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2024年2月9日 第106回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和6年2月9日(金)13:00~15:00

 

○場所      主婦会館プラザエフ 9階スズラン


○議事

○医療政策企画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第106回「社会保障審議会医療部会」を開会いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席をいただきありがとうございます。
 本日も、前回に引き続きまして、オンラインと現地のハイブリッド開催としております。
 本日の委員の出欠状況についてですが、本日は、井伊委員、内堀委員、河本委員、木戸委員、松原委員、山崎親男委員、山崎學委員より、御欠席との連絡をいただいております。 
医療部会の総委員数は24名、定員数は8名となりまして、本日は、17名の皆様が御出席いただいております。定足数に達していることを御報告申し上げます。
 次に、資料の確認でございます。お手元のタブレットに資料番号1~4を格納しております。不備等ございましたら、事務局へお申し付けください。
 それでは、議事に入ります前に、浅沼医政局長より、一言御挨拶申し上げます。
○医政局長 医政局長の浅沼でございます。
 御多忙の中、委員の皆様におかれましては、御出席、誠にありがとうございます。
 さて、今年の元旦に石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震、いわゆる能登半島地震が起きました。亡くなられた方々に対しまして、心から御冥福を申し上げますとともに、被災された皆様方におきましては、お見舞いを申し上げたいと思います。特に、本日、オンラインにて御出席の神野委員におかれましては、御自身が被災されている中、恵寿総合病院にて、透析の開始なども含め、早期の医療回復に大変な御尽力をいただいているところでございます。私ども厚生労働省といたしましても、武見大臣をトップとして災害対策本部を立ち上げ、例えば神野委員の病院に透析用の水を支援させていただくなど、現地の状況確認や支援にあたっているところでございます。
 また、本日お集まりの委員の皆様におかれましても、各団体等のお立場で、DMATをはじめとした医療従事者の派遣など、発災当初から現地の医療機関の御支援などもいただいているところでございます。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げます。
 まだ被災地、大変な思いをしているところでございますので、引き続き被災地の御支援に御尽力あるいは御協力をいただきますようお願い申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。
 本日の議論もどうぞよろしくお願いいたします。
○医療政策企画官 それでは、カメラはここまでになりますので、プレスの方、カメラはここまでとさせていただきます。
(冒頭カメラ撮り終了)
○医療政策企画官 それでは、以降の進行は遠藤部会長にお願いいたします。
○遠藤部会長 皆様、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、欠席されます井伊委員の代理としまして森内参考人(日本看護協会常任理事)を、また内堀委員の代理としまして玉川参考人(福島県保健福祉部次長(健康衛生担当))のお二人の御出席をお認めしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(委員首肯)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、早速議事に移りたいと思います。
 まずは、「改正感染症法に基づく医療措置協定について」、報告事項でございます。これについて事務局から説明をお願いいたします。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 医療提供体制改革担当の参事官でございます。
 資料1を御用意ください。「改正感染症法に基づく医療措置協定について」、現在、都道府県と医療機関などで協定締結に向けた協議が行われているところだと思います。都道府県におかれましては、令和6年4月からの新しい予防計画・医療計画の策定に向けて検討を行っていただいており、協定の締結については、令和6年9月までに行うようお願いしているところです。令和6年9月までということになりますけれども、本日は、現在の状況について、途中の段階になりますが、御報告いたしたいと考えております。
 資料1、1ページおめくりいただいて、最初のほうは改正感染症法の概要をおつけしています。上のほうの四角の中になります。(1)の①で、都道府県と医療機関等の間で、病床、発熱外来等に関する協定を締結する仕組みを法定化したところです。
 2ページ、その協定の仕組みになります。都道府県が平時に医療機関と協議を行って、感染症対応に係る協定を締結する。それから、流行の初期については、流行の初期に対応する医療機関について、流行初期医療確保措置の対象となる協定を締結するという仕組みを設けてございます。
 3ページが、その流行初期医療確保措置の概要になります。流行初期の初動対応を含む特別な協定を締結した医療機関について、感染症医療の提供を行った月の診療報酬収入が、感染症流行前の診療報酬収入を下回った場合に、その差額を支払うという減収の補塡を行う仕組みを設けたところです。
 4ページ、こちらも改正感染症法で、医療機関等に対する財政支援の規定になります。真ん中の青い表の一番左、感染症指定医療機関等の設備整備の財政支援を行う規定というものがございました。こちらについて、その下のほうのオレンジ色の改正のところですが、協定締結医療機関等を追加してございます。
 あと、右側の点線で囲っているところですが、宿泊・自宅療養者の医療、あるいは協定締結医療機関等が実施する措置、流行初期医療確保措置に関する財政支援の規定を法律上、設けたところです。
 5ページ、医療措置協定の内容について、令和5年5月に厚生労働省のほうで通知を発出しています。上のほうの協定締結の目的については、新興感染症に対応する医療、それから新興感染症以外の通常医療の提供体制の確保、両立を図ることです。
 次の2つ目のポツですが、新型コロナウイルス感染症の対応を念頭に、まずは、その新型コロナ対応での最大規模の体制を目指すこととしています。
 他方で、どのような新興感染症が発生するかは分からないところがありますので、3つ目のポツですが、新興感染症の性状、その対応方法を含めた最新の知見の取得状況、感染症対策物資の取得状況などが事前の想定と異なる場合には、国がその判断を行って、機動的・柔軟に対応するということとしています。新設される国立健康危機管理研究機構の分析、あるいは先行して対応を行う感染症指定医療機関の情報などを踏まえて、内閣感染症危機管理統括庁あるいは専門家などと連携して対応していくこととしています。
 6ページ、同じく、昨年5月に医療措置協定の締結のガイドラインを、これも通知で発出しています。上のほうの四角の真ん中になります。協定締結作業については、令和5年度中から順次実施し、令和6年9月末までに完了することを目指すこととしています。
 7ページ、これも協定締結のガイドラインになりますが、公的医療機関・公立医療機関などについて、感染症法の規定に基づいて都道府県が通知を行って、その通知に基づく措置を感染症発生・まん延時に講じるというような医療提供義務の規定も設けられています。
 8ページ、医療措置協定の内容について、令和5年5月の通知の内容をまとめたものになります。
 ①病床確保については、真ん中ぐらいに全国での数値目標を記載しています。流行初期には約1.9万床、流行初期以降には約5.1万床、新型コロナ対応で確保した最大規模の体制を目指すということで、全国での数値目標を定めています。
 ②の発熱外来については、流行初期1500機関、流行初期以降、約4.2万機関などの全国の数値目標を定めています。
 9ページが、その数値目標の考え方の資料になります。
 10ページ、医療措置協定に係る事前の調査を行いました。令和5年12月15日時点の協定締結の見込みを都道府県のほうに調査を行っています。上のほうの○に書いてございます、47都道府県のうち44の自治体、山形県、東京都、兵庫県以外の自治体の結果を取りまとめたものになります。令和5年12月時点の途中段階のものであること。それから、東京都などの見込みが含まれていないものであることに留意が必要という調査結果になります。
 ①の病床確保については、協定締結見込みが3万3723床、全国の目標値にはまだ達していないという状況です。
 ②の発熱外来協定締結見込みが2万5959機関、こちらも全国の目標値にはまだ達していないという状況です。
 ③の自宅療養者等への医療提供、病院・診療所が1万6349機関、薬局が2万4716機関、訪問看護が4560機関で、訪問看護については目標値を上回っている状況になります。
 ④の後方支援、4371機関、全国の目標値を上回っている状況です。
 ⑤の医療人材派遣、こちらは医師・看護師、ともに全国目標値を上回っている状況となっています。
 11ページ、医療措置協定の締結促進に向けたこれまでの取組と今後の対応を整理したものになります。
 まず、これまでの取組、1つ目の○が都道府県との関係になります。昨年の秋から、厚生労働省と各都道府県の担当者会議を開催しています。その中で、新型コロナ対応での最大規模の体制が確保されるように、協定締結の協議を進めていただくことを依頼するとともに、事前の調査を実施しています。2月の全国会議でも同様の依頼をしています。
 2つ目の○が医療関係団体との関係になります。昨年11月にポストコロナ医療体制充実宣言で、厚生労働省と医療関係団体が次の感染症拡大への備えを集中的に進めることを共同で宣言しています。また、都道府県医師会に対する説明会、四病院団体協議会・総合部会等で協力のお願いをしています。
 3つ目の○が財政支援になります。令和5年度補正予算において、協定締結医療機関の施設・設備整備への補助事業、個室病床の整備とか個室化するためのパーティーション設置、ゾーニングのための病棟の改修などの補助事業、医療従事者などの研修への補助事業などを計上しています。
 4つ目が診療報酬の関係になります。令和6年度診療報酬改定に向けて、現在、中医協で検討されているところです。
 今後の対応につきましては、事前の調査で、先ほど申したとおり、まだ全国目標値に達していないという状況ですので、事前調査によって状況の把握を引き続き行うとともに、都道府県・医療関係団体に対して協定締結に向けた協力を要請、お願いしていきたいというふうに考えています。本年9月末までの協定の締結の促進に向けて、引き続き取り組んでまいります。
 私のほうからの報告、まずは以上になります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの内容につきまして御意見、御質問等あればいただきたいと思います。いかがでございましょう。では、フロアから行きたいと思いますので、お手をお挙げになって。
 泉委員、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。日本病院会の泉でございます。
 こういう新興感染症に対する対策を決めておくというのは、重要なことだと思っております。8ページに①から⑤として、行政側のそれぞれ対応する項目が書かれていて、恐らく行政側の対応する部署が違うのだろうと思うのですが、私ども、今回、コロナで経験したことから申し上げると、病床を確保する、①の特に重症とか中等症を受ける医療機関と、⑤のDMATなんかを人材派遣する医療機関が重複しないことが必要だと思います。
