画の基準病床の計算のときに流入、流出を組み入れるところがあるのですが、これは実績に基づいて組み入れることになっているので、今村構成員のおっしゃっているのは、出てしまったというのは要するに実績としてそう動いてしまったということが、後づけで反映する方法しか今ないということをおっしゃっているのだと思います。

○中川構成員 大阪の中原さん、お話をいろいろ伺いましたけれども、大阪で困っているのは今の時点で基準病床よりも既存病床が多い。オーバーベッドだということですね。しかし、将来の病床数の必要量は既存病床よりもはるかに多くなりそうだ。これをどうするんだと。それは我々も今まで議論しています。申しわけないけれども、大阪を例に挙げて。それで基準病床数を毎年見直すということになるのです。そういうことで対応しようと。それで最終的に2025年の病床数の必要量に基準病床数を追いつかせるということになると思うのです。

 先ほどから中原さんの説明の中で気になったのだけれども、回復期が足りない。これは嫌と言うほどこのワーキンググループとかいろいろなところで議論しているのですが、病床機能報告と病床数の必要量は単純に比較してはいけないというのを知っていますよね。単純に比較して回復期が少ないとおっしゃっているんですよ。これは今の大阪府の中の全部の構想区域のことかどうかわかりませんけれども、医療現場の実感として回復期病床が少ないという実感はありますか。そういう声がありますか。

○中原参考人 現場として現状ですか。ですから今の医療ニーズに対して回復期が不足しているという声は聞かないです。2025年の将来の需要に対してどうかというところは、何をもって議論するかによって変わってきます。

○中川構成員 今だって病床機能報告と病床の必要量を比べると、現場の感覚としては少なく見えますね。でも現実的には回復期病床は少ないという気はしないでしょう。だから回復期リハビリテーション病棟とか、地域包括ケア病棟といったいかにも回復期らしい病棟の数が必要だということではないのです。大阪の先生方とよく話をしますけれども、決して簡単に申し上げると慌てる必要はないのです。真面目にお仕事を取り組まれて頑張っていらっしゃるので評価したいと思いますが、そんなに困った困ったと、データが欲しいというふうに余り深刻にならないほうがいいのではないかと思うのです。

 将来の病床数の必要量が既存病床よりもはるかに下回ることのほうが深刻なのです。わかりますか。病床が余るのですから。足りないというのは、これは前向きに病床の整備をすればいいので、私はむしろ幸せなことだと。提供体制の側から言うとですよ。行政の側から言うと大変ですけれども、そのように捉えていただいたほうが、医療を提供する側で頑張っている診療側の皆さんが安心するのではないかと思います。地域医療構想はガイドラインでも地域の実情に合わせて、地域の構想区域の自主性というか、自主的に収れんすることを第1番に掲げているので、ぜひそういう言い回しで行政としてやっていってほしいなと。これは私からのお願いです。

○尾形座長 御意見として承っておきます。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。

 それでは、本日いただきました御意見も踏まえまして、事務局におきましては引き続き調整会議の進捗状況の確認等をお願いしたいと思います。

 続いて2つ目の議題であります「地域医療構想の進め方に関する議論の整理(案)」を議論したいと思います。資料2-1及び資料2-2につきましては、前回に引き続き今回のワーキンググループで議論をしていだき、取りまとめた上で来年の医療計画の見直し等に関する検討会へ報告する予定を考えております。

 それでは、資料2の説明を事務局からお願いいたします。

○鶴田課長補佐 資料2-1について御説明をさせていただきます。「地域医療構想の進め方に関する議論の整理(案)」という資料になります。

 下線が引いてある場所があろうかと思いますけれども、こちらが前回の事務局が提案した資料からの修正箇所となります。

 「はじめに」を見ていただくと、構想区域というところに下線が引いてありますが、もともと地域という言葉で書いていた部分になるのですけれども、より趣旨、意味を明確化するために地域、それが構想区域を指しているものに関しては、言葉として構想区域に置きかえております。ですので、以下の資料、構想区域という言葉が多くなっておりますが、そういった理由によって修正を加えているものになります。

 続きまして修正点ですが、3ページ目です。これは2ページ目から続いている「ア.個別の医療機関ごとの具体的対応方針の決定への対応」という調整会議で議論する項目になるわけですけれども、ここで公立病院に関すること、公的医療機関等2025プラン対象医療機関に関すること、その他の医療機関に関すること、3つに場合分けして書いてあるところになりますが、3ページ目の真ん中の2パラ目は公的医療機関等2025プラン対象医療機関に関することのところで「この際、構想区域の医療需要や現状の病床稼働率等を踏まえ公的医療機関等2025対象医療機関でなければ担えない分野へ重点化されているかどうかについて確認すること」という一文を追記しております。

 下のところですけれども、その他の医療機関に関するところですが、ここは1つ目の○、2つ目の○のところで加筆修正を加えておりますが、1つ目の○ですが、その他の医療機関のうち、開設者の変更等を含め構想区域において担うべき医療機関としての役割や機能を大きく変更する病院などの場合には、今後の事業計画を策定した上で、調整会議において速やかに2025年に向けた対応方針を協議することとして加筆修正しております。

 2つ目の○ですが、それ以外の全ての医療機関については、地域医療構想調整会議において、遅くとも平成30年度末までに2025年に向けた対応方針を協議することとしております。

 続きまして4ページ目ですけれども、協議事項のもう一つである非稼働病棟への対応になりますが、こちら非稼働病棟の病床が全て稼働していない病棟の定義を明確にするべきという御意見を前回いただいておりますので、下の注釈のところで過去1年間に一度も入院患者を収容しなかった病床のみで構成される病棟という注書きを記載しております。

 また、イの1つ目の○でただし書きを追記しておりますが、基本的に非稼働病棟に関しては調整会議で議論していただくことを前提に記載しているわけですが、ただし書きとして病院、病棟を建てかえる場合など、事前に調整会議の協議を経て、病床が全て稼働していない病棟の具体的対応方針を決定していれば、対応を求めなくてもよいということのただし書きを記載しております。

 2つ目の○ですけれども、こちらは非稼働の病棟への権限行使する場合ですが、権限行使できる場合は、病床過剰地域においてという限定が法律上も規定されておりますので、その部分を追記しております。

 5ページ目、協議事項のもう一つとして、新たな医療機関の開設や増床の許可申請への対応になるところでございますが、ここに関しては新たな病床を整備する予定の医療機関は調整会議で説明していただくという内容になっているわけですが、ここに開設者を変更する医療機関、親から子への継承を含む、こういったものに関しても調整会議で説明をしていただく。そういった内容に加筆修正をしております。

 3つ目の○に関しましては、権限行使のところですけれども、調整会議の意見を聞いてというものを追記しております。

 続きまして7ページ目です。こちらは6ページ目から続いている部分になりますが、調整会議で個別の医療機関の取り組み状況の共有する事項として、医療機能や診療実績、また、個別の医療機関ごとの基金を含む各種補助金の活用状況、それに加えましてウとして新公立病院改革プラン、公的医療機関等2025プランに記載すべき事項として、プランを策定する医療機関は各病院・病棟が担うべき役割について円滑に協議できるよう、病床稼働率、紹介・逆紹介率、救急対応状況、医師数、経営に関する情報などを記載すること。都道府県は個別の医療機関ごとの情報を整理して提示すること。こちらは前回のワーキングでの議題2の論点を踏まえての加筆修正となっております。

 以下、修正点はございません。

 事務局からの説明は以上です。

○尾形座長 資料2-2は参考資料ということで、あわせてごらんいただければと思います。

 それでは、ただいまの事務局の説明につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。野原構成員、どうぞ。

○野原構成員 資料2-1の7に地域医療構想調整会議の運営の部分で、年4回は地域医療構想調整会議を実施することとの記載があります。また、8ページにはイメージとして進め方を示していると理解しています。この進め方につきましては過去の事務局の説明で、各地域の調整会議での検討がより進むように参考的な情報として自治体に提示したという位置づけという説明がありまして、引き続きそのような理解でよろしいのかというのが質問でございます。

 地域医療構想調整会議につきましては、本日の資料でもお示しをいただきましたとおり、各地域で議論を始めたところでございます。都道府県や構想区域ごとに医療資源や人口減少や今後の高齢化の進展などによる今後の医療需要の動向がかなり異なっております。本日の東京都や大阪府の説明にもありましたとおり、それぞれの地域の医療課題を踏まえて各自治体は調整会議の日程を調整しております。