 特に、重症を受けているときには、ECMOとか人工呼吸器とか、非常に人手が不足するぐらいの中でDMATに派遣要請されて非常に困ったということがございますので、恐らく行政側から①と⑤は違う部署から依頼されるのだと思うのですが、人手が不足する中で派遣要請されてもなかなか応じることはできないので、ここは分けるような対策を行っていただきたい。実際、コロナで苦労した医療機関からの聞き取りも少し行っていただくことを今後進めていただきたいと思っています。特に、医療資源が乏しい地域はちょっと厳しいかなと思います。
 それから、もう一つは、コロナウイルスの初期対応をしたときに、手術なんかの機能を止めて大幅な減収になったということで、最初の頃は職員のボーナスが払えるかどうか、非常に心配したという経験がございます。そこで、今回、財政支援のことが書かれているのですが、実際、今、起こっていることが財政支援とか補助の対象になるかどうかということがなかなか分からないと、非常に不安になってしまうと思いますので、そういう財政支援の対象かどうかということは早く決めてほしいことと、情報をいただきたいと思います。
 それから、新興感染症に対して、こういったことがいつ起こるか分からないので、訓練するということも必要だと思いますので、訓練に対する支援ということもお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。現場のお立場からの御意見、頂戴いたしました。ありがとうございました。
 それでは、ほかに。
 山口委員、加納委員の順番でお願いします。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。
 今の資料の11ページの医療措置協定の締結促進に向けたこれまでの取組と今後の対応というところの3つ目の○の2行目ですけれども、個室病床の整備について書いてございます。これは昨年の3月20日に取りまとめが行われた第8次医療計画のときに、5疾病5事業から、感染症を加えて5疾病6事業になるので、この病床関係ということが話し合われた中で、疑い患者の対応について話題になりました。この疑い患者に対して、例えばトイレやシャワーなどといったものを整備した個室にすることということが具体的に書かれてあって、実は私たち、差額ベッド料のことについて、これまで長くルールを明確化するような活動を取り組んできました。
 ですので、このコロナ禍で疑い患者ということで予防的に個室に入ってもらう。そのために差額ベッド料を2週間近く請求されたという御相談が結構相次いで届きました。感染症の患者さんに対して、どういうルールを適用するかというルールはあるのですけれども、疑い患者ということに対しては、今までルールがないので、どのようになるのでしょうかという質問をいたしましたところ、これから、そのルールについては明確化に努めていくというようなお答えをいただいておりました。これはまだルールが明確化していないと思うのですけれども、今、どのような現状なのかということと、いつ頃までにこれが明確化するのかということ、もし現状、お分かりであれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 これは保険局マターかもしれませんけれども、疑い患者の選定療養の話であります。よろしくお願いします。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 今、山口委員から御指摘いただいた点ですが、令和5年3月の第8次医療計画の検討会の取りまとめ文書にも、差額ベッド代の徴収の取扱いについて明確化を検討するということを記載してございます。そちらの検討が求められることについて、事務局のほうから保険局のほうにも伝えております。具体的には、保険局のほうで昨年12月6日の中医協に、このような疑い患者に関する差額ベッド代の取扱いの明確化が求められているということを、資料を提出して検討いただいているところです。いつまでに結果を出すかというところはいただいていないのですけれども、そのような検討が保険局、中医協のほうで今、行われているという状況でございます。
○遠藤部会長 いかがでしょうか。
○山口委員 新興感染症の場合は、患者の保険負担の分は公費負担になるわけですけれども、差額ベッド料は1日2万円、3万円という費用負担になり、特に東京などは高く設定されていますので、10日も入ると20万円、30万円という、かなり経済的な負担を強いられることになると思いますので、その辺りも鑑みて検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 お待たせしました。加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 今回、新型コロナで、当初、民間病院がなかなか挑めなかった、コロナの受入れができなかった。これは、今回の新型コロナのような新興感染症に対するパンデミック等の経験がなかったということで、当初はマスクもなければ、アルコール消毒薬もない、防護服もないという中で、もしコロナを受けておれば、恐らく欧米みたいに感染爆発を起こして、第1波でとんでもない感染の拡大を起こしたかなと思います。それが逆に幸いしてというか、多くの民間病院が受け入れなかった。その代わり、ここにも書いてあります、通常の医療をしっかりやった。特に、救急搬送でコロナ以外の患者さんを受け入れたというのは非常に大きかったかなと思っております。
 それで、今回、新たに感染症法に基づいて対応が考えられているわけですが、例えば11ページ等にあります。実は、私の病院は受け入れました。受けいれた理由は、2009年の新型インフルのときに補助金を頂いてHEPAフィルター付の陰圧装置を6台ほど、人工呼吸器等も購入しておりました。そういう備蓄があったからこそ受け入れが出来たということがあります。そういう意味で、今回の施設・設備等への補助事業というのは、私、非常に大事ではないかなと思っております。
 そういう中で、現在どのようなことが起こっているかと言いますと、多くの病院がHEPAフィルターの陰圧装置を購入し、コロナ対応してきたわけでありますが、今回はイニシャルコストに関しましては、13ページ等にもしっかりといろいろ書いてあり、PCR装置もです。ただ、イニシャルコストに関しては、ある程度我々が今回の経験でたくさんの設備を購入し、また補助金で頂いたということもありますが、これがメンテナンスの時期に、もう3年たって、入ってきております。そうしますとつまり、メンテナンスに非常に大きなお金を要するようになってきているわけです。例えば、HEPAフィルター付きの陰圧装置でありますと、HEPAフィルターを替えるのに数十万か100万円近いお金が1台ずつかかるといったことが起こってきております。
 それらを含めて、この施設・整備等の補助事業に関しましては、今後、イニシャルコストはもとより、メンテナンス費に関しましても、ぜひとも考えていただきたいかなと思います。公立病院・公的病院には、政策医療として一般会計繰入金等で年度ごとにしっかりとお金が入るようになっていますが、民間病院には一切そういうものがありませんので、一旦入った設備に対しても、それが維持できて、次の新興感染症が起こったときに対応できるような状況に、ちゃんと維持できるような構えになれるように、その点での補助もぜひとも考慮していただきたいかなと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。施設補助の問題点の御指摘でありました。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 感染症の発生時の対応に向けて、平時からの備えが重要です。財政支援について、資料1の4ページや13ページに記載がありますが、施設や設備の整備・維持については、医療機関の負担とならないよう、財政支援をしっかり行っていただきたいと考えております。
 また、10ページに医療措置協定に関する事前調査が記載されておりますが、医療機関の区分や地域によって差があるのではないかと思っております。今後、こういった数字の内訳について、開設者別といった区分ごと、都道府県別といった地域ごとの数字についても御提示いただければと思っております。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。見せ方についての御提案でしたので、御検討いただければと思います。よろしゅうございますか。
 それでは、オンラインに移りたいと思います。お待たせいたしました。それでは、島崎委員、お願いいたします。
○島崎委員 島崎です。
 今、佐保委員がおっしゃったことと私も同じ意見です。10ページの医療措置協定に係る事前調査について、これは全国の目標値と協定締結の見込みが、特に病床確保と発熱外来のところでかなり乖離がある。大どころの東京都が加わると、もう少し数字が違ってくるかもしれませんけれども、それでもまだかなり乖離があるという状況だろうと思います。
 それから佐保委員もおっしゃったように、これは開設者別でかなり違いがあるのか、あるいは公立病院の多寡により都道府県別に違いが生じるのかといったことは、具体的に見せていただかないと議論ができないと思います。それはぜひ情報の提示をお願いしたいのですけれども、今日は定性的でも結構なので、例えばある県ではほぼ充足しているけれども、ある県では半分以下とか、そういうことが現状としてあるのでしょうか。つまり、ばらつきがどうなっているのかということについてお尋ねしたいと思います。
 それから、併せて言うと、達成できていないのはなぜなのか。何がヘジテートさせているのかということについて教えていただきたい。多分、お金の面のことなどいろいろあると思います。そして、その分析を踏まえた上で、11ページの今後の対応というのが書かれているのかもしれませんけれども、そもそも一番ヘジテートさせている、躊躇させている理由が何なのかということの分析がどの程度行われているのかという2点についてお伺いしたいと思います。 それから、併せて言うと、達成できていないということの、何がヘジテートさせているのかということについて、お金の面とかいろいろあると思うのですけれども、それについての分析を踏まえた上で、11ページの今後の対応というのが書かれているのかもしれませんけれども、そもそも一番ヘジテートさせている、ちゅうちょさせている理由が何なのかということの分析がどの程度行き届いているかという、その2点について、要望も含めてお伺いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 現時点で今のような内容について、どれだけ踏み込んでおられるのかということですけれども、何かございますか。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 今回の事前調査については、都道府県のほうに調査をお願いして回答を集めたものです。その際、都道府県のほうからは、協議の途中段階に係るものなので、都道府県別の数字については公表が難しいということで、今回の調査を行ったところです。ですので、今回、都道府県別のような集計をお示しするのはちょっと難しかったという状況です。県別にばらつきがどの程度あるかですけれども、様々でございます。協定締結のコロナ対応の最大規模のところを達成している県もあれば、まだそこまで協議が進んでいないようなところもあるという状況でございます。
 あと、どういう点が協定締結で課題となっているかという御指摘です。これは医療関係の方々、それから都道府県といろいろなお話しをした中で把握しているものになりますが、まず1つとしては、新興感染症が発生する、どのような感染症が発生するか分からない中で、協定締結になかなか進捗になるところがあるということをお聞きしています。今回の協定については、新型コロナ対応を念頭に置いて協議を行ってくださいということとしています。コロナとはまた異なる特性の感染症が発生したときには、国において判断して、柔軟な機動的な対応を行うという説明をすることによって理解を得たいと考えています。