 また、8ページ目の一番上の○にありますとおり、各地域では調整会議以外でもさまざまな機会を捉えまして、組み合わせながら地域医療構想の運用を行っていると理解しているところでございます。調整会議を実効性があるものとし、速やかに運営していくことに関しましては全く異議はないところでございますが、その運用につきましてはこうした地域の実情に応じた柔軟なものとしていただければと考えております。

 地域医療構想調整会議につきましては、2025年を見据えた議論を行っていく場と理解しております。来年度以降は現在、策定をしております医療計画の整合等も踏まえた議論も進めていくものと理解しております。今後はこうした中長期的な会議の進め方につきましても整理をいただければと考えております。

 以上でございます。

○佐々木地域医療計画課長 年4回のことを何回か御質問いただいておりますが、まず国としてやろうと思っていますのは、年に4回、進捗状況について確認させていただくというところはやらせていただこうと思っております。4回というのは、我々は非常にいろいろな課題もございますし、精力的に進めていただく必要があると考えているので、1つの目安ということでございますので、例えば細かい単位でより多数やられている地域もあると理解しておりますので、お示しするようなものも参考にしながら地域に合ったやり方で取り組みを進めていただければと思っております。

○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。では、伊藤構成員、どうぞ。

○伊藤構成員 資料2-1の3ページ目の2つ目の○、公的医療機関と2025年プランのところで担えない、これでなければ担えない分野の重点化がされているかどうかというと、7ページのウのところにございますように、規制すべき事項の中にさまざま要素が書かれているわけでありますが、これはとても重要な考え方なので実際の地域医療構想の現場の中で、これをどのように情報を開示しながら議論を進めていくかということがとても重要になってくると思っているのです。資料1-1に戻りますが、3ページにございます具体的な医療機関名を挙げた議論の状況ですが、これは残念ながらそういう情報がまだ十分出てきていない点が大きな問題であると思っているのが1点と、参考のところにございますけれども、その他の医療機関、つまり公立、公的でない医療機関についてはまだ1病院しか出ていないと報告されていますが、本来公立、公的病院は不採算が原因で地域に十分に整備されていない医療機能を補完するというのが本来の役割であろうと思うわけですが、同一の医療圏の中で例えば補助なしに公立、公的と同様の機能をすでに果たしている、あるいはその公立、公的医療機関が転換をしようとする機能を既に有している民間病院や、その方針がはっきりと示された後に、その方針に従ってなおかつその圏域において未整備な医療機能をいかに補完していくか。これは公立、公的に与えられた非常に重要なファクターかと思っておりまして、それを補完するために補助金というのは活用されるべきだと考えておりますが、地域の中の話し合いの基本的な考え方はそれでよろしいかどうかということを、確認を申し上げたいと思います。

○尾形座長 事務局に対する確認ということでしょうか。

○鶴田課長補佐 基本的には公立、公的にはプランは策定していただいて、協議をしていただく。その他の医療機関に関しては今回、例示を書いていますけれども、必要に応じて病院の実質的な取り組みとして事業計画を出していただいて、御議論することも可能ですし、そうではなく対応方針をちゃんと示して皆さんで御議論していただくこともできますので、調整会議の中で関係者の方々が今後どういった役割を担っていくかということをしっかりと御議論していただきたいと思いますし、円滑に議論ができるように補助金等、そういったものに関しては都道府県を通じて各構想区域の状況を提示していただいた上で、皆様方が円滑に議論しやすい環境を整えていただくということは重要かと考えております。

○伊藤構成員 圏域の中での議論の中で、同じような情報がきちんと提示されることで、民間病院が既に行っている、あるいは将来行う機能というものが明示されるわけで、それをどう補完していくかということに議論が集約していくのが正しいのかと思っていまして、お尋ねを申し上げます。そういうことでよろしいですね。

○鶴田課長補佐 基本的には診療実績も高度急性期、急性期、回復期、慢性期、そういった各個別の医療機関、病棟ごとのデータを調整会議で協議していただいて、しっかり議論していただくことになろうかと思います。

○中川構成員 伊藤先生、今の答えでいいのですか。何を言っているかよくわからなかったけれども。

○伊藤構成員 要するに民間が行っていることをきちんと俎上に上げて、その中でできていないこと、あるいは将来できないことをやっていただくのは公立、公的の補助金の役割だということを明確に申し上げたいということで発言申し上げた次第です。

○尾形座長 そういう意味ですか。

○鶴田課長補佐 データが出ますので、何がその地域で不足しているかというのが構想区域の中で明確になろうかと思いますので、そういった機能を公的医療機関、公立病院でなければ担えない機能にプランの中でちゃんとなっているかどうかを確認していただくことになろうかと思います。

○伊藤構成員 要するに公立でなければできないことはとても重要な言葉でございまして、そこのところをきちんと圏域の中で議論できる素材が欲しいということでございます。

○尾形座長 織田構成員、どうぞ。

○織田構成員 今の伊藤構成員のお話とかなりダブるのですけれども、ガイドラインに沿った形で今の各構想区域の中でプランが出てきています。でも実際は病院の思いで書いているプランが圧倒的に多くて、実際に何がその病院の役割かというのがなかなか明確になっていないようです。だから、ここのところは時間をかけてやらないと、余りにも拙速にやってしまうと、結果的には同じようなことがまた繰り返し行われてしまうと思うのです。ですから実際、公立、公的しかできないことは、この地域では何なんだという議論をしっかりまず押さえた上で、プランに齟齬がないかどうかというのを確認することが重要で、余りにも拙速になり過ぎるとよくないと思うのです。そこら辺を御理解いただきたいと思います。

○中川構成員 今の伊藤先生と織田先生の言っていることはそのとおりで、そのために公立病院の新改革プランをつくるということに総務省でしたのではないのだけれども、我々のこの議論でそのようにしていただきたいということで、地域医療構想調整会議の方針と齟齬があった場合には、新改革プランを修正していただくというふうにしたわけです。ですから究極の方向性は、公立病院でしかできないことに特化すべきだと。そのことを我々は明確に主張していくべきだと思うのです。

 既に同じ構想区域内の民間医療機関がやっていることを公立病院が莫大な繰入金を入れた状態でなぜやるのか。それは公的医療機関に対する2025プランにも言えることで、大学病院本院が小泉政権のときから始まった税金の減額、運営費交付金、私立の私学助成金の減額で診療報酬上で稼ぎなさい、自分で経営しなさいという方針になって、自主的にそういう方向転換をして、近くの民間病院でもできることを大学病院本院がやりまくり出したのです。患者を物すごく吸引しているのです。それはデータとして明確になっているのです。ですから公的病院に含まれる、あの対象病院に含まれる特定機能病院、あれも2025プランに関しては、そこも明確にしなければいけないなと思って、そちらのほうが大仕事だと思います。

○尾形座長 ほかいかがでしょうか。竹中参考人、どうぞ。

○竹中参考人 3ページに戻っていただきまして、その他の医療機関に関することで、1つ目の○に開設者の変更等を含め構想区域において担うべき医療機関としての役割や機能を大きく変更する病院などの場合という記載が書いてあるのですが、前回、私が申し上げたように、地域において救急医療と災害医療等を担う中核的な病院というのは、公立、公的だけではなくて民間も相当含まれる。したがって、その機能に関しましては前年度の地域医療計画の取りまとめの中で、その役割を明確にすべきと明示されております。ですからその地域の中核病院に関しましては、公立・公的と同じタイミングで、同じ次元でプランニングをしていただき、その役割を明確にすべきではないかということを考えますので、その点に関しましていかがでございましょうか。

○尾形座長 事務局に対する御質問ということですか。

○竹中参考人 はい。

○佐々木地域医療計画課長 もともと医療計画の中間取りまとめのときに、そういった地域の政策医療、救急とか小児周産期とか、そういった要素は書いてありましたけれども、今回、そういったものをどうするかということは、このワーキングの中で御議論いただければと思います。

○竹中参考人 ぜひ同じ次元で議論するためには、ピックアップしていただいて、プランニング策定まで言及していただくように考えておりますが、もう一つお聞きしたいのは、大きく変更する病院などと書いておりますが、「など」の中にこれは含まれているという解釈でよろしいのでしょうか。

○鶴田課長補佐 基本的には地域において調整会議、地域の事情を踏まえて関係者の方々に相談しながら、どのように進めるかということを決めていかれるかと思いますので、また基本的には自主的にそれぞれの病院が判断することになります。