 あと、ほかの課題としては、財政支援の内容、診療報酬の内容が明らかでない中で、それを明らかにしてほしいということをよく指摘を受けます。こちらについては、平時においては、協定締結医療機関の施設整備・設備整備への補助事業、研修事業の補助事業。それから、診療報酬の内容については、今回の令和6年度改定においてもう少し明らかになるところだと考えています。
 あと、感染症が発生した有事の財政支援については、感染症の特性、感染状況を踏まえて、その有事が起きた際に国において検討して、その財政支援の内容を決めるということになりますので、現時点でこのような財政支援ですと言うのは難しいという状況でございます。
 もう一つ、課題として、医療従事者が感染症に感染した場合の保障の規定がないという指摘をいただきます。こちらについては、有事の財政支援、先ほど感染症が発生したときに検討ということを申しましたが、例えば新型コロナの対応では、労災保険の上乗せの給付を行う保険に加入するための補助事業というものも行いました。そのようなコロナの対応も踏まえて、感染症が発生した際に具体的な財政支援の内容を検討させていただきたいということを説明しているところです。
 引き続き、協定締結に協力いただけるよう説明して理解いただけるようにしたいと考えています。
○遠藤部会長 ありがとうございます。それでは、佐保委員、島崎委員がおっしゃったような内容で、今後、また分析を進めて提示していただければと思いますので、よろしくお願いします。
 では、お待たせしました。神野委員、どうぞ。
○神野委員 神野でございます。
 まず、この席を借りて本当に感謝したいと思います。私、石川県七尾市に住んでおります。能登半島地震におきましては、厚生労働省をはじめ、政府関係機関、それから全国の病院の仲間、水道局等を出していただいたいろいろな自治体に本当に感謝しております。ありがとうございます。
 コロナの話ですけれども、全国的には今、非常に少ないのかなと思うのですけれども、実は私どもの稼働病床350のうちの1割がコロナを持った患者さんということであります。もちろん、これはコロナだから入院したというのではなくて、骨折で入院したらコロナだったとか、心不全で入院したらコロナだったとか、避難所で疲れていらっしゃる方々がコロナだということがあるのかなと思います。恐らく、石川県七尾市の大半の市街地、人口密集地は水道が通っておりません。そういった意味では、手洗いとかうがいといったことがなかなかできない。そして密になっているということで、今、コロナがまん延しているという状況かなと思います。
 そういった意味では、常に備えておくということは非常に重要だなということを、今、また思っているところでありますし、今回の法律がいろいろなところで有効に活用できることを祈っております。
 さて、私、質問しようと思ったことは、島崎委員、佐保委員の、まさに目標値との乖離ということであります。ただ、これは私たち、批判するのではなくて、医療関連団体にも責任があるわけです。きちんと仲間の病院に説明しなければいけないわけでありますので、そういった意味では、まさに今ほどヘジテートする理由をお話いただきましたけれども、仲間の病院が安心できるような施策というのをより明快に明示してほしいなと思いますし、ヘジテートする理由をきちんと理解した上で、こういった施策を出していただきたいなと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、野村委員、お待たせいたしました。
○野村委員 野村と申します。よろしくお願いします。
 新たな感染症に備えてということで、新型コロナでの対応のことが網羅されているものと考えております。細かな部分や数値でどうということではございませんが、今後、感染症の種類によっては変わってくる部分も多くて、柔軟な対応や迅速な対応が求められるものと思われます。新型コロナのときもありましたが、私たち国民には、情報がどうしても正しく届きにくかったり、届くまでに時間もかかったりということもありました。地域によっては、設定されている発熱外来にもなかなかかかれなかったり、断られたり、どうしたらいいのかということも、そういう事態になる時期もありました。
 今後、制度として、もちろん充足していくかと思いますが、次の何かのときに備えて、私たち国民がこうした事態に正しく行動ができて、安全に医療が受けられるように、引き続き細やかな検討を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上委員、よろしくお願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
 もう既にほかの委員から御指摘があった10ページの話でございます。様々な補助事業とか診療報酬の改定で対応しているわけですけれども、まだ乖離があるということですので、ぜひここはしっかり原因を分析して、目標値に到達するように、途中でも構いませんけれども、何か致命的なことがあれば、この場でまた議論して進めるようにお願いしたいというのと。
 もう一つ、東京都がどのようになっているのかというのが非常に気になるところでございまして、もし何か感触でもあればお知らせいただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。東京都の動向について何か。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 東京都の状況でございますが、今回の協定締結の見込みの状況は回答いただけていないのですが、予防計画でどのような目標で東京都が取り組むかということについては、病床確保については6000床を確保することに向けて取り組むということ、あるいは発熱外来は4900機関に向けて取り組むというようなことをいただいております。
○遠藤部会長 井上委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
○井上委員 もし、また何か新しい情報があれば、随時教えていただきたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 発言の機会をくださり、ありがとうございます。
 協定締結医療機関等への施設・設備の補助事業につきまして、資料にありましたとおり、令和5年度補正予算で措置をいただきました。この点につきまして感謝申し上げます。その上で、御意見にもありましたが、医療機関においては、次の感染症危機に対応できる体制を構築し、そして維持していくことが必要になろうかと思います。そのため、財政措置については、今回、補正ということでついておりますが、医療機関の拡充や設備の更新時など、持続的に体制の確保が可能となる制度の設計をお願いいたします。
 併せまして、今の議論の中で、感染初期の対応について不安があるという話がございましたが、4ページ目に初期対応の制度があったかと思うのですけれども、可能であれば、簡単にそこの説明だけいただければありがたいです。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、簡潔にお願いいたします。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 感染初期の対応、恐らく流行初期医療確保措置の内容かと思います。資料の3ページになります。こちらについては、流行初期に対応する医療機関について、収入が減収するという場合に、公費2分の1、保険財源2分の1で、その補塡を行うというような仕組みが設けられてございます。ですので、流行初期に対応する医療機関、経営上のリスクもあるということを踏まえて、このような制度が整備されたということです。
 以上です。
○遠藤部会長 玉川参考人、いかがでしょうか。
○玉川参考人 ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、フロアに戻りまして、楠岡委員、お願いいたします。
○楠岡委員 楠岡です。
 コロナの途中において、今後コロナが収まった後、どういう体制をつくるかということでいろいろ議論があった中で、私のほうからは、ハードウエアだけではなくて、人に関する手当ても必要であると申し上げました。かといって、医療機関において過剰に人を抱えることはできないので、その辺りをどういうふうにするかということを考えていただきたいと申し上げていたわけですけれども、今回、派遣に関しては体制が整ったという状況でありますが、各病院、例えば、確保病床があったとしても、コロナの初期のように非常に重症化する人が多いとなると、20床、30床あっても、看護師さんの数からすると10床、15床しか動かせないという状況が出てまいります。
 かといって、それを見越して多めに人を雇うことは非常に困難でありますので、それに備えるとすると、研修とか実習とかをしっかりやっていただいて、いざというときに最大限動いていただけるような体制をつくることが必要かと思います。それに関しての支援を考えていただきたいというのが私の趣旨であります。
 例えば、研修・実習となりますと、eラーニング等でできることもありますけれども、実習、集まってやらなければいけないような場合、出張の問題とか、あるいは看護師さんが研修に出ますと、今の7対1とかでカウントされないという状況など、診療報酬上の制約等もありますので、そういうところに関して配慮いただきたい。あるいは研修等に対するいろいろな資材の提供とか、そういう人を維持するため、派遣人材ではなく、協定を結んだ機関における人材が十分動けるような体制を確保するための支援というのをぜひお考えいただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 御提案でありますけれども、事務局、何かコメントありますか。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) 令和5年度の補正予算の事業の中には、施設整備の事業だけではなくて、研修の事業も入れてございます。都道府県が実施する、あるいは都道府県がどこかの団体に委託して実施する研修事業に対する補助ということで計上していますので、また具体的な内容については、都道府県などとも相談したいと思います。
 以上です。
○楠岡委員 ありがとうございます。
 研修を実施するとしても、そこへ人を出すことに関する手当てがないと、なかなか出しにくいという現状がありますので、そちらも御配慮をお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、またオンラインに戻りまして、角田委員、お願いいたします。
○角田委員 遠藤部会長、ありがとうございます。日本医師会の角田でございます。
 私からも10ページについて、既に島崎委員、神野委員からの御指摘に関して高宮参事官がお答えになっていますので、改めて繰り返しになりますが、確保病床数と発熱外来が目標値とかなり乖離があるということで、これは懸念するところでございます。
 現場の医療機関の先生方と話をしますと、先ほど御指摘があったように、医療従事者がコロナに感染したときのいろいろな補償の制度が少なくて、以前の労災プラス上乗せよりは強化するということではありますが、そういったことに不安を持っていたりとか、物的支援とか財政支援の規定をより明確にしてほしい。すなわち、そういった医療機関が継続できるような支援があるのかということをおっしゃっています。ですから、ぜひより丁寧に各医療機関に協定の真意が伝わるように説明していただければと思います。
 また一方で、発熱外来のうちの流行初期から協定する医療機関が目標値よりかなり多い。これはすごく頼もしいことではございますが、こういう医療機関がしっかりと感染流行中、継続できるような支援を明確にしていただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、松田委員、お願いいたします。
○松田委員 松田でございます。