○竹中参考人 そういうことであれば、ぜひ考えていただきたいと要望いたします。

○尾形座長 中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 竹中先生に、同じ次元でと何回もおっしゃるので気になるのですけれども、同じ次元ってどういう意味ですか。

○竹中参考人 要するに地域の中で中核的な機能を持っているという病院でございますので。中核的な機能を持っているという、それは同じことになりませんか。

○中川構成員 同じ次元でプランをつくるべきだという意味がわからない。

○竹中参考人 中核的な機能を持っている病院であれば、その役割を明確にするというのがこの地域医療構想の大きな主眼であると思います。ですからそれは具体的なピックアップした状態で議論すべきではないかと思います。

○中川構成員 ピックアップって何ですか。

○竹中参考人 ですから公立は出ましたよね。プランニング。公的病院もプランニングしなさいということになりました。第3に、そのような地域の中で中核的な役割を担っている民間の病院も同じようにプランニングを提出していただいて、役割を明確にすべきではないかと考えます。

○中川構成員 そもそも構想区域内でそういう病院は、公立、公的以外の病院でそういうことをしているのは明確に役割を果たしているのです。そういう状況の中で今回、先ほど繰り返しになりますが、公立病院で新改革プランをつくりなさい、公立病院以外の公的病院に対しても2025プランをつくるべきだというのは、例えば公立では繰入金が年間で5,000億円近くも入っている。その他の公的病院でも税制優遇がある。そういうときにはプランを明確にして、地域医療構想調整会議で構想区域内全体の提供体制の方向性とそごがないかということを見るために出すんだよという方針ですから、先生の言っている趣旨とは少し違うと思います。

○竹中参考人 その観点で言いますと、社会医療法人等も一部税制上の優遇を受けていますよね。そのような観点から持っていくべきではないでしょうか。

○中川構成員 そもそも地域医療構想調整会議というのは、そういう機能を果たすのです。そういう機能を果たすために調整会議があるのです。構想区域内では現場の方がやるわけですよね。だからもうわかっているのです。あえてこういう表現で私は十分出せると思います。

○竹中参考人 理解しております。公的に要求されるのであれば、同じような土俵で提出されたらいかがでございましょうかと提案しているわけです。

○中川構成員 それなら明確に申し上げます。反対です。

○佐々木地域医療計画課長 先ほど事務局のほうでお答えをしたところですけれども、「など」が入っておりますのは例示として大きな変更等を含めてということでございますが、地域の議論によっていろいろなパターンもあり得るということで、余り細かいところまではお示ししていないところでございます。

 それと竹中参考人がお話になっているのは、過去に我々のほうで出した資料、数値の中に、構想会議で議論を進める順番として、救急、災害の議論をまず優先してはどうか。その際に民間病院を念頭に置いて中心になる医療機関、それから、公的医療機関、国公立病院、地域医療支援病院、特定機能病院と例示として入れさせていただいておりますので、中川構成員御指摘のように、議論の俎上に上っているということは間違いないところでございますので、そういう意味ではさまざまな議論の中には、既にそういう民間も議論の対象としては入っていると理解してございます。

○尾形座長 本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 今の議論を聞いていまして、私も前回、申し上げましたが、公立や公的は優先的に議論してもらうということですが、基本的には構想会議で公民関係なく、前回も和歌山で、公的病院がへき地医療等を担っているケースが報告されましたし、もう一つの問題点は、公的病院等は、例えば自治体病院であれば議会における予算の承認があり、その他の公的病院でも運営母体の経営方針がかかわってきますので、どちらかというと急に矛先を変えるのが難しい機関だと思います。

 逆に民間のほうは比較的そこは変更が早い、機転がきくというメリットがあると思います。、やはり協議する場合に公的等が議論のテーブルにプランを出して先に方向性を決めてしまって、後から民間が決めるようとしても、既に枠を取られてしまったではないかという議論になりかねないので、民間でもしっかり構想を立てていただいて、同時並行的に議論していただくのが、各地域にとって望ましい姿ではないかと思います。

○尾形座長 岡留構成員、どうぞ。

○岡留構成員 構想会議で一番の根幹にかかわる各都道府県におけるこれからの役割が非常に重要だと思うのですが、8ページのスケジュール表、イメージ図がいつも出るのですけれども、例えば国がやる仕事として都道府県の職員研修、前期、中期、後期と書いてありますが、私たちはこういう文言を見ても、どういう研修をしているのかなというのがよくわからないのです。ここにはイメージと書いてあるのですけれども、そのイメージさえも具体的に湧かない。大体どういうことをやっているのかという報告があってもいいのかなと思うのですが、事務局いかがでしょうか。