 今までいろいろな委員の先生方が言われたことと重複しますので、幾つか省きますけれども、まず、人の支援のところですけれども、基本的に今回の震災のように、その地域が非常に壊滅的な状態になったときには、他地域からの人の支援というのが必要だと思います。一方で、感染症のように、それぞれの地域で、日本全国でパンデミックが起こってしまうような場合に、他地域に依存、頼ったやり方というのは無理があるだろうと思います。平時からその地域で中核となる病院、それから、それと連携している診療所の先生方あるいは介護の方たちとで、緊急時に備えた危機管理のトレーニングをしておくことが重要なのではないかなと思います。
 特に、コロナでも明らかになりましたし、今回、被災地でも高齢者施設で問題になっていますけれども、リハビリテーションとか栄養関係のスタッフの派遣も非常に重要になるわけであります。そういう支援が今、どちらかというと各団体がばらばらにやってしまっているという印象があります。そういう意味で、ヘッドクオーター機能をきちんと維持するためにも、中核施設において、それぞれの地域での関係職が健康・危機管理に関する研修を行っていく体制をつくっていくことが必要ではないかなと思います。
 それから、第2点ですけれども、そういう支援をやるにしても、何が必要なのかということが情報としてないと、なかなか厳しいということがあります。今、能登ではJ-SPEEDがかなり使われていると聞いていますけれども、J-SPEEDは即時性があるので、どこでどういうものが必要になっているかということがよく分かるのですね。コロナのところで、HER-SYSとかG-MISとか、いろいろな情報システムの網羅性や迅速性というのが課題になり、その改善の必要性が議論されました。最近、その議論が少し止まっているように思いますので、今回の能登の経験も踏まえて、関係者間で情報を共有して、迅速に適切なサービスが提供できるような情報システムの在り方を、ぜひもう一度議論していただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。重要な御指摘をいただいたと思います。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、加納委員、お願いいたします。
○加納委員 もう一度確認ですけれども、10ページの問題です。これは例えば、大阪で認識していた状況では、もう確保できているという話を私は聞いていたわけですけれども、大阪の数字はそういう形で出ているわけでしょうか。特に病床確保に関してですが。
○遠藤部会長 では、事務局。
○大臣官房参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当) すみません。個別の都道府県の数字については、今回は申し上げるのは差し控えさせていただきます。各都道府県によって、状況は様々でございます。
○加納委員 ありがとうございます。
 本来、流行初期の確保病床のカウントに関しましては、7ページ等にあります公的医療機関は義務という形で対応するということを今回示されたということもありますし、当初の予定では、これでこの数が十分確保できるという認識で、たしかこれはスタートしたのではないかなと思います。そういう意味では、この公的医療機関等の動きが悪いのかどうかということは確認されておられるわけでしょうか。個々の都道府県のことが分からないでしょうから、今後のことだと思うのですが、そのようなことがもしあったら、これはこれで、本来はこのカウントでいける計算で、たしかスタートしたということで、私、認識しておりましたので、そこの点もまた御審議いただけたらと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、本件につきましては、以上とさせていただきます。
 それでは、2番目の議題「遠隔医療の更なる活用について」、これも報告事項でございますけれども、事務局から説明をお願いします。
○総務課長 ありがとうございます。医政局総務課長でございます。
 資料2-1、2-2について御説明させていただきたいと思います。こちらにつきましては、昨年11月末の医療部会におきまして、規制改革会議で議論しておりましたオンライン診療についての緩和策について、一度御議論いただいたものでございます。論点としては2つございまして、資料2-1は、オンライン診療をする際に、診療所と別の場所に患者さんがいらっしゃいますが、その場所を医師が常駐しない形の診療所という開設をする場合の特例をどうするかという問題。また、資料2-2につきましては、学校やデイサービスなど、居宅と認められるような場所があるのかどうかといった論点、2つでございました。
 前回、11月末の議論の際に様々御意見いただいてございますけれども、例えば、急変時の対応など、こういった安全対策がしっかりできるのかどうかといった論点。また、こういった特例を認める必要性が果たして本当にあるのかどうかといった論点。また、都道府県が実際にはこういったルールを運用していただきますけれども、その際に都道府県の皆様からは、できるだけ柔軟性の高い仕組みにしてもらいたいといった御意見もいただいたところでございます。こういった御意見も踏まえまして、事務局のほうで整理をし、1月16日に通知あるいは事務連絡という形でお示ししたものでございます。
 まず、資料2-1でございますが、「特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」ということであります。
 最初の1ページの柱書きに書いておりますように、従来から、へき地などについては、こういった特例を認めていたわけですけれども、規制改革の議論の中で、都市部を含めて、公民館などにオンライン診療のための医師が常駐しない診療所の開設を認めてはどうかと、そんな御議論をいただいておりました。
 結論ですが、2ページになります。まず、オンライン診療のための医師非常駐の診療所について、必要性があると、これは都道府県が認めた場合については、特例的に開設を認めてはどうかということであります。
 なお、この場合も、管理者としての責任を確実に果たしてもらう必要があるということを、この通知の中にも記載しております。
 また、前回の医療部会での議論の中で、必要性についての御意見あるいは安全性についての御意見などもいただいておりましたので、3つ目のパラグラフのところになりますけれども、都道府県知事は、特例的にオンライン診療のための医師非常駐の診療所を開設する必要性の確認にあたって、例えば、自宅でのオンライン診療の受診又は患者が必要とする医療機関の適時の利用が困難であり、オンライン診療の受診を希望する住民が存在する場合など、住民の受診機会が不十分であると考えられる理由の提出を、この診療所を開設しようとする開設者から求めるということを記載してございます。
 また、オンライン診療の指針、ガイドラインもお出ししていますけれども、こういったガイドラインの遵守可能な体制が整っているのかということも、実地調査あるいはチェックシートに基づきまして確認していただく。そして、急変時の対応について、事前に合意した対面で対応可能な医療機関名の提出を求めるといった安全対策も講じる形で認めていただくということをお示ししてございます。
 また、下から4行目になりますけれども、地域医療に与える影響やその可能性などにつきまして、地域医師会等と連携して把握する。
 また、概ね1年毎に、実施状況について報告を求めたり、あるいはその次のページになりますが、状況を地域医師会などと連携して把握するといったことも記載してございます。
 こういったルールに基づきまして、各都道府県において、柔軟に、かつ安全にこの開設を認めていただくということを想定した通知でございます。
 2番のところにつきましては、同様の形ではありますけれども、巡回診療といった形で少し頻度を落として運用する場合に、同様のことを記載したものでございます。
 これが資料2-1の説明になります。
 続きまして、資料2-2でございますが、こちらはこういったオンライン診療を実施するに当たってのQ&Aを通知の形で出しているものでありますが、この中に1問、Q&Aを追加してございます。4ページのQ17になりますけれども、患者の所在として、これまでも職場などが該当し得るということをお示ししておりますけれども、それに加えて、通所介護事業所や学校なども当てはまるかどうかといった質問を立ててございます。これにつきまして、最初の2行、その次のページについては、基本的な考え方の部分でありますが、5ページの4行目から、お尋ねの学校や通所介護事業所などについても、個々の患者の日常生活等の事情によって異なりますが、居宅と同様、療養生活を営む場所として、患者が長時間にわたり滞在する場合には、個々の患者の所在として認められますといったことをお示ししてございます。
 他方で、その次のパラグラフになりますが、「その際」ということで、この場合における医療の提供は、居宅と同様、医師と患者の一対一関係の中で提供されるものということを入念的に記載しております。したがいまして、利用者が誤解しないように、通所介護事業所などが自ら医療提供を行うものではないということをしっかり説明いただく。また、診療所に課されるような医療法の各種規制は、このデイサービス事業所には当てはまらない、対象とならないということも利用者に説明いただくということをお願いしているところであります。その上で、事業所において利用者などに対する周知を行ったり、あるいは職員が機器操作のサポートを行うといったことは可能であるということもお示ししてございます。
 逆に、※印のところになりますけれども、通所介護事業所等が自ら医療提供を行う場合とか、オンライン診療の際に、診療の補助行為あるいは医療機器の使用といったものが予定される場合には、診療所の開設が必要となりますということも留意として書いてございます。
 そのほか、もう一つの※印ですけれども、これは報酬の関係でありますが、介護保険外のサービスということに基本的にはなりますので、利用者のオンライン診療のサポートをするといった形で職員がお手伝いして、何らか利用料をもらうといった場合には、利用者からの同意を得て、介護保険サービスと明確に区分した上で保険外サービスとして提供してくださいということも記載しております。
 また、最後に、事後的な検証の観点から、実施状況の調査といったものも行う予定であるということも記載したQ&Aを発出したところでございます。
 前回の御議論を踏まえまして、安全に、かつ柔軟にこういった対応ができるように、この通知を基に都道府県の皆様とも連絡を取りながら適正に進めていきたいと考えているところでございます。
 説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見、御質問いただきたいと思います。またフロアからということで、山口委員、どうぞ。
○山口委員 山口でございます。
 この議題が前回出てきたときに、一体どんなニーズがあるのか非常に不明だったものですから、私は、前回欠席したので意見書を提出させていただいたのですけれども、通知の2ページで、オンライン診療の受診を希望する住民が、どのような場合に受診機会が不十分であると考えられるか、理由の提出を求めるということをしていただいたことで、どんな場合なのかということが明確になるなということで、ちょっと安心いたしました。
 Q&Aを出してくださったことで、内容が非常に明快になって、具体的にどのような場合なのか、どうすればいいのかということが分かりやすくなってよかったなと思っております。
 こうやって行われたオンライン診療の実施件数についての報告を求めるということですので、1年たったところでも結構ですので、この医療部会の場で、具体的にどうなったかをぜひ現状を報告していただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 それでは、佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。
 オンライン診療が適切に行われることで、医療の確保が困難な地域などで有効であり、そういうところにお住まいの患者さんにとっても有益なことと考えておりますが、昨年、2023年11月、この医療部会ではなくて中医協の場で、オンラインによる診察件数の97.5%以上で、医療機関の所在地都道府県と患者の所在地都道府県が異なるといったことや、向精神薬が初診から処方されているといった問題について議論となっております。オンライン診療の活用に当たっては、患者の安全の担保が大前提ですので、不適切なケースが出ないよう、実態把握を含め、御対応をお願いいたします。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局にお尋ねしますが、オンライン診療のパフォーマンスといいますか、課題についての対応というのは、保険局でやるのですか、ここでやるのですか。
○総務課長 当然、診療報酬の請求という意味での不適切な事案については、保険局でしていただくことになると思いますが、オンライン診療の内容、あるいはオンライン診療のガイドラインに沿っているかどうかという意味では、一義的には医政局で担当しているということでありますが、いずれにしても両局で連携しないといけないと思ってございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。したがって、両局でしかるべき対応をするということですので、よろしくお願いします。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、オンラインに移りましょうか。藤田委員、お待たせしました。
○藤田委員 ありがとうございます。
 このオンライン診療につきまして、歯科の立場からコメントさせていただきます。現在、「ICTを活用した歯科診療等に関する検討会」におきまして議論の取りまとめがなされております。歯科におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針の取りまとめが最終段階であると聞いております。また、次回の診療報酬改定においても、ICTの活用についても、既に個別改定項目として示されております。医療資源の少ない地域などを含めて、ICTを活用することが有用なケースなどもあると想定されます。指針等の確定など、体制の進捗に関しましては、この医療部会に報告されるか分からないところでございますけれども、できましたらお示しいただきたく、要望いたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御要望として承りました。
 それでは、神野委員、よろしくお願いいたします。
○神野委員 いろいろなことが明確になったということで、非常に進んだのかなと私も思います。特に、急変時の対応については、対面で行う医療機関を明記するということも書いてあったように思っております。この辺のところも遵守していただきたい。それから、それに対しても、そうじゃないところに対する罰則といったものもきちんとしなければいけないのかなと思います。
 さて、資料2-2の5ページのほうであります。※印が2つあって、下のほうですけれども、介護保険サービスと明確に区分するという話があるので、例えば、デイサービスをやっているときにオンライン診療を30分やりました。とすると、デイサービスの介護保険のほうは30分引きで請求しなさいということになるのかなと。だから、両方から請求してはいけないということを意味しているのかなと感じてしまったのですけれども、それでいいのかどうかという話と。
 それから、ただ、そうは言うものの、デイサービスセンターのほうは、機器の用意をしたり、横で医療行為はしないにしても、いろいろお世話しなければいけないのに、自分たちの頂ける介護報酬は減ってしまうという非常に踏んだり蹴ったりといいますか、介護施設にとってみるとなかなか大変なことなのかなというふうにも思うところですけれども、その辺の区分というものをちょっと明らかにしていただければと思います。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○総務課長 医政局総務課長でございます。
 介護報酬の話なので、専門的なところは私のほうからはなかなかお答えしづらいところがございますけれども、このQ&Aの※印のところに書いておりますのは、まさに先生御指摘のように、介護保険サービスと明確に区分して、例えばデイサービスの職員の方がサポートする。そこにそれなりの労力をかけるということであれば、介護保険外サービスということで別途御負担いただくとか、そういったことが必要になりますということをお示ししたものでございます。具体的などの程度のものをどう明確に区分するかというのは、また報酬の中での御議論になってくるのかなと思ってございます。
○遠藤部会長 神野委員、いかがでしょうか。
○神野委員 すみません、確認します。そうすると、介護保険で請求するところは、例えば30分のオンライン診療でしたらマイナス30だけれども、別途、自費サービスとして負担いただくことは可能だというお話ですね。確認です。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょう。
○総務課長 事務局でございます。
 すみません、繰り返しになりますが、報酬の具体的な請求方法についてまで、この場で私のほうから答え切るのはなかなか難しいところでありますけれども、あくまでもここは介護の保険外サービスとして取り扱ってくださいということを申し上げているところでございます。
○遠藤部会長 神野委員、よろしいですか。
○神野委員 保険外サービスとして請求するということになるのですね。分かりました。ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、玉川参考人、お待たせいたしました。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 今回の通知によりまして、オンライン診療のための医師が常駐しない診療所を開設可能としている特例範囲が拡大されまして、地域の実情に応じた柔軟な取扱いをお示しいただいたところです。都道府県においては、今般示されました詳細なチェックリストを活用しまして、実施体制の確認等を今後行ってまいります。
 一方、地域医療に与える影響等の把握ということが記載されておりますが、その点については、現時点で具体的に内容が記載されておりませんので、今後、地域によって取扱いに差異が生じ、混乱が多少生じることも懸念されます。この特例が円滑に運用されるよう、より具体的な取扱いについて、今後、都道府県にお示しいただくようお願いいたします。
 なお、1点、先ほどの議題に関連した補足でございますが、協定締結医療機関、各県でまだ対応をということでありますが、各県とも現在、医療計画と予防計画の策定ということが佳境に入っているような状況にありまして、本県においてもそちらの取りまとめということで、個別の医療機関との詳細な協議というのが途上になっているという状況もありますので、その点、御承知おきいただければ幸いです。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、島崎委員、お願いいたします。
○島崎委員 この規制改革会議との交渉というか、進め方については、いろいろ思うところがありますが、ここではそれ以上申し上げないことにいたします。その上で申し上げると、今般の取扱いは、通知でいろいろなことを実質的に規制、レギュレートしているわけですけれども、一度、どこまでが本当に通知でできるのかということについては、考えるべきなのではないかなと思います。
 医療法では、もともと病院と診療所が診療を行う場所であったわけですけれども、在宅医療の推進が求められていく中で、居宅も療養の場所として認めたわけですね。これは、ご存知のとおり医療法の法改正によって行ったわけです。今回、見ていると、例えば通所介護事業所の場合はどうなのかということについて、居宅等の解釈問題として議論しているわけですけれども、医療の提供形態がオンラインに変わっているのですから、正直に言えば、かなり無理をしている感が否めないですね。
 それから、もう一つ申し上げると、オンライン診療に関して言うと、それを何によってレギュレートしているか、規制しているかというと、オンライン診療に関するガイドラインなわけです。ガイドラインはしょせんガイドラインなので、法律上の根拠まできっちりしておくことが必要な時期にもう差しかかっているのではないかという気がします。その際には、私がかねてから申し上げているように、オンライン診療のガイドラインは、医師法の20条の無診察診療の禁止との関係で、オンライン診療と対面診療が同等か否かという観点から議論されてきた経緯等もあって、遠隔画像診断など遠隔診療全般の規制としてはカバーしている範囲がちょっと狭いということが否めません。
 というようなことも含めて、今回の議論を1つの契機として、すぐにというわけにはなかなかまいらないことは十分承知していますけれども、オンライン診療ないしは遠隔医療に関して、どういう規制の在り方が適切なのか、法律改正も含めて一度議論すべき時期に差しかかっていると思います。
 私からは以上です。○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 では、城守委員、お待たせしました。お願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
 医師の非常駐の診療所に関しての要件等は、特に今回発出されるQ&A等において、一定の仕分けというか、明確化はされていると思いますが、この文書にも記載があるように、結果、オンライン診療が適切に行われているのかどうかを検証する必要があるということで、事後検証も含めてという記載が今回の2ページの下のほうにあったと思います。
 先ほど遠藤部会長のほうから、保険と医政でどういう連携をするのかという御指摘もございましたが、保険のほうでは、オンライン診療に関しての適切な審議・運用がなされているのかも含めて、これは改定の検証部会とか、またはレセプト等によってチェックされると思うのですけれども、医政のほうでガイドラインを適切に遵守しているのかどうかということに関しての検証というのは、恐らく基本は71報告かなとも思うわけですが、医政局としては、71報告に現状、どういう形でそれを調べようとしているのか、また71報告以外にも何か調査をかけることを考えておられるのかどうか、その辺り、お教えいただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 では、事務局、お願いいたします。
○総務課長 御指摘ありがとうございます。
 オンライン診療が適切に行われるための実態把握の必要性については、我々も同じく大変重要な課題だと理解してございます。今、委員御指摘がありましたように、診療報酬での取組、あるいは71報告の診療報酬の施設基準での把握状況、そういったものも当然我々の検討の際には参考になるかと思いますので、そういった情報を共有しつつ、また、今回の通知あるいはQ&Aでも実態把握をするということも都道府県にお願いしたり、あるいはデイサービスで実施される場合には、今後調査する可能性があるということもお示ししております。
 ですので、先ほど山口委員からも、実態把握については報告してもらいたいという御要望もいただいておりますので、ここは我々としてもしっかりと把握に努めて、今後、医療部会でも御報告できるように努めていきたいと思ってございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 城守委員、いかがでしょう。
○城守委員 ありがとうございます。
 しっかりと事後検証することによって、先ほど島崎委員がおっしゃっていたように、このオンライン診療を見直すきっかけに恐らくなるだろうと思いますので、ここは非常に重要なポイントだろうと思います。ですので、その検証の方法とかに関しては医政局でもしっかりと考えていただいて、保険局と連携していただいて施行をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 泉委員、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