○鶴田課長補佐 実績で言いますと、これまで5月、8月に研修をやっています。研修の中では今年度は医療計画の策定とかいろいろありましたので、国から指し示している通知等の解釈とか、そういったものを担当者の方々にわかりやすく伝える。そういった趣旨で研修をやっております。

 今年度はもう一回、2月に都道府県の方々をお集めして研修する予定でいます。そのときには構想の担当の方の行政の担当だけではなくて、調整会議とかで有識者として参加していただいている方々にもお声がけをして、皆さんで理解を深めるという意味での研修をしようと思っております。例えば本日、お認めいただければ今回の報告書の内容ですとか、あとは各都道府県の取り組み、ワーキングでは今、大阪府さん、東京都さん、前回ですと和歌山県さん、奈良県さんに説明していただいていますけれども、そういった事例報告とかも通じて各県、どういった取り組みをやっているかというのを都道府県の担当者だけではなく、もう少し広い範囲で共有しながら進めていく。そういった工夫をやっていきたいと思っています。

○岡留構成員 こういったところに来ると、いつも各都道府県の温度差が問題になるのです。私たちの地域ではこうなのに、あそこではどうなんだと。こんなバリエーションがあったらおかしいわけで、スタンダード的なものを国が指示、各都道府県に事務局は非常に難しいことかもしれませんけれども、その辺の統一性を図っておかないと、いつかは必ずこういうシステムは破綻していくと私は思っているのです。

○中川構成員 先生のおっしゃることはわかりますが、むしろ地域の実勢を大事にすることで地域医療構想はガイドラインの整備を進めてきたのです。例えば福岡のすばらしい医療提供体制は、ほかではまねできません。それを全国一律にやれと言ったって無理ですから、そういう意味では地域地域の実情に合わせて独特の医療提供体制でいいんだというのが地域医療構想なのです。

 恐縮ですが、少し議論を戻しますが、構想区域内で医療提供体制の主力が公立病院であるというところもたくさんあります。そういうところにはぜひ、その公立病院が頑張ってほしいのです。ただし、今までのようになぜ繰入金を莫大に入れなければやっていけないのか。繰入金をやっていってもさらにそれでも赤字なのかということは、ある意味、地域医療構想調整会議でその当該区域の調整会議は、何らかのアドバイスをするとか、支援をするとかいう民間医療機関も含めて主力になっている公立病院を支援することも1つの機能なので、そういうことも果たしていただきたいと思っています。

○尾形座長 職員研修から話が始まったので、次回にでもどのような研修をしているか簡単な資料を用意していただければと思います。

 ほかに、織田構成員。

○織田構成員 先ほど本多構成員がお話されたように、公立を優先的に議論するというよりも、基本的に今の調整会議の議論の第1は、民ができないところを公が担うということを基本に話をして、それだけの税金が投入されているということですから、ここをまず明らかにすることだろうと思います。

 そして、先ほど社会医療法人が非課税ではないかということなのですけれども、実際にイニシャルコストから何から全て自分らのものでやっている部分があるわけです。だから公と同じ土俵では全くないのです。ですからまずはそれだけ税金を投入されているわけですから、当然自分らのあるべきプランをはっきり出してほしいということが、今の流れの筋ではないかと思います。

○竹中参考人 公立病院としましては、先ほど中川構成員おっしゃいましたように調整会議の中で議論していく。前回も申しましたけれども、公立病院は各区域によって多種多様な機能を持っておりまして、単一な議論ではできません、また各地域の調整会議もいろいろバラエティーに富んでおりますので、その中でいかに役割を果たしていくかという議論もきちんとすべきだと思っています。

 そういう中で、民の中心的な役割を持っている病院も、先ほど本多構成員がおっしゃいましたように同じ情報を提供し合って、同じディスカッションをしようではないかという提案でございます。