 最後、確認なのですけれども、居宅とか公民館というところまで広がるということで、患者さんの利便性は上がるわけですけれども、そこからいろいろな急変とかということもあり得るので、診療情報提供書をしっかり作成できるということをちゃんと確認しておくということを、ぜひ盛り込んで強調していただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、本件につきましては以上とさせていただきます。
 続きまして、「令和6年度予算案・税制改正について」、こちらも報告事項ですけれども、事務局から説明をお願いします。
○総務課長 ありがとうございます。医政局総務課長でございます。
 資料3に沿って御説明したいと思います。
 まず、予算ですけれども、1ページに医政局の令和6年度予算案の概要ということを整理してございます。右肩にありますように、局全体では予算案1803億円ということで、昨年度1785.9億円とほぼ同水準の予算を確保したいと思っているところでございます。
 具体的な柱立ては、その下にありますように、従来からと大きく変わっておりませんけれども、まず、1つ目の柱といたしまして、医療提供体制の整備・強化ということであります。その中核となりますのは、地域医療構想の実現に向けた取組の推進ということで、地域医療介護総合確保基金733億円といったものも昨年度とほぼ同水準のものを確保してございます。
 また、この三角形の左下・右下にございますような医師偏在対策、また医師の働き方改革の推進といったものについても、昨年度と同水準の予算額を計上しているところでございます。加えて、右側の働き方改革の囲みの中に補正予算というものもございますけれども、例えば看護補助者の処遇改善事業49.4億円といったものも補正予算で今年度確保して、当初予算と併せて推進していきたいと思ってございます。
 また、医療計画等に基づく医療体制の推進ということで、こちらも561億円、昨年度とほぼ同水準を確保してございますけれども、かかりつけ医機能の発揮、また災害/救急/小児・周産期、へき地医療、ドクターヘリ、在宅医療といった政策医療についての推進のための予算を確保しているところでございます。
 その下、感染症の対応ということで、こちらは昨年度よりも大きく増額して40億円を確保してございます。医療機関の情報システム(G-MIS)の改修後の運営経費とか個人防護服の備蓄といった費用を計上しているところであすます。加えて、先ほど議題1の中でも御議論いただきましたけれども、新興感染症対応力強化事業という形で、補正予算でも148億円の予算を計上し、今後の協定締結に向けた準備を進めていきたいと思ってございます。
 また、右側、2番目の柱になりますけれども、医薬品等の創出力強化・安定供給などの取組でございますけれども、まず、創薬力の強化と安定供給に向けた取組ということでは9.9億円、医療系ベンチャーの育成支援事業などの予算を確保してございます。
 また、研究開発につきましても、クリニカル・イノベーション・ネットワーク構想の推進など、加えて、補正予算でもがんゲノムのための費用、予算として43億円というものも計上してございます。
 医療の国際展開などについては、実績に併せて少し減額した部分もありますけれども、きちんと推進できるような予算を計上しているところでございます。
 3番目の柱、医療DXの推進につきましても、昨年度と同様、16億円の予算を計上しておりますが、特にこちらは補正予算の中で、例えば医療機関におけるサイバーセキュリティ確保事業36億円、また電子カルテの共有のための全国医療情報プラットフォーム開発事業として68.7億円といった、初期の投資に係る費用について補正予算でしっかりと確保しているところでございます。
 その他、各種事業についても、昨年度とほぼ同水準のものを確保しているところでございます。
 予算の詳細については、その次のページからを、また改めて御覧いただければと思います。
 続きまして、税制改正ですけれども、ページ飛んでいただきまして、29ページでございます。令和6年度の要望していた税制改正事項の一覧がこちらになりますが、上から、地域医療構想の実現に向けた優遇措置ということで、不動産取得税軽減の期間を2年間延長するということも認めていただいてございます。
 また、社会医療法人として認める要件につきまして、医療法の改正により救急医療等確保事業に感染症の対応というものが追加されましたので、これを受けまして新たな基準を設定するということも認められてございます。
 3つ目が、厚生連、JAの医療機関につきまして、法人税の非課税措置の要件の見直しをしてございます。具体的には、有償病床の割合が療担規則の告示よりも厳しく設定されておりましたけれども、これを30%以下から50%以下というところに拡大してございます。先ほどの議題1の議論の中でも、感染症の対応の中で個室というものが非常に重要ということもありましたけれども、そういった感染症対応の必要性も踏まえて見直したものでございます。
 次も、先ほど議題1の中で議論になりました感染症法の流行初期医療確保措置についての取扱いでございます。こちらは社会保険診療による収入の代替ということで財政支援するスキームでございますので、社会保険診療と同様に所得計算の特例などを明確化してございますし、事業税を非課税とするといった措置も講ずることが認められてございます。
 そのほか、国家資格の職権登録の登録免許税の非課税措置、あるいは社会保険診療に係る事業税の非課税措置といったものも認められておりますし、また、他省庁との共同の要望内容でございますけれども、知的財産から生じる所得に係る優遇措置ということで、イノベーションボックス税制と呼んでおりますが、創薬などで研究開発を行った特許権の譲渡から生じた所得について、30%の所得控除を認める制度といったものが認められてございます。
 以上が今年度要望したものについての結果でございますが、一番最後のページ、38ページを御覧いただければと思います。これは当初、夏の段階の要望には入れておりませんでしたが、診療報酬改定の中で、看護職員処遇改善評価料などが設けられました。こういったものをより賃上げにつなげるという意味で、政府全体、賃上げ税制がございますけれども、構造的な賃上げ実現のために、給与などの支給額が増加した場合に税額控除するという仕組みがあります。
 基本的には、補助金などを頂いて賃上げをした部分というのは対象にならないというのが基本ルールでありますが、今回、看護職員処遇改善評価料、介護職員処遇改善加算といったものについては、こういった加算を基に賃上げした分も、この賃上げ税制の優遇の対象にするといった整理も認められているところでございますので、併せて御紹介させていただきます。
 説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、何か御意見、御質問等ございますか。
 井上委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございました。
 これは医政局に対する意見ということではないのですけれども、資料の1ページに来年度予算案の概要がございますけれども、御説明にもありましたとおり、例えば、DXの推進でありますとかサイバーセキュリティでありますとか、本来、こういうものは補正ではなく、本予算でしっかりと中長期的な観点を見据えて実施すべき事項だと思います。今年は、ちょうど経済財政計画の期限を迎えて、新しい財政目標とか歳出の目安の在り方を議論する年になっております。ぜひこういった中長期的な視点のものについて、補正予算というのは、コロナや震災など、異常な時に措置すべきものでございますので、ぜひ中長期的な視点で予算が措置されるような声をぜひ上げていっていただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御提案として承りました。
 続きまして、都竹委員、どうぞ。
○都竹委員 ありがとうございます。
 令和6年度の当初予算ではないのですが、3ページに令和5年度の補正予算についての記述がございますが、その中に重点支援交付金のことが書いてございます。内閣府の予算という形なので数字が入っていないのですが、これについては、医療機関に対して物価高騰への支援として活用するということがあったわけです。来年度、令和6年度、理論的には診療報酬改定の中で配慮されることになるはずなのですが、実際にどの程度カバーされてくるのかということについては、不透明な状況だと認識しております。少なくとも、4月、5月分というのはカバーされないということになってくる。そういったことがあって、私どもの知っている医療機関の中でも大変不安視する声が出ておるわけでございます。
 したがって、政府において、今後の物価高騰等に対してどういう支援をしていくのかということは、これからの議論であろうと思いますけれども、医療機関の経営を取り巻く中で、光熱費とか、いろいろな物価の高騰というのは非常に重大な影響を及ぼす問題でありますので、診療報酬でどの程度カバーされるのかということをよく見極めていただいて、6年度の中でそういったカバーがなかなか難しいということが見えてくれば、速やかに対応できるようなことを、厚生労働省としてもきちんと政府の中で主張していただいて措置されるように、検討あるいはそういった準備をお願いしたいということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御主張として承りました。ありがとうございます。
 それでは、城守委員、お願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
 2点要望したいと思います。
 まず、1点目は、1ページ目の全体表の医療DXの推進のところですけれども、特にこれから医療機関が様々な外部の機関とオープンになっていくわけですので、そういう意味においては、サイバーセキュリティの対策というのが非常に重要になってくるということです。今回、この予算を見ていると、主に調査を対象とした事業の予算のようにも見えますが、実際にサイバー攻撃に遭われた医療機関というのはかなり大きなダメージを受けるということもございますので、特に初期の対応等に対しての支援の予算というものを何とかお願いできないかなということが1点でございます。
 もう一点は、働き方改革でございますが、特に働き方改革に関しては、この4月以降、各医療機関が現実にいろいろな問題に直面してこられるということが想定されます。その中において、各医療機関を支援するという意味においては、各都道府県の勤務環境改善支援センターの支援というものが極めて重要になってくるのであろうと思われるわけですが、現在、既存の勤改センターの役割もございます。それに加えて、今後、多くの医療機関に対して、この勤改センターから支援していただくということになりますと、現在の人員体制ではやや心もとないなというところもあろうと思いますので、これは医政局だけではなくて、労働局のほうの予算も関係していると思いますけれども、ここはしっかりと増額していただいて、人員体制も含めた体制整備の強化をお願いしたいと思います。
 以上2点、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。サイバーセキュリティの問題と勤改センターの充実についての御要望でありました。ありがとうございました。
 それでは、泉委員、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
 今、城守委員がおっしゃったこととちょっと似ているのですが、特に、コロナ後に、最近非常に目立つのですけれども、医師の働き方改革と相まって、医師の人材流出というのがかなり顕著になっている。他産業もあるのですけれども、自費診療を志す医師がかなり増えてしまって、本当に命に関わるところに携わる医師のモチベーションが下がっている。働き方改革によって賃金が低下するという懸念もあるということで、医師の確保がかなり困難になってきているということを非常に感じているところです。賃金が医師の働き方改革で下がってしまうということが懸念されますので、処遇改善が十分できるようなことをしておかないと人材確保ができないという懸念が今、出てきているかなと思っています。
 特に、労働形態が非常に不規則で、しょっちゅう呼出しがあるとか、人の命に関わることをやっている医師のところの人材確保が非常に困難になっていると思います。先ほどの感染症対策で、そういう人の命に関わるところの医師の確保は絶対必要ですので、確保しておかないと、処遇改善しておかないと、病院として機能が成り立たないという心配がありますので、ここはちょっと考慮いただきたいと考えております。
 それから、医療従事者の勤務改善・労働環境改善で、看護師とか薬剤師の確保が非常に必要なわけですけれども、これも人材確保がなかなか困難になってきているということでございます。特に、看護師とか薬剤師は夜勤があって不規則な勤務体系になっているところは、人材流出するというリスクが非常に高くなってきているわけでありまして、今、看護師の確保が困難だという病院がかなり出てきているということでございます。処遇改善はきちんとやっておかないと、先ほどの感染症の対応なんかができなくなるということと、医療従事者の勤務環境改善ということをきちんとやらなければいけないので、ここもぜひ御考慮いただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。医療者の待遇改善についての御意見、御要望でございました。
 ほかに何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、本件についてもこれまでとさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に「その他」でございますけれども、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○職業安定局需給調整事業課長 職業安定局の需給調整事業課長の中嶋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、医療・介護・保育の分野におけます職業紹介事業につきまして、現在の取組などを御説明させていただきたいと存じます。これらの分野におきましては、配置基準との関係などもあって、人材充足への切実なニーズがあり、そうした中で、様々なルートで人員確保というものが図られていると承知しております。そうした中で、民間職業紹介事業者を利用する場合の紹介手数料、特に、人材が早期離職してしまう場合の負担の声ということをよく承知してございます。私ども、本件につきましては、非常に大切なエッセンシャルワークにおける人材確保という、これは極めて重要な課題だと認識しております。そして、各分野を所管しております省内の部局と連携しながら対応しているところでございます。
 職業安定局におきましては、労働力の需給調整という役割を担っておりますので、私どものほうでは官民の職業紹介の機能を強化するというアプローチで本件に取り組んでいるところでございます。具体のところを、資料を使いまして説明させていただきたいと存じます。
 まず、2ページに、経緯・これまでの対応をまとめてございます。
 最初の○にありますように、平成29年、2017年の段階では、手数料の情報開示の義務づけをしましたほか、早期離職の場合に手数料の一部を返還するような返戻金制度を推奨していくということ。それから、就職後2年間の転職勧奨禁止などを開始したところでございます。
 その後、2つ目の○にありますように、転職勧奨につながるような就職お祝い金も禁止したところであります。
 併せて、3つ目の○になりますけれども、丁寧なマッチングを行っている職業紹介事業者を認定する取組も、令和3年度ですので、2021年度から開始しております。この認定基準を策定する際には、各分野の関係団体の皆様に参加いただいた協議会におきまして検討を進め、認定基準が策定されたところでございます。
 このほか、4○目、5○目は国のほうの取組でありますが、まず、都道府県労働局におきましては、法令違反の疑いのある事案に対処するための特別相談窓口を設置いたしました。また、ハローワークでありますが、人材充足を重点的に支援する人材確保対策コーナーの拡充などに努めてまいりました。
 このような対応に数年来、取り組んできた上で、今年度はこれらの取組の強化とか新たな取組に進んでおりますので、その内容を次の3ページで説明させていただきたいと存じます。こちら、大きく4つの柱でスライドを整理いたしました。
 1として、法令に違反する事業者への厳正な対応であります。これは先ほど申し上げました特別相談窓口について、より幅広く周知・浸透させていくということがありますが、加えまして、2つ目のポツにありますように、今年度は有料職業紹介事業者に対する集中的な指導監督を実施しております。紹介事業者につきましては、先ほども申し上げましたような手数料の開示義務がございますし、また、お祝い金の提供禁止も行っております。そのほかにも、サービスの内容の明示とか、あるいは苦情があれば、それに適切に対応するための体制整備等々、法令や指針で義務づけている内容がございますので、それらが遵守されているのかということを調査して、指導監督を実施していくというものであります。これを現在、精力的に進めているところでございます。
 続いて、2ですが、有料職業紹介事業の更なる透明化の取組であります。これは手数料や離職率につきましてデータの公表を進めていくというものであります。
 まず、1つ目のポツでありますが、職業安定局におきましては、毎年度、紹介事業者から就職の件数とか手数料収入などを含みます事業報告を受けております。ですので、それをベースにいたしまして、職種別の実績としまして手数料の平均値とか分布といったものを地域別に整理したものを公表いたしました。いわば、これが職種別・地域別での見える化ということになります。
 また、2つ目のポツですが、各事業者にも紹介した人材の定着状況が分かるように、離職者数の開示を既に求めておりますが、それの徹底とか掲載期間の拡大といった措置も今年度講じたところでございます。こちらが各事業者レベルでの見える化と言えるかと思います。
 続く3番目であります。優良な紹介事業者の選択円滑化といたしました。さきに述べました適正事業者認定制度の強化・推進であります。具体的には、認定基準の強化といたしまして、早期離職の場合の返戻金制度につきまして、6か月以内の離職に対する制度を有することを求めるという、内容の見直しを進めているところでございます。
 最後、4番は、ハローワークの機能強化であります。当然ながら、ここは無料の職業紹介機能でございます。ここの部分では、求職者の裾野を拡大するような取組、例えば説明会のようなものを関係団体の協力を得ながら進めておるところでありますし、それから、マッチングの工夫。例えば、ハローワークの職員が職場見学会に同行する。そういうことで、求職者に施設のことをよく知ってもらった上で面接につなげていく。ツアー型の面接会と呼んでおりますが、こういったものも行っております。もろもろ工夫を凝らしまして、丁寧なすり合わせを行うことでミスマッチをなくしていく。そして、定着促進にもつなげていくというやり方でございます。
 申し上げましたような様々な取組を通じまして、職業安定局におきましては、各分野の所管部局と連携しながら官民の職業紹介機能を強化しまして、人材の充足・定着支援に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見、御質問等あれば承りたいと思います。
 加納委員、どうぞ。その次、佐保委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 有料職業紹介所に対して、このような形で展開していただいていること、感謝申し上げたいと思います。我々、今、看護師さんを紹介してもらうと、1人100万円近い紹介手数料を取られております。そういう意味では、ぜひとも今後もこういった事業に対する指導をお願いしたいと思うのですが、ちょっとお聞きしたいのは、この職業紹介事業に対しまして、今回はナースセンターに関して一言も書かれていないのは何か意味があるのでしょうか。もう事業をやめられるのでしょうか。
 我々も実質的にナースセンターからの紹介、これは実は先ほどの手数料がほとんどかからない、つまり我々病院側にとりまして一番ありがたいシステムで、ぜひとも頑張っていただきたいかなと思っているのです。活動が我々にとりましては不十分ではないかということでは、先程最後のハローワークの機能強化という形で書いてあるのですが、ナースセンターがなくなっているので、もうやめられるのかなという感じでおります。ただ、先ほどの予算を見ますと、14ページには、職業紹介を実施するためのナースセンター・コンピュータ・システムの改修等に数千万円とか書いてあるわけなので、多分、予算としてはちゃんと組まれて活動されていると思うのですけれども、何か意味があるのでしょうか。そこは教えていただけたらと思います。
○遠藤部会長 では、事務局、コメントをお願いします。
○職業安定局需給調整事業課長 失礼いたしました。
 ナースセンターにおきましては、もちろん単体でも無料の職業紹介機能でしっかりとした役割を果たしていただいていると思っておりますけれども、加えまして、先ほど私、申し上げましたハローワークの機能強化というところにも大変重要な尽力と連携をいただいているところでございます。ハローワークに来る求職者の中には、看護師の資格を持っているのだけれども、離職してから少したつために復職に不安を抱えておられるような方もおられますので、そうした求職者からの相談に応じるために、ナースセンターからハローワークに来ていただいて、現在の職場環境とか働き方とか、離職している間にアップデートされた部分をインプットいただいたり、そういった丁寧な相談対応をいただいて復職まで導いていただくような重要な役割を果たしていただいております。引き続き、連携をよくしていきたいと存じます。
○遠藤部会長 加納委員、どうぞ。
○加納委員 そういうことであれば、ナースセンターが一番活動していただいて、我々に対して手数料のかからない看護師さんを紹介するシステムができるなら、我々にとって一番いいことですので、これは1丁目1番地にこの点を書いていただいて、今後の活動を強化していただくのが一番大事ではないかなと思いますので、また御議論いただければと思います。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、佐保委員、お待たせしました。
○佐保委員 ありがとうございます。
 資料4の3ページに書かれておりますような対応等については、労政審で議論されるものと認識しておりますが、労働者・事業者が安心して職業紹介事業を活用できるよう、法令違反に対しては厳正に御対応いただくとともに、手数料の透明性向上など、業界全体の底上げに向けて、引き続き、厚生労働省として御対応いただきたいと考えております。人材不足、早期離職といった課題に対しては、賃金などの労働条件の改善や職場環境の整備ということも重要でありますので、そうしたことを含めた御対応をお願いいたします。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、オンラインに移りまして、島崎委員、お願いいたします。
○島崎委員 以前この医療部会で、職業紹介について一度報告してほしいということを申し上げた立場から、幾つか意見あるいは質問させていただきたいのですけれども、この資料を拝見して、手数料を地域・職種ごとに公表しているということで公表サイトを見たのですけれども、確かに手数料は結構高いですね。なおかつ、先ほど加納委員もおっしゃったように地域別にも結構格差がある。