○織田構成員 多分その1つが、地域医療支援病院を担っている民間病院は入ってくると思います。

○竹中参考人 そうでしょうね。

○中川構成員 それはプランをつくることになっていますよね。

○伊藤構成員 前回にかかわる話で恐縮なのですが、前回、私は欠席したのですが、資料の説明をいただいて、いわゆる公立病院への補助の現状というものが出ておりましたが、それを見ますといわゆる機能の転換、急性期から回復期、あるいは療養というものがあるのかどうかわかりませんが、そういう機能の転換をした際に、これはそれぞれの病床に対する補助というのは差があるのかどうか。つまり急性期医療を行っている補助といいますか、急性期医療を中心に行っている各病院に対する補助と、療養あるいは回復に機能を変更した場合に、その病院に対する補助に何らかの差があるのかどうかということを総務省さんにお尋ねを申し上げたいと思います。

○伊藤室長 病床の機能を転換したときに、補助金というか、我々総務省の中で言いますと普通交付税の話かと思いますが、それは機能別に普通交付税の額が変わるわけではございません。

○伊藤構成員 機能によって違うということでございますね。

○伊藤室長 機能によって違うということはありません。

○伊藤構成員 そのお答えを聞いて少し心配していますのは、非常に大きな金額が公立の各医療機関に補助されているわけですが、先般出された資料をもとにお話をさせていただきますと、1床当たり1日1万円の補助金が出ていると私は理解しているわけですが、御存じのように回復期と療養病床の診療日当点といいますか、入院単価が低うございます。それがもし完全に不足している地域であれば当然、今まで議論いただいたように地域に対して十分に機能を発揮していただくための補助金は重要だと思っておりますが、民間あるいは補助金を受けていない医療機関が当該地域で十分な機能をカバーしている場合、それに関してこの補助金の額というのは大変に大きな病院の経営上の差異をもたらすので、言葉はとても難しいのですけれども、民間医療機関に対する民業圧迫ということも十分に勘案した上で、地域の整備状況によりますが、それぞれの機能に応じた補助金に差をつけていただきたいという要望でございます。

○佐々木地域医療計画課長 前回の9回の中川構成員御提供資料のことだと思うのですが、恐らく御指摘は総務省さんがお答えになった交付税のところではなく、各自治体が行っている繰入金の話かなと思います。それは幾ら繰り入れるかというのは、まさに自治体が自分の持っている財源の中でどう振り分けるかという話でございますので、これはあくまで1床当たりというのは試算した上でのあれですので、基準があるというわけではないと理解しておるところでございます。

○伊藤構成員 理解いたしました。そうであるとするならば、これもとても重要な議論の論点になりますので、こういうところも地域医療構想会議、協議会の中できちんと明示していただきながら議論をすべきかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○尾形座長 ほかいかがでしょう。

 それでは、私から一委員としての質問ですけれども、5ページのところで新たに加わった2つ目の○で「開設者を変更する医療機関(親から子への継承を含む)」と書いてあるのですが、これは個人立の病院等の場合のことを言っているという理解でいいですか。

○鶴田課長補佐 そのとおりです。開設者の変更ということになりますので、医療法上の開設者の変更は個人立で親から子の場合は開設者の変更になります。医療法人の中で親から子への変更は定款変更になりますので、医療法上の開設者の変更にはならないということになります。

○尾形座長 これは親から子と特定する必要があるのですか。つまり個人間の変更ということではないのですか。親から子という表現はいかにも奇異なので。

○鶴田課長補佐 そうですね。前回の御意見等を踏まえて書いていますけれども、そこは正確な正しい書きぶりを考えて対応させていただきたいと思います。

○尾形座長 検討してください。

 ほかよろしいでしょうか。ありがとうございました。いろいろ御意見を頂戴いたしましたけれども、特に大きくこの資料を変更するということではなかったように思います。また多少変更がある場合は、必要に応じて構成員の方々に御相談する場合もあるかと思いますけれども、基本的にきょうの段階で座長である私に文面はお任せいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○尾形座長 ありがとうございます。

 それでは、多少の修正を経た後、この議論の整理については親会であります医療計画の見直し等に関する検討会に報告をすることといたしたいと思います。

 そろそろ予定の時間が近づいてまいりましたが、最後に全体を通して何か御意見等があれば承りたいと思います。よろしいですか。

 それでは、本日の議論はこれまでとさせていただきたいと思います。最後に事務局から何かありますか。

○田丸課長補佐 次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。

○尾形座長 ありがとうございました。

 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきます。大変熱心な御議論どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室
直通電話:03-3595-2194

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