 それから、私がよく分からないのは、同じ地域かつ同じ職種でありながら、手数料のばらつきが相当あるのですけれども、これはどういうふうに理解すればよいのでしょうか。例えば、看護師の実際の手数料の分布を見ると、全国的には平均値が57万円なのですけれども、100万以上も結構あるのです。その一方で、数万円という手数料のところもあるのですけれども、これはどういうふうに考えればよろしいのでしょう。以上が質問の1つ目です。
 それから、質問の2つ目は、医師と看護と保育と介護という具合に分かれているのですけれども、医療現場では看護補助者の需給が非常に逼迫しているわけです。この手数料の分布では看護補助者については、別に分けて集計していないのかということです。
 まず、以上2つの質問についてお答えいただけますでしょうか。○遠藤部会長 事務局、お願いします。
○職業安定局需給調整事業課長 御質問いただいた点でありますけれども、確かに地域別に見て、似たような数字のところもあれば、大きな違いがあるところもあります。恐らく、これは地域における需給バランスとか、もしかするとハローワーク、民間、それぞれどれだけのプレゼンスを示しているかとか、そういったところも関係するのかなと思いながら、この資料の公表を今年度初めてやったという中で、まだ十分な分析はできていないという面もございます。
 いずれにしましても、これの使い方といたしましては、全国ベースで何%とか幾らというだけではなくて、自分の地域ではどうなのか、あるいは職種はどうなのかということを、まず、国においてはマクロの数値としてお示ししていく。その上で、事業者単位の見える化ということも併せ技で必要なのだろうと思っておりまして、国としてできるだけこういうデータをブレークダウンしていくということと併せまして、事業者のほうにも自らの手数料の情報とか、あるいは離職率もありますけれども、そういったものを開示していただくと。そういったことを通じまして、利用者の選択で、よりよい、よりパフォーマンスのいい紹介所というものが選別されていくようなことも、方向性としては念頭に置きながらやっているところでございます。
 そういった中で、見える化の取組については、これに限らず、どのような工夫ができるのかというのを引き続き検討していきたい、考えていきたいと思ってございます。
 それから、もう一ついただきましたのは補助者の部分でありますが、ここの部分、分けて取ったものがございません。恐縮です。
○遠藤部会長 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 なぜそんなことを申し上げているかというと、医療の現場では、看護師もそうなのですけれども、それ以上に看護補助者の確保に非常に困っており、しかも、求人しようにも、つてもなかなかないので職業紹介所に頼る病院が多いのが実態だと思います。看護補助者が不足しているので、診療報酬上もいろいろ加算をつけたり補助金を出したりしているのですけれども、言葉が少し不適切かもしれないですが、業者と交渉していると足元を見られてしまう。例えば、診療報酬の加算がついているから、このくらいの手数料を払えるのではないか、といったことを交渉の中で言われるのが実状としてあるのです。つまり、簡単に言えば、せっかく診療報酬や補助金をつけても、紹介手数料でかなり減殺されてしまっているという実態があります。
 今回、全体的な手数料の公表というのも第一弾なのかもしれないですけれども、先ほど課長がおっしゃったように、ぜひこれを1つの手がかりとして、いろいろな分析をする必要があるのではないかと思います。これは民間事業の締め付けということではなくて、需給調整を、適切に市場メカニズムを生かしながら、きちんとそういう役割を果たさせていくという意味で非常に重要だと思います。
 それから、先ほど加納委員もおっしゃったように、いろいろな事情で、ハローワークとかナースセンターが、率直に言うと必ずしも十分機能していないところがあり、これは反省すべき点がいろいろあるのだろうと思います。そこは虚心坦懐にいろいろな批判を受け止めて、ぜひきちんと機能するようしていただきたい。これは、必ずしも民間の有料職業紹介所を排除するという意味ではありませんけれども、医療人材の適切な需給の調整が行われることを期待したいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました。神野委員、よろしくお願いします。
○神野委員 ありがとうございます。
 この紹介料等も、多くの病院にとっては診療報酬から出ているわけであります。そういった意味では、診療報酬の使い道として、こういうところにお金が流れていくというのは本当にいかがなものかと思ってしまうわけです。一方、今、市場メカニズムの話ですけれども、需要と供給で、どうしても今、人材が欲しいところは高くても払うし、それから、それなりに満ちているところは高ければ払わないというような、その辺の需給関係で、この値段というのは決まっているのだろうなと。
 これは何も医療の中だけじゃなくて、例えば、今、九州方面で医療と半導体工場との従事者の取り合いとか、そういうところでも同じような構図が出てくるのかなというふうに思います。まさに先ほど島崎委員がおっしゃったように、喉から手が出ているところは、足元を見られて高いお金を出すしかないという構造があるのかなと思います。
 私、労働法制、全然詳しくなくて、教えていただきたいのですけれども、こういった有料職業紹介所に対する規制といいますか、あるいはこんなに取られた、これ、おかしくないかという申し出をするような仕組みというのはあるのですねという確認です。もしあるならば、そういったことをきちんと出していただいて、私たちが言いつけるような制度があればうれしいなと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局、お答えください。
○職業安定局需給調整事業課長 ありがとうございます。
 重要な御指摘をいただいたと受け止めております。その中で、島崎委員からも御指摘ありましたけれども、例えば、看護助手につきましては、ハローワークが比較的強い分野でもありますので、そういうところの機能強化ということが考えられるわけですし、また、今日のやり取りの中で見える化の重要性について御指摘もいただいております。これはまさに労政審にも先日、報告させていただいて、非常に重要な問題だということで様々な観点から議論いただいたわけですけれども、佐保委員からも御指摘ありましたように、これはいろいろなことの併せ技で対処していく課題だと思っておりますので、申し述べたような観点をもう少し延長するようなことも、今やっている取組の成果と課題を踏まえながら考えていくべき課題だろうと思っております。
 そうした中で、最後の労働法制の関わりで、相談なり、あるいは指摘を持ち込むようなところがどこかあるのかというような御指摘でありました。これは例えば事業者レベルにおきましても、苦情相談の窓口をつくるということを1つ義務づけております。これは手数料の明示をしっかり受けなかったとか、明示義務は課しておりますので、それにもかかわらず明示されなかったというようなトラブルについては、まずは紹介事業者のほうに申し立てるような窓口というのはあるわけでございます。
 その上で、労働局におきましても、そういった労働の法令に基づく、法令上も幾つか課している義務がありますので、そういうことの関わりで問題があるときには案件を持ち込んでいただいて、それに対処していく。それが本日の報告の中でも触れました特別相談窓口でありまして、こういったところで個別の事案に対処していくわけですけれども、決して待っているだけということでは我々もございませんで、それに続く取組として集中的な指導監督、これは能動的に事業者のほうに接していくということでありますので、こういった様々な段階で、法令の遵守とか、それを通じた適正なマッチング機能の発揮というものを担保していきたいと思ってございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 神野委員、いかがでしょう。
○神野委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 それでは、お待たせしました、松田委員、どうぞ。
○松田委員 この紹介業に関する問題点で、これまで各先生方が指摘されたことはもっともだと思います。それに加えて、もう一つ大きな課題は、質の担保がされていないということです。地方のいろいろな病院で、医師あるいは看護師を紹介業者から派遣していただいた。でも、実際にはほとんど何もできない医師だったり、看護師だったりするということが結構起こっていて、結局、今の仕組みだと、専門職を紹介するはずなのに、その質の評価の担保が全くされていない。1つは、これを何とかしないといけないのではないかと思います。
 かつての医局制度がよかったと言うつもりはあまりないですけれども、医局というのは、多分、この医者は派遣していい医者なのかどうかということの評価をする機能を持っていたわけですね。ところが、新臨床研修制度が始まって、医局機能が特に地方において低下してしまったわけですけれども、それと一緒に医師の質を保証する仕組みもなくなってしまった。これを何とかしないと駄目なのではないかと思います。
 もう一つ、看護助手の場合には、そもそも制度上の国家資格ではないわけです。ですから、簡単にほかの職業に、賃金がよければ変わっていってしまう。でも、そういう人の中にかなりいろいろな技能を持っている方がいらっしゃるわけで、医療保険と介護保険という枠組みの中で、相互にその資格が、特に介護福祉士の資格を持っていても、病院の中ではそれとして処遇されないということが一般に起こってしまっているわけです。これまでのいきさつはあると思うのですけれども、有資格者を有資格者として評価するということをやらないと駄目なのではないかなと思っています。
 その上で、看護助手全般に関しても、病院内で非常に大切な仕事をされるわけですので、何らかの形での法的な資格というものも考えていくべきではないかと思います。資格というのは賃金に連動しますので、病院で必要な職員を確保するためには、そういうソフト面でのことも考えていかないといけないのではないかと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。森内参考人、お願いいたします。
○森内参考人 日本看護協会の森内でございます。
 今、ナースセンターへの御意見、御質問等がございましたので、コメントをさせていただきます。
 まず、ナースセンターの看護職員の人材紹介の実績でございます。2021年度の実績ですけれども、全国で2万1660人の就業を実現しています。参考までにですが、同時期のハローワークでは全国で4万5185人、そして有料職業紹介事業者は7万1696人の就業者数となっています。
 ナースセンターとしましては、看護の専門的知識を有することや、地域の情報を把握していることが大変強みですので、看護職の就業支援はもちろんのこと、丁寧なキャリア相談や復職支援等も実施して、量的な確保に加えて質の向上の両方に取り組むことで、定着促進にも努めてまいります。
 また、今後、看護補助者の確保につきましても取り組んでまいりますので、ハローワーク等と連携を強化して、より多くの就業に結び付けられるよう尽力してまいります。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 御意見は大体承りましたか。ほかに何かあれば。よろしゅうございますか。
 それでは、本日の議題は以上でございますので、本日はこれぐらいにさせていただければと思います。
 事務局から何かありますか。
○医療政策企画官 ありがとうございました。
 次回の医療部会につきましては、決まり次第、御連絡させていただきます。
○遠藤部会長 それでは、本日の会議はこれまでとさせていただきたいと思います。
 本日は、大変お忙しい中、長時間、活発な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

(了)

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